五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

守衛さん、小使いさん、校番さん等々の言葉について

2014-09-21 04:20:41 | 五高の歴史
我々の時代の人たちであれば小学校、中学校の時代には小遣いさん、校番さん、守衛さん等々の言葉については馴染みがあるのではなかろうか。
これら名称は、使丁としてかつては俗語として「小使い」「小使いさん」などの呼称も一般的に用いられていたが、差別的な意味合いがあると見る向きも多く、すべて .用務員・用務員室に統一され昭和30年代以降から 学校から「小使いさん・小使い室」が消え、「用務員さん・用務員室」になっている。
しかし昭和50年代に入るとこの用務員という制度、要するに学校等に於ける現業的仕事の人は人件費の削減や定員の不補充等が叫ばれ、民間の会社の、警備会社、清掃会社等の充実により官公庁等の機関を中心に外注と言うこれらの会社に委託するという制度が確立して、かつての国公立の学校等からは小使い、守衛、警備,園丁等々の現業職員は全く姿を消してしまった。

ここではその昔の五高における守衛、小使い等の勤務状況を眺めることにした。
守衛、小使いの勤務心得を掲げる。
  明治二十年五高開校時の門衛(守衛)の及び小使いの勤務心得
  門衛勤務心得
第一条 門衛は寄宿生徒及び外来人の出入り取締の為設けるものとす
第二条 門の扉は日の出に開き日没に半は閉じ午後一〇時全く閉鎖すべし
第三条 寄宿生徒の外出する時は鑑札を受取り級別に掛け置き帰舎の節之を本人へ渡すべし
但し平日は午後第七時休業日の前日は午後第十時を過ぎて帰舎せるものある時は遅刻者の鑑札を直ちに舎監に差し出すべし
第四条 寄宿生徒及び外来人門出する時物品を携するは舎監の門出証を請取り物品と照合し不都合なきものに限り門出せしむるものとす
第五条 外来人は総て姓名を記し置くべし

同じ時期に制定された小使い勤務心得
  小遣い勤務心得
第1条 小遣いは職員の命を受け諸般の使役に従事すべし
第2条 教場その他校舎内外を朝夕掃除し不潔するざる様注意すべし
第3条 器具、器械の諸物品は丁寧に取扱うべし
第4条 非常近火等の節は当直の指揮に従い諸事労力すべし

明治の勤務心得はこんなことでもあったろうが、俺が昭和50年ごろから昭和60年にかけての守衛・作業員等の勤務時刻表を作ったりした頃はこの制度が終わる直前であった。宿直でもこの作業員と事務官とが一緒に宿直もしなければならなかった。仮眠場の寝室、部屋こそ別であったがお互いのプライベートが侵害されることは度々であった。この宿直のための寝具をはじめとして食事を作る羽釜、鍋、茶わん等は準備されていた。自分でこれらのことをしたくないときは外注して食事を配達してもらわねばならなかった。当時の作業員の皆さんはまだお元気であろうか?時には思い起こすこともある。


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