私がホノルルでのんびりしている間に、ハワイ島はトンデモナイ事態になっています。世界一活発な火山、キラウエアの溶岩流出がさらに活発化していて、プナ地区のある集落にグッと接近しているのです。
今回の溶岩流出は6月27日に始まっていて、早や2ヶ月余り。今や30世帯が暮らすカオヘ・ホームステッド地区に間近に迫っており、今週にも、住居群に到達するのではないかと言われています。
昨日の新聞によれば、溶岩は1日に200メートル前後、この集落に近づいていますが、州からの避難命令はまだ出ていません。噴火によるガスの注意報が金曜日に出たようなのですが、一帯の住民には避難の気配はありません。
過去31年の間に、火山周辺で300軒以上の家が燃えたとのことですが、どうも火山周辺に住む人々達は、「それも女神ペレの思し召し」と捉えているよう…。何がどうなっても、自分達はペレの領域に住んでいるのだから、と、火山の脅威を受け入れているのでした。
同じ新聞中で、あるハワイアンの言葉が紹介されていました。それが、火山の島ハワイ島に暮らす人々の心情を代弁しているかのようだったので、紹介しますね。なぜこの自然の脅威を知り尽くしていながら、火山地帯に住むかと聞かれたハワイアンは答えたそうです。
「ハワイアンはペレのやり方を受容しているってことだ。ペレは(大地を)与え、ペレは(人間の造ったものを)取りあげる。ペレの住居に住むなら、ただそれを受け入れるだけさ」
火山の島に住むことによる宿命を、住民はこのように受け入れているのでした。それがハワイアンに限らず…。
そういえばハワイ島の人々は、ペレのことを女神ペレ、とはあまり呼びませんね。マダム・ペレとか、トゥトゥ・ペレとかって形容します(トゥトゥとはおばあちゃん。親愛をこめた言い方です)。
ペレとの愛憎関係、ではなく共存関係は、こうして火山の島ハワイ島で、何百年も続いてきたのですもの。今さら溶岩が迫ってきたって動じない、それが何だ、ということなのでしょうか。それでもやはり、溶岩が集落を覆いつくさないことを祈ります!