goo blog サービス終了のお知らせ 

菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

動けないけど殺す。 『ダブル・キラー』

2019年10月21日 00時00分40秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1182回は、『ダブル・キラー』(2010)

 

 

原題は、『죽이고 싶은』。
『殺したい』。

英語題は、『ENEMY AT THE DEAD END』(または『Desire To Kill』)。
『行き止まりの敵』(または『殺意』)。 

 

 


上映時間: 91分
製作国: 韓国

 

 

スタッフ。

監督: チョ・ウォニ、キム・サンファ
脚本: チョ・ウォニ、キム・サンファ
撮影: チェ・チャンミン
照明: ユ・ヨンジョン
音楽: アン・ヘスク

 

 

 

出演。

チョン・ホジン (キム・ミンホ)
ユ・ヘジン (パク・サンオプ)
ソ・ヒョリム (ハ・ウニョン看護士)
イ・ジョンホン  (チェ・インチョル医師)
ラ・ミラン  (看護師長)
ソン・ジナン  (病院長)
キム・ソヒョン (ペク科長)

アン・ウンジョン (子供)
ソン・ジウン  (スジン)
イ・ユンジョン  (ジナ)

 

 

物語。

過去に妻と子共を殺されたミンホ。年をとり人生に意味を失ったミンホは自殺願望を抱えていた。だが、失敗し、現在は脳卒中で入院していた。動かぬ体で、いつも死ぬ機会をうかがっていた。
ある日、同室にサンオプという男が入院してくる。サンオプは記憶を失い、体も自由に動けない状態だった。
ミンホは気づく、隣の男こそミノのすべてを奪った男。
ミンホは生き甲斐を得た。
ヤツを殺すまでは死ねない。

 

 

 


愛する妻子を殺された男と、殺した男との壮絶な動けない死闘を描いた密室シチュエーションスリラー。

 

韓国映画界きっての名バイプレイヤーのチョン・ホジンとユ・ヘジンがダブル主演という通好みの作品。
ほぼ動けないという渋い二人をさらに渋くした対決を、『彼らが生きる世界』、『今日、妻やめます ~偽りの家族~』などTVで活躍するソ・ヒョリムが賑やかに飾る。

ほかに、イ・ジョンホンやラ・ミランといったいぶし銀のキャストがこのブラックコメディ・スリラーという独特のミクスチャー映画にシリアスな味わいを加えています。

この設定をきっちり押し切れるのは、スタッフの力だけでなく、業界の充実した制作体制と観客がいるからですね。豊かさは娯楽映画に本当に重要な要素ですもの。

こういったブラックコメディで、ミクスチャーで、おっさん二人を主演にした難しい作品がちゃんと面白いんだから、見ている間中、感激しっぱなしですぜ。

 

 

 

字幕だとミンホになってますが、響きで聴くとミノで、資料でもミノと書いてあるものが多いです。

 

 

 

 

受賞歴。

2011年のファンタスティポ国際映画祭にて、特別審査員賞(オリエントエクスプレス=インスピレーション・アワード国際映画ガイド)を受賞。 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

1時間で転調し、実は主人公こそがスジンを殺した犯人だと相手に言われ、お互いがお互いを食んんとして殺そうとする。これが邦題の『ダブル・キラー』=二重の殺人者の意味になるのだが、さらに最後にどんでん返しとして、もう二人の殺人者が出てくることで、意味が変わる。

手籠めにしていたスジンを二人で殺し、その娘ジナ、その異父妹ウニョンは施設で育ったどちらかの娘。可愛がっていたのはスジンの孫。

二人は、スジンを愛してたかどうかは不明だが、少なくともジナの面倒は見ていないしスジン殺しから逃げている。

奨学金は医師になったジナからの贈り物であり、復讐計画。姉は妹のことを愛せないのだろう。

 

リハビリ対決、不眠症での寝ない対決、記憶取戻し、回復対決が愉快。

 

AAPという新薬による副作用の幻覚が映画を複雑にする。

 

コミュケーテッド・インサニティ(感応精神病)は、映るはずのない精神疾患が感染する現象のこと。重度だと同じ幻覚を見たりするとのこと。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Twitterのまとめ 10/20 | トップ | 不自由歯形。 『クロール ―... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

俺は好きなんだよ!」カテゴリの最新記事