一燈照隅

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「楽しむには資格がいる」カズ

2006年02月15日 | スポーツ
今朝の日経新聞にカズ(三浦知良)のコラムが載っていた。カズの目から見た五輪選手について。
トリノオリンピックの選手についてです。 マスコミは予想に反していまだにメダルを獲得していない事を書き始めている。
しかし冷静に判断して日本選手はそんなに強いのだろうか。
ワールドカップで一回でも好成績を出せば突然持ち上げます。
どこかライブドアの事件の扱いと変わらないように思へます。放送で視聴率を採るためにメダルの可能性があるように宣伝しているように見えます。
これはマスコミの体質なんでしょう。


サッカーの最高峰の舞台は五輪ではなくワールドカップ(W杯)。ただW杯がすべてでなく、日々の練習や試合にもスポットは当たるし、そこで得られる充足感もある。そうした日々の積み重ねの先にW杯がある感じ。

五輪のメダルを究極のゴールとするアスリートを気の毒に思うのは、その日々の積み重ねにはあまり光が当たらないことだ。五輪の前後に洪水のように取材されるけど、普段はマイナー扱いされるからモチベーションの維持も大変だろう。4年に一度の五輪のわずかな競技時間に照準を合わせ、すべてを凝縮して出さないといけないし、そのプレッシャーが選手を成長させるのだけど。

子供の頃から夢見たせっかくの舞台なんだから、選手には五輪を楽しんでほしい。ただ、選手にとって一番楽しいのは勝つことだから、楽しむには資格がいる、基本的にはね。思い詰めた選手に「ガンバレ」は酷というもので「楽しんで」という励ましが定着したと思うけれど、楽しむのも実は簡単じゃない。

負けても「楽しかった」と言えるのは勝敗を超えた意義を見つけられたときで、これもなかなか難しい。ある意味、うまく開き直れるといいんだけど。初めてオリンピックに出た選手というのは多分、そういう精神状態にうまく持っていけないのだと思う。