









8/21日(水)に行った全身麻酔での前立腺癌の多箇所生検は、予想外に身体に負担が大きかったようで、前立腺25ヶ所に針を刺した為か、その前立腺の腫れによるものだろうと思われる血尿、排尿困難と身体的不調が続き、22日に退院したがその後28日(水)、2日(月)と大学病院に電話し予約外の診察を受けた。2日(月)の担当医は思いがけず生検検査を行い、我が家に電話連絡をくれた先生だった。そして病理組織検査の結果が出ていたらしく、私が尋ねなかったのに(癌ではなかったですよ)と教えてくれた。これで当座の手術がなくなりホッとしたが、両手を挙げて喜ぶという感じはなかった。PSAの数値が上がり続けているし、生検でのセーフは2度目だったからだ。前立腺肥大での手術の選択肢も言われたが、6年来の担当医との予約診療が11日になっていたので、そちらで相談しますといって帰ってきた。
そして昨日11日(水)11:00に担当医の予約診察があり、癌ではないと分かっていたが、8日(日)からの39.2℃という高熱、退院後の不調の原因と今後の対処法について聞きたいと、カミさんが仕事を半休にして11:00からの担当医の診察に同席した。、私はその前に2種類の検査があり、9:30には病院入った。
11:00からの担当医の診察は、既に私が予約外診察で2度訪問している事も承知しており、その内容も把握していた。肝機能診察もそうだが問診もその都度PCに入力し、各種検査データも時系列に見れるようになっているようだ。8/28(水)の肝臓の担当医も7月からの前立腺のMRI検査→全身麻酔の多箇所生検についても知っていた。
病理組織検査報告書に基づいての説明は、「病理診断」Prostate;Inflammatory change、biopsy.「病理所見」部分的にかなり強い炎症細胞浸潤を示す前立腺組織です。材料に悪性像は認められません。という極めて短いコメントだった。病理診断の炎症性変化の方が分かり易い。私の方からはネット知識だがと前置きして、PSA検査と同じく前立腺がん新検査として注目されているプロステートヘルスインデックス(PHI)の有用性について聞いた。PHIは2021年11月に保険が適用になり、PSA4〜10の間はグレーゾーンで25%〜40%の割合で癌が発見されると言われ、言い換えると60%〜75%が癌が発見されないので、不要な生検になる可能性がある。この質問は6年前PSA4.0を超えてから、この大学病院で血液検査を続け、2020年に6.0になった時に局所麻酔で生検を行った時もセーフだった。今後も腫瘍マーカーとしてPSAを用いるのか?その時の生検実施の判断は?との疑問からの質問だった。
実際の生検もそうだが、今回は退院後の変調に驚いた。8日の39°Cの高熱にトイレまで歩くのもふらふらな様子に、カミさんは救急車を呼ぼうかしらと言ってたが、取り敢えず5月のフランス旅行での風邪に行きつけのクリニックで貰った解熱鎮痛薬ロキソニンを服用したら1時間くらいで熱が下がってきた。それを朝夕食後に飲み続けた。この状況から2度と生検を受けたくないとの思いからの質問だった。
病理組織検査報告書には50mm×40mmの前立腺の絵に1〜25の数字が書きこまれており、前立腺全体を網羅していた。大きさは2020年と変わっていなかった。そしてこの多箇所生検により、炎症起因と分かったので今後生検を行う事はないと明言された。そしてPSAとPHIはあくまで腫瘍マーカーとして、癌の疑いの数値なので、最終判断には生検は欠かせないとの事だった。この結果を受けて2種類の処方薬7日分の処方箋を出してもらい、1週間後の予約診察となった。
病気のことを4回に亘って書いたが、これが私自身の身辺雑記なので省けなかった。猛暑も終わり紅葉の時期になったら、旅の話も書けるだろう。
週末にかけてカミさんが図書館から借りた「独裁が生まれた日/習近平と虚構の時代」を読んだ。この本は先月の日経新聞書評に載っていたらしいが短評という事で気づかなかった。カミさんもよく本を読むが、読書傾向は私とは違い、国際政治もニュースで見るくらいの関心かと思っていたが、この本を面白かったと薦めてきた。カミさんは息子に言わせると嫌中派らしいが、それは現在の政治体制に対するもので、昔から中国の歴史、文化、自然に対する関心は高かった。
この本は6月に発行されたものだが、筆者は2011年から共同通信の記者として北京に駐在し、2022年には優れた国際報道記者に贈られるボーン・上田記念国際記者賞を受賞している。本のタイトル通り、毛沢東時代の文化大革命による大混乱の反省を踏まえ、鄧小平が個人崇拝の禁止、共産党総書記の任期を2期10年と定めた党則を習近平が改則して3期目を決め、毛沢東化、独裁者への道を歩み始めた。2022年12月の新型コロナウィルスオミクロン発生による、政府のゼロコロナ対策に対しての、白紙抗議運動の拡大までが描かれている。この本の凄いのは知識人、ジャーナリスト、医療関係者、SNSにを投稿した一般人と多くの国民にインタビューして描かれている点だ。
共産党内での独裁者への道筋は、ライバルと目されていた薄熙来、周永康を収賄罪で無期懲役で投獄した。薄熙来は習近平を(トップの器ではない)と評していたらしいが、それにしても日本は勿論、他の民主国家においても収賄罪で無期懲役はあり得ないだろう!そして習近平の3期目が決まった2022年10月16日の第20回共産党大会では、新聞、テレビのメディアで報じられた胡錦濤前主席の途中退席の様子だ。強制退席させられた様にも映り、習近平に声をかけ、李克強の肩をぽんぽんと叩き、李は当惑気味に頷いた。この不自然な途中退席について、翌日新華社などで(パーキンソン病で体調が優れなかった)と報じたが、真相は分からない。この本では胡錦濤の長男胡海峰の知人からの情報として、父親の体調は問題ないとし、習近平にかけた言葉も載っている。党大会の2ヶ月前から人事に関する予測記事が日本のメディアでも報じられていたが、大きく違ったのが李克強首相の引退と、、習近平らに続く次世代指導者の有力候補として長い間注目されてきた胡春華副首相が降格された。そして習近平の子飼いで上海のロックダウンの対応で批判された李強がNO2の首相に就いた。その何故が描かれている。いづれにしても、習近平が推し進める強権政治と情報統制は中国経済にとって何のプラスにもならず、外国企業の撤退も増えるだろうし、経済の落ち込みは国民の不満を高めるだろう。
2020年1月からのコロナウィルスへの共産党統治下のゼロコロナ対策について、第5章でコロナの悪酔いと称して65ページを割いて描かれている。そんなコロナ禍の渦中の2021年7月に息子が上海赴任となった。まだ市レベルでのワクチン接種が始まっていない時に、娘が勤める大手ファイナンシャルグループの家族枠で、ワクチン接種をしてから単身赴任した。当時は中国入国時にホテルに2週間隔離のルールがあり、カミさんと娘とやっているSNSWechatに支給される弁当の写真などを載せていた。当然の事ながらWechatでは当たり障りのない話題にする事と、カミさんと娘に注意しておいた。そして2022年3月から5月まで2ヶ月間の上海のロックダウンが行われた。この頃の上海の新規感染者数は15,000人/日となっていた。息子の住むマンションにNHKの記者が住んでおり、毎日録画して見ている国際報道2022で、ベランダからの上海のロックダウンの様子と、マンション住人による食材の共同購入の様子が報じられていた。その共同購入に関わっていたのは会社の奥様という事だった。そんな1年半にわたる単身赴任から、嫁さんと孫を上海に連れて行くために2022年12月末に一時帰国した。
それも帰国前のPCR検査で陽性となり、21日の帰国予定が29日になったが、これが逆に幸いしたというか、当初中国入国時に1週間のホテル隔離だったが、前述の白紙抗議運動によりゼロコロナ対策も緩和され、ホテル隔離が無くなった。そんな上海赴任も終わり来年1月から3月に帰国すると言う。色々と心配事があったが、これで一安心だ。