第五高等学校の歴史のエピソードを調べていたところ小林旭の北帰行は旅順高等学校の寮歌であったということが判ったのでそれを調査してみた。
窓は夜露に濡れて
都すでに遠退く
北へ帰る旅人ひとり
涙流れて止まず
夢は虚しく消えて
今日も闇をさすらう
遠き思いはかなき望み
恩愛われを去りぬ
今は黙してゆかん
何をまた語るべき
さらば祖国いとしき人よ
あすはいずこの町か
・・・・・・・
旅順高等学校――――
日本で一番新しく、昭和十五年四月、中国大陸遼東半島の南端に開校、二年後に本校舎と寮が完成した。その名は「向陽学寮」五年の校史、太平洋戦争と運命を共にし日本で最初に姿を消した高等学校であった。本土から大陸雄飛を夢見る学徒が玄界灘の荒波を越えて遣ってきた。
上の北帰行の作者は宇田博・・旅順高を退学になり奉天の実家に帰ることにしたが、その前一週間に亘り旅館に泊まって「敗北と流離の思い」をこめて作った歌である。この歌にまつわるエピソードは二木紘三氏が詳しく書いておられます。
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