【俺は好きなんだよ】第１６７６回
『七人の無頼漢』(1956)
原題は、『SEVEN MEN FROM NOW』。
『今から七人の男を』。
上映時間：78分
製作国：アメリカ
スタッフ
監督： バッド・ベティカー
製作： アンドリュー・Ｖ・マクラグレン、ロバート・Ｅ・モリソン
原作： バート・ケネディ
脚本： バート・ケネディ
撮影： ウィリアム・Ｈ・クローシア
音楽： ヘンリー・ヴァース
出演。
ランドルフ・スコット （ベン・ストライド）
リー・マーヴィン （ビル・マスターズ）
ジョン・ベラディーノ （クレート）
ドナルド・バリー／ドン・”レッド”・バリー （クリント）
ゲイル・ラッセル （アニー・グリアー）
ウォルター・リード （ジョン・グリアー）
ジョン・ラーチ （ペイト・ボディーン）
フレッド・グラハム （ヘンクマン）
物語。
ベン・ストライドは大金2万ドルを奪った七人組の無頼漢一味を追っていた。
彼は、一味を追う道中、フローラ・ビスタに向かう幌馬車に乗ったジョン・グリアーとアニーの夫婦を助ける。
彼は、気のいい夫妻を好ましく思う。
途中、チリカウア族から逃げて無人となった牧場にいた老人クリントを逃がしてやる、
そこに旧知のガンマンのマスターズと若者クレートという二人組もやってくる。
グリーア夫妻はそこでストライドが元保安官で、苦悩を抱えていることを知る。
マスターズは、七人組の首領ボディーンと出会う。
復讐に燃える初老の保安官が七人組の悪党を気のいい夫妻と追うアクション西部劇。
娯楽西部劇の隠れた佳作としてファンに口に上がる一本。
TSUTAYAの発掘良品としてソフト化。
監督は、『最後の酋長』、『反撃の銃弾』のバッド・ベティカー。
脚本は、『ホワイトハンター ブラックハート』のバート・ケネディ。
クレジットはないですが、ジョン・ウェインが製作に入っている。
元々は主人公をやろうとしていたが叶わなかったそう。
1カット目から、極めて凝縮されたサスペンスが展開。
いきなり、開巻に、白眉のシーンがぶち込まれる。
こういうキレのあるシーンはなかなかかけるもんじゃありません。
そこからの、牧歌的シーンという高低差がたまらない。
ああ、西部劇って感じ。
その後、けっこうじっくりと進めた後で、捻りの効いた展開なので、冒頭のサスペンスに痺れた方によっては、落差で退屈を感じたのかもしれない。
そういう意味では、玄人向けの内容とも言えるかも。
だが、その中盤に張った伏線が、後半に活きてくるので、実に巧みな脚本といえる。敵につくり方も素晴らしく凝ってる。
なにより、人物をどう評価するかについて描いてと言うのがよい。
最後のつつましやかなところも、好みだけど、派手さがないから、佳作ということになったのかね。
主人公も中年の抑制された元保安官という地味さだしね。
邦題がちょっと誤解させてイマイチなのよね。
だって、原題にも出てくる７人はあまり活躍しないのよね。
でも、原題は、ここから今からという決意の部分なので、7人はあくまで目標に過ぎないというかね。
7人とも戦うんだけどさ。
ちゃんとダメージを追った主人公のダメージが戦いに影響しつづけます。
脚本のバート・ケネディは、こののち、『続・荒野の七人』などで監督としても活躍。
ネタバレ。
好みのセリフ。
「保安官は悪党と撃つか牢に入れる時しか顔を合わせないが、悪党は保安官の顔を見続けるものさ」
「男は家事を嫌うわ。家事には終わりがないから」
「ラブ、ファンシーな言葉だな。俺たちには縁がない」
仇３人と戦い、足を痛め、岩にぶつかったストライド。
彼は隠れて、仇のもう一人を撃つ。
クレートがスターズが、ボディーンを撃つ。
マスターズがクレートを撃つ。
ストライドは己の復讐をマスターズにやられ、２万ドルはよこせと言われる。
早打ち対決。
元保安官の銃が素早く火を吹き、元悪漢は金の箱に覆いかぶさる。
ストライドは未亡人を送り出そうとする。
だが、未亡人はしばらく残ると言う。
銀行の名は、ウェリー＝ファーゴ。
もしかしたら、『ファーゴ』の元ネタ？
