重大な問題ではない。軽い痔である。
若いころ、文学青年という奴だった。早逝した作家にあこがれた。戦前の人の死因は結核が多かったと思う。死因で痔というのは聞いた覚えがない。痔では死にたくないと思った。
そのころからの軽い切れ痔。かれこれ30年近い付き合いだ。
普段は全く症状がない。時として顔をだす。酷くはならない。お尻に違和感があって気持ち悪い。ごく偶に歩くと痛い位になることもあるが、風呂へ入って温まれば治まる程度。
でも歳をとるにしたがって、この違和感が続く期間が長くなってきていた。最初は一晩で治った物が、次第に長くなり、最近は一度症状が出ると一週間も十日も続くことが多くなっていた。そうなるとやや憂鬱だ。場所が場所なので気軽に病院にも行きづらい。
でもここ六カ月以上無かった。それが、また来た。来た原因は思い当るが、びろうな話なのでここでは書かない。
ただ、これが来なくなったきっかけも思い当る事がある。大腸の内視鏡検査だ。今年春の健康診断の検便で潜血反応があった。それで検査をした。当然だが、この検査の前には腸の中を空っぽにする。一日殆ど食事をしないで、翌日はムーベンという面白い名前の下剤を一リットル半程飲む。便が無くなるからムーベンか?まさか、と思ったが、本当らしい。午前中いっぱい下痢が続いて腸の中にはなにも無くなる。それで内視鏡をいれる。検査の翌日もお粥中心の軽い食事。
この検査の後、お腹というか、腸の状態がずっと良かった。生まれて初めて母乳を飲んで以来、ずっと何かがあった腸の中を掃除したようなものだ。下腹部が軽くなった気分。調子が良くなって当然かとも思うが、快食快便という奴だ。痔の症状も全く出なくなっていた。
予定だと来年の夏もう一度内視鏡検査をした方が良いと言われているが、その前に一回あの腸の中を空っぽにするのだけやってくれないかなあ。
前に、ラジオで誰だったかタレントが出ていて、この検査が好きだと言っていたのを思い出す。その時はまさかと思ったが、私と同じように検査のあと快食快便が続くのかもしれない。
尚、医学的根拠などあるか無いか全く知らない。多分無いだろう。念の為。