で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1336回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ALONE/アローン』
砂漠で地雷を踏んで身動きが取れないまま、極限状況の中で、二日後に来る救援をひたすら待ち続ける兵士の闘いを描く、緊迫のシチュエーション・スリラー。
監督と脚本は、本作が長編デビューとなるファビオ・グアリョーネ&ファビオ・レジナーロ。
物語。
凄腕スナイパーの米軍兵士マイクは、砂漠でのテロリスト暗殺の任務に就いていた。
相棒のトミーとともに合流地点へ向かう途中。地雷原に迷い込んでしまう。
マイクは、地雷を踏んで、一歩も動けなくなってしまう。
無線で救助を要請すると救援に行ける部隊が動けるのは52時間後と告げられる。
出演。
アーミー・ハマーが、マイケル(マイク/マイキー)
トム・カレンが、トミー・マディソン。
クリント・ディアーが、ベルベル人。
イネス・ピナール・マイルが、ベルベルの娘。
アナベル・ウォーリスが、ジェニー。
ジェフ・ベルが、父。
ジュリエット・オーブリーが、母。
スタッフ。
製作は、ピーター・サフラン。
製作総指揮は、アーミー・ハマー、ミゲル・A・ファウラ、ナタリア・サフラン、ファビオ・グアリョーネ、ファビオ・レジナーロ。
撮影は、セルヒ・ビラノバ・クラウディン。
プロダクションデザインは、マニ・マルティネス。
編集は、マッテオ・サンティ、ファビオ・グアリョーネ、フィリッポ・マウロ・ボニ。
音楽は、アンドレア・ボニーニ。
現代、砂漠で地雷を踏んだ米兵が孤立し動けなくなるサスペンス。
入りからの展開などちょっとサービス精神が旺盛。元ネタに負けじと色々趣向を凝らしています。
動けないのを飽きさせない撮影もなかなか。
脚本家コンビのデビュー作なので、分かりやすいながらもジャンルに合わせた展開は堂に入ってます。字幕はちょっと軽量化されていますが、元台詞で聴くとテーマも細かく入れ込んでいます。歌の使い方とかもね。
アーミー・ハマーの端正な顔が崩れていくのもをかし。
このテイストなので、賛否分かれるかも。逆に日本人には見やすいかも。
開けて納得玉手箱な狼と羊と僕作。
おまけ。
原題は、『MINE』。
『地雷』であり『鉱山』であり『私の物』。意訳するなら、『自雷』。
邦題は、響きはいいけど、味わいがない。
おいらなら、『スタンド・アローン』か『FOOT/フット』か『KEEP/キープ』を推すな。
まぁ、そういうのたくさん検討されたんだろうけど。
2016年作品。
上映時間は、106分。
製作国は、アメリカ/スペイン/イタリア。
映倫は、PG12。
キャッチコピーは、「一歩踏み出して死ぬか このまま死ぬか―― 誰もいない何もない砂漠で地雷を踏み、取り残された兵士救援まで52時間」。
がっつり説明型。しかも、途中の展開まで教えてくれています。やりすぎ。
ファビオ&ファビオはこれが長編監督でビューですが、すでに脚本で売れているようです。SFもあるようなので、楽しみ。あ、兄弟じゃないみたいですよ。ダニエルズみたいな同じ名前のユニットのようです。
長編初撮影監督のセルヒ・ビラノバも、すでに新作が何本か待機中。
ややネタバレ。
ややネタバレ。
元ネタは『127時間』なのだが、戦場版であり、足版。
『ザ・ウォール』なんてのもありましたね。
でも、制作はこっちの方が先のようです。
で、『ザ・ウォール』の主役はアーロン・テイラー=ジョンソン。
彼主演でこっちのタイトルでなくてよかったなと。
そういや、アーミー・ハマーもアーミーって名前じゃ、兵士か。
ネタバレ。
地雷を処理するために、ナイフで地面を刺している時に刺さらないので、なぜだろう? と思ったら、だいたいブリキ缶のネタには気づく。
あれが刺さっていたら、ブリキ缶に穴が開いて、早い段階で助かったかもしれないけど。
足版『127時間』なのよね。
より宗教譚になっているのが一番の違いだろう。まず、結婚式に立ち会わせることで神の僕になっている。
跪くが、祈る恰好であり、求婚、騎士の任命を受ける姿などのモチーフの使い方とかね。
ブリキ缶に入れられたトイソルジャーが、彼の状況を示していたなど、映像イメージの近い方が凝っている。
ベルベル人が言及する曲は、エンドクレジットにでも流れるので、サウンドトラックに入っています。
『You Got to Keep Moving On』(Andrea Bonini, Elliot Friederich)です。