藻blog.

水曜どうでしょうとお買い物の依存症。

初めての富士山登山その4・日本のてっぺんでガチ装備の日本人と寝起きコンビニ感覚の外国人

2014年07月22日 | 山登りはじめました

(前回からの続きです)

山頂に到着したのもつかの間、本当の日本一の場所を目指して出発です。

さて、日本人ならほぼ100%の人が知っていると思うけど
富士山は噴火で作られた山なので山頂には噴火口があります。
その火口を一周ぐるっと歩いてくることを「お鉢めぐり」といい
お鉢めぐりは富士登山ならではの人気イベントになっています。
そして、コースの途中には日本の最高標高地点(3,776m)の「剣ヶ峰」もあります。


富士山特有のイベント『お鉢めぐり』 ※どっち周りでも可

吉田口ルート山頂付近は神社や山小屋が立ち並んでて、通称「富士銀座」と言われるほど賑わっており
あまりの人の多さにドン引きするくらいに混んでいると聞いていたけど



この日は全然混んでなくて超ラッキーでした。

というか、山小屋や神社もまだ今年の営業開始をしていなかったので
山頂名物の700円するカップラーメンや山頂の焼印や御朱印を金剛杖に押してもらえなかったのが残念。



富士銀座のエリアを通り過ぎると目の前に火口がドーンと出てきます。
写真に撮っちゃうとスケール感が全く無くなっちゃうけどスゴイでかい窪地ですよ!
リアルな火口って生まれて初めて生で見たかも。



お鉢めぐりのルートはアップダウンが今までに比べて全然無いのでピクニック気分です。
ただ、山頂では風を遮る場所や物が少ないため強風や突風が多く
ちょっと油断していると吹っ飛ばされて斜面から落とされそうになります。
こんなゴール直前まで来ておいてリアルに「ふりだしに戻る」とかはマジ勘弁っす。


浅間大社奥宮(正面)と富士山頂郵便局(左側)

富士宮口ルート頂上にある浅間大社奥宮と富士山頂郵便局に到着。こちらもまだ閉鎖中でした。
富士山頂郵便局がやっていたら登山証明書を発行してもらえたのに。残念っ!


日本一高い公衆トイレ(標高はもちろん日本一、使用料も1回300円と富士登山道で一番高い)

おしっこ1回300円ですよ!さすが富士山山頂!
山頂記念にセレブなおしっこをしたあと、管理人のおじさんと雑談をしてたら
『まだ残雪が多くて危ないから「お鉢めぐり」は出来ないよ』
と、衝撃的な事実をあっさりと告げられる。

富士登山の予定を立てたときから「お鉢めぐり」は絶対したいと思っていたのに
そういう重要なことはもう少し前に教えて欲しかったなぁ・・・
ただ、『剣ヶ峰』までは往復することが出来るとのことなので3,776mの場所を目指して先に進みます。

あ、ちなみにこの日、山頂からの御来光は完全に雲に覆われちゃって全く見えなかったらしいです。
しっかり休んでバッチリ綺麗な御来光も見れた俺勝ち組です。無理しなくて良かった。
「山登りはじめました」にも書いてあったけど、初めての富士登山で登頂を目指すのであれば
山頂からの御来光にこだわるのは登頂難易度を無駄に上げるだけだね。


馬の背

日本最高峰に行く為の最後の試練となる剣ヶ峰の急斜面、通称「馬の背」。
この馬の背の坂の上に立っている建物が富士山測候所(現在閉鎖)で
その場所が日本最高地点3,776mになります。



足元は乾いた砂になっているのでちょっと油断するとズルズルと滑り落ちてしまいます。
例えるなら、アリ地獄に落ちたアリです。もがけばもがくほど先に進めず体力だけが消耗していきます。
空気が平地の3分の2と薄いのであっという間に酸欠になって
数メートル進んでは立ち止まって休み息が整ったらまた数メートル進むってのを繰り返し。
とにかく焦らず確実に一歩一歩登ります。


富士山測候所

100mくらいしかない坂道ですが10分かけてようやく測候所の下まで到着。
最後の階段を上った先にゴールがあります。


日本の頂上に到着!(午前9時5分)

ついに日本最高峰富士山剣ヶ峰 3776mまで来ちゃいました。
ものすごい達成感!体の内側から湧き上がってくる感動。やりきった感がハンパ無いです。
いつかは富士山のてっぺんに登りたいと長い間思い続けていたし
今年は特に富士山に登ることを目指して半年間いろいろとやってきた結果が達成されましたよ。
いつも何をやってもグダグダで中途半端に終わっていく事が多いから
負けずに富士山登頂をやり遂げた自分が信じられないですよ。
初めて自分で自分をほめたいと思います。(1996年 有森裕子 風に)

富士山最高峰までは八合目の太子館からは4時間、吉田口山頂からは1時間かかりました。
軽い高山病の影響で頭痛もあるし体力も消耗しているのは確かですが
うれしい気持ちでテンション上がりっぱなしです。


日本最高地点の石碑と火口

登ってきたタイミングによっては石碑の前での写真撮影待ちで30分とかあるみたいですが
僕達が登った時は僕達より前に到着していたグループと入れ違いになった程度で
ほとんど人が来ない時間だったので日本のテッペンを独占状態でした。天気もいいしホント最高!

景色を眺めたり写真いっぱい撮ったりして頂上を十分に満喫したところで下山開始です。


降りていくのがすごくモッタイナイ気分です。

そうそう、富士登山で思ったのが標高が高くなればなるほど外国人が薄着になっていくということ。
山頂のお鉢めぐりでダルダルの半袖や短パンなんてザラにいるし
最高峰の石碑のところでは上半身裸でスニーカーに短パンで記念撮影してるからね。
コンビニ行く時ですらそんな軽装ありえないのに
日本の一番高い山の頂上にその格好で来ちゃう外国人強すぎ。そりゃー日本も戦争で負けるわ。



サクサクッとお鉢めぐりの道を戻って須走口下山道入り口まで到着。(10時14分)
ここからは小石混じりの砂道を一気に降りていきます。



ザッ、ザッ、ザッ!



下山開始から1時間ほどで八合目くらいまで降りてきちゃった。
登りは3時間かかったのに、ホントあっという間。山頂が名残惜しい・・・



須走ルート七合目にある見晴館で昼食を食べたら
砂埃対策をバッチリしたところで須走下山ルート名物の砂走りへ突入。(13時1分)



当初の予定では御殿場ルートの大砂走りを行く予定だったけど
残雪で御殿場ルートの開通が間に合わなかったので今回は須走の砂走りで下山。
小石がところどころ混ざっているのを避けながらダァーっと駆け下りていく。



砂走りを下り始めてすぐにガスに突入して景色は全然見えない状態になったけど
ただ下山するだけなので日差しがきつくないし空気もひんやりとして涼しいから
これはこれで無駄に疲れなくていい感じだったよ。



で、終始ガスっていたから写真はほとんど撮らずにひたすら1時間ちかく駆け下りたあと
森林地帯も無事に抜けて須走ルート入り口の古御岳神社に到着。(14時35分)



神社から10分程下ると土産物屋が並ぶ須走口五合目入り口に到着。
ここが今回の富士登山のゴールになります。(14時46分)

須走ルートの山頂からお昼休憩などをしつつ4時間半で下りてきました。
須走口五合目の土産物屋でお土産を買ったりソフトクリーム食ったりしてからバスに乗って帰りました。


今回は怪我もせず、体調を崩すことも無く、最初から最後まで人混みにイライラすることもなく
天気にも恵まれて最高の状態で富士山を無事に登頂することができました。
あまりにも今回の富士登山が良かったから、もうすでに富士登山に行きたくなってますよ。

やっぱ、日本人なら一生に一度は富士山に登っておかないとね!


登山バッジコレクションがまた増えました。


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富士登山1「日本一の霊峰ではみんなキング・オブ・ポップ」
富士登山2「富士登山のIT革命やぁー」
富士登山3「諸人登山(平成26年版)」
富士登山4「ガチ装備の日本人と寝起きでコンビニ行くときの格好の外国人」


初めての富士山登山その3・山小屋に宿泊して【諸人登山】を知る話

2014年07月21日 | 山登りはじめました

(前回からの続きです)



無事に本日の宿泊先である吉田ルート八合目にある山小屋「太子館」に到着。
まずは記念に太子館の焼印を金剛杖に押してもらいます。


こちらの焼印は電気ゴテでジュウーっと押してくれます。

ガチの山小屋利用は生まれて初めてで
ネットでリサーチしているときに出てきた情報ではかなり難易度が高めの事ばかり書かれていたので
下調べをしていても実際に見るまではどんなところに通されるのか不安いっぱいで心臓バクバクですよ。
(ちなみに、立山に行ったときも『山小屋』に宿泊したけど、あれは山小屋じゃなくてほぼ旅館ですw)



山小屋の人に案内されていった宿泊場所は想像してたのとは違ってキレイな感じな場所。



平日で空いていたこともあって、3人分のスペースを2人で使わせてもらえました。
なので、多少狭いとはいっても1人・1畳半程の場所があり体を休めるには十分な広さがありましたし
シュラフ(寝袋)が各人ごとに用意されてるので
ネットに書いてあった布団1枚で3人寝るとかそういう心理的ハードな状況にもならずに済みました。

あと、各パーティー単位で写真のような垂れ幕で空間を仕切ってくれるので
半個室のように使えてプライベートスペースを容易に確保できるのは非常にいい感じです。

僕は初山小屋なので他の山小屋と比べての感想は出来ないけど
山小屋慣れした同行者や他のパーティーのベテランの会話などによれば
この太子館は山小屋としては大快適とのことだそうで
今回の宿決めを任されていたので大当りが引けてラッキーでしたよ。

荷物を降ろして寝床の準備をしながら雑談をしていたら
夕食の準備が出来たとの呼び声があったので食堂に移動します。



富士山の吉田ルートの山小屋の夕食はカレー派とハンバーグ派に分かれるけど
太子館はカレー派で、そこにおかずの魚とウインナーそしてデザートってパターン。
水節約の為にお弁当トレーを使ってるから不釣合いな見た目になっちゃってるけど
カレーも魚も美味しかったし量も丁度イイ感じで全然オッケーじゃないですか。

っていうかね、ネットでカレーに具がほとんど入ってないとか文句書いてる人もいたけど
3000m越えた山の上まで来て平地の食堂レベルを要求する方が異常者だよね。
カレー食って批評家気取りしたいのならこんな山の上にわざわざやってこなくても
食べログでもみて地元の食堂に行って
「CP(コストパフォーマンス)最高!」とか書いていればイイのにね(嘲笑)



あと、食事が終わる頃に明日の朝食となる食料が渡されました。
朝食は各山小屋ごとにかなりいろいろなパターンがあるみたいですが
富士山の場合、御来光狙いで深夜に出発して山頂もしくは移動中に朝食を済ます人が多いので
ゴミが出にくくて、かさばらなくて、携行しやすいものを選ばれるようです。

さてさて、食事が済んでも時間はまだ5時と時間余りまくりだったので
ちょっとだけ周辺を散歩して富士山からの景色を満喫しながらの本日の反省会。


登山道のサブルートから太子館を望む。手前の岩に「8」と合目番号が書いてありますね。

ここまでの富士登山、5合目に到着したときは暴風&濃霧がすごすぎて登山断念も考えたものの
登り始めてみたらスタート直後にわずかに雨がパラついたものの
レインウェアを着込むほどの雨にはならなかったし
6合目に到着する頃には霧は晴れて、風は微風に変わり
暑くも寒くもなく汗もほとんどかかないくらいに超快適な気候条件で登ってこれて良かった。
また、梅雨の合間の平日だったから渋滞なんて皆無で
終始、自分達のペースで無理なくのんびり登れて大満足。
ぶっちゃけ、中学生の渋滞でイライラした筑波山より楽かもって思えるほど余裕の登山初日でした。

この後は、富士山特有な現象だと思うけど
翌日の山頂での御来光を目指す人たちが多くいるので
みんな6時頃には寝床に横になり始めて8時頃には電気も暗くなり就寝タイムです。
とはいっても、普段0時過ぎまで起きてるのに急にそんな簡単に寝れるはずもなく
無理やり目を閉じて黙って何もせずに横になり続けるという罰ゲーム状態でしたよ。

ようやく寝に入れるかなとウトウトっとしてきたら
他のパーティーの遅れていた仲間が今頃になって到着したりして騒がしくなったり
どこかの爆睡モードに突入したおっさんのいびきが大轟音で響き渡ったりして
頼むから静かにしてくれよ、ヒソヒソ声のつもりかもしれないが会話とか迷惑だからするなよ・・・
寝るだけなのに、こんなに難易度が高いと思ったのは始めてですよ。

でもまぁ、富士山の登山者達が山小屋でストレスを溜めてグッタリする姿ってのは
葛飾北斎が冨嶽三十六景の一つ「諸人登山」という作品(↓)の中で描いているくらいなので




200年以上も昔から今と変わらず続いている富士登山の伝統美なのかもしれません。
グッタリしてからが富士登山!

そんなこんなで、僕がようやく寝て休むことが出来たのは
御来光を山頂で見ようとする人達が出発してようやく静かになった日付も変わってからでした。


山小屋のトイレに貼ってあった俳句w

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登山2日目。

今回の富士登山では最初っから山頂での御来光はせずに
宿の前で御来光を見てから山頂を目指す予定なので
4時頃までゆっくり横になって体を十分に休めてから
山小屋のロビーで朝食を食べつつ御来光を待ちます。


朝ごはんを食べながらの会話は「昨日寝れた?」とかそんなどうでもいい会話です。

ちなみに、寝ている間が一番高山病になりやすいとのことでしたが
軽微な頭痛が出たものの行動が出来なくなるほどの重篤な高山病にはならなかったです。
やっぱ、高山病になるなんて人は登山の準備不足か、山を甘くみてる人がなるんだろうな。(余裕)

さて、御来光の時間が近づいてきたので山小屋の外に出てみます。
富士山の上の方では気温が0度近くまで下がると聞いていたのですが
全然寒くなかったですし天気も穏やかで用意してきたダウンを着る必要はありませんでした。


目の前に広がる雲海。もうこの時点で既にステキすぎて感動。

御来光予定時刻の4時30分を過ぎても太陽は見えません。
雲海の分だけ日の出が遅くなっているようです。

そして、4時40分


御来光キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

太陽なんてふだんゆっくり見ることなんてないけど、イイねぇ~♪
雲海から出てくる御来光を見てるだけでテンション上がってきて体全体に力がみなぎってきます。



ただただ感動して変わっていく景色にボーっと見とれているわずかなうちに
周囲はあっという間に昼間の世界へと変わります。


御来光最高でした!

御来光を見終わったら山小屋をチェックアウトするために急いで準備します。

なんせ、山小屋のチェックアウト時間が午前5時という
刑務所の受刑者ですらまだ寝ている時間に設定されているので
バタバタと慌しく荷物をまとめたら山小屋の人にお礼を言って山頂に向けて出発します。


午前5時1分、太子館(八合目)出発。

山頂方面をみてみると分厚い雲に覆われています。
山頂に着いた時にガスって景色が何も見えなかったらかなり残念すぎるなぁ~と
不安たっぷりだけど、こればかりはどうしようもない。
とにかく今は天気良くなることを信じて登るしかないです。



七合目~八合目の間は溶岩の岩場を這い上がるような場所が続いていましたが
八合目以降はまた砂と小石でできた登山道になります。

八合目を出発してから1時間ほどして到着したのが「本八合目」。
って、何なの?この『本当の八合目はこっちでした~(笑)』的なオチャメな設定は。全然笑えない。

本八合目まで来てちょっと疲れが出始めたけど立ち止まって休憩するほどでもなかったので
体を無駄に冷やさないためにもそのまま登り続けます。


日が昇りきってからの白い雲海もキレイ!

本八合目からさらに20分登りつづけて到着するのが
吉田ルート八合五勺にある最後の山小屋「御来光館」。



嬉しいことに御来光館の辺りまで登ってきた頃には
山頂を覆っていた厚い雲は跡形も無くどこかに行ってしまい富士山頂も丸見えの晴天になりました。

ゴールが見えると「ここまで登ってきたんだなぁ」っていう嬉しい気持ちと
「あとちょっとだから負けるわけにはいかないし頑張ろう!」っていう勇気が出てきます。


黙々と登りつづけて、まずは九合目にある鳥居に到着(午前7時25分)


ついに山頂に建つ小屋がはっきりと見えるところまで登って来ました。




山頂の入り口にある2つ目の鳥居に到着(午前7時58分)

あと本当にちょっとだけ、この鳥居の先にある最後の階段を少し登るだけです。


富士山山頂に到着(午前8時)

念願だった富士山山頂に到着しました。嬉しい、本当に嬉しい。嬉しすぎて俺の中の全米も泣いてます。

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しかし、僕達が到着したのはあくまでも吉田ルートの頂上であって
富士山の頂上、つまり日本の最高地点3,776mはまだ別の場所になります。
せっかく富士山に登ったのに最高地点に行かずに下山するのなんて
ちょっと高いところにいって景色眺めて帰ってきた近所のハイキングと何ら変わらないです。
間違っても日本一の山に登ってきたなんて恥ずかしくて言えませんよ。

ということで、山頂までたどり着いた感動もそこそこに
いよいよ真の日本最高標高地点『剣ヶ峰』を制覇するために出発です。


(次回に続きます)


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富士登山1「日本一の霊峰ではみんなキング・オブ・ポップ」
富士登山2「富士登山のIT革命やぁー」
富士登山3「諸人登山(平成26年版)」
富士登山4「ガチ装備の日本人と寝起きでコンビニ行くときの格好の外国人」


初めての富士山登山その2・いよいよ富士登山を開始。富士山8合目から田舎の友だちに手を振った話

2014年07月20日 | 山登りはじめました

(前回からの続きです)

「とりあえず今日の宿がある八合目まで行ってみますか!」

ということで、不安要素は未だに何も解決しないまま気合だけで富士登山がスタート。(午前9時28分)

五合目の入り口を入るとしばらくの間は両脇を緑に囲まれた
勾配のほとんど無い砂利っぽい道をユルユル歩く事になります。


吉田ルートでの登山チートアイテムとして有名な『馬』。

五合目から最大で七合目までは馬に乗って行く事も出来ます。
ただし、五合目から七合目まで行くのに14,000円という
石油王でもないと払えない莫大な金額を請求されます。
なので、僕のように生まれ持っての最下層の庶民は
自分の二本の足で一歩一歩地道に前に進むしかありません。

とはいえ、五合目・六合目なんてのはまだハイキングコースレベルなので
今後の富士山頂まで登る為の準備運動も兼ねた自分の登山ペースの調整とおもって
景色でも見ながらゆっくり歩いた方が後々のために良いと思います。(負け惜しみ)


遊歩道から見た五合目山小屋の「佐藤小屋」(真ん中)と、六合目山小屋の「星観荘」(右やや上)。

スタートして20分ほど経った頃、小雨がパラパラと降ってきたので早めにレインウェアを装着。
途中、チョコチョコと数分の休憩を入れながら超スローペースで歩き続けて
富士山六合目にある安全指導センターに到着。(午前10時20分)


こちらのサイトから画像拝借

特に問題も無く、ほぼ予定通りに六合目まで到着してまずは一安心。
ここから先は約1時間後の七合目最初の山小屋「花小屋」までトイレがなくなるので
有料仮設トイレに200円を払って念の為、腹筋を全力使って出せるだけ出しておきます。



五合目から六合目まではほぼ横移動でしたがここから先は頂上への本格的な登山が始まります。
これから行こうとする頂上付近はいまだに雲の向こうに隠れたままですが
必ずゴールはあるはずと信じて六合目を出発します。(午前10時29分)

黙々と30分ほど登り続けると七合目から始まる山小屋密集地帯が見えてきました。


(画像をクリックで拡大画像をみれます)

まるで、山岳に住む少数民族の孤立集落みたいになっていて
チベットの山奥とかでこんな場所に来ちゃったら
「リアルにやべぇーって、絶対襲われるって!マジ帰ろうぜ」となること間違いなしですが
今いるここはニッポンのフジヤマです。
あの場所まで行けばご飯も食べれるし、トイレもありますし、ベンチで休むことも出来ます。
また、夜になれば泊まることもできるというオアシス的な場所です。
日本に生まれてヨカッター!

とりあえず山小屋まで行ってから小休止をしようと話がまとまったので
目の前に見えてる山小屋を目指してがんばって登っていきます。


よいしょ、よいしょ。


花小屋到着(午前11時35分)

山小屋密集地帯の写真を撮った時にはあとちょっとの距離に見えたけど
それから30分近くかかってようやく最初の山小屋「花小屋」に到着。キツイー!

ただ、山小屋まで到着してみると安心感も出てきて余力もまだあったので
もうちょっと先にあるトモエ館まで進んでから休憩することに変更。


七合目トモエ館到着(午前11時41分)



金剛杖に焼印を押してもらいつつ、ついでにお昼ごはんも済ませることにしました。


話に聞いていた山小屋価格のメニュー。これも体感したかった1つだから嬉しい♪

夕飯がカレーだし、朝も噴火カレーを食べてきたのでカレーは選ばないとして
汁物いっちゃうと今後の行程中のトイレが不安な気もするので、今回は牛丼を選択。


牛丼 1,000円

実際に登ってきて経験しないと分らないだろうが
標高2740mで食べる牛丼はマジでめちゃくちゃ美味ぇ!!同じく牛丼を注文した同行者も大絶賛。
もし俺が某東西新聞社のお荷物社員だったら
「明日、富士山七合目まで来てください。最高に美味い牛丼を食べさせますよ」とか痛いこと言いながら
速攻で究極のメニューに認定しちゃうレベルで美味かったです。

牛丼に大満足して休憩も十分とってHPがベホイミ並に大回復したので登山再開です。(午後12時15分)



七合目トモエ館を過ぎる頃から登山道はゴツゴツとした岩場へとレベルアップしはじめます。





ひたすら岩場を登り続けること1時間30分



ようやく七合目が終わり、今日宿泊予定の八合目『太子館』の石階段の下まで到着。

「宿まではこの階段を登るだけだ!」と
崖の上にある建物を見上げてみるとカメラっぽいものが付いているのを発見。

「もしかして登山情報調べてる時に出てきたライブカメラってこれじゃね?」と思った俺は
速攻で友達にスマホで電話。

記憶を頼りにサイトのキーワードを伝えると、1分とかからずにサイトにたどり着いてくれた。

俺:「どうよ、俺、映ってる?」
友:「おー、この青いヤツか?映ってる、映ってる」


(友達がキャプチャーしてくれてた画像)

情報カメラなので言葉は送れないけど富士山八合目に居ながら遠くの友達に向かって
「今、自分は富士山八合目にいるよ!」ってライブで報告出来ちゃうなんて
スゴイ時代になったものだよなぁ。富士登山のIT革命やぁ~

そんな、ライブカメラサイトはこちら(↓)です。
『富士山8合目 登山道ライブカメラ Mt.Fuji ascent live camera』

知り合いに手を振る程度なら良いけど、意外と見てる人は居るから個人情報は気をつけようねw
一通りはしゃいだところで最後の石段を登って「太子館」に到着。


八合目「太子館」到着(午後2時5分)

五合目を出発してから八合目の太子館到着までにかかった時間は4時間半。
食事と休憩をしながら全く無理をしないペースで登ってきたのでやや遅めのペースではあるけど
登山で大事なのは何時間で登ったとかのスピードではなく
いかに何の問題も無く、自分や同行者が安全・安心して登頂に成功し、下山してくるかが一番大事。
なので、八合目に到着した時点で
疲れがほぼ溜まっていない状態で怪我や体調の悪化など全く無い状態で到着できたのは
初めての富士登山ながら完璧なスケジューリングをした自分がすごいからだと自画自賛。

時間に余裕があり過ぎてまだ午後2時なのにチェックインが出来るかが逆に不安でしたが
元気のいい山小屋の兄さん達に迎えてもらい、無事にチェックインできました。

(次回に続きます)


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富士登山1「日本一の霊峰ではみんなキング・オブ・ポップ」
富士登山2「富士登山のIT革命やぁー」
富士登山3「諸人登山(平成26年版)」
富士登山4「ガチ装備の日本人と寝起きでコンビニ行くときの格好の外国人」


初めての富士山登山その1・富士山でキング・オブ・ポップの集団を見ながら富士山噴火カレーを食べた話。

2014年07月19日 | 山登りはじめました

今年の初めに富士山に登ると決意してからというもの
登山用品を思いつくままに買い揃え、Amazonでは登山関係の高評価の本を買いあさり
今までほとんど行っていなかったスポーツクラブに週4日くらい行って体力強化もしてみたり
実際の登山練習にと、高尾山や筑波山に登ってみたりして着々と富士登山の準備を整えていたのだが
富士山の山開きがYahoo!ニュースになった7月初めになっても
やはりまだ富士山に対する経験不足感が拭えなかったので
4月に立山へ一緒に行った俺の山師匠の人に
「富士山に登る前に2000m級の山に1泊する登山をしておきたい」と話をしてたら
いつの間にやら「いっそのこと富士山行っちゃう?」っていう話になり
7月13日~7月16日の3泊4日(登山自体は1泊2日)で富士山に行ってきました。

話が決まってからは日々ネットや本で富士登山の情報をリサーチしまくって
なるべく登頂成功確率を上げる方法を自分なりに検討した結果
登山ルートは吉田口ルートで登り、御殿場ルートで降りてくるのがベストと判断したのですが
僕達の登山日程中には御殿場ルートが積雪のため開通出来ないとの情報が入ってきたので
今回は吉田口ルートで登って須走ルートで下山する作戦で行くこととなりました。

そして迎えた7月13日。

この日は単なる移動日なので、羽田空港から出ている富士山五合目行きの高速バスに乗り
富士山のふもとにある河口湖町まで移動します。
(富士急バス/羽田空港~富士山五合目)


河口湖駅に到着。

東京から河口湖に来る間、ずっと空は厚い雲に覆われており
富士山を1度も見れない状況に不安を感じつつも本日の宿にチェックイン。

荷物を降ろした後はブラブラと河口湖まで散歩をして時間をつぶして適当な店で夕食を食べてから
ネットでオススメされていた河口湖駅前の店で金剛杖を買い
コンビニで2リットルの水を買ってきてプラティパスに水を入れて富士登山の装備は全て整った。


コンビニで水を買って帰る頃にようやく少しだけ雲が切れて裾野部分を見せてくれた富士山。
しかし、山の上の方は厚い雲に覆われてしまったままで
結局、この日は富士山全体を見ることは出来ませんでした。

とりあえず、明日は朝が早いのでサクッと9時頃には就寝。

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いよいよやってきた人生初の富士アタック初日となる7月14日。
まずは、河口湖駅前6:40発のバスに乗り富士山五合目まで約1時間かけて行きます。

というか、宿を出た時から空は今にも泣き出しそうな暗く厚い雲に覆われており
山師匠との会話も最悪の状況を考えてのネガティブ方向な話題ばかりしか出てこない。
バスがどんどんと標高の高いところに行くのと比例して霧まで濃くなってきて
富士山五合目に到着した頃にはバスの外世界は濃霧&強風となっており
小学生だったら『遊びに行っちゃいけません!』と親に怒られるレベルの気象状況となっていました。

ふと、バスの窓の外に目を向けると
おそらく前日に富士アタックをしたと思われる人達がザックカバーやレインウエアでフル装備して
持てる全てのパラメータを守備力側に全振りした上に
強風を避ける為に建物の隅っこに寄せ集まって、ジッと下山バスを待っている姿がみえました。
っていうか、この人達の状況ってどう見ても「遭難して救助を待っている人達」 だよね...(不安

勇気を出してバスから一歩降りると 「お前みたいな素人が のこのこ来るんじゃねぇ!」
霊峰・富士山が全力で怒っているような強風が吹き荒れており
筑波山(標高877m)の二度にわたる登頂成功で鍛え上げた俺のアルピニストとしての自信は
プリッツよりも簡単にへし折られてしまいました。

しかし、ここまで来たら予定を変更するわけにも行かず
当初からの予定通り、バスターミナル横の土産物屋「富士山みはらし」に避難するように飛び込み
高度順応と朝食を兼ねて名物の噴火カレーを注文。


噴火カレー 980円

まぁ、実際問題としては登山中に富士山噴火とかされても困っちゃうわけですが
今はこのカレーを食べながら窓の外の状況が少しでも好転するのを待つしかないです。

ですが、いくら待っても分厚い雲は一向に晴れる気配も無く
続々と下山してくるツアー客と思われる団体は誰一人笑顔をみせることもなく
みんな強風に吹き飛ばされないようにマイケル・ジャクソン級に必死に前のめりになりながら
ただただ生きて帰る事を目標に下山用バス停に向かって黙々と行軍していく姿をみるばかり。



あまりにも『絶望』しか感じられない惨状を目の当たりにして
「今回はこの噴火カレーを最高到達点って事にして富士急ハイランドで遊んで帰るか」などと
面白くも無いジョーク入れつつ、わりとマジで下山も考慮した話し合いをしてみるが
やはり、ずっと夢見てきた富士登山だけあって、スパッと諦めきれない部分があり
「もう少しだけ様子を見つつ管理センターで山の様子を聞いてから決めよう」と
オッサン2人が熟慮しても単なる問題の先延ばしの案しか出てこなかった。


カレーを食べ終わったら俺の登山愛読書「山登りはじめました」の作者さんの絵が出てきた♪

カレーを頼んでからダラダラと1時間半程過ごしてみたものの
多少天候がよくなった気はするが、それは単に悪天候を見慣れただけかもしれないし
富士山にかかった雲は相変わらず低くて厚くて暗いままであった。

食べ終わって皿に残ったカレーがカピカピに乾いてしまうほど店内で粘ってみたものの
一向に天候が好転する気配は感じられず、逆に店員の視線が厳しくなってきてしまったので
富士山管理センターに入山料を払うついでに山の状況を聞きに行ってみることにした。

管理センターに入り一番最初にいたおばさんに入山料を払う場所を尋ねようと声をかけると
おばさんは俺の問いに対して全く違う答えを返してきた

おばさん:「え、これから登るのかい?」

まだ焼印も押していない金剛杖を持った人が入山料を払いに来ているというのに
唐突にそんなに驚いた反応をされるとは思ってもいなかったので、逆にこっちがビックリしてしまった。

しかし、ビックリした表情を見せてしまったらこっちの負けと思い
ポーカーフェイスを装いながら担当の人のところまで案内してもらう。
そして、担当の人に山の状況を聞いてみると
「昨日富士登山をした人は天候が悪過ぎて八合目から先に進めない状況だった」
「雨が横から降ってくる状態はまだマシで、山の上の方では『みぞれ』が吹き荒れていた」
「救急車を3回も呼んで救急搬送をしてもらった」
「今朝も天候は回復せず、ほとんどの人は早々に下山してきている」
とのこと。

『何それ、ただの地獄じゃん。』

前日、河口湖町からのんきに山頂の雲が晴れたらいいなと富士山を撮っていたまさにその時
富士山に覆い被さった雲の中では

何百人もの人が自然の驚異に怯え、不安と恐怖と絶望の真っ只中にいたという事らしい。マジ怖すぎるわ!

そして担当の人は最後に一言、「少しでも不安に感じるなら今回は止めておいた方がいい」
柔らかな言い回しで今回の僕達の富士登山を止めるように説得してきました。

さすがにこの言葉の前ではポーカーフェイスを維持し続けることが出来ず
明らかにテンションが下がった表情で
「もう少し検討してみます」と言うのがやっとでした。

管理センターを出た後、特にやる事も無くなってしまった俺たちオッサン2人は
仕方が無いので最後は神頼みするしかないと
五合目の御土産物屋の脇にある小御嶽神社に手を合わせにいき
賽銭箱に10円を投げ入れ「無事に富士山頂まで行けますように」と必死にお願いをする。

正直、神様も10円程度で人の命に係るような事をお願いされても困るだろうが
気のせいかお参り前に比べて少しだけ天候が落ち着いてきた(気がした)。

・・・待つこと10分・・・

しばらく様子見をすると言い、ここまで決断を先延ばしにしてきたが
もう、この五合目でのやるべき事はやりつくしたし、天気も良くなってきた(気がした)ので
オッサン2人が最後のサミットを開き、ようやく出した最終的結論は

「とりあえず今日の宿がある八合目まで行ってみますか!」

であった。

まぁ、うさぎ跳びで足腰を鍛えて練習中に水を飲むのは甘えと教わってきた昭和世代にとって
天候がちょっと悪かろうが、例えキング・オブ・ポップ状態で登山することになろうが
ここまで来ておいてあっさりと予定を変更をして下山するなんて選択をするハズも無く、
正直なところ、今まで様子見といっていたのは天候のタイミングを待っていたのではなく
お互いの『腹をくくる』タイミングが会うのを待っていただけなんだよね。



富士山五合目に到着して約2時間。
いまだ富士山の上の方は雲に覆われていて天候が不安なのは変わりないけど
一般的な富士登山ガイドブックに書かれていた高度順応時間は十分に取ることができたし
お互いの気持ちも確認して『気合十分、待ったナシ!』状態になったので
改めて管理センターに行き、「入山料を払います」と力強く1000円を叩きつけて
記念の缶バッジと携帯トイレを受け取り
いよいよ念願の富士登山スタートとなりました。

(次回に続く)

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例のシーンは8分20秒頃

一応分っているとは思いますが、この記事の一部は多少誇張して書いている部分があります。
神風特攻隊的な無謀な登山は絶対やめましょう。ポゥ!

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