で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1986回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『キングスマン:ファースト・エージェント』
英国貴族が一次大戦を止めようと奔走するスパイ・アクション。
国家に属さない紳士による民間スパイ組織“キングスマン”の誕生秘話を描く『キングスマン』シリーズの3作目。
主演は、『イングリッシュ・ペイシェント』のレイフ・ファインズ、
共演に、ジェマ・アータートン、リス・エヴァンス、ハリス・ディキンソン、ジャイモン・フンスー。
監督は、引き続きマシュー・ボーン。
物語。
1900年初頭、第一次世界大戦の戦端開いた欧州。
オックスフォード公爵は、友人のキッチナー将軍に頼まれ、オーストリア皇太子に息子コンラッドとともに注意勧告に出かける。
彼らの心配は的中する。
世界大戦を裏で密かに操る闇の組織がラスプーチンなど各国の首脳の傍らに入り込んでいたのだ。
コンラッドは愛国心から軍隊へ志願するが、父は許さない。
原案:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー、デイヴ・ギボンズ
脚本:マシュー・ヴォーン、カール・ガイダシェク
出演。
レイフ・ファインズ (オーランド・オックスフォード公爵)
ハリス・ディキンソン (コンラッド・オックスフォード)
ジェマ・アータートン (ポリー・ウィルキンス)
ジャイモン・フンスー (ショーラ)
アレクサンドラ・マリア・ララ (エミリー・オックスフォード)
リス・エバンス (グリゴリー・ラスプーチン)
ダニエル・ブリュール (エリック・ヤン・ハヌッセン)
ジョエル・バスマン (ガヴリロ・プリンツィプ)
ヴァレリー・パチナー (マタ・ハリ)
チャールズ・ダンス (ハーバート・キッチナー/将軍)
マシュー・グード (モートン大佐)
アーロン・テイラー=ジョンソン(アーチー・リード)
アレクサンダー・ショウ (若きオックスフォード)
トビー・ウルフ (幼いコンラッド)
トム・ホランダー (ジョージ5世/ニコライ2世/ウィルヘルム2世)
ロン・クック (フランツ・フェルディナンド)
トッド・ボイス (アルフレッド・ル・デュポン)
デヴィッド・カルヴィット (ウィルソン大統領)
スタンリー・トゥッチ (アメリカ合衆国大使)
キャシディ・リトル (英国スパイ)
スタッフ。
製作:マシュー・ヴォーン、デヴィッド・リード、アダム・ボーリング
製作総指揮:マーク・ミラー、デイヴ・ギボンズ、スティーヴン・マークス、クローディア・ヴォーン、レイフ・ファインズ
撮影:ベン・デイヴィス
プロダクションデザイン:ダーレン・ギルフォード
衣装デザイン:ミシェル・クラプトン
編集:ジェイソン・バランタイン
音楽:マシュー・マージェソン、ドミニク・ルイス
『キングスマン:ファースト・エージェント』を鑑賞。
一次大戦頃世界、英国貴族が戦争終結に挑むスパイ・アクション。
民間スパイ組織誕生秘話描く『キングスマン』シリーズの第三弾。
けっこう真面目ですが、ちらほら可笑しみがこぼれる。それって、そう、いつもと逆です。
世界を舞台にするが007的な観光映画にしないで、対人ネタがメインなのでやや世界が狭いのだが、それはシリーズの特徴だしね。そこもある意味で貴族的っぽいし、諜報活動の扉の奥感の方をとっているといえる。
意外とアクションは少なめで、どう取り組むかの葛藤のドラマで押してきます。よりジェントルとは何かで語る。「マナーが人を作る」を誰が言うか注目。
レイフ・ファインズのジェントル、ハリス・ディキンソンの誠実、ジェマ・アータートンの上品。リス・エヴァンスの怪しげ。英国貴族系俳優がつらつら。
貴族美術の本物感も味わえます。今まで以上に本場物を味わえます。
もともと皮肉として、通俗闇組織VS紳士スパイだったが、そもそも大きな戦争は貴族によるものだし、格差社会でその皮肉が通じにくくなってしまった。そこで、貴族精神(ノブレス・オブリージュ=大いなる力には大いなる責任が伴う)のスーパーヒーローの理屈で戦う。ゆえに、さらに理屈と感情が衝突する。そして、下支え(=民衆)こそが世界の意思だと見せる。007が超人→常人したのに抗うキングスマンも常人化。
見せ場のアクションは数ではなく、シチュエーションとキャラ推しにシフト。
シリーズ的な小ネタもちょこちょこありますので、ファン的には楽しめます。
どう転ぶか分からないストーリーの展開に揺さぶられる。
世界を円卓にする角作。
おまけ。
原題は、『THE KING'S MAN』。
『その王の臣』。
原題は、1作目『Kingsman: The Secret Service』、2作目は『Kingsman: The Golden Circle』。
2020年の作品。
製作国:イギリス / アメリカ
上映時間:131分
映倫:PG12
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
ネタバレ。
ポストクレジットに出てくる二人は、ウラジーミル・レーニン(アウグスト・ディール)とアドルフ・ヒトラー(ダフィット・クロス)。
レーニンは劇中でもロシアを倒し、ソ連をつくる過程で闇組織の一員として登場。
第二次世界大戦を引き起こす流れが見える。
指輪で、ハヌッセンがシェパードとして、組織を引き継いだこともわかる。
シリーズ第4弾は、元の現代に戻るらしいですよ。
「マナーが人をつくる」をシェパードことモートンが言う。
なかなかに面白かったです。
粋なチョイスですね!
初映画楽しまれたようで、幸いです。