(前回からの続きです)
山頂に到着したのもつかの間、本当の日本一の場所を目指して出発です。
さて、日本人ならほぼ100%の人が知っていると思うけど
富士山は噴火で作られた山なので山頂には噴火口があります。
その火口を一周ぐるっと歩いてくることを「お鉢めぐり」といい
お鉢めぐりは富士登山ならではの人気イベントになっています。
そして、コースの途中には日本の最高標高地点(3,776m)の「剣ヶ峰」もあります。
富士山特有のイベント『お鉢めぐり』 ※どっち周りでも可
吉田口ルート山頂付近は神社や山小屋が立ち並んでて、通称「富士銀座」と言われるほど賑わっており
あまりの人の多さにドン引きするくらいに混んでいると聞いていたけど
この日は全然混んでなくて超ラッキーでした。
というか、山小屋や神社もまだ今年の営業開始をしていなかったので
山頂名物の700円するカップラーメンや山頂の焼印や御朱印を金剛杖に押してもらえなかったのが残念。
富士銀座のエリアを通り過ぎると目の前に火口がドーンと出てきます。
写真に撮っちゃうとスケール感が全く無くなっちゃうけどスゴイでかい窪地ですよ!
リアルな火口って生まれて初めて生で見たかも。
お鉢めぐりのルートはアップダウンが今までに比べて全然無いのでピクニック気分です。
ただ、山頂では風を遮る場所や物が少ないため強風や突風が多く
ちょっと油断していると吹っ飛ばされて斜面から落とされそうになります。
こんなゴール直前まで来ておいてリアルに「ふりだしに戻る」とかはマジ勘弁っす。
浅間大社奥宮(正面)と富士山頂郵便局(左側)
富士宮口ルート頂上にある浅間大社奥宮と富士山頂郵便局に到着。こちらもまだ閉鎖中でした。
富士山頂郵便局がやっていたら登山証明書を発行してもらえたのに。残念っ!
日本一高い公衆トイレ(標高はもちろん日本一、使用料も1回300円と富士登山道で一番高い)
おしっこ1回300円ですよ!さすが富士山山頂!
山頂記念にセレブなおしっこをしたあと、管理人のおじさんと雑談をしてたら
『まだ残雪が多くて危ないから「お鉢めぐり」は出来ないよ』
と、衝撃的な事実をあっさりと告げられる。
富士登山の予定を立てたときから「お鉢めぐり」は絶対したいと思っていたのに
そういう重要なことはもう少し前に教えて欲しかったなぁ・・・
ただ、『剣ヶ峰』までは往復することが出来るとのことなので3,776mの場所を目指して先に進みます。
あ、ちなみにこの日、山頂からの御来光は完全に雲に覆われちゃって全く見えなかったらしいです。
しっかり休んでバッチリ綺麗な御来光も見れた俺勝ち組です。無理しなくて良かった。
「山登りはじめました」にも書いてあったけど、初めての富士登山で登頂を目指すのであれば
山頂からの御来光にこだわるのは登頂難易度を無駄に上げるだけだね。
馬の背
日本最高峰に行く為の最後の試練となる剣ヶ峰の急斜面、通称「馬の背」。
この馬の背の坂の上に立っている建物が富士山測候所(現在閉鎖)で
その場所が日本最高地点3,776mになります。
足元は乾いた砂になっているのでちょっと油断するとズルズルと滑り落ちてしまいます。
例えるなら、アリ地獄に落ちたアリです。もがけばもがくほど先に進めず体力だけが消耗していきます。
空気が平地の3分の2と薄いのであっという間に酸欠になって
数メートル進んでは立ち止まって休み息が整ったらまた数メートル進むってのを繰り返し。
とにかく焦らず確実に一歩一歩登ります。
富士山測候所
100mくらいしかない坂道ですが10分かけてようやく測候所の下まで到着。
最後の階段を上った先にゴールがあります。
日本の頂上に到着!(午前9時5分)
ついに日本最高峰富士山剣ヶ峰 3776mまで来ちゃいました。
ものすごい達成感!体の内側から湧き上がってくる感動。やりきった感がハンパ無いです。
いつかは富士山のてっぺんに登りたいと長い間思い続けていたし
今年は特に富士山に登ることを目指して半年間いろいろとやってきた結果が達成されましたよ。
いつも何をやってもグダグダで中途半端に終わっていく事が多いから
負けずに富士山登頂をやり遂げた自分が信じられないですよ。
初めて自分で自分をほめたいと思います。(1996年 有森裕子 風に)
富士山最高峰までは八合目の太子館からは4時間、吉田口山頂からは1時間かかりました。
軽い高山病の影響で頭痛もあるし体力も消耗しているのは確かですが
うれしい気持ちでテンション上がりっぱなしです。
日本最高地点の石碑と火口
登ってきたタイミングによっては石碑の前での写真撮影待ちで30分とかあるみたいですが
僕達が登った時は僕達より前に到着していたグループと入れ違いになった程度で
ほとんど人が来ない時間だったので日本のテッペンを独占状態でした。天気もいいしホント最高!
景色を眺めたり写真いっぱい撮ったりして頂上を十分に満喫したところで下山開始です。
降りていくのがすごくモッタイナイ気分です。
そうそう、富士登山で思ったのが標高が高くなればなるほど外国人が薄着になっていくということ。
山頂のお鉢めぐりでダルダルの半袖や短パンなんてザラにいるし
最高峰の石碑のところでは上半身裸でスニーカーに短パンで記念撮影してるからね。
コンビニ行く時ですらそんな軽装ありえないのに
日本の一番高い山の頂上にその格好で来ちゃう外国人強すぎ。そりゃー日本も戦争で負けるわ。
サクサクッとお鉢めぐりの道を戻って須走口下山道入り口まで到着。(10時14分)
ここからは小石混じりの砂道を一気に降りていきます。
ザッ、ザッ、ザッ!
下山開始から1時間ほどで八合目くらいまで降りてきちゃった。
登りは3時間かかったのに、ホントあっという間。山頂が名残惜しい・・・
須走ルート七合目にある見晴館で昼食を食べたら
砂埃対策をバッチリしたところで須走下山ルート名物の砂走りへ突入。(13時1分)
当初の予定では御殿場ルートの大砂走りを行く予定だったけど
残雪で御殿場ルートの開通が間に合わなかったので今回は須走の砂走りで下山。
小石がところどころ混ざっているのを避けながらダァーっと駆け下りていく。
砂走りを下り始めてすぐにガスに突入して景色は全然見えない状態になったけど
ただ下山するだけなので日差しがきつくないし空気もひんやりとして涼しいから
これはこれで無駄に疲れなくていい感じだったよ。
で、終始ガスっていたから写真はほとんど撮らずにひたすら1時間ちかく駆け下りたあと
森林地帯も無事に抜けて須走ルート入り口の古御岳神社に到着。(14時35分)
神社から10分程下ると土産物屋が並ぶ須走口五合目入り口に到着。
ここが今回の富士登山のゴールになります。(14時46分)
須走ルートの山頂からお昼休憩などをしつつ4時間半で下りてきました。
須走口五合目の土産物屋でお土産を買ったりソフトクリーム食ったりしてからバスに乗って帰りました。
今回は怪我もせず、体調を崩すことも無く、最初から最後まで人混みにイライラすることもなく
天気にも恵まれて最高の状態で富士山を無事に登頂することができました。
あまりにも今回の富士登山が良かったから、もうすでに富士登山に行きたくなってますよ。
やっぱ、日本人なら一生に一度は富士山に登っておかないとね!
登山バッジコレクションがまた増えました。
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