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mitakeつれづれなる抄

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ATACS半年遅れで実用化へ・仙石線

2011年10月04日 | 鉄道

 2日前の日経web版記事からです。JR東日本が開発中の新しい考え方に基づく保安装置「ATACS」。衛星で列車位置を判定し、各列車間隔の保安のほか、分岐器や踏切制御も一つのシステム内で行うもの。このATACSが長期実用試験が行われていた仙石線あおば通駅~東塩釜駅間で、10月10日の当初予定から半年遅れで世界で初めての実用化となるのだそうだ。

 ATACSというのは、これまで地上設備で行ってきた閉塞の概念を、列車の地上位置から衛星電波で割り出し(早い話GPSです)、相互の列車間隔を地上のコンピュータで解析し、各列車には地上局からのデジタル無線で伝え、実際の列車制御をおこなうというものです。

 閉塞は、線路のある地点ごとに区切り、そこに信号機を建てて、列車進入の可否を示します。その信号システムは、地上に敷設された複雑なケーブルで構成されています。またその信号を動作させるのにレールに微弱な電流を流しており、軌道(レールなど列車走行路のこと)も走行用の電流は流すも信号電流は流させない装置を入れたりと、まぁ見える以上に複雑なんです。

 こういったものがATACSでは殆ど不要になり、信号機は実際に電球(今はLEDですね)を灯させる電気を供給してやる程度。

 そして閉塞の概念が変わり、常に先行列車との物理的な間隔をコンピュータ上で解析し、先行列車に近づいた際のブレーキパターンを常に発声させておいて、それを高速列車に伝送させ、これまでのような固定された閉塞は無くなります。つまり移動閉塞、これが一番画期的な点で、高密度運転区間では現在よりもさらに詰めて運転できますが、今回の仙石線ではそこまでの高密度運転ではなく、このATACSで実際に列車制御してみるところにあります。

 10日からのATACS実用化ではまず、この列車制御のみで実施し、速度制限や踏切での制御は先送りになりました。踏切制御というのは、列車の走行に応じて踏切の鳴動開始を行うもので、踏切手前に停車する駅があれば、その情報を入れて踏切鳴動開始させます。また踏切が鳴動していないときは、常に線路側に停車パターンを発生させておき、踏切遮断機が降りるなどした時にこのパターンを消去、無事に列車は通過できるというもの。

 さて仙石線。宮城県仙台市のあおば通駅と石巻市の石巻駅間を結ぶ線路。ほぼ全線で3月11日の東日本大震災で被害を受け、一部区間では津波で車両もろとも線路ごと流されております。

 地震発生の翌日はダイヤ改正が予定されており、そして3月20日を過ぎたあたりでATACSの営業実用化開始の予定でした。津波で流された区間は今も不通のままですが、仙台市よりの区間では電気運転での復旧となり、9月25日に半年遅れで実用化開始となったものの、またもや台風で実施が遅れていました。


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