菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

セックス依存症ジョーの反省。  『ニンフォマニアックvol.2』

2014年11月19日 00時00分05秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第630回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『ニンフォマニアックvol.2』


 
  


鬼才ラース・フォン・トリアーが、色情狂(ニンフォマニアック)のヒロインの性の冒険遍歴をシニカルなユーモアを織り交ぜ過激に描いた衝撃の問題作。
全8章を2部に分けて上映。
本作はその第2部で、上映時間は、123分。


監督・脚本はもちろん、ラース・フォン・トリアー。




物語。
快感への飽くなき欲求に突き動かされ、見境のないセックスを重ねてきたジョーだったが、ついに不感症に悩まされる事態に。
ジェロームと家庭を持ち、子どもも生まれるが、不感症が治らないことへの不安は募るばかり。
怪しげなセックス・セラピストのもとに通い、ますます倒錯した性体験を重ねていくジョーだったが・・・。







出演。
引き続きのキャスト。
シャルロット・ゲンズブール。
ステラン・スカルスガルド。
ステイシー・マーティン。
シャイア・ラブーフ。
クリスチャン・スレイター。
ソフィ・ケネディ・クラーク。



新キャスト。

異端のセックスセラピストのKに、ジェイミー・ベル。

裏稼業の男Lに、ウィレム・デフォー。

ジョーが面倒を見る少女Pに、ミア・ゴス。

借金を抱えた男に、ジャン=マルク・バール。

ほかに、ウド・キアも。







笑いから、エロスが招く悲しみへと至る老いの過程へと移っていく。
笑いもエロスもより深化し、別次元へと至る話術の極北。
映画のオーガズムのエッセンス、セックス、バイオレンス、ロックンロールが刺さってくる力作。














おまけ。

ラース・フォン・トリアーはダイグレッション・フィルム(脱線する映画、余談の映画)を撮ろう、と志したようで、実際そういう作品になっている。

セックス祭りだった第1部から、第2部、ソノツケというか、その痛みに移っていく。















ややネタバレ。

後編は約2時間で第6~8章とエピローグを約2時間で描く。









ネタバレ。

色情狂の男の物語だったら、どういう見方をしただろうか?

あの音しかないラストは、そのまま男社会と、この映画を観た男性客だけでなく、女性客にも向けられているのだろう。
人の性的なものに向ける目がもつ蔑みと欲求がないわけないのだ、と。



シャルロット・ゲンズブールの50歳の体の歪みこそがこの映画の主張の一つになっている。





年齢で役者が変わるが、あまりに似せていないのも、これだけの役だから、厳しかったのかと見るか、何かあった感と見るか。




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