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山旅 タンザニア紀行 その5

2007-02-22 11:43:59 | Weblog
≪山旅 タンザニア紀行 その5≫

 やはり安全第一、11名のメンバーから事故者を出すわけにはいかない。何がなんでも頂上へという思いも大切ではあるが、標高5400m、「ここまで来れて良かった!」でも良いのではないか。結果はここで登頂を中止、撤退と決まる。

 メンバーには様々な思いがあったようだ。高知県より大阪の登山学校まで通い、雪上や岩の技術も取得されてキリマンジャロに臨んだ方。毎回の登山は、日帰りでも15キロ以上の荷物を背負うことを日課にされているとか。スイスアルプスやマッキンリーにも訪れ、キリマンジャロへは一生の思い出にという方。参加料金も半端ではなく、無念な気持ちはひしひしと伝わってくる。私とて同じ気持ちである。

 グループを三つに分け、現地ガイドが両サイドに付きながら慎重に下る。登山では下りの方が圧倒的に事故が多い。先行した私達はハンズ・メイヤーズ・ケープと言われる岩陰で後続を待った。この30分程が異常に長く感じられ、テルモスに入った熱いお茶を飲みながら今回の旅を振り返ってみた。

 どんな思いがアフリカのタンザニアまで私を来させたのか。それほど複雑なことではなく、長年のアウトドア遊びの中で、いろんな事をやってみたい、いろんな場所へ行ってみたい。それくらいの思いしか浮かばない。一生は一度、地球上のいろんな所へ立つことが出来れば満足かなと。

 4800mまで下りてくると、前方のマウェンジー峰の右に太陽の薄明かりが差し、その鋭い岩峰が雪原の上に浮かび上がって来た。それはとても神秘的で、この世の景色を超越したものであった。地球の創造主のなせる技、いかに人間なんて小さな存在でしか無いことを思い知らされる。

 キボハットのロッジにてしばしの休憩を取り、気を取り直して下山に入る。ホロンボハットまでの長い道のりを一気に下る。振り返れば全体を雪に覆われたキリマンジャロの本峰がドカンとそこにあった。「5895m、ウフル・ピーク」そう簡単には登らせないぞ!と言っているようであった。

 天気は快晴、それぞれのメンバーも気持ちの切り替えが出来たのか、会話を楽しんだり、写真を撮ったりして明るい雰囲気であった。現地ガイドと肩を組んでの記念撮影も。

 今日の宿泊はホロンボハットのロッジ、巨大な山容の山だけに、一気に下ることは出来ない。しかし、登りの時とは違う余裕でキリマンジャロでの最後のロッジ生活が楽しめた。同行の仲間との会話、ロッジでの食事、写真撮影・・・充実したひと時が過ごせた。

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