【俺は好きなんだよ】第１７３２回
『ナルヴィク』（2022）
原題は、『KAMPEN OM NARVIK』。
『ナルヴィクの戦い』。
英語題は、『NARVIK: HITLER'S FIRST DEFEAT』。
『ナルヴィク：ヒトラー最初の敗戦』。
製作国：ノルウェー
上映時間：109分
スタッフ。
監督：エーリク・ショルビャルグ
製作：オーゲ・オーベルゲ、リーヴェ・ボンヌヴィエ
脚本：クリストファー・グルンダール
出演。
クリスティーネ・ハットゲン （グンナル）
カール・マルティン・エッゲスボ
クリストフ・ゲルファート・マティーセン
ヘンリク・メスタド
マティルド・ホルテダール・クーラ
スティーグ・ヘンリク・ホフ
クリストフ・バック
オリー・キャンベル
ホルガー・ハントケ
マグヌス・ドゥグデール
物語。
1940年、侵攻を続けるドイツは、スウェーデンの鉄鉱石が頼りだった。
そのれを運ぶのはノルウェーの不凍港ナルヴィク。
ノルウェー軍人であるグンナルは久しぶりの休暇に妻子の元へ急ごうとするが、待機命令を受けてしまう。
グンナルの妻イングリッドはドイツ語と英語が話せるため、北欧への侵攻を開始したドイツ側の通訳として、ドイツとイギリス領事の戦闘条件の会合で仕事をすることになる。
一人息子のオーレを抱え、戦場に赴く夫を思う日々。
だが、ドイツが、会合の途中にも関わらず、ノルウェーに侵攻を始める。
イギリス領事は命の危機とないｒ、イングリッドは成り行き上、彼らを近所に匿うことになる。
グンナルはドイツ侵攻を制止するため、仲間たちと鉄橋爆破作戦に挑む。
ナルヴィクの町に、艦砲射撃が始まる。
第二次世界大戦中、ヒトラーが初めて敗れたといわれるナルヴィクの戦いの実話を基にした戦争アクション・サスペンス・ドラマ。
北極圏の中でも一番北にあるナルヴィク港は、冬でも凍結しない港。
そこから、スウェーデン産の鉄鉱石がドイツへ輸出されていた。
ドイツは鉄鉱石の90％をナルヴィク港からの輸送ルートに頼っており、その鉄鉱石による鉄で、膨大な兵器を生産していた。
ヨーロッパ映画的なスケッチ的な状況描写と人間関係で見せていく。
中心は、戦場の男性と戦地となった街の女性、この恋人同士の強烈な状況をドラマチックに。
ナチスによる艦砲射撃の恐ろしさ、雪中戦の厳しさをあますことなく、リアルに描写。
くすうｒことで、英雄的にだけでなく、普通の人々が巻き込まれていく戦争の恐ろしさが見えてくる。
そして、戦争に翻弄される人々と、物のように扱われる命も。
やや明るめでコントラストの強い写真風の画調がリアルさを強調する。
舞台は80年前の欧州戦線ながら、現代的な戦争映画となっている。
Netflixで2023年1月に配信。
ややネタバレ。
ナルヴィクの戦いについて。
第二次世界大戦中の1940年に、ノルウェーの北極圏の都市ナルヴィクをめぐって行われた戦いである。
4月9日、ドイツ軍は、ヴェーザー演習作戦でノルウェーとデンマークに侵攻した。その一環で山岳兵1個連隊がナルヴィクを無血占領した。
ナルヴィク奪還のため、イギリス・フランス・ポーランドの連合軍は、ナルヴィクの北西のハーシュタに上陸し、ノルウェー軍と合流した。
2度のオフォトフィヨルドでの海戦で、ドイツの山岳兵を運んできた10隻の駆逐艦は全滅し、ドイツ軍は、ナルヴィクを占領したが孤立することになった。
ナルヴィクのドイツ軍にとって、もっとも近い友軍拠点は、約700km南方のトロンハイム。空軍の支援や補給は、限定的であった。
英仏ポ連合軍とノルウェー軍は、ドイツ軍に対して数的には6倍近い優勢であったが、ノルウェー軍を除いて、北極圏での作戦行動について訓練や装備を欠いており、その奪回作戦の進行は遅々として進まなかった。
5月28日、連合軍は艦砲射撃の援護と守護していたドイツ軍を撃破し、ナルヴィクを奪回。しかし、同じ頃、英仏軍は、ダンケルクからイギリス本土へ撤退中で、既に、派遣軍はノルウェーから撤退することが決定済だった。
6月8日、派遣軍は撤退し、ドイツ軍は駐留し、ノルウェーでの戦闘は終了。
ノルウェー軍は降伏する。
ノルウェー国王はイギリスヘ亡命。
ノルウェーは親ドイツ政権が樹立し、一応は中立国となる。
ネタバレ。
好みのセリフ。
「悪夢を見るんです」「悪夢なら、私は昼間見ている」「昼はどんどん長くなります。もうすぐ夜がなくなります」
ナルヴィクに帰還したグンナルは妻の裏切り行為を知るが、それでも彼女と息子と一緒に町を出ていく。
