きのう老人施設にいる伯母に会いに行きました。
伯母は母の5歳年上。
93歳で時々忘れっぽくなりますが、
昔のことはよく覚えています。
きのうもいろいろな話を聞きました。
母の実家は北海道でニシン漁の網元でした。
祖母には兄がふたりいましたが、
見込みの薄い兄たちを心配した曽祖父は、
青森から腕のいい漁師を呼び、祖母の婿にしました。
ニシン漁が順調で祖父母は大きな屋敷を建てました。
10人いた子供たちは何不自由なく育ち、
年頃の母の姉たちは、三味線や長唄などを習っていました。
しかし、祖父母は、
祖母の兄の借金の保証人になり、
その兄は借金を返済せずどこかへ消え、
祖父母はそのあおりを受けて、財産を失いました。
祖父母と10人の子供たちは、
逃げるようにして東京に出てきました。
腕のよかった漁師の祖父は、
東京では何もできないただの大男になり、
その代わりになった2人の伯母たち。
習っていた三味線や長唄が、芸妓に役立ちました。
とくに一番上の伯母は話し上手で顔立ちがよく、
忙しく働くようになりました。
子供のうち2人は亡くなりましたが、
2人の伯母が、祖父母と6人の兄妹の生活を支えました。
昔なら普通にあった話だと思います。
でも、若いころわたしはそうは思えず、
一番上の伯母を中心に結束している母や叔父や伯母たちの、
とても濃い人間関係に、すごい違和感を感じていました。
親戚の行事からは遠ざかっていました。
今はその施設にいる伯母と、認知症の叔母と、
離れた所にいる叔父がいます。
元気なうちに、もっと話を聞いておけばよかった。
わたしが今ここにいる意味が、
もう少し分かったのかもしれません・・・。
また伯母の話を聞きに行こうと思います。
ご自分の存在を深く感じるのですね。
ヒメジオンですか。美しいですね。
この歳になると聞いておけばよかった・・・と思うことが多くなりました。
ヒメジオンがいろいろな場所で咲いていますね。歩いていても楽しいです