森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

「ハワイカルチャーさんぽ」裏話2

2024年05月18日 | ハワイアナ


昨日の話の続きです…。「あれ、なぜ新刊にこのスポットが入っていないの?」の第2弾。

書籍に入れたかったけれど断念したスポットに、モアナルアガーデンがあります。そう、「この木、なんの木、気になる木~♪」のあそこですね。

日立のコマーシャルで超有名になったモアナルアガーデンは、実はカメハメハ5世絡みの歴史スポット。5世はここに別荘を持っていて、別荘は今なお残っております。



…ご存知のように、パンデミック以降、長い間閉園されていたモアナルアガーデン。ただ本ではぜひ紹介したいと思っていたので、開園のタイミングにつき管理事務所と何度も連絡を取りあっていました。そしていよいよ開園した時の嬉しさと言ったら! 

ところがその段階でモンキーポッドの木の写真を撮りたいと先方に告げたところ…急にシーン! そう、結局はお返事がなくて叶わなかったのです。そもそも開園のタイミングが書籍の進行スケジュールから見てギリギリだったため、残念ながら掲載は諦めることになりました。



ハワイでは、NOと明確に告げる代わりに返事が途絶えることって結構ありまして…。返事がなければ100%NGだとも限らないのですが、締め切りのある仕事では焦っちゃいますよね。私も焦りました(笑)。

そんなわけで、もし将来、改訂版?が出ることになったなら。ぜひこちらのスポットも入れたいなあ~と思っています。
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「ハワイカルチャーさんぽ」裏話

2024年05月17日 | ハワイアナ


話があっちこっち行ってしまいますが、今日は3月に出たばかりの新刊「ハワイカルチャーさんぽ」について。

こちら、すでにお話ししたようにオアフ島の史跡&神話の舞台を網羅しています。が、皆さんのなかには、’「あれ? あそこも、ココもないじゃな~い?」と思われた方もいたかもしれませんね。

というのも…載せるスポットについては熟慮したのですが、あえて外したスポットも多かったのです。それは…ひと言でいうとオドロオドロしい場所ですね。たとえば、ワイメアのプウオマフカ神殿とか、ワイアナエのカネアキ神殿、カネアナ洞窟などがそれ。

二つの神殿については…それが戦いの神クーを祀る神殿で、人身御供も多数、捧げられた神殿だから。そう、人がたくさん死んだところなんですよね。歴史深い場所ではありますが、私的に近づきたくない神殿で。

パワースポットとか呼ぶ人がいますが、トンデモナイ! そういうところにはネガティブな「気」も漂っていると思うし、実際にプウオマフカ神殿では、10年以上前ですが殺人事件もありましたっけ。

カネアナ洞窟は…何かに取り憑かれたと感じた友人がいました。別途、似た話を読んだこともあります。ハワイでは一般に(霊的な意味で)洞窟に入るな、という考えもあるので、カネアナ洞窟にもそんな理由で行ったことがないのです。

以上のような理由から、スポットのラインナップからあえて抜かしたところがあるというわけですー。

…本当はこんなことも書籍の後書きに書きたかったのですが、スペースの都合で割愛。代わりにこちらで説明させていただきました。新刊、どうぞご覧になってみてくださいね(ペコリ!)。
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カメハメハ5世とキング・カメハメハデー

2023年06月12日 | ハワイアナ


キング・カメハメハデーを含む3連休中のハワイ。天気もよくて、気持ちも上がっております!

一昨日金曜の夕方は、ダウンタウンのカメハメハ大王像にレイが捧げられ、昨日はパレードが。久々に見たカメハメハデーのパレード、なかなか見応えがありました! ハワイ外からも高校のブラスバンドが参加したりして、なかなか賑やかなパレードでした。

毎年、カメハメハ大王役とその側近、戦士たちが選ばれてパレードに登場しますが、今年のカメハメハ&軍団も皆、きりりと引き締まった肉体を持つ勇ましいハワイアンたちでした。そのうちの一人の背中に…アメリカ・インディアンの横顔のタトウーが大きく彫られていたのは、少し残念ではありますが(苦笑)。本人も「チッ!」と思ったに違いアリマセン。





さてこのカメハメハデー(6月11日)は、カメハメハ5世時代の1971年に定められた祝日ですね。ハワイ王国が崩壊後もハワイ共和国の祝日と制定され、ハワイがアメリカの一部となった今も、州の祝日と定められています。

それにしても、なぜ6月11日がその祝日と定められているのでしょうか? …ハワイ州のウェブサイトによると、当初は12月11日(カメハメハ5世の誕生日)をカメハメハ5世の記念日とする話が出ていましたが、カメハメハ5世はそれを自身の祖父であるカメハメハ大王の記念日に変更したいと希望。12月11日から一番離した6月11日にその祝日を制定したそうです(嘘か誠か…とフと感じる話ではありますが、ハワイ州のサイトにそう出ているのでそのまま紹介します)。

実はカメハメハ5世は、私が好きな王族の一人でして…。在位は9年足らずと短かったせいか、あまり多くを語られることがない王様ですが、私的にカメハメハ5世について語りたいことはいろいろ。またの機会にお話ししたいと思います。



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ハワイ亡国の日

2023年01月18日 | ハワイアナ


今年も巡ってきました! 1月17日が…。そう、ハワイ亡国の日ですね。

1893年1月17日といえば、ハワイの歴史を学ぶ者として決して忘れられない日。ハワイにとって重要な悲しみの日です。昨日は例年通り、イオラニ宮殿庭がハワイ王国旗(現ハワイ州旗)で埋まり、たくさんの人々が王国と最後の女王、リリウオカラニを偲びました。





亡国の日の集まりに出かけたのは、かれこれ10回目? 20回目でしょうか? …毎年、この日の集会で感じるのは深い悲しみ。王国が倒された記憶はまだまだハワイで生々しく、まるで大切な人の命日に一族が集まって涙するがごとく、悲しみを再確認する日になっています。

特に昨日は非公式なステージで誰かがマイクで「We are not Americans! We are Hawaiians! Hawaiians!」と雄たけびを上げ、喝采を浴びていました。そして「1893」と描いたTシャツを着る人たちが多々。なかなかエモーショナルな1日となりました。



ちなみに、宮殿に集まる人々の多くは、約2.7キロ離れたヌウアヌの丘の王家の霊廟から行進してきた人々です。宮殿正面の入口では、詠唱しながら入る団体を、やはり詠唱で迎える人々がいて、その横には宮殿セキュリティのおじさまがしっかり控えていました(中には過激な行動に出る人もいますからね)。



後から知ったのですが、王家の霊廟からの行進を率いてきたチャンター(詠唱者)は、なんとクムフラ、フランク・ヒューエットさんだったそうです。ああ、その雄姿を拝見したかった! 

来年は、王家の霊廟から儀式に参加できたら、最高。毎年そう思いながら果たせない、ひ弱な私です…。


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「女王幽閉の間」に響いた歌声

2022年12月23日 | ハワイアナ


昨日はイオラニ宮殿でご奉仕でした(時々しか行けないのですが…汗)。

そこでお会いしたのが、ご存知、クウイポ・クムカヒさんです(写真)。ハワイを代表するハワイアンシンガーであり、クウイポさんを知らない人なんてハワイにいるの? というほどの著名人ですよね。

ハワイ文化の大御所でもあり、ワイキキのハイアット・リージェンシーのカルチャー・ディレクターでもあります。そんな関係から、クウイポさんは毎月第2&第4水曜日の9時~11時半まで、宮殿で美声を披露していらっしゃるのです。

昨日もガイドツアーが「女王幽閉の間」を訪れるたび、クウイポさんはリリウオカラニ女王がその部屋で作曲した歌を歌ってくださいました。まさに…鳥肌ものでした! 昨日、ツアーで宮殿を訪れた方々は、ものすご~くラッキーだったと思います。

…と、話がずいぶん飛んでしまいましたが、「女王幽閉の間」とはイオラニ宮殿2階東南の部屋です。ハワイ王国が倒れ、王座を追われてから2年後、リリウオカラニ女王はそこで一時、幽閉されていたことがあるのですよね。

その間、女王はハワイの創世記ともされる「クムリポ」をハワイ語から英語に訳したり、歌を書いたり。そのうちの一つが、「女王の祈り」という美しい賛美歌です。敬虔なキリスト教徒だった女王らしさが溢れる、それはそれは尊く悲しい歌で…。

ハワイ王国を倒した人々への恨みつらみを語るのではなく、逆に「どうぞ人々の罪に悪意を抱かず、赦したまえ。清めたまえ…」と神に乞う、なんともせつない名曲なのです。

そんな曲を「女王幽閉の間」で、クウイポさんが歌うのですもの。私をはじめ、聞いていた何人かがクスンクスンし始めたのも当然で。…きっと宮殿内の見えない存在も、クウイポさんの歌を聞いてそっと涙していたに違いありません。もしかしたらリリウオカラニ女王の御霊も…。

「クウイポさんという方は、歌うことで徳を積んでいらっしゃる」。そんなことをひしひしと感じたひとときとなりました。

なおクウイポさんは1月以降もスケジュールが許す限り、毎月第2&第4水曜日に宮殿で歌う予定とのこと(つまりいらっしゃらない時もあります)。多忙な方なので、巡り合えたらラッキー! もし宮殿を訪問する予定がある方は、第2&第4水曜の朝をオススメします。
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