―TSUREZUREGUSA―

つれづれと、日々のおもひをつづること。

胸を衝かれて

2006-12-09 16:06:30 | BOOK
「職人もわしらも、あのときに自分らが持ってるもんを
 全部出し切って燃焼し尽くしたんやから、
 もうそれでよろしんや。」
             ――――安井清

桂離宮の修復に携わった棟梁のお言葉。
予算だとか、合理性だとかがとかく重要視されがちで、
どうしても職人技でという重要な文化財以外は
入札制度で大手ゼネコンが文化財の修理も請け負ってしまう。
それが本当に適材適所なのか、疑問。
職人が代々受け継いできた手法や、
いわゆる「勘」という経験値。
それらは重要視されず、
後回しにされて、
「予算をおさえる」こと、「工期を短縮する」こと、
「効率よくしあげること」を
良しとすること。
もちろんそれが全面的に悪ではなく、
需要がそうなのだし、大切なのだけれど、
でもでも、なんか焦燥感。
どうしても、憂えてしまう。
                  

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2 コメント

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Unknown (harukichi)
2006-12-10 22:02:25
住宅でも同じだな、
持ってるもんはいつも、出し切っているつもり、
でも、消費者の方に立って考えてみると、
昔の情や、気持ちのやり取りで物を買うって事が、
出来なくなってるなーと、思う。
家なんて、心のやり取りと、相手への信頼が無きゃあ、できないし、お互い少しでも高くや、
少しでも安くじゃあ、いいものは作れないよな~。
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Unknown (とも)
2006-12-10 23:14:24
>harukichi
いいもは、やっぱり高い。
でもその価値がその値段に等価だとわかりつつ、
それでも予算をおさえなきゃならない。
いろんな人のはがゆさを感じます。
「心のやりとりと、相手への信頼」、そこがほんとの原点の原点にあるのがベストですよね。
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