mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

周波数統一は無理でしょう・電力の周波数東西の違い

2012年03月04日 | ニュースな話題

Newschu20120304  本日の中日新聞朝刊一面記事からです。日本の電力会社で発電する電気は、東西で周波数が異なっています。これを東西で統一出来ないものかと、経済産業省で研究会を設けて検討をすすめているとの記事がありました。これ、引用は中日からですが、暫く前から話題になっていますね。

 この4月にも国内の原子力発電所が全て停止するなど、このところ電力不足がいわれています(表向きは)。電力各社間で融通しあって供給力を維持していますが、東日本は50ヘルツ、西日本は60ヘルツの周波数で、この50Hz~60Hz間の供給は周波数変換を経ねばならず、毎時の供給量が限られるという壁があります。

 そこで、かの昔に言われていた東西周波数統一論議がまたこの時代に現われたもので、「どんな方法が有るのか」や、「費用」について検討しているとのこと。その課題として挙げたのは、

  1. 変換設備の能力増強
  2. 周波数の統一

1,は100万Kwあたり2~3千億円、2,は東西どちらかの発電・変電設備全て交換となり、単純で10兆円とされるとのこと。2,ですと、更に我々の家電機器にも影響しますよね。

   ◇   ◇   ◇

 私思うに、周波数の統一は、絶対とは言いませんが事実上無理だと思います。50Hzか60Hzかどちらかに統一するにしても、変更される方の設備全て変えなければならず、その費用オーダーで10兆円。そして交換の移行期は一時的に発送電できない事になり、また家庭や事業所での電気機器や受電設備にも影響し、費用対効果を考えても、一時的な供給不能を考えても、まず無理だと思います。

 家庭や事業所それぞれに周波数変換機器を置けば、周波数変更もありえますが、その費用はどうするのかや、変換に伴う僅かでもの熱エネルギー損失、これがあちこちで行われるわけで、それも無視できないと考えます。

 名古屋伏見に中部電力が運営する「でんきの科学館」があります。ザ・コンサートホールの真上。ここに中部電力が発足するまでの、電力供給の歴史が展示されており、それを観るにつれ、つくづく考えさせられます。明治の頃はまだ数百世帯程度の規模に電球数個を点けられるだけの供給。それぞれの弱小電力会社がそれぞれ輸入した発電機を置いて発電を始めたもので、とても全国規模までの発想は行き届かなかったのでしょうね。

 今、家庭の電気機器に周波数依存の製品は少なくなっていると思います。かつては冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、扇風機など50Hzと60Hzで製品が分れ、転居時は部品の交換が必要でした。今の製品は周波数の制限は無いですが、まだ古い機器が残っているでしょう。尤もそちらは、老朽化に因る故障を心配すべきですけど。

 ところで東海道新幹線。東京駅から約140kmほどは50Hzの区間を走ります。しかし東海道新幹線の電力は60Hz。新幹線建設時にこれ問題となりましたが、新幹線に電力供給する変電所に周波数変換装置を置いて解決しました。


最新の画像もっと見る