物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】教育立国フィンランド流教師の育て方

2009年01月25日 | Weblog
 OECD(経済協力開発機構)が実施している学習到達度調査で、「世界一」の学力を維持しつづけている北欧の国フィンランド。同国ではどのように教師は育てられるのか、そして教師となってから、どのようにその力量を維持していくのだろうか。筆者が丹念な取材記録をもとにレポートしている。
 フィンランドでは教師の社会的地位は医者と並んで非常に高い。その代わり教師になるためには大学で修士号を取らなければならない。教育の理論から心理学まで全て学び、延べ半年間(教科担任であれば500時間)という教育実習期間を経て、ようやく資格が取れる。
 また根本的な社会のデザインと教育プランが見事なまでに一致しており、教師たちの教育理念にもブレがない。インタビューを受けたある教師はこう語る。
「学校、家庭、社会生活の中でその時の状況に応じて使える力をもった人間を育てることが、フィンランドを支える人間を育てることにつながる。その力を持った人こそが『競争力のある人間』だということです。つまり、世界の中で健全な社会をつくるために、国を支える力を持った人材を育てることです。隣の国や大学同士で競うことが競争力ではない。フィンランド流の競争力というには、自国がどうやって自分の足で立つか、といういわば内面に向かった競争です。他社と比較する競争は不健康です」
基本的な考え方をよく言い表している。
 最後に別の教師は、筆者ならびに日本の教育関係者に対し少し皮肉な言い方をする。
「どうして日本の教育は変わらないのか。フィンランドの何を見にきているのか。訪問する教育関係者たちは、熱心にノートをとり現場の写真撮影をする一方で『フィンランドは素晴らしい。でも日本で同じことをやろうとしても無理』とだけ言い残して帰っていく。無理だと一言で片付けられるのは“日本人の余裕”である」

 私個人、おかげさまで教師には非常に恵まれた学校生活を送れたと思う。特に節目である中学校3年と高校3年の担任の先生は今でも音信があり(しばらくお会いはできてないが)、現在の教育者の端くれみたいな仕事に就いた時には、二人の恩師に教えてもらったことをもう一度反芻して仕事のスタイルを組み立てた。
 私が考える日本の教育レベルを上げるための手っ取り早い方法は、教師間の給与格差をもっと開かせること、できる教師はもっともっと処遇されるようにすること、である。給与額は今の倍以上でもいい。そうして優秀な人材を教育界へ引き込む。20年近く社会人生活を送ってきて経験則から言えることは、ニッポンの良い人材(←勉強だけでなく、体力、バイタリティも含めた意味で)が一番集まっている集団は総合商社である。できれば総合商社を目指すような優秀層を教育界に引きずり込んでいきたい。
「教師=頑張っていれば30歳で年収1000万円以上稼げる職業」
少し“物寂しい”考え方かもしれないが、これくらいのパラダイム変換が必要なのである。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 定期健康診断 | トップ | 大阪国際女子マラソン »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マルティーノ)
2009-01-27 22:15:41
資源の少ない小さな日本。私も現在の有利な?間に人材に投資しておくべきだと思います。という意味では
教師は年収1000万円とはいわず、2000万円は渡すべきではと思います。そのかわりに、定性的な評価(定量的ではなく)は、もっと追求すべき&教師への尊敬度をアップすべきではと思います。。。。。なんて、コメントしていなかったので、無理やりしてみました。
返信する
マルティーノ君へ (モジャン)
2009-01-27 23:48:27
久々のコメント、サンキューね。
このブログ、一週間くらい誰からも「無視」されてて完全にスネてました(笑)。そのわりにはアクセス数はかなり多いんやでぇ。
2000万円でもええよ、ほんまに優れた教師には。まずは「儲かる商売」とするところから始めたらええんちゃう?
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事