で、ロードショーでは、どうでしょう? 第994回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『戦場のメロディ』
『ミセン -未生-』のイム・シワンが主演を務め、朝鮮戦争下の実話をモチーフに描くヒューマン・ドラマ。
戦争孤児たちの世話を任された若い兵士が、彼らの心を癒すべく始めた“児童合唱団”の実話からインスパイアを受けた物語。
監督は、『青春漫画 ~僕らの恋愛シナリオ~』、『ワンドゥギ』のイ・ハン。
物語。
朝鮮戦争中の1951年。
ハン・サンヨルは、愛する妹を戦火に失い、従軍する。
1952年には、少尉となって率いていた部隊が前線の戦闘で全滅し、多くの部下と戦友も失い、帰路では戦火によって有れた民衆の心を目の当たりにし、ぬぐえぬ喪失感を抱えたまま、釜山へと転属となる。
そこで彼が任されたのは、多くの戦争孤児を収容する孤児院の管理というものだった。
戸惑いつつも、孤児院の若き女性院長パク・ジュミの献身的な働きぶりや、子どもたちの辛い境遇を目の当たりにして、彼らの力になりたいと行動を開始する。
彼は、得意の音楽からの発想で、孤児たちによる“児童合唱団”の結成することを進言する。
脚本は、イ・ウタク。
出演。
イム・シワンが、ハン・サンヨル少尉。
コ・アソンが、パク・ジュミ孤児院長。
あの、天才子役が大人になってます。
とはいえ、スノーピアサーの時で21歳だったんですけどね。
驚きは、『冬の小鳥』の時に、17歳という事実。子役じゃなかったんですね。
で、現在、24歳。
チョン・ジュノンが、少年オ・ドング。
イ・レが、少女スニ。
この二人の演技に心をわしづかみされます。
イ・ヒジュンが、カルゴリ。
スタッフ。
撮影は、ホン・ジェシク。
音楽は、イ・ジェジン。
朝鮮戦争の最中、心を痛めた少尉が児童合唱団を結成する、実話から発想されたドラマ。
芸達者イム・シワンと明るいコ・アソンのペアを凌駕する子役らの姿に心が鷲掴みされる。
音楽シーンの良さを、戦争シーンの激しさ、無情さがきっちり浮かび上がらせる。
キャラクターを愛しているのが分かる演出が嬉しい。
音楽で喧嘩を促すシーンは音楽映画史上でも屈指の名シーン。
綺麗ごとで済まさない癒しの価値が沁み込む優作。
おまけ。
英語題は、『A MELODY TO REMEMBER』。
『追憶のメロディ』と言ったところでしょうかね。
上映時間は、124分。
製作国は、韓国。
映倫は、G。
キャッチコピーは、「歌いたい! すべてを失った子供たちが奏でる 明日への希望――」
ネタバレ。
米軍の前で慰問する前の教室での「意味のある喧嘩を」というシーンに涙々。