行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

野坂昭如が死んだ

2015-12-10 16:26:24 | 日記・エッセイ・コラム

 一昨年、小沢昭一が亡くなり、二人とも私より25歳程年上。

 好き嫌いは別にして、若い頃から何となくその生き方にあこがれてきた。

 みんなまだまだ元気だろうと思っていたのに、当たり前だが、毎年少しずつ間引かれるように天国へ逝く。

 ずっと以前、好きだった噺家の馬生や志ん朝がポツ、ポツ、と不意に亡くなったときも何となく力が抜けたが、今日もなにか気が抜ける。

 あの、黒の舟歌やマリリンモンローノーリターンを一度は生で聞きたいと思っていたが・・・・


メニエールが帰って来た ②

2015-12-08 18:30:01 | 日記・エッセイ・コラム

 さて、心臓が一段落した半年後、久し振りの耳鳴り。前と同じ右耳。でも今度は昼間は気付かない位小さな音。ザーッツという音がする。ある夜、ベッドに入って気が付いた。まわりが静かになって、やっと気づく程度。

 翌朝、起きたら消えていた。消えていたので、病院へは行かなかった。ところが二、三日するとまた耳鳴り。

 難聴の方はどうかな、と左の耳を塞いで右耳の聞こえ方を試すが、とくに前回の難聴の時より悪くなった感じはしない。

 だから、少し様子をみることにした。実は、この頃いささか病院疲れしていた。三か月に一度心臓の病院へ通う。手術を三回、薬を沢山飲んでいるのに、それでも不正脈の発作は完全には治らない。数か月に一度は寝ていても突然動悸がはげしくなり、脈が一分間に90を超えた。発作がひどいと救急外来へ行く。その度に薬の量が増える。もう長い間ずっと心臓の薬だけで一日六種類8錠と3カプセル飲んでいる。もう飽き飽きしていた。その前には眼底出血や何とか網膜症という病気で二年近く眼科へ通っていた。どうなってもいいや等とは思わないが、何とか生活出来るなら、病院なんてもう真っ平だと思っていた。薬ももういい。

 でも、耳鳴りは強弱はあるがだんだん大きく、ひどくなるようだ。特に夜、周りが静かになると大きく感じるようになる。いささかストレスになってきた。

 仕方なく、何時もの病院へ行った。

 電話はしてから行ったが、予約はしていなかったので、ひどく待たされた。おまけに30分位待ったところで、貴方の主治医は今日忙しいので、他の先生でもいいか?ときかれた。

 すこし軽くみられているのか、とややむっとしたが、前回は女医さんだったので、男の医者を期待して、というのは、前、書いたように女の医者には酷い目にあうことが多かったので、他のドクターでもいいですよ、と答えた。

 さらに一時間程待たされて聴力検査、でもその後はすぐ診察室に通された。

 ところが、また女医だった。しかも若い。偏見ではなく、私の場合、この若い女医というのがどうにもこうにも上から目線の医者が多い

 「前回、途中で治療を止めてるのは何故ですか?」

 「心臓が悪いのですが、その状態がひどくなって、入院したりしたもので、それに難聴はもう元には戻らないだろうと言われてましたし」

 「心臓なら仕方無いですね。難聴は前回と変わりないですね。で、今回は耳鳴りですか?」

 言葉は乱暴ではないのだが、いちいち無愛想なのだ。目はカルテにいっていて、この間、私の眼どころか顔も見ない。

 「不整脈があると、ステロイドは使えないなあ。前回心臓がひどくなったのもステロイドが悪さしたのかもしれないですね」

 と、当たり前のように言う。そんなこと聞いてないぞ!と思ったが今さら言っても仕様がない。

 「まあ、メニエールには他に薬もありますから、そっちの薬で治療しましょう」

 この時、今回の病気がメニエールであると、初めて言われた。

 「メニエールって?突発性難聴ではないのですか?」

 「突発性難聴も二回目からはメニエールっていうんですよ」

 そんなことも知らないのか?という言い方。口調がいちいち癇にさわる。

 でも、めまいはないぞ、と言おうと思ったが、何か言われるとまた不愉快になりそうなので止した。

 という訳で、実に久し振りにメニエールが帰って来た。

 


メニエールが帰って来た ①

2015-12-06 15:39:26 | 日記・エッセイ・コラム

 突発性難聴が治ってから二年、ある日突然また右耳に雑音が聞こえた。前と同じザーッツという耳鳴りだ。左の耳を塞いだり開けたりする。やはり前と同じ、低音が聞き取り辛い。またしても日曜日の午後だったので暫く様子をみることにした。ところが、前と違って耳鳴りは全く治まらないどころか、だんだん酷くなる。夜、ベッドに入るとまわりが静かなせいもあって余計大きく聞こえる。

 ― やっかいだなあ、眠れないかな? ―

 どうしたものかと思いながらも、毎晩やっていることだがイヤホンを入れて、落語を流してみた。すると落語の声に紛れて耳鳴りが少し気にならなくなる。

 なんとか眠れた。

 翌朝、難聴は変わりないが、耳鳴りは随分小さくなっていた。また、治療は急ぐだろう。早速病院へ。

 データが残っているだろうと思って前に行ったと同じ病院へ。ところが前のドクターはもう居ないということで他のドクター。女の医者。男女平等、差別禁止は70年代に青春を生きた私達の年代にとっては当たり前のこと。差別するつもりはないが、この所いわゆるろくなキャリアウーマンにあわない。女の医者もそう。やたら威張って上から目線。説明が雑で、質問すると明らかに不機嫌になる。そんなのばかりだった。勿論男にもそんな医者がいるが、最近の私の経験では女の方が圧倒的に多い。

 ― また女か ―

 と思ったが仕方ない。ただこの女の医者は別にそんなに悪い訳では無かった。前と同じ治療方法。ただ入院しろとは言わなかった。前も入院していなかったので、いいと思ったかもしれない。今度は家庭の事情が変化して入院できたのだが、言わなかった。言った方が良かったかなと少し後悔した。

 一週間経過、少し良くなった程度。もう少し様子を見ようという事になったが、二週間目、耳鳴りは無くなったものの、難聴のほうは殆ど変化無かった。そして二週間の薬を飲み終わる頃、持病の頻脈がでて心臓の病院へ行ったので、耳鼻科は止してしまった。ステロイド剤は二週間が限度と聞いていたし、脳に悪い所は無かった。聴力はもう元には戻らないだろうと言われていたせいもある。ネットで調べたらステロイドは不整脈に良くないとも書いてあった。

 心臓は結局一週間程入院した。