女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

かわいい認知症になれるでしょうか。

2021-11-22 21:24:42 | 映画

 

先週『フォーリング 50年間の思い出』を観ました。

ウィルスは認知症になって、田舎の農場のひとり暮らしはできないと、

息子のジョンと娘のサラの家の近くの施設探しのために、

ジョンとジョンの家族の住む家に向かっていました。

途中、飛行機の中では訳が分からなくなって大声を出したり、

トイレの出入り方が分からずにと騒ぎを起こします。

やっと着いたと思ったら、機内に忘れ物をしたとウイルス。

忘れ物を持って戻ったジョン、でも、ウィルスの姿はありませんでした。

 

どうにか自宅で合流できましたが、

そこからは執拗と思えるウィルスの言葉の攻撃が始まりました。

認知症だからなのか、元々の性格なのか・・・。

50年前のウィルス一家の様子が、現在のジョン一家の様子と交互に現れます。

若いころのウィルスは妻や子供たちにはやさしくありませんでした。

ジョンの誕生日会では、たくさん集まっている友だちやその母親たちの前で、

「これはオレの家だ。好きなようにする」と言って出て行ってしまいます。

いつも泣いている妻のハンナ、やがて、ジョンとサラを連れて家を出ます。

 

ウィルスが口にするのは、下品で卑しい下半身の話。

同性愛でパートナーと結婚しているジョンに対しても、あからさまな性差別。

サラと子供たちが来て庭で一緒に食事をしますが、

その席でもウィルスの態度はますますひどくなるばかりで、

いつも周りの人や別れた2人の妻たちの悪口が続きます。

 

わたしの父は認知症になる前から、頑固で、家族にやさしくありませんでした。

母はとくに何度も何度も殴られていましたし、

店の借金のために銀行や親せきに出向くときは、全部母に押し付ける。

父は自分の気持ちのうっぷん晴らしをしていて、

家族を大切に守るという気持ちはなかったと思います。

認知症になってからの父とわたしは毎日怒鳴り合いでした。

わたしはそんな父との確執をまだ消化できていません。

亡くなって7年も経つというのに、思い出すと腹が立ってきます。

 

映画の紹介では、

認知症を抱える父との再会をきっかけに辿る50年間の記憶、

言葉にできなかった想いを確かめ合う親子の物語。

とありますが、わたしにはあまりそれは感じられませんでした。

若いときから思いやりに欠けた人だから、

認知症になってさらにその性格がひどくなったとしか思えません。

わたしの父がそうでしたから、余計にそう感じてしまいます。

 

主演のジョンを演じたヴィゴ・モーテンセンは、

初監督、そして脚本、制作、音楽を担い、

アメリカでは次のクリント・イーストウッドとも言われています。

画面の美しさ、音楽の美しさ、脚本の緻密さ、

観てよかったという充足感がある映画でした。

それにしても認知症のウィルス役のランス・ヘンリクセンはすごかった。

エイリアンのアンドロイドの知的な感じはまったく感じず、

ただ、ただ、イヤなじいさんに徹していました。

お見事でした!

 

ポスター画像

 

 


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