菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

苦境が男を強くする。  『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

2022年02月15日 00時00分46秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1516回

 

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)

 

原題は、『THE POWER OF THE DOG』。
『犬の力』。

聖書の一節からの引用ですね。劇中にも出てきます。

 


製作国:アメリカ / イギリス / ニュージーランド / カナダ / オーストラリア
上映時間:127分
映倫:G

 

 

スタッフ。

監督:ジェーン・カンピオン
製作:ジェーン・カンピオン、ターニャ・セガッチアン、エミール・シャーマン、イアン・カニング ロジェ・フラピエ
製作総指揮:サイモン・ギリス ローズ・ガーネット ジョン・ウッドワード
原作:トーマス・サベージ
脚本:ジェーン・カンピオン
撮影:アリ・ウェグナー
美術:グラント・メイジャー
衣装:クリスティ・キャメロン
編集:ピーター・シベラス
音楽:ジョニー・グリーンウッド

 

 

出演。

ベネディクト・カンバーバッチ (フィル)

キルステン・ダンスト (ローズ)
ジェシー・プレモンス (ジョージ)
コディ・スミット=マクフィー (ピーター)

トーマシン・マッケンジー (ローラ)
ジュヌビエーブ・レモン (ルイス)
キース・キャラダイン (州知事)

フランセス・コンロイ

 

 

物語。

1920年代半ばのモンタナ州。
聡明ながら粗野で威圧的なフィルは、地味で繊細な弟ジョージと両親と離れ、2人で牧場を経営していた。
フィルは長として、リーダーシップをとり、弟を溺愛していた。
ある日、ジョージが町でレストランを開いた未亡人のローズに恋心を抱く。
それをよく思わぬフィルはローズばかりか、その連れ子のピーターにまで冷酷な敵意をむき出しにしていく。

 

トーマス・サヴェージの同名小説を『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオンが映画化。

 

主演は、ベネディクト・カンバーバッチ。

共演はキルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス、コディ・スミット=マクフィー。

 

男性的なジャンルである西部劇を、女性的な目で語り直している。
冒頭から少年の眼を通すことで、現代の視点が入り込む。
こういうところに脚本の妙味というものがある。

銃は出るkシ、戦いもあるが、銃撃戦はなく、恋というか愛の話である。
一方通行の愛の物語でもある。
自分の戦いをするときに、なぜ人は他人を攻撃してしまうのか。

 

 

Netflixのオリジナル映画で、2021年12月1日から配信。
それに先立つ11月19日から一部劇場で公開。

 

 

受賞歴。

2021年の第78回ベネチア国際映画祭にて、コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。
2022年のAACTA International Awardsにて、最優秀映画、最優秀主演俳優賞(ベネディクト・カンバーバッチ)、最優秀助演俳優賞(コディ・スミット=マクフィー)を受賞。
2022年のAFI Awards, USAにて、AFI Award Movie of the Yearを受賞。

その他、200以上の賞を受賞。

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

Deliver my soul from the sword; my darling from the power of the dog.
映画のタイトルは、聖書の「詩篇」第22章20節の「わが魂を剣から救いたまえ、わが愛しい人を犬の力から救いたまえ」から取られている。(原語のヘブライ語では、「my darling」は「my only」を意味し、孤独で大切な存在という意味で、「dog」は十字架にかけられたイエスを苦しめる者たちのことである)
実は、そこを知っていて見ると見え方が変わる物語で、緊張感が増す。

 

好みの台詞。

「困難と苦境が男を強くする」

「障害物を取り除けば強くなる」

 

冒頭のピーターのナレーションは映画の脚色で少年の眼を通した見せているのは、原作にはない。

 

 

 

 

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