森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

ハワイの毒の神

2020年08月13日 | 神話・伝説


日本でも八百万(やおよろず)の神々がいらっしゃるように、ハワイにも様々な神がいらっしゃいます。

中でも恐れられていたのが、カライパホアという毒の神。遠い昔、同じ名の木に毒の神のスピリットがのり移ったとか。その結果、その木は、木の上を飛ぶ鳥は死に、枝の落ちた泉の水を飲んだ人々は死ぬというほどの、強力な毒のパワーを持つ木になったという伝説があります。

その木で作った毒の神の像は恐れられ、丁重に扱われ…。毒の神を守るカフナもそれは恐れられたとされます。なぜなら、ある種のカフナは人を呪い殺すと信じられていて、毒の神の像を守るカフナは、呪うだけではなく必要に応じて神像を少しづつ削り、敵のポイやバナナに混ぜた…とされるからです。ハワイの歴史上、何体ものカライパホアの像があったことがわかっています。

もっとも、それらは本当に毒を持つ木から作られたものではないよう。ですが王族たちは、パワフルな呪いの神でもある毒の神の像を手元に置きたがったようなのです。カメハメハ大王については、本物の毒の木で作られた上記の神像を手に入れようとしたそうですが…。

先日、ビショップ博物館にそんな毒の像のセクションがあるのを見つけ、ビックリ! 拙~い写真ですが、それが冒頭の写真でございます。左側の像には人間の髪が使われていて、右側はカラカウア王が所蔵した毒の神ですって。以下のものも含め、計3体が展示されていました(ああ、なぜか横向きになってしまいます! ゴメンナサ~イ)



それがいったい、何の木でできているかはよくわからかったのですが…。見た目も恐ろしい神像、いつかぜひ見学してみてくださいね。
コメント (2)
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