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一期一会

日々是好日な身辺雑記

蕎麦懐石 土家

2024年10月06日 | 日記
昨日はカミさん、娘と隣り町の蕎麦懐石の店「土家」に行ってきた。この店は駅前の通りから一本中に入った静かな住宅地にあり、古民家風の目立たない店構えで、ぶらり歩きをしていた時に偶然見つけた。ネットで検索したら評点も高く、予約の取れない店ともなっていた。その後一昨年末の息子の一時帰国や誕生日などで、何回か予約トライしたが全然取れなかった。先月は前立腺の検査結果がセーフだったことと、7月に娘に日本橋の寿司店でご馳走になったこともあり、秋分の日に2人にご馳走しようと電話予約してみたが取れなかった。因みにこの店はネット予約は無く電話予約のみ、夜のコース11,000円の現金支払いのみだ。

 
18時に入店したが、店内は古民家のように広く、そこにカウンター4席と大きなテーブル席は4人までというゆったりとしたスペースの使い方だ。そして子供同伴はNGで高校生以上となっている。少し制約があると感じられるかもしれないが、蕎麦懐石という料理とご主人とおカミさんで切り盛りしているからで、それが味、店の雰囲気、おもてなしのサービスと会食の席としては申し分のないものだった。
先ずは飲み物の注文では日本酒が8種類あったが、知っている銘柄は雪の茅舎だけで、そんな中から超辛口肥前蔵心を注文したが、淡麗でスッキリした飲み口の酒だった。

 
最初の一品はじゃがいもの饅頭という、あんかけにじゃがいもを裏ごしした中に鮭のほぐし身が入っていて、その出汁が美味しいと連発の2人だった。
 
 
鯛、松茸、冬瓜、青柚子、つる紫のお吸い物。徳利とお猪口にも主人のこだわりが感じられるものだ。

 
イクラ、ナメコ、そば豆腐、菊の花の酸味のあるゼリー。

 
蔵心が超辛口という事から、おカミさんの説明を聞きながらコクのある酒と言う、象形文字のような書体の篠峯(しのみね)を呑む。この酒の蔵元は奈良県の千代酒造で全国紙新酒鑑評会において9年連続金賞受賞の実力蔵である。日本酒の品揃えにも主人のこだわりを感じた。
 
 
そして八寸はカマス、卵付き鮎、榎茸と水菜のお浸し、湯葉豆腐の胡麻だれ、柿の胡桃だれ、落花生、焼き芋の唐揚げ、さつま芋のレモン煮、銀杏、一品一品が丁寧に料理された味だった。特にコースの品書きは無かったので、おカミさんの説明を娘にメモしておいてもらった。
 
 
太刀魚と白茄子の天ぷら。
 




辛味の強い大根おろし付きの蕎麦とデザートは蕎麦のサブレーと栗羊羹だった。栗羊羹は2切れだったが、一切れ食べた後の写真だった。



 焼き物が好きな2人が感心してたのは、皿や小鉢が素敵だと。蕎麦湯の入った土瓶風の急須は主人の焼いた物で模様付けも自身でしたものだ。湯呑みはおカミさんの説明によると、愛知県瀬戸市で30年間にわたり陶器を作り続けるカンボジア人のイム・サエムさんという陶芸作家のもので、今や全国各地で作品展が開催される人気陶芸作家らしく、高くて買えないとのことだった。
 
日本酒を呑みながらの2時間のコースは、おカミさんの細やかな気づかいに満ちたサービスと、静かで落ち着いた店の雰囲気、そして懐石料理としての味と久しぶりの大満足の会食だった。
 

上州温泉巡り

2024年09月28日 | 日記
今週25日(水)から飲み友達Sさんの農園付き貸別荘クラインガルテンやんばへ、隣町に住むIさんと一泊で行ってきた。元々は避暑を目的に8月に行くことを予定していたが、7月にMRIの検査結果で前立腺癌の疑いを指摘され、その後の検査入院などで予定が立たず、この日になった。クラインガルテンやんばは長野原市が施設管理するもので、100坪の敷地に68㎡位の1LDKの住居と農園が付いている。長野原市は八ッ場ダムの関係から財政が豊かなのだろう、住居設備は至れり尽くせりで、年間賃料48万円だけのことがある。そんなクラインガルテンやんばも来年3月で10年契約期限になるらしい。この間年一回は訪れていたが、そのつどSさんが温泉以外の企画も考えてくれ、野反湖、志賀高原などの自然や、歴史好きから真田幸村ゆかりの地の岩櫃城跡、江戸時代の蘭学者高野長英を匿ったと言われる湯本家住宅などを案内してくれ、大感謝の10年だった。





浦和発10:19の特急に乗り中之条駅に着いたのが11:59で、駅でSさんと待合せて昼食をいつもの蕎麦屋はやしやで、いつものそば定食850円を食べる。十年一日の変わらぬ味とコストパフォーマンスの良さだ。そして食事の後はヤオコーで夕食の惣菜を買い求め、クラインガルテンやんばへ。惣菜を冷蔵庫に入れ荷物を置いて、彼のこの日のプラン四万温泉清流の湯へ向かった。40分くらいのドライブで着いた清流の湯はあいにく休館で、後から調べたら第4水曜日が定休日となっていた。次に向かったのが美人の湯として有名だと言う小野上温泉で、pH8.9と言ってたが、アルカリ性の効用も分からないカラスの行水派なのだが、つるつるとした湯肌なのだけは分かった。
(小野上温泉センター)




温泉から戻り、奥様差し入れのチキンの煮込みや買ってきた惣菜を並べて宴会が始まったのが17:00。ピールと日本酒を飲みながら、八っつあん熊さん的な時事放談や自民党総裁選話と話の種は尽きることがなく、寝床を確保しての宴会は23:00まで続いた。そんな話の中で一致していたのはNO高市早苗だった。まぁ公平正確を期すとそれを1番主張していたのは私なのだが。元々HanadaやWillなどの論壇誌を基盤とする右保守層には抵抗を感じている。両雑誌で常に取り上げられるのが彼女で、今回の選挙期間中にも、日銀の利上げにアホ発言や、積極財政出動、総理になったら本田悦郎を日銀総裁に、との発言など問題外だった。安倍政権時代の消費税増税反対のリフレ派と称される本田悦郎や高橋洋一などの御用学者•エコノミストが彼女の応援団として付いているのも気にくわない。今回の総裁選を見ていて思うところが沢山あるが、ともかく高市総理が実現しないことになったので、この辺で止めとこう。





寝床についたのが、23時過ぎだったが習慣的に目覚めたのが4時半で、しばらくスマホで日経電子版や米株式市場のチェックをしていたが、5時過ぎには散歩に出かけた。2人はイビキをかきながら熟睡していた。40分ほど歩いたのがトップ写真の朝焼けの八ッ場ダムと、上の写真が近くの諏訪神社から見た朝靄のかかる山並みだ。朝食は奥様がタッパーウェアに入れてくれた、レタス、セロリ、胡瓜、トマトなどの野菜、梨、茹で卵などを盛り付け、畑の朝もぎミニトマトも添えて食べた。普段の朝食より豊かな内容だった。

朝食後はSさんの畑で収穫した玉ねぎ、ピーマン、ミニトマト、ゴーヤを頂き、それに加えてスコップを使ってネギを掘りお越して貰ってきた。カミさんが生て食べたピーマンが美味しかったと言っていた。
(草津温泉 千代の湯)


(湯畑)


(ホテル櫻井)




そしてSさんが2日目の観光として企画していたのが、草津温泉千代の湯の時間湯だった。草津温泉独特の入浴法である時間湯が始まったのは江戸時代末期と言われ、明治10年代には現在の入浴法が確立されたと言う。ただ残念ながら9:30〜10:15の時間帯での入浴には先客がいて利用出来なかった。次の10:30〜11:15の時間帯は女性客だけの利用となっていた。時間湯については長くなるのでカット。そこで隣りの無料公営湯に入ってきた。温泉入浴の後は、11月6日、7日に予定している、35歳まで勤めていた会社仲間4人との旅行の幹事をしていることから、候補2軒のホテル旅館の下見に出かけた。どうもこのメンバーとの新年会などでは、何故か幹事役をつとめる事が多い。そして2軒廻ったが、Iさんが昨年泊まって良かったというホテル櫻井に決め、帰宅してからネットで予約した。ここは草津温泉での人気一位のホテルで、部屋が5人泊まれる次の間付きの広さと、夕食がバイキング以外にレストランでの会席料理があったのでここに決めた。若い時からの遊び仲間飲み仲間だが、さすがに歳を重ねバイキングや飲み放題でもなくなった。

そんなお二人に関係のない旅行の下調べに付き合わせて申し訳なかったが、直接現地を見ることでネットでは分からない部分が知れて良かった。もう一軒と比べ料金は一万円以上高かったが、それだけの事はあるだろう。帰宅してから4人にはメールで決定を連絡した。





草津温泉巡りの後は、前にも案内してもらった日本名水百選の(箱島湧水)を使った手打ち蕎麦の店(あづま家)で天もりを食べ、渋川まで送ってもらい帰ってきた。
いつもながらのお任せドライブ、観光案内と
お世話になりっぱなしだった。
62歳からの第二の職場の某金融機関で知り合った同年齢のお二人は何故か気が合う、なかなか得難いお付き合いだ。



米大統領選テレビ討論会

2024年09月14日 | 日記
日本時間11日(水)10:00から三大ネットワークABCで大統領選のテレビ討論会があった。NHKで同時放送されていたので、予約録画して病院から戻ってから早速見た。久しぶりに笑えたのと、トランプの相変わらずの自画自賛振りと、嘘八百を並べ立てての攻撃には只々呆れるばかりだった。ただいつもの支持者集会とは違い、司会進行がワールドニュースで毎日見ているABCのアンカーのデイビッド•ミューアーとリンゼー•デイビスで、この2人がテーマを出し、2分間という制限時間での発言だったので、勝手が違ったろう。そして終始カマラ・ハリスを見ることはなく、テーマから外れた繰り返し発言や、事実に基づかない発言を指摘訂正された。
 
 
笑えたのは移民問題に絡めて、(オハイオ州のスプリングフィールドでは、ハイチからの移民がペットの犬や猫を食べているんだ)との驚きというか、荒唐無稽な呆れる発言だ。この発言にはハリスは余裕で、呆れたように笑いをながら聴いていた。そしてデイビッド•ミューラーからは(スプリングフィルード市の責任者に確認したがそんな事実はないとの事です)と指摘された。今日の日経新聞にはハイチ政府がトランプ発言に対して(発言は同胞の尊厳を踏みにじり、命を脅かしかねないもので、断固として拒絶する)と報じられた。人種差別主義者のトランプらしい発言だが、常識的に普通はこんな発言はしないだろう。その場が支持者の集会ではなく、大統領選のテレビ討論会なのだから。





この討論会のファクトチェックがCNNでトランプ33ハリス1と報じられ、どちらが勝利者かのアンケートではハリス63%、トランプ37%となって他の米メディアでも同じような結果だった。YouTubeではマイクロソフトと三大ネットワークNBCが設立したMSNBCやCNBC、CNN、英BBCなどが見れる。日本の報道番組のアメリカ大統領選の主なコメンテーターは前嶋、中林、小谷、海野の大学4教授だが、コメントの内容が予想できるので殆ど見ない。まぁ木村太郎よりは遥かに良いが、総じて予想屋的コメントで、亡くなった国際政治学者の慶應大学中山教授ほどのアメリカ政治への見識は感じられない。
BBC NEWS はネットニュースとして日本語で無料で見れ、中国語など多言語に対応しているが、中国本土では規制がかかって見れないだろう。流石に歴史を誇るイギリスを代表する報道機関だけあって、その報道内容に見識がある。Fox Newsとはえらい違いだ。今回もBBC VERIFYとして両者の発言を客観的に事実確認の報道をしている。ビデオも貼り付けてあるので、それがYouTubeにアップされるのだろう。




 
そして討論会の後でテイラー•スウィフトがインスタグラムにハリス支持の投稿した。正直なところノラ•ジョーンズはよく聴くが、彼女の歌は聴いたことが無いし、インスタグラムも見てないのだが、その世界的な若い世代からの人気ぶりは各メディア報道で知っていた。インスタグラムへの投稿は日経電子版の速報で知ったが、討論会直後の投稿だったようだ。猫を抱いた写真はトランプの副大統領候補ヴァンスの(子供のいない猫好き女性)発言を皮肉って、(Taylor Swift Childless Cat Lady)と書いたものだ。そして支持声明は(2024年の大統領選でカマラ•ハリスとティム•ウォルズに投票する。ハリス氏は権利と大義のために戦っていて、安定した才能を持つリーダーだ)とし、さらに(LGBTQ+や女性が自分の身体を持つ権利などに何十年も立ち上がってきたティムを伴走者に選んだことに、とても心を打たれて感銘を受けた)と投稿した。
 
この部分に対してBBC報道は若干違い、対外受精についても触れているようだ。加えて(私は自分で調べて、自分の選択を決めました。皆さんはそれぞれ皆さんで調べて、自分で決めて下さい)とも書き、さらに有権者登録を速やかに済ませるように呼びかけた、とも報じた。テイラー•スウィフトは2020年5月にミネソタ州で黒人男性ジョージ•フロイドさんが警官に押さえつけられて死亡した事件の後、全国的に起きた抗議行動に対する当時のトランプ政権の対応を公然と批判したとし、ツィッターで(大統領として一貫して白人至上主義と人種差別の炎をあおっておきながら、今になって暴力を脅かす前に自分は道徳的に優れているふりをするなど、どういう神経なのか、11月にあなたを落選させる)と書いていたとも報じた。同じ記事が英語でも読めるので勉強にもなる。この投稿に対するイーロン・マスクの反応も気持ちが悪いもので、それは「イーロン・マスク」に書かれていた事を読んだからで、それが何かは長くなるので書かない。マスクはテスラとXの所有者であるだけでは問題ないが、スターリンクの所有者であるのは、世界的にも影響力が大きい。あの本を読んでテスラはトヨタになれないし、その株も買わないと思った。

 
討論会での数々の呆れた発言を繰り返すトランプ、連邦議会襲撃事件の責任を問われ、あれはぺロシ下院議長と市長の責任だと強弁した!そして支持者集会にふれ、自分の集会はMAGAに共感して多くの人数が集まるが、ハリスの集会はバスで連れて来られ、お金が支払われる支持者だとも。MSNBCには討論会翌日の2人の集会の様子かアップされていた。そして討論会終了後にプレスルームに顔を出し、臆面もなく討論会では大勝利したと。
 
 
最近読み始めたのが、「ジョン•ボルトン回顧録」で、図書館からの再読本だ。ボルトンはトランプ政権の安全保障担当の大統領補佐官だが、最近のメディアインタビューでは、(最初の4年間が悪かっとすれば、次の4年間はさらに悪くなるだろう)と言い(トランプは私利私欲におぼれており、自身の敵への報復しか考えておらず、2期目の大部分がそれに消耗されるだろう)とも。このようにトランプ政権時代のスタッフやブッシュ政権の副大統領ディック•チェイニーや娘の前下院議員リズ•チェイニーもハリス支持を証明した。リズ•チェイニーは反トランプの急先鋒で共和党の重鎮だったが、共和党がトランプ党に変わっていく中で、トランプの報復にあい、予備選で敗北し議員職を失った。


色々なメディア報道を見ても、トランプの阿呆ぶりやアメリカ大統領としての何の政治理念も無かったのを知りながら、それでも30%くらいの支持があるのが分からない。そんな支持者の中には、バイデンは死んでいて、今のバイデンは別人物だと言うような陰謀論者もいる!Qアノンやディープステート論といいオカルト的世界観だ。前述の犬猫食発言の出所はオハイオ州選出のヴァンスらしいが、いづれにしてもティム•ウォルツ言うところの、奇妙な正副大統領候補だ。
 

多箇所生検結果

2024年09月12日 | 日記

8/21日(水)に行った全身麻酔での前立腺癌の多箇所生検は、予想外に身体に負担が大きかったようで、前立腺25ヶ所に針を刺した為か、その前立腺の腫れによるものだろうと思われる血尿、排尿困難と身体的不調が続き、22日に退院したがその後28日(水)、2日(月)と大学病院に電話し予約外の診察を受けた。2日(月)の担当医は思いがけず生検検査を行い、我が家に電話連絡をくれた先生だった。そして病理組織検査の結果が出ていたらしく、私が尋ねなかったのに(癌ではなかったですよ)と教えてくれた。これで当座の手術がなくなりホッとしたが、両手を挙げて喜ぶという感じはなかった。PSAの数値が上がり続けているし、生検でのセーフは2度目だったからだ。前立腺肥大での手術の選択肢も言われたが、6年来の担当医との予約診療が11日になっていたので、そちらで相談しますといって帰ってきた。

そして昨日11日(水)11:00に担当医の予約診察があり、癌ではないと分かっていたが、8日(日)からの39.2℃という高熱、退院後の不調の原因と今後の対処法について聞きたいと、カミさんが仕事を半休にして11:00からの担当医の診察に同席した。、私はその前に2種類の検査があり、9:30には病院入った。

11:00からの担当医の診察は、既に私が予約外診察で2度訪問している事も承知しており、その内容も把握していた。肝機能診察もそうだが問診もその都度PCに入力し、各種検査データも時系列に見れるようになっているようだ。8/28(水)の肝臓の担当医も7月からの前立腺のMRI検査→全身麻酔の多箇所生検についても知っていた。

病理組織検査報告書に基づいての説明は、「病理診断」Prostate;Inflammatory change、biopsy.「病理所見」部分的にかなり強い炎症細胞浸潤を示す前立腺組織です。材料に悪性像は認められません。という極めて短いコメントだった。病理診断の炎症性変化の方が分かり易い。私の方からはネット知識だがと前置きして、PSA検査と同じく前立腺がん新検査として注目されているプロステートヘルスインデックス(PHI)の有用性について聞いた。PHIは2021年11月に保険が適用になり、PSA4〜10の間はグレーゾーンで25%〜40%の割合で癌が発見されると言われ、言い換えると60%〜75%が癌が発見されないので、不要な生検になる可能性がある。この質問は6年前PSA4.0を超えてから、この大学病院で血液検査を続け、2020年に6.0になった時に局所麻酔で生検を行った時もセーフだった。今後も腫瘍マーカーとしてPSAを用いるのか?その時の生検実施の判断は?との疑問からの質問だった。

実際の生検もそうだが、今回は退院後の変調に驚いた。8日の39°Cの高熱にトイレまで歩くのもふらふらな様子に、カミさんは救急車を呼ぼうかしらと言ってたが、取り敢えず5月のフランス旅行での風邪に行きつけのクリニックで貰った解熱鎮痛薬ロキソニンを服用したら1時間くらいで熱が下がってきた。それを朝夕食後に飲み続けた。この状況から2度と生検を受けたくないとの思いからの質問だった。

病理組織検査報告書には50mm×40mmの前立腺の絵に1〜25の数字が書きこまれており、前立腺全体を網羅していた。大きさは2020年と変わっていなかった。そしてこの多箇所生検により、炎症起因と分かったので今後生検を行う事はないと明言された。そしてPSAとPHIはあくまで腫瘍マーカーとして、癌の疑いの数値なので、最終判断には生検は欠かせないとの事だった。この結果を受けて2種類の処方薬7日分の処方箋を出してもらい、1週間後の予約診察となった。

病気のことを4回に亘って書いたが、これが私自身の身辺雑記なので省けなかった。猛暑も終わり紅葉の時期になったら、旅の話も書けるだろう。



「独裁が生まれた日」 /大熊雄一郎

2024年09月09日 | 日記

週末にかけてカミさんが図書館から借りた「独裁が生まれた日/習近平と虚構の時代」を読んだ。この本は先月の日経新聞書評に載っていたらしいが短評という事で気づかなかった。カミさんもよく本を読むが、読書傾向は私とは違い、国際政治もニュースで見るくらいの関心かと思っていたが、この本を面白かったと薦めてきた。カミさんは息子に言わせると嫌中派らしいが、それは現在の政治体制に対するもので、昔から中国の歴史、文化、自然に対する関心は高かった。

この本は6月に発行されたものだが、筆者は2011年から共同通信の記者として北京に駐在し、2022年には優れた国際報道記者に贈られるボーン・上田記念国際記者賞を受賞している。本のタイトル通り、毛沢東時代の文化大革命による大混乱の反省を踏まえ、鄧小平が個人崇拝の禁止、共産党総書記の任期を2期10年と定めた党則を習近平が改則して3期目を決め、毛沢東化、独裁者への道を歩み始めた。2022年12月の新型コロナウィルスオミクロン発生による、政府のゼロコロナ対策に対しての、白紙抗議運動の拡大までが描かれている。この本の凄いのは知識人、ジャーナリスト、医療関係者、SNSにを投稿した一般人と多くの国民にインタビューして描かれている点だ。

共産党内での独裁者への道筋は、ライバルと目されていた薄熙来、周永康を収賄罪で無期懲役で投獄した。薄熙来は習近平を(トップの器ではない)と評していたらしいが、それにしても日本は勿論、他の民主国家においても収賄罪で無期懲役はあり得ないだろう!そして習近平の3期目が決まった2022年10月16日の第20回共産党大会では、新聞、テレビのメディアで報じられた胡錦濤前主席の途中退席の様子だ。強制退席させられた様にも映り、習近平に声をかけ、李克強の肩をぽんぽんと叩き、李は当惑気味に頷いた。この不自然な途中退席について、翌日新華社などで(パーキンソン病で体調が優れなかった)と報じたが、真相は分からない。この本では胡錦濤の長男胡海峰の知人からの情報として、父親の体調は問題ないとし、習近平にかけた言葉も載っている。党大会の2ヶ月前から人事に関する予測記事が日本のメディアでも報じられていたが、大きく違ったのが李克強首相の引退と、、習近平らに続く次世代指導者の有力候補として長い間注目されてきた胡春華副首相が降格された。そして習近平の子飼いで上海のロックダウンの対応で批判された李強がNO2の首相に就いた。その何故が描かれている。いづれにしても、習近平が推し進める強権政治と情報統制は中国経済にとって何のプラスにもならず、外国企業の撤退も増えるだろうし、経済の落ち込みは国民の不満を高めるだろう。

2020年1月からのコロナウィルスへの共産党統治下のゼロコロナ対策について、第5章でコロナの悪酔いと称して65ページを割いて描かれている。そんなコロナ禍の渦中の2021年7月に息子が上海赴任となった。まだ市レベルでのワクチン接種が始まっていない時に、娘が勤める大手ファイナンシャルグループの家族枠で、ワクチン接種をしてから単身赴任した。当時は中国入国時にホテルに2週間隔離のルールがあり、カミさんと娘とやっているSNSWechatに支給される弁当の写真などを載せていた。当然の事ながらWechatでは当たり障りのない話題にする事と、カミさんと娘に注意しておいた。そして2022年3月から5月まで2ヶ月間の上海のロックダウンが行われた。この頃の上海の新規感染者数は15,000人/日となっていた。息子の住むマンションにNHKの記者が住んでおり、毎日録画して見ている国際報道2022で、ベランダからの上海のロックダウンの様子と、マンション住人による食材の共同購入の様子が報じられていた。その共同購入に関わっていたのは会社の奥様という事だった。そんな1年半にわたる単身赴任から、嫁さんと孫を上海に連れて行くために2022年12月末に一時帰国した。

それも帰国前のPCR検査で陽性となり、21日の帰国予定が29日になったが、これが逆に幸いしたというか、当初中国入国時に1週間のホテル隔離だったが、前述の白紙抗議運動によりゼロコロナ対策も緩和され、ホテル隔離が無くなった。そんな上海赴任も終わり来年1月から3月に帰国すると言う。色々と心配事があったが、これで一安心だ。