mitakeつれづれなる抄

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読解力の低下

2017年10月06日 | ニュースな話題
 今朝のNHKラジオ第一放送のコラムで話されていましたが、中学・高生の文章読解力が、予想以上に低下しているそうです。ある問題を解かせた十ろ、、文章をよく読めば誰でも分かる問題なのに正答率が、半分にも満たない、ということを話されていました。

 どんな設問だったのか、検索したらありました。
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【問】仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

★ オセアニアに広がっているのは(  )である。
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 これは世界の宗教の広がりについて問うものですが、答えはキリスト教です。オセアニアはキリスト教が主力であることを知らずとも、この設問文章を読めば誰でも分かるものなのですが、正答率が半分以下なのだそうです。

 この文章読解力は一見、国語の場合のように思われますが、数学でも他でも何の教科でも共通していることで、先ずは与えられた文章を読み、その文意を理解することから始まります。

 昨今の日本の学生・生徒の学力低下は、単なる学力低下ではなく、この文章をよく読む能力の低下からきているのではないか、という研究内容。
 その裏には、スマホだのゲーム機器だので、映像だけを見て、文字の規則的な集合である文章を理解し、その意味する所を組み立てる能力が欠けているのではないか、ということ。

 そしてそのラジオコラムでは、学校では文章が読めることを前提として学習のカリキュラムが進められている。これを見直すことも大切、と話しています。さらに、学校内での成績だけなら兎も角、卒業後の就業において、昨今はどの世界でもマニュアル化されており、そのマニュアルが読み込められなければ、何も仕事ができない、ということになる、と話しておられます。
 昔のように、商売人なら丁稚奉公、職人なら弟子入りで親方や番頭さんなどから見よう見まねで覚える時代なら兎も角、マニュアル化され、そのマニュアルが読めることを前提として業務の内容が作られている以上、マニュアルの内容を失して機械を止めたり、壊すようなことになれば、業務が遂行できず、入り口のところ(就業の段階で)お断りします、ということなりかねない、とも話されていました。

***
 この文章の読解力の低下は、傍から見てよく分かります。何もこれは、中・高生だけでなく、昨今に日本人の多くに見られます。
 その第一の例は、優先席。優先席はあくまでハンディキャップを持っている方の席です。座るのは誰でも構いませんが、該当の方が来たら換わらねばなりません。換わるのが面倒であれば、最初から座らないことです。しかしながら、平気で何の疑問も躊躇もなく座る人、多いですね。

 日本の文化の低下も、この読解力の低下が一端にあるのかもしれません。

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4 コメント

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読解力でしょうか? (ponta)
2017-10-07 09:16:39
 此の事案はラジオのニュースで知りました。
その時はフーンと言った感じでしたが、このブログで敢えて考えると、少しひいき目に見て今時の子供は「サラッと読む」のかしらと思えるのです。
 小説なら斜め読みでしょうか。
例えばこの問題、私は二度読みしないと間違った答えを出すかも。 昔と違って頭が堅く成って居ますが。

こういう問題は小説や漫画と違いサラッと読んだり斜め読みは如何ですかね。

 やっぱり読解力の低下ですかね。

 もしかするとね~ 試験などで時間制限がきつく其れが身に付いてしまったかも。
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基礎があっての斜め読み (kisomitake)
2017-10-08 00:14:25
コメント、ありがとうございます。
この研究の発表自体は昨年にあったようです。

「サラッと読む」という行為が、まさしく読解力の低下によるものですね。
二度見でもしっかり読めば、理解できるはずです。
この「はず」が昨今では必ずしもそうではない、実情です。

斜め読みは、基本的な文章読解力の延長上にあるもので、ええかげんに読むものではないです。
そのあたり世間の皆様、勘違いされているようですね。

本文には書きませんでしたが、そもそも文章を解する過程や能力は数学と共通要素です。
ある決まりごとに沿って、その規則性に基づいて復元する、国語であって数学です。

画像や動画などで、物事を読み解く能力が醸成されないのでしょうね。
感覚だけで判断し、日本の将来は怪しいです。
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痛感しております (空想委員)
2017-10-21 00:49:20
現役大学生として、この問題は痛感しております。私自身Twitterなどの文章が、書いている途中は良いと思っていても後から見直すとおかしなところが多いなどということが非常によくあり、国語力のない若者とは私のことだ、と日々思っているのですが、この私からしても読解力に疑問符を付けざるを得ない人は多いと思っています。

最初に「あれっ」と思ったのは、読むのがやたらと遅い大学生との出会いからでした。あるときある人に写真集のような、ほとんど文章のない本を貸したことがありまして、私はその本を30分くらいで読んだものですから、1週間もあれば間違いなく返ってくるだろうと思っていたら実に1月も「読み終わらない」と言われ返ってきませんでした。彼は「忙しかった」と弁明しましたが、忙しいなら一つのタスクにかかる時間はむしろ少なくなるはずですから、どうしたものかと観察したら読解力に問題があると言わざるを得ない状態だったわけです。一文一文を隔絶してとらえていて、前後の文脈が理解できないようでした。

この問題の深刻なところは、読書だけにとどまるものではない点です。きそみたけさんは優先席の事例を挙げておられますが、私が問題だと思うのは知識の応用ができない、というところです。一文一文を隔絶してとらえているということは、つまり知識が隔絶しているというわけですから、ある知識を他の問題に転用する(生物学の講義で得た見地を経済学のレポートで生かす、など)ということがさっぱりできないわけです。結果、知識は詰め込まれているのに目の前の問題が解決できないということになり、挙句の果てには「学校で学んだことなど社会では何の役にも立たない」などと言い出す始末です。こうして学習意欲を喪失し、ますます学力が低下するという悪循環に陥っているのではないか、と思います。
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現役からの事情 (kisomitake)
2017-10-23 00:35:29
空想委員さん、コメント、ありがとうございます。
その前に、暫く前に多くコメントを頂きましたが、いずれ必ずご返信を差し上げますので、もう暫くお待ちください。
こういうのは、ある種の「勢い」が必要でして・・・。

そして読解力の低下ですが、現役の学生さんゆえの状況をつぶさにお目になさっているのですね。
本を貸したものの、一か月たっても返ってこないのは、一つには手元に本が届くと、「分かったつもり」になって中々読み進まないのもあるかもしれません。
図書館でいろんな本を借りてきますが、借りてきて納得してしまい、なかなか読み進まないうちに2週間の貸出期間が過ぎ、さらに一週間の延長を行い、それでも読まずに、一旦返却の上、即日貸出、ということも何度か。

優先席の問題は一つの例にすぎませんが、仰られる通りの「応用力」の低下、嫌皆無な状況です。
「類推」ができないんですね。
映像文化が深くなると、物事を深く考えることが少なくなり、雰囲気(感覚)だけで左右されるけいこうがあると伺ったことがあります。
漫画文化、アニメ文化、さらには本を読まずにスマホばかり見る、その結果、姿勢がわるくなりさらに思考力(読解力)の低下、の悪循環ではないかと考えます。
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