博士違い。 『博士の異常な愛情／または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』

【俺は好きなんだよ】第６７４回は、『博士の異常な愛情／または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964)


原題は、『DR. STRANGELOVE: OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB』。
実は、ストレンジラブという名前の博士なんですよね。
省略版の『博士の異常な愛情』だけのものもあるようです。
この長いタイトルそのものがひとつのアイコンになってますね。


上映時間：93分
製作国：イギリス／アメリカ


スタッフ。
監督：スタンリー・キューブリック
製作：ヴィクター・リンドン
原作：ピーター・ジョージ
脚本：スタンリー・キューブリック／ピーター・ジョージ／テリー・サザーン
撮影：ギルバート・テイラー
メイクアップ：スチュアート・フリーボーン
プロダクションデザイン：ケン・アダム
美術：ピーター・マートン
編集：アンソニー・ハーヴェイ
音楽：ローリー・ジョンソン
　
　
出演。
ピーター・セラーズ （マンドレイク／マフリー大統領／Ｄｒ．ストレンジラブ）
ジョージ・Ｃ・スコット （バック・タージドソン将軍）
スターリング・ヘイドン （ジャック・リッパー准将）
キーナン・ウィン （バット・グアノ大佐）
スリム・ピケンズ （キング・コング少佐）
ピーター・ブル （サデスキー大使）
トレイシー・リード （ミス・スコット）
ジェームズ・アール・ジョーンズ 　（ゾッグ少尉）
ジャック・クレリー （スタインズ）
ポール・タマリン （ゴールドバーグ少尉）


物語。
アメリカ軍基地の司令官が、ソ連の核基地の爆撃指令を発した。
司令官の狂気を知った副官は、司令官を止めようとするが逆に監禁されてしまう。
大統領は、ソ連と連絡を取って事態の収拾を図る。
しかし、迎撃機によって無線を破壊された１機が、ついに目標に到達してしまう・・・。









核による世界破滅を描いたＳＦ近未来もの。
キューブリック流ブラック・ユーモアが、ピーター・セラーズ演じる英国大佐、大統領、マッド・サイエンティストの一人三役や、ジョージ・Ｃ・スコット演じる超タカ派の将軍などを主軸に、徹底して貫かれていく。

どこを切ってもブラックコメディな金太郎飴。
有名なラストは、どこかキューブリック地震のパロディのようにも思える。


映画史で巨人は数いるが、キューブ陸がその中でもずば抜けているのは、多様すぎるジャンルで傑作を作ったこと。
しかも、サスペンス、ホラー、ＳＦ、戦争もの、歴史もの、そして、コメディといった娯楽的ジャンルで、それぞれのジャンルの幅さえ広げた作品を作り上げたところなのです。

そいて、後進が彼の作品をどれほどパロディにしているか。
わかりやすい影響力と元ネタを一瞬で分からせる映画力。
すなわち、状況、映像、音楽、編集、美術の一体化した力。

映画界のレオナルド・ダヴィンチの業を見よ。