菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

重く詰める。 『静かなる叫び』

2017年01月17日 00時00分53秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1025回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『静かなる叫び』

 

 

 

 

1989年12月にカナダのモントリオール理工科大学で起きた銃乱射事件を元にした、モノクロで描くサスペンス・ドラマ。

カナダのアカデミー賞に相当するジニー賞で作品賞、監督賞など9部門を制した。

 

映画界で新世代の巨匠と名高いドゥニ・ヴィルヌーヴの監督作で、長編劇映画3本目となる。

 

 

2017年1月より開催の<未体験ゾーンの映画たち2017>にて上映。

 

 

 

 

物語。

1989年12月6日、カナダ。

モントリオールの理工科大学に通うヴァレリーと友人のジャン=フランソワがいつものように学校で過ごしていると、ある男子学生がライフル銃を女子学生に向けて発砲する。

構内は一瞬でパニック状態となり、最終的に14人もの命が奪われてしまう。

重傷を負った女子生徒のヴァレリーと、負傷した学生を救った男子生徒ジャン=フランソワは心にも深い傷を負う。

 

 

脚本は、ジャック・ダヴィッツ、ドゥニ・ヴィルヌーブ、エリック・レカ。

 

 

 

出演。

マキシム・ゴーデット
セバスティアン・ユベルドー
カリーヌ・ヴァナッス

 

 

 

スタッフ。

撮影は、ピエール・ギル。

 

編集は、リチャード・コミュー。

 

 

 

 

 

カナダで起きた学生によるライフル乱射事件を見つめる、ドゥニ・ヴィルヌーブの2009年作品。
現在の映画界をドゥニしているヴィルヌーブのシンプルで直球な語りは、その静謐な空気の重みを背で支える。白黒でなかったら、圧し潰されてしまいそう。
人は病にあっさりと染まり、死に支配される。
灰色の世界に雪が降り続ける傑作。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ。 

原題は、『POLYTECHNIQUE』。

ウィキによると。

ポリテクニック(Polytechnic)とは、高等教育機関の一種。

大学機関が主に学問(学術)を教える組織であるのに対し、ポリテクニックでは実学(職業教育)を中心に教育課程が編成されている。

英語の polytechnic の名称は、フランス・パリに1794年に設立されたエコール・ポリテクニークに由来する。
日本においては、ポリテクニックと称する教育機関はなく、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する職業訓練施設の愛称に「ポリテク」が用いられている。

事件の起きた場所を指しているのだろう。

だが、直訳の『多種テクニック』でとれば、人の苦しみについての多面性と対処の多様性という面も入れてあるのかもしれない。

 

 

 

上映時間は、77分。
製作国は、カナダ。

 

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

マチュー・カソヴィッツの『憎しみ』(1995)を鑑みているようにも受け取れる。

白黒というだけでなく。3人の人物の一日(その後も描かれるが)を軸にしているところ、憎しみをテーマにしているところなどから考えても。

 

 

 

 

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