mitakeつれづれなる抄

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北海道新幹線の青函区間・三線軌条を見直す考え

2016年06月16日 | 鉄道
 ツイッターで知ったことですが、青函トンネル内で、新幹線列車が緊急停車していることが相次いでいることに対して、JR北海道社長は在来線とレールを共用する現在の構造を見直す考えを示した、ということです。
NHKニュース:共用レール“構造見直す必要”(ニュース動画あり)

 少し前に、緊急停車した、というニュースがあったのですが、これがその後も続いていたのですね。
 マスコミ的には「緊急停車」ばかり騒ぎ立て、私からすれば、フィルセーフに働いたと理解しているのですが、「止まってしまった」ことの方が大きな出来事らしいです。

 北海道新幹線の青函区間は在来線と軌道を共用しているので、軌間1435mmの新幹線レールの間に、もう一本、在来線用の軌間1067mmのレールを敷設されている、三本の軌条(レール)の構造です。
 東京方向も函館方向も進行方向左側のレールを、新幹線と在来線と共用のレールで、右側は新幹線と在来線それぞれ専用となります。
 この進行方向右側の在来線と新幹線レールが30cmほどのを隔てて敷設されているので、絶縁がしっかりしていないと、信号電流が隣のレールに流れて誤作動する恐れがあります。
 その誤作動が結構多く発生していたのですね。そんなJR北海道社長の会見で、「新在共用を止めたい」と表明するほどですので。

 そこで、在来線を止めた場合、貨物輸送をどうするかですけど、新幹線車両で貨物列車のコンテナを積載する「貨物新幹線」も検討してみる、だそうです。

 青函トンネル内は湿度が大変高く、トンネルの出入り口付近は高湿度の空気と触れ合う部分では、霧が発生していることがあります。
 湿度が高い、ということは水分も多いもので、金属の劣化も早めに進行します。
 信号電流の誤作動は金属部品の劣化ではなさそうですが、信号回路としてはかなりデリケートな構造です。

 ちなみに、新幹線に限らず、鉄道の信号は、レールを信号システムの電流回路として用いており、車両の車輪と車軸を経て隣のレールに流れて信号電流の「短絡」となります。
 この「短絡」で列車検知を行い、信号制御装置の電流が流れます。

 貨物列車のコンテナは新幹線で運ぶ、とは、コンテナ積載する構造の新幹線車両を造るのか、或いはかつて検討されたことがあった、貨物積載の貨車ごと、新幹線車両に載せる「ビギーバック」なのか。
 仮に在来線レールを撤去してしまえば、在来線レールは完全に本州と北海道の間は分断されてしまいます。

*** 追記 ***
 youtube動画から、北海道新幹線の明かり区間で三線軌条。


JR北海道、三線軌道保守資料(PDF)より、三線軌道の軌条締結部分。

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