『Surf's Up』(1971) The Beach Boys

2009年12月03日 | BB5/ブライアン
このアルバムには一方ならぬ思い入れを持っています。
なぜだろう。
多分このジャケと、そして最後に収録されている ”'Til I Die" と "Surf's Up" のせい。

いくらカールがすばらしい2曲目の ”Long Promised Road” のかっこよさにうなされようとも、ブルースの大傑作、4曲目の ”Disney Girls (1957)” に心から癒されようとも、この2曲が最後に必ずやってくる。これもまた恐ろしいアルバム。


”'Til I Die"
歌詞が分かっていない時から好きだったこの曲。
歌詞を知って愕然として、より好きになった曲。
1人の人間の根源的な心の叫びがここにはあって、一言で言えば「心細いよぉ~!」と言うことかもしれないけれど、これほど途方に暮れた状態というのを曲にしてしまったものを、私は他に知りません。だって普通、人は途方に暮れている最中は曲なんか書けないから。ブライアンはそれが出来た。

この曲の歌詞の素晴らしさは、子供の時にふと思うようなごく自然でシンプルな疑問のような形を取って絶望や生きることの恐怖を書ききれているところ。
天才とは常に自分の中に幼児性を保っているため、時には世界と対峙する時もそのような子供のように無防備な姿でさらされなければならないのかもしれない。それは相当キツいことだろうけど、ブライアンはそれが出来た。
マイケル・ジャクソンは去ってしまったけど、ブライアン・ウィルソンは耐えた。こんな曲を作り出しながら。


”Surf's Up”
レナード・バーンスタインのTV番組の中で、この曲を一心不乱にピアノで弾き語るブライアンの姿。ビーチ・ボーズの傑作ドキュメンタリー映画『An American Band』の中で目に焼き付いたその映像。『スマイル』期に撮られたその映像は今やいつでもどこでも見られるものとなっているのだけれど。
よくミュージシャンが「創造の神が降りてきて曲を一気に書き上げた」なんて言ってるのを聞くけど、あれこそ正に「降りてる」姿そのもの。恐ろしさと美しさとがちょうど半分半分の姿。この頃はまだ『スマイル』はビーチ・ボーイズの、というよりはヒップなブライアン・ウィルソンの来るべきアルバムとして、一部で待たれていた時期だった。

この5年後の1971年のアルバムで、1つのストックとして『スマイル』箱から持ってきて再録音したカールのヴォーカル・ヴァージョンよりも、1993年に出た『Good Vibrations Box』に収録された前途の映像と同時期の1966年のブライアンのピアノ弾き語りヴァージョンの方がより鬼気迫っていることは言うまでもありません。


半ば神がかったような ”Surf's Up” にはものすごくいまだに魅せられ続け、平伏すしかないのだけれど、ちっぽけな人間として自分と一緒に途方に暮れてくれる ”'Til I Die" の方が今は好き。


こんなに暗くて重いアルバムを、高校の時のクラブの夏の合宿の時に持っていっていて、ちょっとした一人の時間の時にウォークマンでよく聴いていたことを思い出しました。
みんなでワーワー言った後のふとした空き時間とかに、畳んだ布団にもたれかかって一人で静かに落ち着いて聴いたりするのが妙に心地好かったのです。





『Sunflower』(1970) The Beach Boys

2008年08月02日 | BB5/ブライアン
今日もビートルズ、いや、正確には ”Don't Pass Me By" 漬けだったのですが、いつもお世話になっているBYRD兄さんのとこでブライアン・ウィルソンのソロ1stアルバムが取り上げられていて、その記事を読んですっかりビーチ・ボーイズ気分も盛り上がってしまい、聴き返しております。


ビーチ・ボーイズ。今年の6月にババーと紙ジャケが出ているようですが、同じ6月に国内盤で1500円で限定盤としてこれまたバババーッと出ているんですよね。しかもHMVオンラインなら「厳選国内盤CD2点以上で20%オフ」キャンペーン中で、1枚1201円という何とも、素敵じゃないか!的なことに!私、3枚注文しちゃいました。こっちのプラケースのを2枚買っても紙ジャケ1枚より安いんだよー。ほんとはBYRDさんの記事で絶賛されていたブライアンソロ1stのリマスター&ボートラいっぱい入ってる盤やデニスの『パシフィック・オーシャン・ブルー』も早く注文したい所なんだけど、オリジナル・アルバムの抜けが気になっていたので、このお安さは有り難い!と飛びついちゃいました、皆さんもこの機会に抜けてたあの1枚、この1枚を、是非いかがでしょーか。
夏ですし♪


そんなわけでビーチ・ボーイズ祭りな気分の中、今回はこのアルバムを取り上げまっす!
最後の(哀)傑作として名高い『サンフラワー』でござる!私の持ってるのは2000年の再発盤です。


このアルバム、まず始まり方がカッコイイんですよね!
そう!デニスのM-1 "Slip On Through" !ブライアンや他のメンバーとはどこかが明らかに「違っている」漢・デニス。
彼のこの曲も絶妙なスピード感、緊張感があって、他のアルバムとなんか違うぞ的なスリルに溢れた幕開けで、非常にわくわくするんです。
それはアルバム中頃に置かれたM-6 "It's About Time" にも言えることで、デニスのアグレッシブな魅力は重要なアクセントになっていると思います。カッコイー。

で、M-2 "This Whole World" 。これはブライアンお気に入りの曲で、ライブでもソロのアルバムでも取り上げられていますよね。確かに2分弱の小品なんですけど、この中にブライアン節がぎゅーっと詰まっています。基本の曲でしょう!

で、で!いよいよ最初のクライマックスがもうやってきます!M-3 "Add Some Music To Your Day"!!
これほど素晴らしい音楽讃歌の曲がありますでしょうか・・・!!
全編たまらなく感動的で胸が震えないわけにはいかない曲なのですが、その中でも特に特に!

Music When You're Alone
Is Like a Companion For Your Lonely Soul

やっぱココでしょう!!♪ミュージ~~~♪ってとこ。
このラインがあのスウィートなメロディで歌われる限り、私はどんな時でもゆっくりと眠りにつくことが出来る、ってなもんです。いつでも守られてるんだ、音楽に。
この曲を特別だって思っている人には、この想い判って頂けると信じています。
で、もしウチのブログを読んでくださっていて、この曲を知らない方がいらっしゃったら、そんなアナタにこの曲を捧げたい・・・!!歌詞も曲も全部丸ごと素晴らしいんだから!!

あ~、興奮した(笑)
そしてお次は出ました!ブルース・ジョンストン! M-5 "Deirdre" !
ブルースは実は昔からすごい好きでして、ソロ・アルバムは愛聴盤です。BB5加入前のサーフィン期は詰めが甘いので全然知らないんですけど。
でもね、私が嫌いなハズがないのです、あの甘い声、あの甘い存在感、あのタレ目(笑)
そんなスゥイーティー・ブルースの傑作が2曲も収録されてんですよね、このアルバム!
それがこの”Deirdre” とM-7 ”Tears In The Morning" 。
特に”Deirdre” がイイですよねぇぇぇ。ブライアンとブルースの共作、っていうだけでも泣けるものがあります。

そんでキタ!M-9 ”Forever” !またまたデニス!
雄大な曲。海岸線での夕焼けのような風景がイメージされる静かに切なく熱い曲。
そしてデニスの気持ちチョイハスキーで寂しげなリード・ヴォーカルに、高音である時は絶叫するかのように畳み掛け、ある時は静かに寄り添うコーラスの中のブライアンが切ない!

ふー。その他の曲も全部本当に素晴らしい出来で、全曲すごいんですよね、このアルバムは!完成度がものすごい!
ブライアンが久々がんばっているのも大きいと思うのですが、結構デニスやブルースのがんばりが大きいものがあって、このアルバムならではの魅力がたまりません。
このジャケットそのままの、暖かい、陽だまりの音楽です。





『IN CONCERT』(1973) THE BEACH BOYS

2007年09月21日 | BB5/ブライアン
聴く音楽がソウルづいてる日々なので、箸休め的に聴く音楽もソウル寄りなものを選んでしまいます。箸休めと言っても、結構そっちに夢中になったりするのですけど。


夏の終わりにビーチボーイズ。
なかなか終わらない(関西はとにかくまだまだ、熱い熱い!)、エンドレス サマーを感じつつのエントリは、ビーチボーイズでもソウル寄りの、この73年版のライブ盤をチョイス。

このライブ盤のビーチボーイズ、実はブライアン抜きのブロンディ&リッキー入り、という時代のもので云わば、背脂抜きのネギ多め??(笑)という、ビーチボーイズ度が低い時代のものですので、人気があまりないかも知れませんが、私は好きなんですよね。久々に聴き返してみると、これはこれでやっぱりイイんですよね、ホントに。

先ほど書いたブロンディ&リッキーという2人のアフリカ出身の黒人ミュージシャンの力がかなり作用しているのか、ちょいファンキー。現役感やイケてる感に溢れてて、いつもとは一味違うビーチボーイズ?
いやいや、これもまた紛れもなくビーチボーイズ。彼らの懐の奥深~~い魅力を感じる事が出来る好ライブ盤なのです。


その他に、なぜ私がこのアルバムが好きかと言うと、それはカール ウィルソン節が全開だから、という事でもあるんです。カールの甘めのソウルフルなリード ボーカルが一杯聴けるのが、かーなーり、うれしいんですよね!カール大好き人間ですから。

そんなカール ファン的に"darlin'"という曲は、まず最も注目すべき曲なのですが、このライブ盤の"darlin'"、これが、すっごくイイ!疾走感ある演奏に乗せて、伸びやかに歌い上げるカールの歌声…!シャイコー!スタジオ版より、さらにソウルフルで、この曲の良さが一番出てるバージョンではないでしょうかっ。

続く"marcella"も、ファンキーになってて、このライブ バージョンの方が聴き応えあるかも、って位イイんですよね。

あとカール的隠れ名曲"the trader"や"funky pretty"が収録されているのも嬉しいですね。

というわけで、カール好きならたまらない前作『HOLLAND』や前前作の『CARL & THE PASSIONS "SO TOUGH"』からのカール ボーカル曲がライブ バージョンでたくさん聴ける。しかもカール、絶好調!ここら辺が何よりもうれしい盤なのであります。


それからアルのボーカルも大変良くて、聴かせてくれるので、当たり前の事ですがアルとカール、この2人がビーチボーイズのライブの要なのだなぁ、と改めて思い知らされます。
また、このアルとカールって歌旨いから、ライブで特にイキイキしたボーカル聴かすんですよね。
2人のアメリカ~ンな節回しが、また何ともイイし!

余談ながら、私、最初ビーチボーイズは、ブライアン(ファルセット以外)とアルとカールの歌声の区別がつきませんでした。声はおろか節回しも、よく似てるんですよね。


あと特筆すべき事、"let the wind blow"の、このライブ バージョンの素晴らしさ!!

あともう1つ特筆すべき事!(笑)ブロンディ&リッキー組、この2人はフレイムというバンドを組んでいたらしいのですが、彼らの作る曲ってビーチボーイズ ファン的には評価のしにくい所なのでしょうけど、めっちゃイイんですよね!
"sail on sailor"が最高なのはもとより、前作『HOLLAND』でオミットされた"we got love"なんて、70'sアメリカンロック好きがニコニコして小躍りしそうな、イカシタ曲なんですよね。結局問題は全くビーチボーイズらしくない、ってトコなんでしょうけどね(笑)


というわけで、アルバム前半は渋い選曲が多く、アレンジもコンテンポラリ~ですので、思わずビーチボーイズのライブ盤を聴いてる事を忘れてしまいそうな瞬間が多く、それがこのアルバムならではの1つの喜びなのですが、後半、ヒット曲のオンパレードになると、観客もノリノリの様子が聴こえてくるし、私も我を忘れて盛り上がったり(例:"help me rhonda")、グッときたり(例:"surfer girl")、結局「ビーチボーイズ、さいっこう!!」という感想しか出てこないのでした(笑)
おわり!




『All Summer Long』(1964) The Beach Boys

2006年08月18日 | BB5/ブライアン
今日はビーチ・ボーイズの『オール・サマー・ロング』。
ハイ、夏にピッタリの1枚です。
ジャケットがとても洗練されてておしゃれ。でも中身はそれ以上!もうたまげるくらいイイですよね!
アルバムとして統一されていて、言わばコンセプト・アルバム的な魅力もあります。
もちろん、テーマは「夏」。


A-1 "I Get Around"。らんらんげるらーあげるらー♪

BB5を代表する曲、このアルバムに収録なんですよね~。それがなんかピンと来ない。あまりにも大ヒットしていて「シングル曲」としてのイメージが強いのと、このアルバムは他の曲が「アルバム曲」として、めちゃめちゃイイ曲が多いので浮いて聴こえるのがその理由です。もちろん偉大な曲ですけど。


A-2 "All Summer Long"

私の『All Summer Long』はこっから始まるカンジ。勝手な人やね。
シロフォンの軽~いイントロ、間奏の口笛もどき?のサウンドや、歌詞もとっても可愛らしい曲。
こんな夏だったら夢みたいだね。

この曲聴くとどうしても、『アメリカン・グラフィティ』のシーンが思い浮かびます。
13歳くらい(でしたっけ)の女の子がこの曲がカー・ラジオから流れてくると「私、ビーチ・ボーイズ、大好き!」って言うんですけど、17歳くらいの男の子が「俺はビーチ・ボーイズなんか聴かない」と消しちゃうんですよね(確か)。
何となく、BB5の置かれてる位置がよく分かるシーンでした。時代や国を問わず、結局そういう扱いがいまだ横行してる部分ありますよね、きっと。
でも私はあの男の子はいきがっているだけで、家に帰ったらビーチ・ボーイズを聴いて泣いてると思いますけどね。ふふふ。


A-3 "Hushabye"

いやぁ、最高!大好き、この曲。みなさん、ちょっと思い出してください。
イントロのブライアンの "う~う~う~、あ~あ~あ~♪" でまずやられるでしょ。
で、次に入る ”どぅんっ、どこどこどんっ” っていうドラムが、またいいでしょ。
で、"はっしゃばーい、はっしゃばーい、おーまいだーりん、どんちゅーくらーい♪" で、泣くな言われてるのに泣くでしょ。
で、途中で入るブライアンの唄声 "Pillow Lying on Your Bed"のとこが、また夢みたくいいでしょ。
カバー曲とは思えない堂々とした素晴らしい出来ですね。


A-4 "Little Honda" ほんだほんだごーふぁすたふぁすた♪

アタイの愛車はリトル・ホンダ!自慢!この曲のモデルになったホンダのミニ・バイク。・・・多分。
原付免許が切れたまま更新行ってないんで、今は乗れないんだけどね!ダサすぎ。
マイクのヴォーカルと、ブライアンたちの ”ホンダホンダ” の掛け合いは、素敵すぎ。


A-5 "We'll Run Away"

昔はね、"ハッシャバイ" や "ウェンディ" が超好きだったんですが、今はダントツこれです、この曲です。
最初がバッキングなしで、ブライアンの "うぃー" で始まるんですけど、そこ、きゅんときますね。
最後の方の "Anyhow" の ”えぇ~にぃ~はぁう~" と節を回すトコ、ここ、きゅんときますね。
ブライアンの声とメロディが甘くてね~。最高。
この曲、10回でも20回でも続けて聴けます。
歌詞もまためちゃめちゃ切なくて、めちゃめちゃいいです。
めちゃめちゃ、いいです。


A-6 "Carl's Big Chance"

カールの本当の ”ビッグ・チャンス" はこのアルバムの3年後の『Wild Honey』で、訪れることに。ゴー!カール、ゴー!


B-1 "Wendy" ふーそばぁー♪

不思議なイントロに連れられて、聴こえて来るのはブライアンの、絶品ファルセット・ヴォーカル。
”たかたかたんっ” っていうドラムも気持ちいい。
ウェンディって名の女の子になりたいなぁなんて、思ったほど。何とも言えず魅力的な曲です。


B-2 "Do You Remember" 邦題:覚えているかい

歌詞の最初が ”リトル・リチャードが歌って、ディック・クラークがそれを生活に持ち込んでくれたんだ”。
つまり、ロックンロールを最初に君に教えてくれた人たちを「覚えているかい?」と歌っているわけです。
ビーチ・ボーイズ、偉い!他にもチャック・ベリーやエルヴィス、”火の玉ロック” 等が楽しく出てきます。
この曲を聴くと50’sのロックンロールにはサックスが重要な楽器だったんだなぁということがよぉく分かります。歌詞にも出てきますし。

最後の方に、ビーチ・ボーイズ自身のパロディ的な ”おぉん・どぅりわら、おぉん・どぅりわら” というグッドなコーラスが出て来て、俺たちもロックンロールの歴史に名を連ねていく(る)んだぜ、というメッセージもさりげに見て取れると思います。


B-3 "Girls on the Beach” 邦題:浜辺の乙女

「乙女」ってのがいいですね。
私は初めBB5の映画『アン・アメリカン・バンド』(傑作!泣)で、確か初めて聴いたんだと思います。
この曲の同名映画で、文字通り浜辺を走るビキニの乙女たちのシーンが流され、この曲がバックに流れるのですが、そこで笑っちゃいました。あまりにもの「既聴感」だったもんで。いやぁ、目眩すら覚えましたよ、ホントにw 
でも慣れてくると、こういう換骨奪胎ソングがまた面白いんですよね!ブライアン、職人だなぁ、ってね!
で、曲の出来自体は、これまた困っちゃうくらいイイんですよね!ブライアンのヴォーカルも、光ってるもんね!


B-4 "Drive-In" うーわっ!うーわっ!♪

こういう曲がもう物足りなく聴こえちゃう程、ブライアンは、進化を遂げていってるんですよね~、既に。
しかし歌詞がやはり楽しいですね。
”どでかバター・ポップコーンに、特大コーラ。チリ・ドッグもいくつかって、俺、破産しちゃうよぉ~”
楽しそ♪


B-5 "Our Favorite Recording Sesions" 邦題:楽しいレコーディング

あ、あんまり楽しくないんですけど・・・。


B-6 "Don't Back Down" どんばっだーん、どんばっだーん♪

コレも大好き。"が~~っつ" のちょっとユーモラスな節回しね。これ、ブライアンのフランキー・ヴァリのマネ?(笑)
サラッとスゴイ曲のような気がします。曲の構造とか。変にクセになります。



ジャケットとタイトル曲の世界感があまりに素晴らしくて、なんだか「永遠に失われた夏」とでもいったような趣を感じたりもしますが、それ以上に他の曲がまた素晴らしすぎて、聴いてると「今、現在の夏」になっちゃうんですよね。
2006年の夏にももちろん有効!
これぞビーチ・ボーイズ・マジック!








You Were Made For These Times !

2006年06月20日 | BB5/ブライアン
今日はブライアン・ウィルソンの誕生日。64歳。
あぁ、ポールとブライアンの誕生日の間の6月19日に生まれたかったなぁ。

コレのビデオを見て今日はお祝いをしていました。


『I Just Wasn't Made For These Times』



強烈な才能と共に強烈な人生を歩んだ男の回想ドキュメンタリー。
苦しそうに唄うブライアン(声がまだこの頃は出にくかったからなのかな?)。けれどその魂込めて唄を唄う姿にはやはり常人には計り知れぬ「何か」が宿っていました。

娘のカーニーとウェンディがコーラスで参加する “Do It Again“ は楽しい雰囲気に思わず微笑んじゃう。カーニーが自分の父のことを語っているシーンが印象的。表情豊か&ユーモア一杯に話してくれます。顔がブライアンをしっかり受け継いでいるのもウレシイ。いいキャラだなぁ。

サントラには入っていないけど、盟友ヴァン・ダイク・パークスと『オレンジ・クレイ・アート』からの曲を歌うシーンもグッときます。なんか小さい子供みたいに懸命に唄を唄う人なんですよね、ブライアンって。

76年のデモ “Still I Dream of It“ もこのビデオとサントラの目玉なのですが、やはりイイ!ブライアンやポールみたいな人は、デモ・テープもすべからくぜーんぶ発表すべきです。

そしてやっぱり “Till I Die“ はいつだって特別に響く・・・。

デビッド・クロスビー&グレアム・ナッシュ、リンダ・ロンシュタット、トム・ペティ、サーストン・ムーアなんかも愛情タップリコメントを披露していて、ほんわかします。
それにあぁ、この時はまだカールも元気そうだ。彼らのお母さんと一緒に3人で “In My Room“ を唄う姿なんてのもあって・・・!(涙)


と、そんなわけで。
これからも、あなたの笑顔を見続けていきたいなぁ。
今のブライアンを知ることが出来る私たちは、本当に幸せです。
ブライアン、おめでとー!!



(アウトロ)
毎年この6/18と6/20のことは殆ど忘れたことがない。
今年もダンナに「今日はポールの誕生日だよ~♪」とか「今日はブライアンの誕生日ですよっ♪」といちいち嬉しそうに報告していたら、言われてしまいました。
「僕の誕生日は覚えていなかったのにっ!」
あれま!そうだっけ?(と、しらばっくれる 笑)
でもファンとしてはエライよね?w(でもヨメ失格!)




“素敵じゃないか“ のトンテトンテ

2006年05月30日 | BB5/ブライアン
ジャズとビーチ・ボーイズとレッチリの<聖・三角形>の周りを、グルグルしている日々です。

ビーチ・ボーイズはいろんな方々のビーチ・ボーイズ愛を感じさせられるコメントを頂いて盛り上がりました。
そしてさらにsugarmountainさんのところで、至福の曲を聴かせてもらったり、嬉しい記事を読ませて頂いたりで、もー俄然盛り上がりリスニング中。
ジャズもまた、色々なコメントを頂いたり、嬉しいフィードバックがあったりで、こちらも絶賛リスニング中。
レッチリは、これはもう日々の活力と安定の源。アンソニーの声の癒し成分により、ざわざわする心も落ち着くっていうか。


なんか脈略ない三角形だなぁ、と思ってたんですけど、ふと2つの要素にからんでくるアーティストのことが思い浮かびました。

彼の名はバーニー・ケッセル。ジャズ・ギタリスト。

彼、『Pet Sounds』のセッションにも参加してるんですよね。私は全くそのことを知らず両者を聴いていたのですが、『Pet Sounds Sessions Box』が発売された際、オマケの詳細なブックレットを見て、その事実を知り、ちょっとビックリしました。

『Pet Sounds』に、いや、もうそれより随分前からのビーチ・ボーイズ作品にカリフォルニアの名うてのセッション・プレイヤー(主にスペクター人脈ですね)が参加していることは知っていたのですが、ウェスト・コーストのジャズ・プレイヤー達も割に参加していたようで、TVや映画の音楽に参加するのと同様、生活の糧のためだったのかなぁ、なーんて、複雑な気持ちにもなってしまいそうですが、出来上がった作品、それに当の本人たちのコメントを読む限り、そんな素人のヤボな邪推はどこかへ吹き飛んで、実に清々しい気分になります。

バーニー・ケッセル曰く


「ブライアンはスタジオに入ってくると、僕らにコード表を渡す。それで充分だったんだよ。
ブライアンは当時、非常に商業的に成功していたね。それに一緒に働く相手としては素晴らしかったよ」



ブライアン・ウィルソン曰く


「彼はまるでダイナマイトさ。本当に素晴らしいギター・プレイヤーなんだ。ホント、ダイナマイトだったんだ。“素敵じゃないか“のイントロをプレイしたのも彼なんだ。ジャズでも何でも、弾いてほしいギターは何でも弾く事が出来たんだ」

            以上『Pet Sounds Sessions Box』より


なぬ!「素敵じゃないか」のイントロとな!
あの♪トンテトンテ♪言うてるやつですか!

「素敵じゃないか」には並々ならぬ想いがありますよ。しかもあのイントロが、あの曲の重要な決め手じゃないですかー!いや、ビーチ・ボーイズ史上、最も重要なイントロかも!それを弾いてるの?!(コレは今回気づきました!)
しかもブックレットの邦訳には「彼が書いた」となっていますよー!!およよ。
英文は 

He Played the Introduction on “Wouldn't Be Nice“. Whew!

となっています。Whew!
Playってこの場合、イントロも「書いた」のか、ただ「演奏した」のか、どっちの意味ですか?
Whew!なんて驚いちゃってるし、別段むずかしい演奏でもないし、ケッセルは他の曲にもたくさん参加して演奏をしているし、んー、これはバーニー・ケッセルが「書いた」ってことなのですかねぇ・・・!?
今頃、一人で興奮してますけども!

ちなみにバーニー・ケッセルがクレジットされているペット・サウンズ曲は
“You Still Believe in Me“、“Let's Go Away For Awhile“、“I Know There's An Answer“、“I Just Wasn't Made For These Times“、“Caroline, No“です。あ、“Trombone Dixie“もだ。


   *  *  *  *  *  *





そんな訳で、“素敵じゃないか“のイントロを書いた(であろう)、バーニー・ケッセル。
ジャケがカッコイイ(であろう)、『Easy Like』。
53年発表の10インチに曲を足して56年にアルバムとして発表され直しました。ミドリがステキ。

私はこの人はこのアルバム1枚しか持っていないんですけど、よく聴いたアルバムで、とても心に残っています。
めちゃんこ聴き易いっていうのもあるし、コロコロ転がるようなギターの音色、流暢なコードワークは聴く場所や時間を選ばず、きっと聴く人に心地よい空間を演出してくれるに違いありません。

イチオシはM-8“That's All“。バディ・コレットのフルートが奏でるスィートなメロディと音色にコロッと。こんな優しい曲、参るってーの!

M-2“Tenderly“のギターがスゴい。渓谷に流れる川の水が様々な地形に関係なく流れる様に、ギターも流れています。当たり前の如く、ゆっくりとゆらゆらしながらしっかりと。そこに何ら間違いは見受けられず。

自作のM-1“Easy Like“、“Bernado“、“North of The Border“もケッセルのギターの魅力溢れる、活き活きとポップで面白いイイ曲です。

今日、久々に聴きましたが、初夏の夕暮れ時なんかには持ってこいのアルバムですね。
最近日も長くなって19時くらいまで明るいのも、妙にウキウキすることですし。




『Live At Knebworth 1980』The Beach Boys

2006年05月25日 | BB5/ブライアン
ふぅーっ。なんで、ビーチ・ボーイズって、こんなに切ないんでしょうね。

最近zumaさんとこと、moondreamsさんとこでビーチ・ボーイズのことが取り上げられているのを読んだのがキッカケで、ビーチ・ボーイズをまたよく聴いておりました。
とらじろうさんとこはいつでも素敵なビーチ・ボーイズ祭り!)

特にカールを聴きたくて、中期~後期を中心に。
で、今日はこれのDVDを見てたんです。

ビーチ・ボーイズ、1980年6月21日、イギリスはネブワースのフェスでのライブ。

時期で言ったら『Keepin' The Summer Alive』発表後と、イマイチ、ピンと来づらい時期ですが、なんのなんの。メンバー各人絶好調で、意外と(?)見応えタップリ、ファンなら泣き所満載の、ええ~ライブなんですよね~。

なんてったって、オリジナル・メンバー5人+ブルース・ジョンストンという黄金メンバーが揃う最後のライブ。

調子悪い時期ながらもブライアン、まだマシな方で、ちょこちょこ唄ってるし。
デニスも声は出ないながらもドラムはしっかり叩いているし、めちゃゴキゲンさんなのが微笑ましいし(だからか余計に胸にくるものもありますけど)。

ライブ会場もビーチ・ボーイズをこよなく愛するイギリスってことで、かなり気合いが入っているし、ステージの上も下もノリノリで気持ちいいです。


イントロ(とアウトロ)がまず、“Good Timin'“ (ライブに非ず)なんですよね。
ブログ・タイトルにしている曲です。これだけで個人的にはつかみはばっちりw
現行のDVD及びCDは『Good Timin: Live at Knebworth, England 1980』というようにタイトルにもGood Timin'と付いているようですね♪

で、肝心のライブ。まースゴイの。みんなイイけど特にカールとアル。

“God Only Knows“ 。
カールのヴォーカルがこの世のものとは思えない美しさ。
こんな言葉が陳腐に響かなければいいんだけど。
だってホントに何かを超越したようなんだもの、カールがこの唄を唄う時はいつでも。

で、出たぜ!待ってました!の “Darlin'“ 。
カールはこのライブの時の “Darlin'“ がどの “Darlin'“ よりもスゴイだなんていう定評があるみたいですが、うん、ホントイイです。テンポも早いし、こぶしも廻しまくりで、ホントかっこいいんだよなー。カールの好きなR&Bやソウル・レビュー風な味わいのある仕上がりです。

カール自作で当時新曲ホヤホヤの “Keepin' The Summer Alive“ もすんごい力の入れようで、これまたかっこいいです。
当時33才のカール。若いし、俺引っ張るし、みたいな気合いや意気込みがヴォーカルにも演奏にも見てとれて、何ともいいんだよなー。グッとくる。
ブライアンも心なしかちょい笑顔でピアノ弾いてるし(ノッてきたのか?)。
もうここまでノッてるカールと、まとまってるビーチボーイズを見れるなら、曲がどういうのとかはもうどうでもよくて、ただただ見てて幸せな気持ちになります。

個人的にはトム・クルーズなんかよりこの時のカールの方がオットコマエ!誰が何と言おうと!
特に目がすごくキレイですね。優しくてキレイな目です。
髪を風になびかせ、くまヒゲで、ぽちゃぽちゃで。
まぁ存在自体が天使ですよね。少なくとも私の中ではそうです。
永遠の末っ子。

で、アルもガンバッチョル。
メドレーの“Cotton Fields ~ Heroes And Villains“ (!!)。
アルのよく伸びるまっすぐな声で、気持ち良さそうに唄われるのが心地良いし、“Heroes And Villains“ のコーラス・パートもレコード再現率が非常に高く、かつラフで力強いという生の良さもあって、言う事なしです。

この良さはこのライブ全体にも言えることですね。
なので、見ててどの曲もパート、パートでテンション上がりますよー。
残念ながらアルバムでは魅力や力量を発揮できずにいた頃のビーチ・ボーイズ、だけど底力を見せつけられるし、冴えてる時のスゴさったら、もーっ!ってね。

で、アルの極めつけは自作曲の “Lady Linda“。これが結構このライブならではの白眉なんじゃないかと思ったりします。
なんてったって、アカペラで極上のハーモニーが聴けるんですよね、この曲のラストで。
曲が終わった後、マイクが「今のサイコッ!も一回っ!」とか言っちゃって、再度アカペラ・パートに突入。
あぁ、至福の時。

さらに至福の瞬間が “Surfer Girl“ に。
途中でデニスが言う“レディース&ジェントルメン、ブライアン・ウィルソンッ“ の掛け声と共にブライアンがあの唄声を彷彿させる、しかし色々あっての荒れた声で♪We Could Ride The Surf Togther~♪と唄い出す・・・!!
で、その声を聴いている時のデニスの幸せそうな笑顔と言ったら・・・!!!
泣くでしょ?ここで泣くでしょー?

さらに最後の至福の瞬間は “Good Vibrations“ 。
「ブライアンのお陰で今日があります」みたいなカールのブライアンの紹介MCの時に、デニスがブライアンに握手を求める。ちょい笑顔で握手に応えるブライアン!
それだけでグッときてるところに、カールの天使の声で♪ア~(イ)♪の “Good Vibrations“ の出だしがぁーっっっ!!
「ほほぉぉぉ」と思わず声が上がり、持ってたライナーノーツの紙が思わずポロリと私の手から落ちました。
力が抜けました。これは言葉で説明できない状態です。何回も見ているというのに。
ヤバイんです。もう♪ア~♪だけでヤバイんです。
至福です。ホントウに至福の瞬間です。


けれども冒頭に書いたように、見終わった後に残るのは、嬉しさや楽しさといった満足感よりも、やっぱり切なさなのです。ビーチ・ボーイズ。
なんでかなー。
さみしーなー。





『Friends』(1968) The Beach Boys

2006年03月27日 | BB5/ブライアン
M-1 “Meant For You“
ビーチ・ボーイズ史上最高に穏やかで平和な38秒。ブライアン・ソロの『駄目な僕』も1曲目がこの曲だった!歌詞も最高。だけどコレ歌詞はマイクだから、きっと真意はメディテーション讃歌だよね?

座って 目を閉じると 平和な気持ちになるんだよ
君にも 味わってほしいな・・・
 
もう、マイクめーっ!見え見えなんだよっ!(でもとってもイイ曲!)

M-2 “Friends“
2分半でこんだけのことが出来るのです。最近ので5分もある曲、それだけでもうちょっと聴き辛くなっちゃう。でもこの曲は死ぬまで聴ける。1万回だって聴ける。カールのジェントルなヴォーカルにピッタリな調子の歌詞「友だちでいよう!)」、その優しげで穏やかな曲調が素敵でたまりません。これぞ傑作!でぃんでぃぷりー、でぃんでぃぷらー♪


M-3 “Wake The World“
なんというか、ビーチ・ボーイズの中期のこういった牧歌的な小品には、その曲の中で日が暮れるまで、いや永遠にその曲の中で遊んでいたい、戯れ続けていたい、とでもいったような危ない魅力が潜んでいるように思う。足下はキレイな芝生で、頭上には太陽がさんさん。何も問題が無いようにも見えるのだけど、それって普通じゃないよね、雨の日もあるハズだよね、っていう怖さ。

M-4 “Be Here In The Morning“
ブライアンのリード・ヴォーカル。サビでカールに交代。ちなみにこのブライアン、ヴァースもサビも変。ノリノリな気がする。この変さがクセになる。これも先ほどの曲と同じで、牧歌的なんだけど、どっか怖い。言わずもがなブライアンの、ビーチ・ボーイズの資質だと思う。録音も凝ってて、右で色んな音鳴ってるなー。

M-5 “When A Man Needs A Woman““
これは比較的ほんとうに牧歌的に鳴ってる曲だと思う。右で軽やかに跳ねるギターが心地よい。
初めて子供が出来て、生まれて来るのを待ちわびている気持ちを唄った曲で、内容的には“素敵じゃないか“ の続編?と思ったりもするけれど、それにしては曲自体が少し弱いでしょうか。しかしブライアンのラフで軽ーいヴォーカルは、他の曲にありそでなさそな魅力がある。

M-6 “Passing By“
キタッ!この曲、異常なまでに好き。インスト曲。『ペット・サウンズ』からさえも遠く離れてかなり洗練されている。たった2年後のことなのに!これ聴くと、中期ビーチ・ボーイズに歌詞なんていらないんじゃないかと極端なことさえ思う。ブライアンの唄声(ア~ア~だけ)はまだ天使の羽衣をまとっているし。これだけだったら美しい曲なのに、「ぶぉう、ぶぉう」とベース・ハーモニカが後半フェイド・インで入ってきて、結構な存在感をかましてくれるのがまた独特の味わいに。

M-7 “Anna Lee, The Healer“
久しぶりに聴く(このアルバムで)爽やかなハーモニーにホッとする。だけど唄われるのが「アナ・リー」という女性の名前を借りて実は「マハリシ」のことだったりして、やっぱり怖い。
マイクめーっ!

M-8 “Little Bird“
豪快男児な見てくれとは裏腹に実は誰よりも繊細男のデニス・ザ・三男のビーチ・ボーイズへの初提供ソング。この曲を聴くとどこかのバンドのリアム・ザ・三男という男が、これまた暴れん坊キャラを振りかざしておきながら初提供ソングは泣ける程、か細くて優しかったという“Songbird“という曲を思い出す。鳥つながりだし。音楽言語がブライアンと同じレベルに初めっから到達しているとしか思えない圧倒的な素晴らしさ。

M-9 “Be Still“
これもデニスがヴォーカル/作曲ソング(どちらの曲もカリニッチという人との共作)。
歌詞はデニスが書いたんだろうか。自分に言い聞かせているような、とても切ない歌詞。

M-10 “Busy Doin' Nothin'“
個人的には“Friends“ と “Passing By“ と、この “Busy Doin' Nothin'“がこのアルバムの白眉。ビーチ・ボーイズにはめずらしいボサ・ノヴァ。なんなんだ、この洗練っぷりは!最高。このままブライアンがなんとかもっと本気で作曲を続けていったなら、いったいどんな音楽を作り得たんだろう。何気ない瑣末の羅列で、情けない独り言といった歌詞も、冴えてて泣ける。

M-11 “Diamond Head“
初っぱなから雷が轟くトンデモ曲。タイトル通り、ハワイア~ンな雰囲気で終止攻め込まれる(波音SEもあり)。ブライアンのハワイに対する憧憬は並大抵ではなく、初期の “Hawaii“ (ダイスキ!!)から、新装スマイルの “In Blue Hawaii“ まで、かなりしつこいというか。アロハもよく着てるし。ブライアンにとってのある種の桃源郷なのかな。

M-12 “Transcendental Meditation“
マイクめ~~~っ!!(でもスキよ)


ジャケットも68年(というより67年ですね、コレは。1年遅れてる?)な気分でスキですね。
ところでこのジャケットの左端にドデーンといる人は誰?(緑色のとこ)私にはサザエさんのヅラを被ったポール・マッカートニーにどうしても見えてしまうんだけど・・・。こんな人ビーチ・ボーイズにいたっけか??

『What I Really Want For Christmas』(2005)

2005年12月25日 | BB5/ブライアン
皆さん、良いクリスマスをお過ごしかと思われます。
私は今日このアルバムを聴いて、とってもピースフルな気分です。

ブライアン・ウィルソンのクリスマス・アルバム『What I Really Want For Christmas』でっす。

ブライアン・ウィルソンという人が持つ子供のような、というよりまるで子供そのままのような純真さは、ホント、クリスマスにピッタリ。
そう、ブライアンはクリスマスと、とっても相性がいい。

クリスマスの名曲郡もブライアン流に美しく、楽しく、聴かせてくれます。
すっかり夢見心地で、嬉しくって、涙がちょちょぎれるんですよ。

そしてオリジナル曲群も冴えまくってます!かなり良いですね、コレ。
彼が本調子なのが、よく分かりますね。ちょっと嬉しすぎます。
本当のブライアンが作る曲はやはり、どこか何かが新しい気がします。


かつて「天使の歌声」と言われたファルセットを売りにしていた男は、精神的な問題から来るドラッグやお酒の過度な摂取により、その歌声を永遠に失ったかのように思われていました。
でもね、天使はいますよ、今もここに。
声は少し低くなってしまったし、あのファルセットはもう出ないけど、60歳を少し過ぎた、赤ら顔で笑ってる、マッドな匂いも少し残る、笑 しわくちゃの天使です。

聴いてて、嬉しさがわぁわぁと湧き出る、とっても素敵なアルバムだから、クリスマスだけじゃ勿体ない。
ということで、今日以降もずっと聴き続けます。


ブライアン、とってもとっても素敵なクリスマス・プレゼントを、どうもありがとう。
あなたの音楽のおかげで、ラブ&マーシーを感じることが出来ますよ。

ではでは、皆さん。
ベリ・メリ・クリスマ~ス!!






ブライアンのバースデイ

2005年06月20日 | BB5/ブライアン
今日はブライアン・ウィルソンのお誕生ですねぇ。ということで初の2回目更新っ。

ブライアンはポールと同じ63歳。たった2日違いの誕生日。不思議な運命。
ブライアンは大変な時期があっただけに、ホント生きててくれてありがとうです。

アナタのおかげで、わたしたちはどれほど幸せな想いをさせてもらっていることか。
アナタが微笑むと世界が微笑むのですよ。

愛と慈悲がみなさんに降り注ぎますように。

ブライアン、お誕生日オメデトー!

『Wild Honey』The Beach Boys (1967)

2005年06月03日 | BB5/ブライアン
このアルバムは、ブライアンがバスを降りてしまった後、ブライアン以外のメンバー、特に末弟カールが、袖まくってがんばり始めた記念碑的な作品。でも後々のどこか悲壮感が漂う頑張りではなく、このカールは若くて(何たって20歳!)バイタリティーたっぷりで、安心して聴けます。ブライアンもまだ割と協力をしているほうだし。

一応ビーチ・ボーイズは高校生の頃ベスト盤から入った後、1stから順番に聴いていって狂喜乱舞していたのだけれど、このアルバムの前作 『Smily Smile』は判断がむずかしい作品で、今の時代だからこそ楽しめるものとなっているけど、私は初めて聴いた時に、明らかに「ヘン」だと思ってほとんど聴かなかった。だって気持ち悪かったもん。
その「ヘン」にも色々な意味での「ヘン」が含まれていたのを、後々知る事になるけど、今作は違う。
ふつーに聴ける。全曲粒が揃ってるし、そして何より圧倒的にポップだ。取っ付きやすかった。
あとビートルズの “Wild Honey Pie“という曲とタイトルがリンクしてるのも当時なぜかうれしくて、聴きまくってました。
ジャケもなーんか魅力的。タイトルやバンド名のロゴも名作『Pet Sounds』みたいにイケてるやつじゃなくて、ラフ~な、でもポップでちょっとかわいい手書き。このアルバムを象徴しているようです。右上のハチさんが効いてるね。

M-1、タイトル作 “Wild Honey“ の、どこかユーモラスでクセになるオルガンのイントロで幕を開ける。
この曲のカールのヴォーカルが時々シャウトしすぎて、コブシまわしすぎて、若すぎて、声がかすれて時々ひっくり返る。そこが大好き。
M-2の “Aren't You Glad“ は1stヴァースのマイクの優しい歌声が大変心地良い。こんな声出せるんだから、マイクも憎めないよなぁ。あまり一般的に取り上げられる機会の無い曲だけど、スズシイ顔して結構イカツイ展開で、ブライアンらしい曲だと思う。
M-3、スティービー・ワンダーのカバー曲、“I Was Made To Love Her“ 。カールのリード・ヴォーカルがノッてノッて、若さで弾けてるカンジがサイコー。オリジナルが好きな事もあって、カール・ヴァージョンも贔屓に。
そしてそして6曲目にっ!名作 “Darlin“ が収録されているーーー!!!これはイントロから持ってかれますよー。2分と少しという短い曲の間、ベースもブラスもカールもコーラスも全部ハネてる!地球人の共通項のポップスとして、この曲と、ビートルズの “Hello,Goodbye“ を火星人にぜひ聴かせたいです。カールのヴォーカルも最高の部類!ポップス好きには至福の1曲です!

後に続く事になる名作群『Friends』、『Sunflower』の序章として、カールの若かりし時の一つの成果として、愛すべき作品。
ビーチ・ボーイズを『Pet Sounds』を境に初期、後期と分けた(かなり乱暴ですが)としたら、私は、上記の名作2枚を押さえ後期で一番好きだと勢いで言ってしまうっ!