『Wild Tales』(1973) Graham Nash

2009年03月22日 | 70's
曇り空の休日の、午後のコーヒーの時間。大切な時間。
ターンテーブルへチョイスした内の1枚はグラハム・ナッシュさんのこのアルバム。ソロ2nd。
1曲目のギターとヴォーカルがあまりにサラリとポップで軽くて、良くって。あり?こんなに力の抜けた軽やかな始まり方だったけ?とちょっと感動して、さっきまで雑誌読みながらだったんだけど、ながら聴きなんて出来なくなっちゃって。でもよく見たらA/Bかけちがえて、B面からかけておりました。だけどそれが功を奏したというか、改めてこのアルバムいいなぁ、特にB面、って感じで何度もリピート。そしてたまらずこの記事を書くに至りました。


CS&N、CSN&Yの作品では他の人の曲と比較出来ることもあって、彼の曲が持つ際立つポップさ、みたいなものには惹かれていました。
言わずと知れた ”Teach Your Children” や "Our House" とかのこと。
爽やかで明るくて、飛び抜けてポップで。何より彼の曲には親しみやすさがあった。CSN&Yのポール?とか勝手に思ったり。
だけどそのルックスや滲み出てる人間性?みたいなものからはジョージ的なものを強く感じたり。

と言っても、私はナッシュさんには到底疎く、お世話になっているBYRDさんがナッシュさんの1stソロを以前記事で取り上げられていたのを読んで、「そうよね、ナッシュさんにもソロ作は当然あるよね」って思ったくらい完全ノーマーク。だけどそこから意識するようになり、遂にお店でご対面と相成りました。さわやかな緑のジャケの1stとは対照的な、ごつごつとしたレンガの質感を活かした重厚なモノクロの写真で何とも言えない顔でこっち見てるナッシュさん。こりゃーこれも絶対いいぞ!ってワクワクした。
お店のアナログ全品50%OFFなんていう夢のようなセールで見つけた1枚。去年の夏の終わりの話。


で、それから何度か聴いておりましたが、今日、キタ、感じ。やっと出逢えた、そんな感じ。
待ってたよー、ナッシュさん。・・・って勝手なアレだけど(笑)
でもそういう時って、みなさんもありませんか?私は結構時間かかる方なのかも知れません。
だけど、その出逢えた!って思った時点で記事に書きたいって意識があるんですよね。
出逢えて良かった。そして逃すことなく記事にも書けて良かった。
(タイミング逃して書けない記事が多くなると結構ストレスになりますです)


で、さっきも書いたB面の1曲目 "Grave Concern"、がすっごい好き。
思わず「曽我部くん!?」(逆だけどー)って思うほど、軽やかなリズム・ギターが素敵。
で、途中デビッド・リンドレーのスライド・ギターがちょい派手目なソロに突入する時、訳もなく「アメリカ!」って感動するし、だけどその曲のメロディが持つどうしようもないポップネスみたいなものはやっぱり英国の香りを感じてしまうし、だけど曲の耳当たりはどこまでも軽くて新しいものだし・・・。
そういう時代やお国柄など軽く超越しちゃってて、それがナッシュさんという存在を表してるようにも思えて。
とにかく何とも味わい深い、最高の "フツーの” ポップだと私は思います。
何回聴いても感動するし、こういう曲と出逢いたくて音楽聴いてるのかなーなんて思ってしまいます♪

B面2曲目 "Oh Camil (The Winter Soldier)" は自身のハーモニカが印象的なアコースティックな優しい小品。12弦ギターでデイブ・メイソン参加。この曲なんかの印象は、私が以前から持っていたナッシュさんの曲のイメージそのままを持ってる気がします。

B面3曲目 ”I Miss You” 。これはピアノメインでしっとりと、失った関係の寂しさが歌われる切ない曲。
ピアノだし、この優しげ=頼りなげ、な歌い方、このポップな感触、どうしてもベン・フォールズの傑作バラード群がダブります(逆だけどー)。
ナッシュさんの歌い方が自然でさりげない分、切ない味わいがあり、涙々・・・。
デモ曲かと思うほどシンプルでそこも好感。

B面4曲目 ”On The Line” はイントロからベン・キースのペダル・スティール・ギターの音色で別世界へ。そこへナッシュさんの声で歌われるポップで人懐っこいメロディ。素晴らしい。ナッシュさんの曲ってこういう「かわいい曲」率、わりと高いかもですね。

で、B面最後の曲 “Another Sleep Song" 、これがまたすごい!かわいい流れから一転して不穏なサウンド。これがまた死にそうなほど寂しい曲。両方できるのってすごい!

わー、B面全曲書いちゃった。もうこのアルバムの、超B面ファンだわ、私・・・!
(もちろんA面も素晴らしいです)


先日ライノからナッシュさんの全キャリアを総括するような3枚組の装丁も素晴らしいコンピが出ましたが、彼の曲が素晴らしいのは本日で良く分かりましたから、あれもすんごい欲しくなったんだけど・・・。

でもこうやってネットで知って(BYRDさんに感謝)、時間かけてお店で偶然出逢えて(アナログだとより嬉しい)、で、また時間かけて家で再度出逢って、なんていう悠長で呑気な付き合い方するのも、この人の場合、許してくれそうな気がしてて。

以前書いたようにウチのネコがけいれんを起こしてから、家では音楽は音量下げて聴いてて、特にオーディオ・セットでは聴いていなかったのだけれど、このナッシュさんなら、ソファーで丸くなって、気持ち良さそうに寝ております。ほっ。
色々ありがとう、ナッシュさん。






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6 コメント

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ごめんねモスコ! (moondreams)
2009-03-22 20:55:35
ホリーズ在籍時の”Carrie Anne”やモスコさん
指摘のCSN&Y”Teach Your Children”のポップさに
惹かれていましたがソロになってからのナッシュは
聴いてません。魅力的なライノの3枚組もきっと買わないかな~
Sorry Mosko
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これよく聞きました (unodos)
2009-03-22 21:02:41
これは、初めて買った彼のソロ作でした。
私もB面をよく聞いていた記憶があります。
今手元にはLPがないので、CSNYのBOXで「Another Sleep Song」を聴いてます。
良い歌ですね。
彼には確か「Sleep Song」という曲もありましたよね。

CSN&Yとの出会いは、中学生の頃
映画の「小さな恋のメロディ」のエンディングの「Teach Your Children」でしたので、
最初はナッシュが一番好きな時期がありました。
ポールに通じる優しいメロディメーカーですからね。
その後、Sが一番好きな時期もありましたが
結局Nに行き着きました。
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>moondreamsさん (モスコ)
2009-03-24 09:24:18
そんな、ごめんねスザンヌにかけなくてもいいですから(笑)

この人ねー、イイですよー。
ソロ作聴いた人だけが分かる良さがあるのです。
グループ作とはちょっとだけ違うの。
と、まだしつこくあおってみる(笑)







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>unodosさん (モスコ)
2009-03-24 09:31:35
わ!unodosさんもアナログで聴いてらっしゃいましたか!
B面?ホントに!?わー、なんかうれしいー!!
A面はなんかちょいと重いんですよね。
その生真面目さが。

そっか、"Sleep Song" があるんですね。
聴いてみたいっす。

>結局Nに行き着きました。

むふふ(笑)
ナッシュさんってホントにあんなアクの強い人たちと一緒にやって、すごいタフですよね。C、S、Yなんて、まるでジョン・レノンが3人いるビートルズみたいだもん(笑)

ナッシュさん、やっぱりポールに通じるメロディ・メーカーですよね。あと今思いましたがドノヴァンなんかもちょっとテイスト似てるかなぁ、と思ったりしました♪

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1973年の愛聴盤です (カレン)
2009-04-17 19:50:08
このアルバムは1973年に聴いていました。(笑)

CSN&Yで、繊細な曲を書いている人だなぁと思い、英国人だと知って納得しました。ホリーズは後追いで聴いたのですが、それぞれ印象が違いますね。

ソロ作はやや甘口かな。ニール・ヤングの『ハーベスト』とは対象的ですね。

そうですね。ボール寄りのメロディーメイカーですね。
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>カレンさん (モスコ)
2009-04-18 10:16:18
えっ?え??・・・えーーっ!?
そうなのですかっ!ちょっと意外っていうかびっくりしました!
カレンさん、今の音楽がんがん聴かはるし、そんな時代が
リアルタイムの人だというイメージがそこまでなくて、勝手にもう少しヤング目なのかな~と・・・
あらためてカレンさんの音楽リスニングパワーに敬服します

で、ナッシュソロ。確かにやや甘口ですよね。
私はそこがやっぱり好きなとこかな~。
素晴らしきメロディーメーカー振りですよね♪
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