一燈照隅

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御製 弐

2006年02月18日 | 皇室
昭和23年冬歌われた昭和天皇の御製です。
この年の11月12日に東京裁判の判決が下され、12月23日に絞首刑の執行が行われました。


「しずみゆく夕日にはてそそり立つ冨士の高嶺はむらさきに見ゆ」

最近昭和天皇はいわゆるA級戦犯を合祀したから靖国神社に参拝されなくなったと、さもA級戦犯を避けているような事を言う輩がいます。 しかし、判決の日と刑の執行の日のご様子が「昭和天皇のおほみうた」に書かれています。

陛下は御文庫で御自分でラジオのスイッチを入れられ、実況放送をお聞きになられた。そして、夕食後は側近も退け、一人部屋にこもって夜のふけるまでお過ごしになられた。
12月23日未明、絞首刑が執行された。この日は皇太子殿下(今上陛下)の満15歳の御誕生日であった。例年この日は、皇室御一家が御揃いで夕食を共にされるのが常であったが、一切の行事をとりやめられ、陛下は終日御文庫に御こもりあそばれた。


また靖国神社には昭和61年に読まれた歌が、陛下のお気持ちを一番よく表していると思います。

「この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし」

陛下の靖国神社に参拝できないもどかしさが物凄く感じられます。
英霊も陛下に参拝いただくと喜ぶことでしょう。


昭和天皇最後になった全国戦没者追悼式の御製です。

「やすらけき世を祈りしもいまだならずくやしくもあるかきざしみゆれど」

「さしのぼる朝日の光へだてなく世を照らさむぞわがねがひなる」
光(昭和35年)

「日日のこのわがゆく道を正さむとかくれたる人の声をもとむる」
声(昭和41年)
ご自身に対する諫言を求められるなど、私のような凡人にとってはまったく持って畏れ多い限りとしか言いようがありません。


「わが庭の宮居に祭る神々に世の平らぎをいのる朝々」
祭り(昭和50年)
宮中三殿に祭られる神々のことを詠まれています。 天皇陛下が拝礼されない日は代拝を立てています。

他にも昭和天皇の御製は数多くありますが、ほんの少しですが私なりに紹介させて貰いました。
御製に見られるように、天皇陛下は今も昔もご自身のことよりも皆のことをお考えになられてることがよく分かります。
歴代天皇陛下のはお名前に「仁」の字がつかわれているのがよく表していると思います。