プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界集英社このアイテムの詳細を見る |
マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の魅力を綴った新書。
「失われた時を求めて」は全訳13巻、7編にわたる超大作。
先月読み始めたのだけれど、
文章やエピソードがあっちこっちにとんでやっぱり読みづらくて…。
人の無意識に色々なことを同時に考えたり思い出したりするけれど、
それがそのまま活字になった感じ。
全巻読んではじめて話が一つにまとまって大成するとなると
途中で読むのをやめるわけにもいかないし。
でもいまいちペースもあがらず、
2巻目の途中でペースダウンして、
他の読みたい本に流れておりました。
…てことで、手にとってみたこの新書。
「失われた時を求めて」の研究に関して
国際的にも知られた著者が、
「失われた時を求めて」の隠された主題を読み解いたり、
重要なシーンを抜き出して考察したり。
単に魅力的なシーンを綴るだけでなく、
研究的な側面からの考察が面白い。
もう一度全巻にとりかかる気力が少しわいたような気がする。
「プルーストの作品の根底には、読書についての省察がある。
《一冊の本は、読者の魂と精神にいかに働きかけるか?》
という問いへの回答がある。」
――――――――――バンジャン・クレミュー