
≪川旅・暴れ天竜を下る!その1≫
数年前、天竜川の水源から河口までを自転車で走ったことがある。水源は汚染が進んだ諏訪湖で、とても綺麗とは言えない水の流れを眺めながら一泊二日で河口となる遠州灘まで230キロを走り切った。途中より合流する河川もあるため、多少は水も綺麗になっていったが、佐久間ダム辺りのダム湖でまた汚れていったのが記憶にある。
その自転車ツーリング途中、天竜峡の橋より見下ろした天竜川はゆったりと流れ、その渓谷を川下りの船が長閑に過ぎっていったのが記憶にある。今回はその天竜川をカヌーで下ることとなった。
スタートは高森町と豊丘村の境となる明神橋を予定していたが、生憎とその日の夜は花火大会で、準備のために河川敷へは進入禁止となっていた。仕方なく、少し下流にある阿島橋の近くよりスタートとした。
以前より聞いていた噂では、天竜川はとてもパワフルな流れで、ウェーブも凄いのが立ち、激沈(要するにカヌーがひっくり返ること)も覚悟というワイルドな川下りになるという。今回は安全対策も含めてウェットスーツを新調し、低体温症にも備えた。ヘルメットも必携である。
平年よりも水量は少ないという。やや濁りがあり、緊張感が高まってくる。ベテランのTさんやKさんのラインを忠実に辿り、安全第一で下って行くが、遠くに瀬の音が聞こえ始めると思わずパドルを握る手に力が入ってしまう。
瀬に入れば、あとは度胸の世界。どんな波や流れの変化があっても必死にパドルを動かすしか方法はない。多少でも加速している方が安定は良いようだ。もう一つの危機は瀬の終わり付近。ボイルという水流の湧き上がりが曲者で、艇が浮いた状態になって不安定となり、バランスを崩す羽目となる。まあ、カヌーの楽しみは、刻々と変化する水の流れを読み、それをどう乗りこなすかにあるようだ。
適度な瀬と瀞場を繰り返し、南原橋を過ぎるとクランクに入る。後ろから来た天竜下りの船をやり過ごす。観光気分の乗客より手を振られ、柄にもなく手を振って答えた。若い女性にはカヌー乗りの印象を良く見せたいという下心もあったが・・・。
覚悟を決めてクランクに入る。その先は鵞流(がりゅう)峡という最難関で、両岸が数十メートルという断崖が1キロ程続き、その真っ只中の急流で沈をすれば時又港まで流される派目となるそうだ。「所帯持ちのすることではない!」と心で反省しながら、艇はそれに逆らって急流へと突入していった。
Tさん曰く、例年よりは水量が少ないため、瀬の大きさは大した事はないと・・・それでもウェーブの立った瀬でファルトボートは上下に揺られ、バンバンと水面を叩く状態となり、生きた心地がしない。スプレースカートに掛かる水飛沫は艇の内部にも侵入し、足元を濡らし始める。また、その大きな飛沫は顔面にも容赦なく掛かり、口の中へ入ってゴホゴホと咽る羽目となった。
幾つもの瀬をやり過ごしたころ、前方を行くMさんの艇が横になって船底を見せていた。一瞬、何が起きたのかなと思ったころ、Mさんが浮き上がって来て艇を岸に寄せ始めた。同行の三人は傍観するだけで何も出来ない状態。岸の上で水を抜き、再び川下りに入ったのは5分後位であっただろうか。
天竜橋を潜れば、そこが時又港である。今日のゴールでもあり、艇を岸に付けた時は正直ほっとした。「50歳を過ぎたオッサンのやることではないな!」と反省しつつも、ダイナミックな川下りに満足し、「来年も恒例で天竜へ来ましょう」と懲りないオッサンでもあったようだ。
今日のクルマ回収はタクシーで。車中、今日下った川を眺めながら、ああでもない、こうでもないと4人の会話が弾んだことは言うまでもない。
数年前、天竜川の水源から河口までを自転車で走ったことがある。水源は汚染が進んだ諏訪湖で、とても綺麗とは言えない水の流れを眺めながら一泊二日で河口となる遠州灘まで230キロを走り切った。途中より合流する河川もあるため、多少は水も綺麗になっていったが、佐久間ダム辺りのダム湖でまた汚れていったのが記憶にある。
その自転車ツーリング途中、天竜峡の橋より見下ろした天竜川はゆったりと流れ、その渓谷を川下りの船が長閑に過ぎっていったのが記憶にある。今回はその天竜川をカヌーで下ることとなった。
スタートは高森町と豊丘村の境となる明神橋を予定していたが、生憎とその日の夜は花火大会で、準備のために河川敷へは進入禁止となっていた。仕方なく、少し下流にある阿島橋の近くよりスタートとした。
以前より聞いていた噂では、天竜川はとてもパワフルな流れで、ウェーブも凄いのが立ち、激沈(要するにカヌーがひっくり返ること)も覚悟というワイルドな川下りになるという。今回は安全対策も含めてウェットスーツを新調し、低体温症にも備えた。ヘルメットも必携である。
平年よりも水量は少ないという。やや濁りがあり、緊張感が高まってくる。ベテランのTさんやKさんのラインを忠実に辿り、安全第一で下って行くが、遠くに瀬の音が聞こえ始めると思わずパドルを握る手に力が入ってしまう。
瀬に入れば、あとは度胸の世界。どんな波や流れの変化があっても必死にパドルを動かすしか方法はない。多少でも加速している方が安定は良いようだ。もう一つの危機は瀬の終わり付近。ボイルという水流の湧き上がりが曲者で、艇が浮いた状態になって不安定となり、バランスを崩す羽目となる。まあ、カヌーの楽しみは、刻々と変化する水の流れを読み、それをどう乗りこなすかにあるようだ。
適度な瀬と瀞場を繰り返し、南原橋を過ぎるとクランクに入る。後ろから来た天竜下りの船をやり過ごす。観光気分の乗客より手を振られ、柄にもなく手を振って答えた。若い女性にはカヌー乗りの印象を良く見せたいという下心もあったが・・・。
覚悟を決めてクランクに入る。その先は鵞流(がりゅう)峡という最難関で、両岸が数十メートルという断崖が1キロ程続き、その真っ只中の急流で沈をすれば時又港まで流される派目となるそうだ。「所帯持ちのすることではない!」と心で反省しながら、艇はそれに逆らって急流へと突入していった。
Tさん曰く、例年よりは水量が少ないため、瀬の大きさは大した事はないと・・・それでもウェーブの立った瀬でファルトボートは上下に揺られ、バンバンと水面を叩く状態となり、生きた心地がしない。スプレースカートに掛かる水飛沫は艇の内部にも侵入し、足元を濡らし始める。また、その大きな飛沫は顔面にも容赦なく掛かり、口の中へ入ってゴホゴホと咽る羽目となった。
幾つもの瀬をやり過ごしたころ、前方を行くMさんの艇が横になって船底を見せていた。一瞬、何が起きたのかなと思ったころ、Mさんが浮き上がって来て艇を岸に寄せ始めた。同行の三人は傍観するだけで何も出来ない状態。岸の上で水を抜き、再び川下りに入ったのは5分後位であっただろうか。
天竜橋を潜れば、そこが時又港である。今日のゴールでもあり、艇を岸に付けた時は正直ほっとした。「50歳を過ぎたオッサンのやることではないな!」と反省しつつも、ダイナミックな川下りに満足し、「来年も恒例で天竜へ来ましょう」と懲りないオッサンでもあったようだ。
今日のクルマ回収はタクシーで。車中、今日下った川を眺めながら、ああでもない、こうでもないと4人の会話が弾んだことは言うまでもない。
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