一燈照隅

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「三種の神器」

2006年02月20日 | 皇室
天皇は皇位継承したとき三種の神器を引き継ぎます。
三種の神器は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降臨する時、天照大神が授けました。 八坂瓊玉、八咫鏡、天叢雲剣(後に草薙剣)を言います。
この三種の神器ですが、皇位継承の印だけでなく、天皇としての統治理念を現しています。


昭和天皇が東宮時代、倫理を進講した杉浦重剛が

“三種の神器は知仁勇の三徳を示されたるものなり。例えば鏡は明らかにして曇り無く、万物を照らしてその正邪曲直を分かち、之を人心に比すれば則ち知なり。知は鏡の物を照らすが如く、善悪黒白を判断するものなり。玉は円満にして温潤、恰も慈悲深き温乎たる人物に比すべし。是れ仁の体にして、仁とは博愛の謂なり。また剣は勇気決断を示すものなることはほとんど説明するまでも無く、もし之を文武の道に比すれば、鏡は文、剣は武なり。詮じ来たれば三種の神器は知仁勇の三徳を実物に託して垂示せられたるものなること益々明瞭なりとすべし。”


以上のことから、三種の神器は物として引き継ぐだけでなく、たとえそのものが無くても天皇としての大切な理念を伝えていると言えます。
天皇も人間ですから中にはこの理念から外れていた方もおられるでしょう。しかしほとんどの天皇は三種の神器の理念を守られてきています。
昭和天皇は激動の時代に於かれて、まさに三種の神器の理念そのものを行われたのではなかったでしょうか。


この天孫降臨の時、三種の神器に加えてもう一点与えています。
それは高天原の斎庭の稲穂です。

「吾が高天原に所御す斎庭の稲を以て、亦我が児に御せまつるべし」

この天壌無窮の大道によって天皇陛下が御田植ゑをされるわけです。 毎年の行事として、新嘗祭、神嘗祭が天皇にとってとても大事な行事なのが分かると思います。