で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1935回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
殺人カンフーを仕込まれたシャン・チーがその宿命と向き合うアクション・ファンタジー・アドベンチャー。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画での第25作にして、フェイズ4の第二弾。
(ドラマがどういうカウントになっているかは不明)
『アイアンマン』から名前が登場していた闇の組織<テン・リングス>の正体がついに明らかにされる。
主演は、中国系カナダ人俳優のシム・リウ。
共演は、オークワフィナ、ミシェル・ヨー、トニー・レオン。
監督は、『ショート・ターム』、『黒い司法 0%からの奇跡』のデスティン・ダニエル・クレットン。
物語。
ショーンは友人のケイティとホテルの駐車係と日々を平和に過ごしていた。
だが、彼の本名はシャン・チーで、その正体は犯罪組織を率いる父に幼い頃から殺人技を仕込まれていたカンフー・マスター。
父は、1000年前に魔法の武器であるテン・リングスを手に入れ、不老不死かつ最強の存在となり、闇の組織<テン・リングス>で世界を裏で操ってきた。
そんな父の元から逃げ、アメリカに来て、10年の月日が過ぎていた。
だが、その父の手がシャン・チーに迫る。
原作:スティーブ・エングルハート、ジム・スターリン『シャン・チー』
脚本: デイヴ・キャラハム、デスティン・ダニエル・クレットン、アンドリュー・ラナム
出演。
シム・リウ (ショーン/シュー・シャン・チー)
オークワフィナ (ケイティ・チェン)
チャン・モン (シュー・シャーリン)
トニー・レオン (シュー・ウェンウー / マンダリン/マスター・カーン)
ファラ・チェン (母のイン・リー)
ミシェル・ヨー (イン・ナン)
ロニー・チェン (ジャン・ジャン)
ツァイ・チン (ケイティのおばあちゃん)
フロリアン・ムンテアヌ (レイザー・フィスト)
アンディ・リー (デス・ディーラー)
ベン・キングズレー (トレヴァー・スラッタリー)
ベネディクト・ウォン (魔術師ウォン)
スタッフ。
製作:ケビン・ファイギ、ジョナサン・シュワルツ
製作総指揮:ルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、チャールズ・ニューワース
共同製作:デビッド・J・グラント
撮影:ウィリアム(ビル)・ポープ
プロダクションデザイン:スー・チャン、クリント・ウォレス
衣装:キム・バレット
編集:ナット・サンダース、エリザベット・ロナルズドッティル、ハリー・ユーン
音楽:ジョエル・P・ウェスト
音楽監修:デイブ・ジョーダン
視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント
ビジュアル開発監修:アンディ・パーク
スタント・コーディネイター・スーパーバイザー:ブラッド・アラン(ブラッドリー・ジェームズ・アラン)
ファイト・コーディネーター:アンディ・チェン、ギレルモ・グリスポ、ルージュンチャン
スタント・アクションデザイナー:クリストファー・クラーク・コーワン、マーク・ギンサー、ジョセフ・リー、ユン・リー
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を鑑賞。
現代アメリカ、殺人武術を仕込まれたシャン・チーが宿命と向き合う中華風アクション・ファンタジー・アドベンチャー。
MCU第26作。闇の組織<テン・リングス>の謎が明らかにされるが、基本、今作だけ見ても大丈夫な内容になっている。
関係性など面白いところもあるが、シナリオと演出はだいぶヌルイ。これが中華味だという認識なのか。ジャッキーのきちんとした監督作があまり当たらなかった悲劇を思い出す。(かといって、ちゃんとした映画も当たらないわけではない)
実は達人ネタや確執のある父と兄と妹とお得意の家族ドラマを複雑にして、そこにジェンダーを超えた友人とアップグレードされた要素もある。でも、武術ネタはかなり薄くなる。(これについては下記で)
前半までのアクションはまぁまぁよかったのに。後半は画はでかいけど、少々雑に。『スピード』×ジャッキーのアクションは好みです。全体の動きの優雅さはこのジャンルでは『グリーン・デスティー』を超えて目に麗しいほど。
シム・リウはまぁまぁ上手い。トニー・レオンは親子には全く見えないし、ほぼ主役。オークワフィナのアクションはまあまあ雑。チャン・モンは芝居がイマヒトツ。ミシェル・ヨーのとりあえず出しとけ感。ファラ・チェンはかなりいい。フロリアン・ムンテアヌはもっとできたよ。ベン・キングズレーは最高だけど。(ベン・キングズレーはインド系ミックス)
なんといっても武器としてのテン・リングスの魅力が出てないのがきつい。初の魔法の武器でのスーパーヒーロー化なのに。ある意味、最強なのに。個性が打ち出せてない。
MCU的には『ブラックパンサー』と『マイティ・ソー』の焼き直し感はぬぐえない。(『ブラックパンサー』の兄と妹と別れた恋人、最強の村、ビブラニウム、継承のドラマ、韓国でのカーチェイス、『マイティ・ソー』シリーズの家族ドラマ、母を亡くした兄と妹だし、長寿、魅力的な武器。ゲーム好き。信頼する女性の友人)
そこら辺からも、商品感を強く感じちまったよ。そこを超えて欲しかったけど。
でも、世間的には絶賛なんだから、あれでいいのか。中華風ヒーローで派手なアクションがあればいのか。幕の内弁当的な好きなものがちょいちょい入ってまとまっていたらいいってことなのかね。
期待値が高かったってことよね。大作でこのレベルでまとまってるのはなかなかのことなんだから。アジアのことを西洋で伝えるのは難しいものね。
けっして大味なばかりではないし、素材はいいので、続編で爆発する可能性はあるし、他のMCUの中での扱い次第では面白いキャラになりそう。完全にただの一般人のケイティの活躍の方が楽しみだったり。(『キャプテン・アメリカ』もルッソ兄弟で化けたし)
アジア系が存在感を増すといろいろ面白いことも起きそうだしね。
そこでドラゴンを補うのか!?の鏢作。
おまけ。
原題は、『SHANG-CHI AND THE LEGEND OF THE TEN RINGS』。
『シャン・チーとテン・リングスの伝説』。
2021年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:132分
映倫:G
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
デスティン・ダニエル・クレットンは日系の移民三世だそう。
武術のブラッド・アランはジャッキーチームの一人(『ゴージャス』でジャッキーと戦っています)で、今作が遺作の一つとなった。
もう一つ、スタント・コーディネーターを手がけた『キングスマン:ファースト・エージェント』の公開が控えている。
ややネタバレ。
テン・リングスは『アイアンマン』一作目から出てきていた名前で、偽マンダリンは『3』での重要キャラ。
デスティン・ダニエル・クレットンは、引用元に『カンフーハッスル』(腕輪はここからかしら)などの新旧のカンフー映画を挙げていたが、日本のアニメからも多く引用していて、マーベルへのプレゼンでは『ドラゴンボールZ』を使用したとのこと。劇中に「かめはめ波」もセリフで出てくる。
宮崎駿作品からの影響も大きく、あるキャラの造詣はかなり似ているが、それだけでなく、いくつかのシチュエーションからも感じられる。
アクションは、ジャッキー・チェン作品、アン・リーの『グリーン・デスティニー』、ユエン・ウーピン×ジェット・リーとミシェール・ヨーの『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限』、『イップマン』シリーズなどを参考にしたとも発言している。
撮影は、『マトリックス』シリーズ、サム・ライミ作品で知られる、カメラでコミックを描く撮影の代名詞ビル・ポープなので、『マトリックス』も当然引用されている。
現代映画評では、他の映像作品から、いかにうまく引用するかというのも評価の一基準となりつつある。
おいらが足りないと感じたところは、日本と西洋と『グリーン・デスティー』の評価の違いがあり、そこの間を調整したともいえるところなんだろうな。
つまり巧みなバランス感覚が成功している。
日本でも評価が高くなったのは、20年の間にこだわりが薄くなったからかもしれない。
ザ・ゴールデン・ダガーに、ウィドウズ(『ブラック・ウィドウ』のキャラ)のヘレンが出ています。
好みの台詞。
「それが本当ならいいのに」
「サーカスへようこそ」
マンダリンの短編クリップ。
All Hail The King - Marvel One Shot
https://www.dailymotion.com/video/x59nxfn
モーリスは〈渾沌(こんとん)〉という『中国神話』に出てくる、中国の架空の生き物。
ネタバレ。
ウェンウーは、目的が妻しかない、毒親でもある。実力を認めているし、母が求めるだろうからそばに置いておくぐらいの感じ。息子は息子として鍛えるけど。
息子への愛はあるが、娘への愛はない。
これ、シャン・チーも同じ道を歩んでいる。10年間、約束を破って逃げてるしね。
父と息子の関係だけに絞ったことで、そこがないがしろになっていることがおいらの乗り切れないところだったりする。
ただ、ウェンウーが主役だと見れば、悲劇(ある意味ハッピーエンド)として悪くない出来でもある。
物語は、ウェンウーとテン・リングスから始まる。
母を亡くしたが、自分には組織があるので息子に復讐を託す。(復讐の成功は知っているが、それで喪失の穴は埋められない)
そこを魔物によってつかれ、そそのかされ、母が生きていると思い込む。
ようやく、その謎解きに必要だから息子と娘を求める。
魔物の罠で母は生き返らず(悲劇)、壊れた自分を母の力を継承した息子が武器テン・リングスを継承し、自分を超える。で殺されることで救われる。組織テン・リングスも娘が継承する(ある意味ハッピーエンド)。
ついでに息子は自分のミスである魔物も倒してくれる(これは知らないけど)。
シャン・チーは罪から逃げていた男が向き合う話ではあるが、軸がない。
逃げていたのは、怖い父親、母の喪失、妹を見捨てたこと、復讐をしたことなのだが、これを告白できたこととで乗り越えてしまう。そりゃ、バトルものなので父に勝つことで克服するというアクションに置き換えているが、父の物語を生きたままで終わる(終わらない)。
シャンチーはリミッター外せて、強い力を得たものの、さらに逃げられないものの中に入っただけよね。宿命との戦いという意味では続いていく物語ではあるが。
ケイティとの友情は新しい要素なので、うまくつなげて欲しいものだ。
この兄と妹の関係はナターシャとエレーナに似ている。彼女も妹への愛情がなく、妹は姉を慕っていて、それが歪んでしまうのも同じ。
ドクター・ストレンジも兄弟子が相手なので、フェイズ4は多様的な繋がりを描こうとしているのかも。(シャン・チーとシャーリンは、ソーとロキのようになっていくのか)
GOGも血のつながりでない家族が中心で、ソーも加わる。
アベンジャーズを家族と呼んだナターシャでフェイズ4は始まった。
しかも、『エターナルズ』もある意味で移民で血ではなく目的で繋がった家族の話っぽいしね。
ファルコンとバッキーもキャプテン・アメリカで繋がった、頂点の無い二等辺三角形みたいな友情だしね。
ホークアイとキャプテン・マーベルは弟子(ケイト・ビショップ、ミズ・マーベル、モニカ・ランボー)を持つ。(ミズ・マーベルことカマラ・カーンはドラマシリーズ『ミズ・マーベル』もつくられる)
あ、でも、ロキは自分と向き合っているし、ハルクは従姉がハルク化か。
スパイダーマンも今まで以上に自分と向き合う羽目になるのか(写し鏡のヴィランもある意味で自分だ)
ホークアイとナターシャは恩人としての同僚という関係だったし、アイアンマンとキャプテン・アメリカはリーダー同士の友情だった。
アントマンだけ特に何もないのよね。娘との関係が深まるのかね。(ピム夫妻の息子になる流れなら、血じゃない繋がりを描けるか)
シュー家の顔は血のつながりをあんまり感じないけどね。
ウェンウー(トニー・レオン)のカッコよさに、イン・リーが惚れた可能性は高いよね。
『シャン・チー』のいいところは、悪が一人の時は正義が複数で闘わないところ。(逆はある)
ブルース・バナーやキャプテン・マーベルだけでなく、ドクター・ストレンジが一緒に宇宙で戦ったGOGチームとソー(宇宙関係の知識が豊富だし)にも聞けばいいと思うのだが。(ホログラム通信も以前ロケットとやってるしね。聞いた後であの二人にも聞いたという可能性もあるが)
それとデスティン・ダニエル・クレットンは、ブリー・ラーソンとのコラボ作品で知られているからだろうね。
ハルクは、スマートハルクからなぜか人間の姿に戻っており、右腕に負傷を抱えたまま。(ドラマシリーズ『シー・ハルク』に出演)
キャプテン・マーベルはまた髪型を変えている。(現在『キャプテン・マーベル2』こと『マーベルズ』を撮影中)
ウォンがなぜか闇闘技場でアボミネーション(エミール・ブロンスキーを演じていたのはティム・ロス)をエミールと呼ぶほど仲良くしている。
実は、MCUのドラマシリーズ『シー・ハルク』にアボミネーションは登場すると告知されているので、そこで語られるのかも。
どこでもすぐ行けるウォンはフェイズ4でニック・フューリー的な役割をするのかも。ホログラム通信も使いこなしているし、他のヒーローと懇意にしている。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にも出てますしね。(ニック・フューリーは『マーベルズ』に出るだろうし)
ウォンの社交性と常識と知識(もちろん魔術も)、魔術師の集団を補佐してきた参謀力はブラック・ウィドウとキャプテン・アメリカがいない今、最重要かつ唯一無二の能力ともいえる。ブルース・バナーも現在は社交的だし、ローディは軍人だし。二人ともダメージを抱えているしね。兄弟弟子モルドの失敗も抱えているしね。のちのちは、ミスター・ファンタスティックがリーダーシップを発揮しそう。
あと、きっと世代交代で若くなるから、今後は若いリーダーも必要だよね。誰になるのかしらね。
原作ではテン・リングスはすべての指にはめる指輪だったが、ガントレットと差異化するために、洪家拳の鉄の腕輪を参考に腕輪に変更された。
不老不死になるし、最強の武具であり、ヴィブラニウム並みの防御力も持つので、敵に奪われるという展開もありそう。(そして、竜の鱗はどういう扱いになっていくのか。)
MCUはスタン・リーの作家性から科学的な傾向があった。
魔法なども当たり前にあったけど、その扱いにも、どこか科学的な視点があった。
だが、それだけだと狭くなると考えたのか、『シャン・チー』にはほぼその視点がない。
魔法が主の『ドクター・ストレンジ』や『ワンダヴィジョン』でさえ科学とバランスをとっていた。
わずかにポストクレジットでテン・リングスを分析するところがある。
MCUの武器で言うなら、ムジョルニアには純粋な心とムジョルニアが認めなければ持てないと個性がある。ストームブレイカーはサクッと刺さるくらいで特に個性はないが。
キャプテン・アメリカの盾もダメージを吸収し反発させるという個性。
アイアンスーツも大した能力がなかったころからじょじょに個性を獲得した。(今はナノマシン化で何でもできるようになってしまったけど)
テン・リングスは個性は不老不死にするくらいなのと、なにかしぐなるをだしているところくらい。いづれ誰かがすごいダメージを負ったらつけることで救うとかに使えるのかしら。この後、個性を獲得していくのかしら。
原作の『シャン・チー』はブルース・リーの影響下にあり、少林寺的じゃないので、武術の技の部分が弱くなるのは仕方ない。(ブルース・リーは詠春拳を習い、截拳道を生み出しているが)
そこにジャッキー、ツイ・ハーク、アン・リーの要素、『イップマン』シリーズ、最近流行の中華モンスター(特大ヒット『モンスターハント』を筆頭に、『ソード・オブ・レジェンド 古剣奇譚』など多くのモンスターが出る中華映画がつくられている)を入れている。
アメリカが格闘においては技より力を好むのも伝わってくる。技より知恵なのも。(力技も好きだよね)
機械的なテクノロジーは好むようではあるが。
ジャッキーも技派だったからこそ、なかなかアメリカで受け入れられなかったともいえる。
ドニー・イェンもどちらかというと技派なので、アメリカではスターになり切れないのかも。
女性スーパーヒーローも力技のキャプテン・マーベルを最初にソロにしたのもそこが関係ありそう。(ブラック・ウィドウは技派だ)
ジェット・リーもアメリカでは力を見せるスタイルにしていた。
殺人武術を仕込まれたはずのシャン・チーも基本は技ではなくパワータイプとして描かれていたものの(竜も魔物とパワー勝負をする)、そこにわずかに究極の武術を持つ村ター・ローで組み手で技をうっすら伝えるのを入れてはいる。そこが『シャン・チー』の挑戦とバランス感覚だろう。
すでに母がウェンウーに勝てているので、どうやって父を説き伏せるかが話の主になるが、太極拳的な相手の力を取り込む技をつかって、リングを5つ奪うことで母を思い出させ、技へと意識を向けさせる。(水の中で竜の力をもらってもいるが)
母のつかっていた風を操るのは技なので、竜の力で強化されているだけのようで、太極拳的技が使われる。
ここに西洋では新味を見出したのかも。
無言の視線で伝え合うアジアの男性的コミュニケーションも演出に組み込んでいる。
『ドラゴンボール』は後半のファンタジー描写にも見られる。風景は『千と千尋の神隠し』ともフュージョンさせてもいる。竜は完全にハクからもらってきている。
トニー・レオン演じるウェンウーの描写では『グランド・マスター』(帽子とアクション)、『HERO』(水の地図)、『楽園の瑕』(テン・リングスでの振る舞い)を引用している。
ウォン・カーウァイへのオマージュはほぼないように見えるが、『ホテル・カルフォルニア』ネタは『恋する惑星』の『カルフォルニア・ドリーミング』からの連想だったりしてね。
意外にもトニー・レオンはあまり西洋作品にほぼ出演していない。英語も堪能だし、『インファナル・アフェア』など西洋でも人気が高いアクションやサスペンス作品も少なくないのに。ハリウッドでも活躍するアン・リー『ラスト、コーション』、ジョン・ウー『レッドクリフ』への出演(どちらも中国作品)に加え、『悲情城市』、『シクロ』、『東京攻略』、『レイダース 欧州攻略』などの香港以外が舞台(とはいえほぼアジア)の作品にも出ているのに。アジアにこだわりがあるのだろうな。今作で改めて西洋に紹介されたことで、齢60にして西洋作品にも進出するかも。(現在でも出演予定は発表されていない。『シャン・チー』でも死んでいるので続編も回想で出るかどうか)
ウェンウーが呼び出してしまった魔物は「ドウェラー・イン・ダークネス(Dweller in Darkness)」という名前。デザインは違うが同名のヴィランがドクター・ストレンジの宿敵としてコミックに登場している。
「駐車係をなめてる」とケイティは驚きの運転技術を披露するなど、実はかなりのチート系キャラでもある。矢も半日で戦えるレベルになる。(森川葵を見ているとあり得る気もしてくるけど)
今後は運転のエキスパートとして活躍するのだろうな。
矢を習ったのはホークアイとその弟子ケイト・ビショップ(ドラマシリーズ『ホークアイ』でヘイリー・スタインフェルドが演じている。彼女は歌手としても活動しており、オークワフィナはラッパーでもあるので二人のカラオケネタがありそう)との絡みも狙ったんだろうか。
『ブラック・ウィドウ』(ソ連時代)、『シャン・チー』(千年前)、『エターナルズ』(数千年前)は、大きな過去に焦点を当てた物語。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』もどうやらマルチバースによって過去の作品からのヴィランが襲ってくる。
『エンドゲーム』でも過去に戻ったし、『キャプテン・マーベル』も過去が舞台だった。
過去に縛られているのはMCUの物語の特徴だが、今後はそれをさらに大きく進める方向になりそう。過去と未来の対立という構図になっていくのではないか。
それは、『エンドゲーム』までの大成功という過去のMCUと未来のMCUという構図になっていくと予想され、継承、過去を乗り越える、現在に刷新していく物語になっていくのではなかろうか。
最後のポストクレジットで、テン・リングスをシュー・シャーリンが継続させたことが示される。
フェイズ3を終えたMCUは、レッドスカルが存在感を失くし、サノスの次の敵を用意しているようだが、フェイズ4になってから毎回を敵を出している。
すでに5作で、ヴァルとその組織、USエージェント、シャロン・カーター(パワーブローカー)、バロン・ジモ、エレーナ、シュー・シャーリン(テン・リングス)、S・W・O・R・Dとホワイトヴィジョンとモニカ・ランボー、征服者カーン(TVA)などが提示されている。(ドクター・ストレンジの兄弟子モルドもいる。アボミネーションが生き残っていたがウォンと仲良くしてるので立場が不明)
これはスーパーヴィランのチームの結成を示唆しているのではないか。(サンダーボルツか?)
ヴァルはすでにUSエージェントとエレーナを篭絡している。これはキャプテン・アメリカとブラック・ウィドウに当たる。ソーのところにはロキが入るとして、アイアンマン、ハルク、ホークアイに当たるヴィランが出てきそう。
現在アベンジャーズは、二代目キャプテン・アメリカ(ファルコン)、ハルク以外は今、いなくなっていて崩壊状態。(ホークアイは引退し『ホークアイ』で弟子ケイト・ビショップを育てることになる。ブラック・ウィドウ、アイアンマンは死亡し、キャプテン・アメリカは行方不明として老人に)
多くのヒーローが前科者(アントマンとワスプ、ワンダ、冤罪だがスパイダーマン、ホークアイもローニンとして法を犯している。バッキー)または宇宙(GOG、ソー、キャプテン・マーベル)に行っている。
ウォーマシンはアメリカ陸軍籍のまま。
キャストを失ったブラックパンサーは元々一国の王であるためアベンジャーズに入っていない。(ロキがいたのでソーは参加した)
ドクター・ストレンジは地球の守護者でアベンジャーズには正式には入らない。
ウォーマシンことローディを主人公とするドラマシリーズ『アーマー・ウォーズ』も決定しており、彼の後継者が出てくることが予測される。
ドラマシリーズがどこまで関わってくるかは不明だが、ヴァルは『ブラック・ウィドウ』に出てきており、『アントマン3』にマスター・カーンが登場予定。
ちなみに今後のMCU映画では『ソー4』でジェーンがヒーロー化し、『キャプテン・アメリカ4』でファルコン&ウィンターソルジャーが継続され、『ドクター・ストレンジ2』はモルドと決着をつけつつマルチバースを完全に取り入れる。『GAG3』はどこに行くのか全く不明でソーはどうなるのかしらね。
ちなみに、征服者カーンはサノスより強い設定で、マーベルでも最強クラスのヴィランの一人。
今回ウェンウーは自分の別名の中でマスター・カーンとも言っており、征服者カーンとどうつながるのだろうか。
あと、最強のドルマムゥも帰ってもらっただけで生きております。(たぶんめんどくさいからもう地球には来ないでしょうが、キャプテン・マーベルとかGOGは会うことがあるかも。そうそう、アスガルドをぶっ壊したスルトもいます)
そうそう、どう絡むかは不明ですが、『ホワットイフ』に出てくる謎の触手の怪物もいますね。
『ファンタスティック4』もやることが決まっているので、人気ヴィランで最強クラスのドクター・ドゥームが登場することも予定されている。そして、最強のヴィランの一人ギャラクタスが登場するかもしれない。
テン・リングスから、謎のシグナルが送られていることも判明した。
原作では、フィン・ファン・フームと呼ばれる、竜のような姿の宇宙人のマクラン人がテン・リングスをつくったことになっており、これもヴィランとなる。この設定が活かされるのか、それとも新たなヴィランになるのだろうか。
シャン・チーの痛みの薄さがヒーローものとしての弱さであり、巧なバランス感覚なんだろうな。
竜=母という重ねがあり、息子と母が父を止めたということになる。
そして、妹のほっとかれている。前にもシャン・チーは妹を捨てている。それがポストクレジットにつながる。シリーズものであることが決まっているからこその物語作法として見れば、うまい。
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追記。
『ドライブ・マイ・カー』と『アナザーラウンド』と同じ根っこを持っている。
自分を抑制するために得意なものを封印する。そして、告白によって傷を開示し、自分をさらし、癒しを得る。
それについては『アナザーラウンド』のネタバレで。(『ドライブ・マイ・カー』と2作のネタバレにもなってますが)