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Not So Grateful When You're Dead

2009年11月18日 | 90's
先週土曜に売ったCDが、ちょいといい額になりまして、またちょっとゴソッと新たに、私の栄養剤であるCDを補給してきますた。シヤワセ。特に最近のR&BやHIP-HOP系で収穫!うへへ。うへへへ。
で、買ってきたものは中古CDなので、せっせとアナログ・スタイルにすぐ入れ替える!コレがまたタノシ。
ついでにマイCD棚の余裕を作るため、昔から持ってるヤツもせっせと入れ替える作業をしていて目につき聴きたくなったのがコレ。


クーラ・シェイカーのEPたち。
まとめてiTunesに入れてちょい久々に聴いたのですが、やーーー、もうヤバイ!!
ヤバイヤバイヤバイ!!!

間違いなく本物だった、このバンド!1996年のシビレるタイトル&中身のデビューEP『Greatful When You're Dead / Jerry Was There』からもう、本物キタっ!真打ち遂に登場!!ってぞわぞわコーフンしていたものです。
初期EP~1st時はあのジョン・レッキーのプロデュースだったから余計「キタ」感があったんでしょうね。ローゼズ再来!みたいなね。

彼らの音楽性は60’sサイケデリック・ロックに、引くくらいのインド趣味全開といったもので。ホントジョージも真っ青ってくらいのインド振りでしてコレがまた良かったんですよね~、イッちゃった感あって。
♪ゴ~ヴィンダ、ジャイアジャイア~♪

67年より67年してた。驚くくらい堂々と。30年後に登場した突然変異。自分の趣味ともピッタリで、出るシングル出るシングルシビレたんです!だからちゃんと熱心に買っていってましたね。この時のイギリスのシングルって大体CD1とCD2って2枚出て、収録もカップリングが2、3曲あって、もちろんCD1とCD2ではそのカップリング収録曲が違ってて、ジャケも微妙に色を変えてきたりとかで、購買意欲をそそるものではあったんだけど、よくもまぁマメに買ってたもんだと自分で感心します。今じゃどんな人のもどんなバンドのもここまで買わないもんね。

そんでクーラと言えば、まずはなんと言っても ”Hey Dude”!!やっぱコレでしょー!
今聴いても全然色褪せてない、マジかっこいい...!アドレナリン爆発の疾走系のこの曲、ヘヴィなグルーヴのまま息もつかせぬ展開だけど、イントロだけでもう血圧上昇!自然とヴォリュームも上がってしまうよ~。

他にはタットヴァもゴヴィンダもいいんだけど、今回聴き直して意外にめっちゃイイ!と感じたのが "Sound Of Drums" !
この重厚なグルーヴ、ピロピロなオルガン、どこを切ってもブリティッシュ・ロックな香り、んーいい!

この時代の良いUKバンドの特徴として言えることだと思うけど、このクーラも、カップリングの曲の出来が抜群で、しかもアルバムには入ってないものが多い、というのが大変エライのです。アシッド・フォーク的な隠れた良曲がチラホラあって、ヨイ。ティム・ハーディン ”Red Balloon” なんてカバーしてたりもします♪


彼らは2枚ぽっきりのアルバムを出してわずか3年ほどで解散してしまい、リーダーであったボンボン、クリスピアン・ミルズはチーバーズだかパーピーズだか知んないけど(うそ、知ってます)お遊びバンドなんかやっちゃってホントあの展開は許せなかった!こんだけの才能何浪費してんだ!本気でやれ!ていうかクーラでもっと踏ん張れ!って。ホント解せなかったなぁ。2006、7年辺りから再結成しているけど、そちらは未聴。だってキーボーディストのジェイは参加してないじゃんか!あの4人で、あの時代だからこの音を出せたんだよ!もっとやれたのに!

1つのバンドや1人のアーティストを好きになるということは、1つの物語を自分の中に持つことなんだと思います。
私の中のクーラ・シェイカー物語は、いまだちょいビターなままなのです。




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『HARMACY』(1996) SEBADOH

2007年08月18日 | 90's
転勤して関西を離れた友人が、お盆で帰省していたので、ちょいと遊んでもらいました。

サマソニ焼けしたその友人は、私よりちょいヤンガー。オサレなお店を教えてもらったり、ヤングなバンド話やサマソニ話を聞かせてもらったり、人生相談にのってもらったり(逆ですな 笑)、色々刺激になりましたです。楽しかった!

中古レコ屋に行った時、その子が見つけたのがコレ。実はその子の今年のベスト サマソニ アクトがダイナソーJr.だったらしい。しかしそのオリジナル?メンバーのルー?バーロウがやっていたセバドーは聴いた事がないらしく。

ちなみに私はセバドーはこれ1枚こっきりしか持ってなくて、ルーの別プロジェクト(の1つ)、フォーク?インプロージョンも1枚だけ。しかも実はダイナソーをちゃんと聴いた事がない!Jのソロは1枚持ってるけど…。っていう超半端で貧相なリスナーです。

でも私、このアルバム、めーちゃくーちゃ好きなんですよね!特に1曲目!"on fire"!一生ソングのベスト30に入る位、偏愛してまして。

イントロのギターにまずクラッ。続いて静かに入るルーのヴォーカルでコテンとあっさりノックアウト。
平常心振りがとっても良いっていうか。すごーく普通の佇まいの曲なのですが、めちゃくちゃイイ!初めて聴いた時から未だに心を捕らえられてしまったままです。なんでこんな好きなんだろ、この曲…。ルー?バーロウの作る曲って多分にセンチメンタルな要素が強いと思うんですが、要はそういう事なのでしょう。夕焼けがよく似合う曲を書く男です。
って感じで、またルー?バーロウ、気になってきました。033さんの『My Favourite Shop』での今年のサマソニレポのルーにも、とっても惹かれるのです。

他の曲はどんな感じかと言うと。ルーの優し目ヴォーカルが映えるグッドメロディなヤツとルーじゃないメンバーのハードコアな激し目のヤツが交互に来たりして、まるでホワイト アルバムの"why don't we do it in the road"の次に"I will"が来る、あの流れみたく両極端を交互に繰り返されるのが面白い。
だけどどこか行儀の良さを拭えないお坊っちゃん的要素はルーの資質(?)なのか、どちらの面にも振り切れる事なく、いい塩梅でセンス良く、ごちゃ混ぜ感タップリで19曲並んでいます。いかにも90'sオルタナな、ローファイでジャンクな意匠も聴き心地良くって。そこんとこを象徴してるよなジャケもかなり好きなテイストではあります。

さて、20%OFFのセールによって、さらにご機嫌にゲットしていった友人は、このアルバムを気に入ってくれたかな。



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『Emoticons』(1999) Ben & Jason

2007年04月09日 | 90's
随分暖かくなってきた、春のこんな午後にはですね、このような美しい音楽がピッタリです。

3枚のアルバム(+ミニアルバム1枚)を出して2001年に解散した英国のフォーク/ポップ・デュオ、ベン&ジェイソンの1st でっす。
耳当たりは初期レディへ、トラヴィスなどによく似ていますが、特筆すべきは断然メロディアスなんですよね、このベン&ジェイソンが一番!トム・ヨークほどベタつかず、フランシス・ヒーリィより流麗なベン・パーカー君の唄声にやられちゃいます。
可憐なストリングス、ツボつくメロディ、展開にファルセットも文句無しのテンダーな唄声。あぁぁ。
アコースティック・ギター、ウッドベース、そしてストリングスの数々といった弦楽器の音色の美しさも存分に味わうことが出来る、春に聴くのにオススメの、超超・好盤なのですよね。


M-2 "Air Guitar" (not ダイノジ・おおち)。この曲が昔から激フェイバリットです。素晴らし過ぎます。
M-12 "I'll Always Want You"。切なさ満開の(でもハッピーエンドの)恋愛映画でも見ているかのような素敵な錯覚に陥ります。イントロのピアノ5秒で間違いなく名曲だって分かりますよ。
いや、この他、全部の曲がもーもー、唸っちゃうほど、いいんですよねぇ。
私が持っているのは日本盤でボートラが3曲入ってますが、それも遜色なくヨイ曲です。
てことでアルバム丸ごと全曲ヨイんです。おおげさでないです。
すばらしいなぁ!逸品!!

アルバム・タイトルは英語版「顔文字」のこと。エモティコン。emo - ti - cons。感情を表す、記号。こういうヤツですね→ :-)
ジャケットにもありますが、CDブックレットには80個以上、意味と共に載ってて、それを見るのも楽しいです。
記号で感情を表すことの奇妙さ、微笑ましさ。今という時代の私たちのコミュニケーション。その背後で鳴ってるサウンドトラックは実に暖かいのです。


ブログを書き始めたりしてから、そして日本の色んなところにいらっしゃる、同じ様に音楽が好きすぎる人たちと交流させてもらってから、音楽について想いを巡らせたり、アレコレ考えたりするのが楽しくって。
音楽を聴いている時の気持ちを、誰に頼まれたわけでもないのに、せっせと稚拙で言葉足らずな文章に起こして、でもそれを読んでくれる人がいて、さらに幸運にも「自分も好きです」とか色々お話してくれたり、色々教えてくれたりする人たちとも出会えて。ホント、素晴らしい刺激を受けているおかげで、音楽を聴くことに対する情熱が再燃して、ずっと続いている状態です。

そんな中で改めて気づいたこと。例えば自分の音楽の好みを、抽象的ですが言葉で表すとしたら、こういうのではないかと。
例え暗い場所にいたとしても、一度聴けば、陽の光をポカポカと感じさせてくれ、木漏れ日とか草の匂いとか連想させ、文句なくウキウキして、足取りも軽くなってしまう、そんな、「太陽のような音楽」。

美しいメロディの素晴らしくポップな曲は、心を暖め、満たしてくれて、おだやかで幸せな気持ちにしてくれる。
一言で言えば「至福」なんですよね。
そしてこのベン&ジェイソンの『Emoticons』は間違いなく、ど真ん中なアルバムなのでした。

このアルバムの日本盤が発売されたのは1999年10月。自分がどんなだったか、あんまり覚えてないです。どこでこのアルバムを買ったかどころか、なぜこのアルバムを持ってるのかさえも。
でも当時はもっともっと狭い世界で、一人で聴いてたんですよね。でも、今はこうやって、気持ちを出せる場所があって、やっぱり幸せです。コレ好き!て人がいたら、うれしいのですけれど。

はぁ~。しかし楽しくも切ない、ロマンティックなメロディの連続で、もう、きゅうきゅうになりましたです。
春ですねぇ~ ((o(^∇^)o))









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『Bite It』(1995) Whiteout

2006年12月16日 | 90's
本日HMVから届いたのは今年発のクリスマス・アルバム2枚とカントリー・ロックの名盤。うしししし。第2弾ももう1,2週間後に届く予定。はぁ、幸せ~~。そこらのアルバムはも少し聴き込んでからのエントリを目指すとして・・・。

アンドウェラに繋げるならこのアルバムだぜ!
グラスゴーの郊外出身の4人組、ホワイトアウト!90’sのバンド!
ワタクシが永遠の名盤と信じて疑わない彼らの95年作の1stアルバムでっす!

音楽性は、とにかくレイドバック感バリバリで渋い。95年のイギリスと言えばブリットポッピーな、とにかくポップでバブリーな音楽性がもてはやされてた時代。そんな時代にアーシーで、豊潤で、ボトムが太いドテっとしたその音楽性は、当時から新鮮な魅力を放っていました。ルーツ・ロック+パワーポップ+グラムロック。または、アメリカ憧憬ミュージック from 英国 at ミドル90's。即ボレでした。

特筆すべきはね、彼らの音楽は土臭いのに有り得ないくらいキラキラしてんです。若さゆえ、だと思うんですけど。平均年齢21、2ってとこ。でもそれにしては、いや、だからこそか、夢見がちすぎ?純粋すぎ?なとこがまたイイんですよねー。バンドの1stアルバムにとって重要な「ロックンロールの夢」がそこかしこに詰まってます。

あ、あと4人が4人とも、ジージャン+ジーンズ+マッシュルーム。このルックスもまた堪らなかった。実はここに一番惹かれてたってウワサ。自分も普段よくそんなカッコしてます(笑)

まぁ、そんなことより何より、曲がイイ!奇跡的に全曲名曲、と言っていいんではないでしょうか。こんなことばっかり言ってるけど、このアルバムもホントにそう思います。なんでこんな曲書けるの?ってくらい、どの曲も自然に名曲然としてます。きっとこのアルバム制作時、彼らの持てる力以上の何かが、天からパラパラと降ってきたのだと思います。だって尋常じゃないもの、この曲の良さ。

特にM-2 "No Time" が曲、歌詞、共に私にとっては200点満点の大名曲であります。


明日のこと、考えてる時間なんてないよ
だって、今日を生きなきゃ
大体、考えてるヒマなんてないんだよ
そう、これを言いたかったんだ

甘い感情に焦点を合わせろ
一日、一日を意識しろ
もう、この情熱を隠しはしない
もう止まらない、自由に行くのがたまんないんだ!

                   No Time


くー。こんな感じの歌詞が熱いメロディに乗せて唄われるのです。SEで疑似ライブ的な大歓声みたいなのが、チラと間奏直前に入るんですが、それもまた・・・(泣)
彼らと完璧同世代の私。コレを聴いていた当時、自分も二十歳そこそこなわけで、この曲の世界を完璧に共有しておりました。あれから11年ですか。ノータイムなとこ、今の自分にはまだ少しでも残っているかなぁ・・・と、想いを巡らしてみるのも、また一興。
なーんて、大人発言な自分が今ここにいる。大人になるのって、楽しいけど、寂しいんだなぁ。

M-6 "No More Tears" も若いのにリリシズム溢れる曲調、だけどスイートで熱くて名曲!泣くな、言われても泣きますよ、これじゃあ、今でも。ヴォーカルの良さが光りますね。

このアルバム1枚だけで言うのも何だとは思うのですが、彼ら、90年代のビッグスター(バンドのね)だったんだわ。なーんて言いきりたいです。

このアルバムから、随分経った頃にメンバーが半分ほど変わって2ndとか出たみたいだけど、私も多分買った様な気がするけど全然覚えていません(苦笑)
ちなみにこの1stアルバム、中古屋ではワンコイン以内で手にいれられるでしょう。コストパフォーマンス高っ!私は思い入れがありすぎて、売れません。アナログでも買い直しました。そう、彼らのこの1stアルバムは超個人的名盤なのです。でも客観的に見ても聴かせてくれるアルバムだと思います。




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『Into The Sun』(1998) Sean Lennon

2006年10月01日 | 90's
ショーン・レノンの2ndアルバムが、もうどうやら2、3日前に発売されたようですね。まだ私は聴いていません。しかしショーン、長い間新作の音沙汰がないなぁと思っていたら、なんと1stから8年の月日が流れていたのですね。


1998年に満を持して発表されたこの1stアルバムはギター、ベース、鍵盤、ドラムス何でもござれのショーンと、当時、彼女だったチボ・マットの本田ゆかさん(プロデュースも彼女)の二人+友だちゲストで自由に作り上げた感じが何とも清々しく、それはひょっとしたら今はなきグランド・ロイヤルというレーベルの最期の良き時代をも象徴していたのかもしれません。

ショーンのルックスはジョンのそれに瓜二つで、眺めているとどうしてもおやっさんのことが思い浮かびますが、このアルバムの曲を聴いているときはそれほど頭をよぎらない。それだけ "ショーン・レノン" としてのアイデンティティの第一段階を確立できた証がこの1stアルバムだったのだと思います。そしてこの才能に初めて触れた時、「私の世代にはショーンがいてくれる!」と興奮した覚えがあります。
ジョン・レノンという巨大すぎる名前から解き放たれた、当時23歳の若者の持てる才能、アイデア、意志が全てこの作品に込められてるようで、しかも作品自体はそんなあつくるしいものではなく、ひょうひょうと、僕は行くのである、的な風情にもシンパシーを感じ、断固応援しようと思ったのでした。




もはやコスプレの域ですな。2004年のショーン


基本はポップスというか、良いメロディのうたものなのですが、ボサノバやジャズやヘビメタや、ちょい前衛的なものまで、色んなジャンルの音が顔を出します。が、決してそれがとっ散らかった印象にはならず、どれも前向きな実験精神のもとに紡がれていて、とても自然で面白いのです。センス一発で勝負しているようなところがスリリングでもあります。
どんな曲調でも素直、自由で大らかな雰囲気のものが多く、ジャケのイラストのようにとても穏やかでリラックスした表情の曲の数々です。
たまに驚く程寂しげなメロディが出現して、泣かせるのがニクかったりもするし、HR/HMちっくなヘビィなギターが顔を出さずにいられないといったように、ちょこちょこ出現したりするとこがあって、そゆとこ、少しコーネリアスと出自が同じなのかなぁと微笑まされたりも。あくまでこのアルバムの話なのですが。


90年代のSSW作品の好盤です。2ndとなる今年の作品も、そのうちゆっくり楽しみたいと思います。


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『Romance』(1998) Ulf Turesson

2006年09月19日 | 90's
先日のジェリー・ラファティさんとの幸福な出逢いから、聴く音楽がすっかりメロウにメロディづいている今日この頃。
ハンブルバムズやポールやピート・デロ、ハニーバスなどの曲を集めた「Suny Side」というプレイリストを作り1人、ご満悦。

ちなみに同時制作、ブルーな曲を集めた「Blue Side」、サニーとブルー、両方の要素を併せ持つハッピー・サッドな曲を集めた「Sunny Blue」など、絶賛プレイ中 in 我が家!(^^;)


さて、そんなサニー・サイドのプレイリストに入る愛おしい音楽の中でも、とびきり愛おしい曲を書くのはこの人。

ウルフ・トゥレッソン。from スウェーデン。

スウェディッシュ・ポップ・バンドが続々と出て来た90’s中頃。私もぼちぼち聴いておりました(私が好きだったのはクラウドベリー・ジャム!)。
そんな中、スウェディッシュ・ポップ・ブームの立役者、トーレ・ヨハンソンの全面的バックアップにより出て来たバンドが、エクスキューズ。今日取り上げるウルフ・トゥレッソンはこのバンドのリーダーでした。

このウルフ君の作る曲は、マッカートニーを思わせる面もありますが、どちらかと言えば、もっと大きいというかオーソドックスというか、ちょっと古典的で、ビートルズやバカラックも顔負けな、人の心をバッチシ掴む、普遍的なメロディを書く人なのです。この才能は今でもハンパないと思うし、もっともっと表舞台で評価されてもいい人だと強く思います。

ポップでありつつ、ちょっと切なくもロマンチックな、何ともきゅんとくるその曲は、日本人の琴線にも激触れ!!
よってバンドもやりつつ、日本人アーティストへの楽曲提供、プロデューサー、アレンジャーなどのマルチ的なお仕事も多数しています。原田知世、カジくん、hal、ル・クプル等々。最近も日本人アーテイスト女性とがっぷり組んでやっているみたい。

その後、エクスキューズはフリーホィールと改名しておりますが、そのフリーホィールのアルバムがまた傑作で涙ちょちょ切れです!


で、さらにその後の98年に、このウルフ君のソロ作品が発表されるわけですが、これどうやら日本独自のアルバムのようですね。内容的にも先程書いた日本人アーティストたちに提供した人気曲の自演盤という、なんとも日本向けのアルバムなのです。が、これが何ともヨイんですなぁ。

原田知世に提供してヒットした、"Romance"、"Sincere"、"Parade"、ル・クプルに提供して、TVドラマ『心療内科医涼子』の主題歌になったという "Sofa" などが納められています。

そう、この "Sofa" という曲!当時そのル・クプル・ヴァージョンも多分、耳にしていたように思います。あんまり覚えてないんだけど・・・。
しかし!このアルバムのウルフ君ヴァージョンがもうバカみたいに良くて、もうバカみたいに、死ぬ程好き!!
今日もこれ書きながら延々リピート。気づけば20回以上聴いてました。が、止めれないんですよね~、良過ぎて。あぁ幸せ。
ホントはもう少し寒くなり出した晩秋とかにピッタリなんですよね、この曲の醸し出す雰囲気って。日はどんどん短くなり、気持ちはどんどん人恋しくなる、そんな季節にひっそりと、ホット・カフェオレなんか飲みながら、聴きたい。

それに!この "Sofa" や "Sincere"などはその歌詞も最高。夢見る頃を過ぎてもやっぱり夢見てしまう女子に是非聴いて頂きたい。きゅんきゅんメロディとこの歌詞の相乗効果で、号泣必至であります。

そして最後に極めつけ。心をとらえて離さないのは、その甘~い声(えぇ、またです 笑)。

グッド・メロディに甘い声。そしてこのロマンチックに素敵なジャケ。
大切なアルバムです。




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Huckleberry Grove

2006年08月05日 | 90's
オーシャン・カラー・シーン。略してOCS。やっぱり大好きです。もー、好きでないハズがない! 
アルバムや数種類のシングル、全部揃ってる時期もあれば、アルバムごとぬけてる時期もちょこっとありますけど。

OCSの激しい系の曲あるじゃないですか。かっちょよいの。ほら、“You've Got It Bad“や“The River Boat Song“ 、 “Hundred Mile High City“ なんかの。そういう曲をお年寄りに聴かせたら、どんどん心拍数が上がっちゃうので、そういう曲は聴かせないでください、っていう「夢」をね、昨夜見たんです(笑)誰に言われているかも覚えてないし、背景や設定が全く見えない夢なんですけど。とにかくOCSのこの系統の曲は、やめとけと。唐突に。そんな夢見たら、聴きたくなりますよね?(笑)

で、久々に彼らのベストを今日聴いていたわけですが、やーー、ヨイのなんのって。つい今しがたまでボ・ディドリーばっかし聴き狂っていた耳のせいか、やたら音(の分離っていうか)が良く聴こえちゃって、まずそれだけで感動。さらに曲の良さに大感動。やっぱし断然スバラシイですよ、彼ら。


『The Best Of Ocean Colour Scene : Songs For The Front Row』(2001)




丁寧なサウンドメイキングが素晴らしい。ひとつひとつの音を丁寧に丁寧に積んでいっている気がして、普段音楽を聴いていて、こういう気持ちって持ちそうで、なかなか持てないものなのかも。私はこのOCSと、ジョージ・ハリソンの『All Things Must Pass』の曲を聴いた時に同じ気持ちになります。「丹念」に作っている音。伊達にジョージの「Wah Wah」カバーしてません。こういう風に音を聴いているだけでも、音楽に対する愛情の深さを感じますし、それに何たってサイモン・ファウラーのヴォーカルの、熱さと切なさが、たまらなくいいです!
あともう1つ付け加えたいのが、彼らのアルバムやシングルのジャケット、デザインや写真が美しいのが多いです!これも丁寧な仕事でホレボレしてしまいます。特にシングル。ベスパのやつとボーリング・シューズのがピカイチ。


ちょっと思い出話に付き合ってもらえます?チッポケな思い出なんですけど。
彼らに夢中になったのは、2ndアルバム発売前。RO誌の、先行シングル“You've Got It Bad“ の紹介記事に「これは絶対イイハズ!」とピンと来ました。
丁度その頃、アメリカを一人で周遊している時で、着いた街、着いた街で、デッカイCD屋とかレコード屋とかで、そのOCSのシングルCDを探すんだけど、まだブレイク前だし、アメリカだし、どこにも置いてなかったんです。
で、何週間か経って、シカゴに着いて、そこでやっとシングルを見つけられました。サスガ都会!
で、そのシカゴでは、顔見知りと言えば、グレイハウンドで一緒になった黒人のカップクとヒトのいいお姉ちゃんで。その人とブラブラしたりしてたんですけど、その人も自分の目的地にまた旅立って行ったりなんかして。
その時、特に目的があって旅をしていたわけではなくて。
1つはいろんなロックンロールやソウルやブルースの生まれた街に行きたかったんですよね。そこでの日々を、生活を、ちょっとでもいいから体感したかったんです。
もう1つは、前にも少し書きましたが、「もっと、人生楽しまなくっちゃ」と思い立ったんです。
で、一人で長距離バスで移動して、いろいろブラブラしていたわけです。かなり贅沢な時間だったと思います。
その後、メンフィス、ニュー・オリンズに降りて行った後は、仲間も出来たり、もしくは一人の時があっても、かなり楽しく旅行出来たんですけど、なぜだかシカゴではシンミリ・モード。大都会で一人、途方に暮れました。

街なかの銅像かなんかの下に座って、道行く人をただ見てました。やっとみつけたオーシャン・カラー・シーンのシングルを何度も何度もCDウォークマンでリピート再生しながら。


『You've Got It Bad』(1996) Single



01 You've Got It Bad
02 Robin Hood
03 I Wanna Stay Alive With You
04 Huckleberry Grove


4曲目のハックルベリー・グローブを聴くと、夕焼けの中、地べたに座って途方に暮れていたちっぽけな自分が、どこかでダブッちゃいます。その時見てた風景も甦ってきます。カッコ良くも何ともない、ショボーンとしている自分がいる風景です。でも、この曲を聴いていた時は、この曲に守られていた気がします。あったかいんですよねー、この曲。最後の方、リコ・ロドリゲスが反則みたいなトロンボーンを聴かせてくれます。夕焼けと涙の曲。こうして私は一生もんの曲に淡い思い出と共に出逢ったのでした。

丁度10年前の夏のお話。
私も若かった。OCSも若かった。OCSはこの10年の間にベースの人が脱退して、一人減っちゃったけど、今もコンスタントに作品を作ってくれている。私はもう全くの一人ではなくなった。途方に暮れることは未だに多々あるんですけど。でも、まだまだ本気でやろうと思うことは何でも出来る年齢。「過去」を思い出すのもいいけど、「現在」を輝かせたい気持ちです。





”ハックルベリー・グローブ”

シャーリーは引きこもりがちなレディ
だけどハックルベリー・グローブへは、踊りに行ったんだ
ハックルベリー・グローブ
明日の夜まで音楽が続くところ
ハックルベリー・グローブ
人生最良の日々の思い出に身を任したりなんかして
ハックルベリー・グローブ
そこは音楽に心も吹っ飛んじゃうとこなんだ
ハックルベリー・グローブ
荷物を置いて、列車に乗り込んで、さぁ、行こう
彼女はうたってる 地上の楽園(シャングリラ)のうたをね

 (この”ハックルベリー・グローブ”はB面曲なんですが、彼らのベスト盤にも入っています)





OCSのアコースティック・ライブ盤が今年の5月に発売されていたようですねー。

『Live at the Jam House』(2006)





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P.U.S.A. に敬礼っ!

2006年06月22日 | 90's
本格的な梅雨にとうとう入っちゃった。身体的にも気持ち的にも、ドヨ~ンてカンジ。
それはキミのせいでもあるのかも。“ヤナギサワボーイ“っ!(c) kemjiさん
こんな時はコイツでがつんとスカッとするのさ。
The Presidents of The United States of America!
合衆国大統領たち、よろしく頼むよ!略してP.U.S.A.さんたちよっ!

丁度1stアルバムがスマッシュ・ヒット中の時期に、ロサンゼルスに1週間くらい旅行に行ったのですが、その時出会った同世代の現地に遊びに来ている日本人の男の子が、自分の車でこやつらの1stをガンガンリピートで流しながら、L.A.のハイウェイを飛ばしていたわけです。なーんかそれがヒジョーに「ぽかった」と言いますか。その男の子といい、90年代半ばのロサンゼルスの人々、風土からは「人生、楽しんでなんぼでしょ!」みたいな空気をすごく感じてしまって。思春期突入以来どこか内向的になり、なんとはなしにモヤモヤしていた自分がバカみたく思えて、「私も人生楽しまなくちゃ!」なんてわざわざ思い立ち(^^;)一念発起、その1年後に同じ西海岸のサンフランシスコに晴れて語学留学したということがありました。

そして時が少し流れて、いつだったかは忘れたけどWOWOWで、彼らのライブをやっているのをたまたま見たのですが、したらそのライブがまた、本当に楽しそうで楽しそうで、オヨヨと大感動いたしました。P.U.S.A.たちの、とことんその場を楽しいものにしようという姿勢に、人を「楽しまそう」とするのって尊いことなんだなぁと感じ入りまして。観客たちの幸せそうな顔、顔、顔。ハッピー過ぎて泣けちゃう様な空間がそこにはありました。軽いんだけど、只軽いんじゃあない。人生色々経て来た上で選んだ軽さ、楽しさだっていうのが分かるから、愛おしい。愛すべきおバカバンド。そう、その名前が表すように。


写真でもいっつもなんかやってます


もうそっからは、決定的にP.U.S.A.大大好きっ娘になって、持ってないアルバムやシングルや編集盤、さらにはクリスのソロ関連など根こそぎ集めて、聴きまくっていきました。
その曲は壮快・痛快・軽快の三拍子揃ったモンク無しのどポップ。かつシンプルでパンクな要素も気持ち良く、ホントーにサイコーなんです。未だに結構な割合で聴いちゃいます。

このバンド、GとBとDrの3ピースですが、弦の数が全員合わせても5本じゃなかったかしら(ギター=3本、ベース2本)。そんな風にどこか何かが「抜けちゃってる」のがこのバンドの持ち味。売れてやるって気合いも意気込みも抜けて、自分たちがとことん楽しもうってやったらバカ売れしちゃったらしいです。

このバンドも(「も」ってなんだ?)中古市場でひじょーに安くでお見かけしますので、見かけたときは「大統領閣下、失礼します!」と敬礼してからすぐさまレジに持ってってください。

一度解散したけど、今また元気にライブもやってるみたいですね。復活後のアルバム聴いたことないんで、聴いてみたいな、そろそろ(04年の最新作の曲で“5,500マイル“ってのがあるよ!笑)。
で、ライブを体験してみたい!楽しみた~~~~い!








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Blur...Blur...

2006年06月11日 | 90's
ブラーのシングル曲のPVを発表順に22曲収録した『The Best of Blur』のDVD。
なんとなく借りて見たのだけど、ハマってしまってます。ここ2.3日、ご時世全く関係なくかなりブラーな日々。
そうして改めて思ったのは、ブラーも間違いなく自分の青春の一部だったんだなぁ・・・ということ。

例えば“Parklife“ のPV。イケイケで軽ーいデーモンを見てると、あの頃の空気が真空パックされているようで、その頃の自分に戻ったような気がするほど。懐かしすぎ。でもグレアムじゃなくて、やっぱりデーモンが好きだったんですよね~、私。

デーモンはFILAやフレッド・ペリー+太いジーンズっていうラフでちょい小汚いファッションがまたよく似合ってて、もうその軽薄っぽいルックスもなーんか大好きでした。レイ・ディヴィスに「奴はもう少し清潔にした方がいい」なんて呆れられたりしてたなぁ(笑)
グレアムは、ギターもファッションもセンス抜群。眼鏡とジャケットとTシャツの合わせ方が今でも最高にカッコイイ、オサレさん。
アレックスは、私はちょっと苦手。
そしてデイブはなぜかいつも「デイブさん」と呼ばれていたっけ。

出逢いは93年の2nd『Modern Life Is Rubbish』。中ジャケの3つボタン・スーツのエセ・モッズなデーモンにやられました。そしてその音楽は現代版キンクスみたいな心意気みたいなものも感じれて、相当嬉しかったなぁ。アルバムのタイトルもカッコ良かったし。“ラビッシュ“ってのがまたイイんだなぁ。英国臭プンプンで。それにあの機関車ジャケ。これで中身がワルいハズがない!音楽や歌詞、アートワークなど全てから迫ってくるその強烈な英国主義にやられました。カッコ良かった!



これ、その中ジャケより



ブラーは、先行シングルが来たる新作アルバムのアナウンス的役目をきちんと果たしていたことが素晴らしかったなぁ、と改めて感じました。その先行シングルが新しい方向性を示していて、その先のアルバムを期待させていました。
ほら例えば、“Strawberry Fields Forever“ / “Penny Lane“ 的なシングル。
ブラーで言えば “Girls & Boys“ や “Beetlebum“、“Tender“ なんかのこと。
これらが出て来た時のちょっとした変化には、やっぱり「お!」って思わされましたもん。
最初はちょっとついてけない位に思ってて。「ヤベ、置いてかれるかも!でも前の方がいいのに!」なんて。でも後からジワジワきて、「あぁ、いいかも♪」と思うようにだんだんなってったりして。
でもその位の方がファンとしては絶対楽しいし、嬉しいサプライズなわけで。一緒に成長してるって言ったら大げさになるかも知れないんだけど、ブラーは私にとってそういうことをやってくれるバンドの1つでした。
私の世代のクラッシュだった、って言いたい気持ち。え?クラッシュと比べたらブラーは軽すぎる?でもそういう時代だったんですよ、90’sって。多分。



これ、上の実写版


PVを見ててもやっぱり感じずにはいれなかったけれど、その演劇性人格っぽいためか、どうしても何かが嘘っぽく見えてしまいがちなデーモン。私にはよくポール・マッカートニーがダブって見えてしまうんです。どちらも「誤解されやすい人」なんじゃないかと。
でもデーモンの本質は、とても感傷的なところにあるんじゃないかと、思っています。彼の書く歌詞やメロディには、郷愁的でメランコリーな部分が驚く程詰まっているんですよね。
公園で夕焼けを見るだけで泣けてしまう時がある、なんて彼が言っていたのを、私はなぜかいつまで経っても忘れられないのです。

そんなわけで、マイ・フェイバリット・ブラー 5 曲は・・・

“End of A Century“ from『Parklife』(1994)
“For Tomorrow“   from『Modern Life Is Rubbish』(1993)
“Chemical World“  from『Modern Life Is Rubbish』(1993)
“This Is A Low“   from『Parklife』(1994)
“Beetlebum“     from『Blur』(1997)

といったあたり。

特に “End of A Century“ !!歌詞からメロから、もー泣けてくるわー。
30歳が近くなってくのと同時に、心も汚くなってくってさ~。あぁ、もうとっくに過ぎちゃってるんだよなぁ!くー!


あまりブラーを知らない、だけど “Coffe & TV“ のPVは気に入っていたダンナにも何曲か見せて、「ブラーって、どう?どう?」と訊いてみると、私の声しか聴こえて来なかったので、よく分からなかったと言われてしまいました。唄って踊って暴れてたっけ、そう言えば。
特に “Song 2“ なんかじゃ、ウーフー、ウーフー言うて、お家で暴れてたです。
とてもスッキリしたです。
だって、青春だったんだもん。



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『The Soft Bulletin』(1999) The Flaming Lips

2006年03月01日 | 90's
今日はみんな大好き(なハズ)、フレイミング・リップスでっす。
御多分にもれず私もこのアルバムで出逢いました。
最初はジャケにやられたんです。ジャケ惚れで、音聴いてさらに一発ノックアウト。

60’sキャンディポップをドシャメシャ演奏で奏でるという何ともオイシイ音楽性、浮遊感のある気持ちいいヴォーカルが支配する不思議空間、これぞソフト・サイケ in 90'sの決定版!

生命の神秘や生活に溢れる些細な奇跡に対する憧憬が歌詞や音から溢れ出す多幸感。
世界ってばこんなにも儚くて、それゆえに圧倒的に美しくて悲しくて、んーーーなんて素晴らしいんだっ・・・!!!てなカンジのことを、リップスの曲は感じさせてくれます。
ライブではさらにそれが増幅され、幸せ一杯夢一杯でホワンホワンに。

それになんてったって大きかったのはヴォーカルのウェイン・コインが好みドンピシャのおぢさまだったってコト!


ユーのおヒゲはゴージャスです。


ウェイン・コインの顔以外の魅力その1:かなりのメロディ・メイカー振り。
彼の作るメロディには、60’sの最良のポップにかかってる魔法とおんなじ魔法がかかっていると思うんです。キラキラの度合いがハンパないんですよ。

ウェイン・コインの顔以外の魅力その2:ヘタレ男の鏡のような “ヘロヘロヴォーカル。絶品。ニール・ヤング直系なとこもポイント高し。
リップスに多大な影響を受けたと思しきマイ・モーニング・ジャケットとかグランダディ(解散だって!?)のヴォーカルもこの系譜ですね。
ここら辺のヘロヘロたちも、ダイスキです。

ウェイン・コインの顔以外の魅力その3:絵がバカうま。


この絵のT-シャツ、買ったよ


このアルバムに出逢ってから、リップスにはけっこー入れ込みました。
例のヤツも同時再生挑戦したことも。3枚までしかどー頑張っても無理だったけどw
これの前の『クラウド~』もこれの後の『ヨシミ』もイイアルバムだと思うんだけど、やっぱり思い入れはこのアルバムがトビキリです。

無人島うんぬんかんぬん、持っていくなぁ~、コレ。
なんかまるでお母さんのお腹中ん中に居た時のような安堵感を感じるんだなぁ~、コレ。

今年の1月にこのアルバムの5.1ch盤が出たみたいで、それ、とっても聴きたいし、もうすぐドキュメンタリーDVDの日本盤や、4年ぶりの新譜が出る!楽しみすぎ!



血糊が炸裂するライブなのです!


追記:コーフンしてコメント欄に先に書きましたが、フレイミング・リップス、サマソニ06出演決定だって!!わーい!!
レッチリはフジ06に決定だって!!!フ、フジかぁ・・・。行けるかなぁ・・・。

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『Moving Careful』 Hayden (1996)

2005年07月07日 | 90's
カナダはトロントから来たシンガーソング・ライター、ヘイデン。
95年の1stアルバム『Everything I Long For』が地味なのになぜか大ヒットして、当時のRockin' Onとかにもインタビューが載っていたほど。
私は98年の2ndアルバム『The Closer I Get』(これがまた傑作!)までしか知らなかったのだけど、2000年代に入って3枚もアルバム(その内1枚はLIVEアルバム)を出していたことを、最近知った。
一番最後に出たやつなんて去年のだ。元気だったんだ。うれしい。

このアルバムは1stと2ndの間に出された7曲入りのEP。
最後の “You Are All I Have“という曲が終わって、シークレット・トラックが終わってから最後の40分間ちょっと、ずっーと雨が振る音だけが鳴っている。しかも土砂降りなんかじゃなく、すごーく小降りの雨。シトシトシトーと。
これだけで、最高です。聴いてると落ち着きます。個人的な安定剤みたいなもんです。

このアルバムは殆ど彼一人のアコギの弾き語りによるもので、宅録の匂いが濃厚にします。個人的な作風のヘイデンの作品の中でも、とりわけ息づかいまで感じる、個人的な作品。
アートワークもビデオもヘイデン自身が撮っているものも、よく使われている模様。
このアートワークもすごく好き。ホッパーの絵の様な、荒廃が見え隠れする、物寂しげなアメリカの一風景(彼の場合カナダですが)を切り取ったような写真がインナーとかで使われている。
紙ジャケみたいな体裁のこのアルバム。マイナーなインディーレーベルから出ているものですが、紙質も気持ちいいものが使われていて、なおかつこのアートワーク。そしてこの内容。
ちょっとした宝物のようなアルバムです。


ヘイデンの歌詞の世界にもどうしようもなく惹かれる。その世界に捉えられている間は、現実のような現実でないような。
寝付かれない夜は、私は決まってヘイデンだった時がある。一人っきりの静かな時間にヘッドフォンで聴くと、その暗さに妙な心地よさを覚え、いつしか眠りに落ちているのが気持ちよかった。
歌詞は、非常にシンプルで淡々としている。出来事やちょっとした想いを、ぽんっと放り出したような、平易な文章で描いているので、聴き手が自由に想像力を膨らませられるものだ。
あまりに悲惨で、あまりに哀しすぎて、逆に笑える、というようなユーモアがある。ジメッとしてないから、ひょうひょうとしているから笑えるのだ。彼のヌボーっとしたルックスとよく似た世界だ。


こちらがそのヘイデンさん

そんな、おもろうて、やがて哀しき世界が、くぐもった、ちょいダミ声、ちょい鼻声で、ボソボソっと、ほんっとに、ボソボソッと歌われる

M-4 “Old Fashioned Way“の歌詞は、秀逸。

僕らが古ぼけたやり方で、僕の髪を切りに、古ぼけた散髪屋に行った日のことを覚えてる
理容師は僕を座らせ、ハサミを研いで、髪を切った
僕は、ヒゲは剃ってくれるのか訊いたら、彼は去年からそういうのは止めてるんだと言った
恐怖のせいで伝統が終わったんだ

僕らは外に出た
切りたての髪は気持ちよかった
物事は次第によくなっていくだろう
夏はもうすぐそこまで来てるんだ
僕は立ち止まって、君の目を見つめた
何故だか分からないけど、いつか僕はふさぎこむだろう
今日は生きてることに感謝だよ


これがこの歌の全部の歌詞。1曲1曲短くて、歌詞も短いものだけど、捉えられたら離れられない。
昨日も寝付けなくて、ヘイデンを聴きながら、眠りに入った。久しぶりに。
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『Weezer』Weezer (1994)

2005年06月02日 | 90's
Weezerとの出会いは、アメリカに語学留学をしていた96年の春のこと。
語学留学とは名ばかりでホントは子供の頃からアメリカで生活をしてみたかっただけで、それが叶っていた幸福な期間。
でも中身は割と情けなく、半ば無為に過ごしており、アメリカにまで来て私は何やってんだとよく落ち込んだものだった。
その時はWeezerというバンドの事はほとんど知らなかったと思う。
サンフランシスコだったか、ポートランドでだったか忘れたけどどちらかで買った。
聴いてみると60年代音楽バカの私の耳に心地よく、スーッと聴け、なかでもギターの音がかなり新鮮に聴こえた。
何よりアメリカの今の音!今の現役のギター・バンド!というところが、私のアメリカ生活気分を盛り上げた。
その時点でもう発売から2年は経ってたんだけれども。
しかしThe Who のボックスだの、ブリルビルディングのボックスだの、 The Complete Stax / Volt Singles: 1959-1968のボックスだのそういうのばかり聴いていたから、2年遅れでもじゅーぶん「今」の音だった。
ボックスばかり聴いていたのは、日本で買うと高いので、この機会にとばかりにアメリカで60年代関連のボックスと1ドルの安アナログばっかり買い漁っていたから。

それから9年経ったわけだけど、今でも頻繁にこのアルバムは聴く。
アメリカでは歌詞が分からなかった(語学留学のくせに!)けど、日本に帰ってきてから、ネットで調べてびっくりした。
フロントマンのリヴァース・クオモは、バカや情けない男を装っているけど、そしてその通りなのかもしれないけど、でもほんとに賢くて、ソングライティングのセンスが抜きん出てて抜群です。そして歌い方もとてもエモーショナル。

例えば “No One Else“
僕の彼女はおしゃべりで、何見てもそれが例えおかしかろうがおかしくなかろうが笑ってばっかで、で、きょろきょろきょろきょろいっつも辺りを見回してて・・・
こんなの見てると悲しくなるんだ、もうオシマイだって彼女に言っといてくれ、とやけくそ気味に嘆く。これって自分で自分が情けないんだろうなと思うけど。
サビでは、僕は誰にも笑いかけないような彼女が、僕がいない時は化粧なんかもせずに、家から絶対出ないようなそういう彼女が欲しいんだ!!とのたうち回るようなメロディーと懇願するような声で歌われる。

例えば “In The Garage“。
ガレージの中で自分の書いた曲をプレイしながら、色々夢想している歌詞。
その場所はシェルターとしてのガレージでもある。つまり、ここで何を夢想しようが、あこがれのKissと共演しようが、「みんな愛してるよ」と言ってみせたりとかしても誰も気に留めないし、誰にも聴こえない、だから安心できるんだ、と。
誰にも変人扱いされなくて、ただただ夢を見ていられる素敵でいびつな僕の僕だけの居場所、それがガレージの中。そういった内容。

臆病で情けなくてバカで、現実の世界よりは空想のそれの方がデカそうな、でも願いや衝動やエゴは人一倍強いワガママ男、そんな男(の子)の世界、空気感が手に取るように感じられる。
そしてその世界観は、私が日本に帰ってきてからすぐ発売された96年発表の2nd『Pinkerton』でさらに激しく叩きつけられる事になり、私もハマっていくことになります。
よく女の人は「少年の心を持った人が好き」ウンヌンカンヌンみたいなのがありますが、リヴァースこそまさにそれで、ホントに少年の心を持った人はこんなに困ったちゃんなんだぞといういい一例であります。
そして私はそんなリヴァースがやっぱり愛おしくてたまらない一女子(リヴァースと同世代ですが)でもあります。
でも彼の場合、それを分かって作っているクールでクレバーな表現者としてのリヴァースもいるのは事実で、その2面性がまたたまらなく、セクシーにすら感じるほどです。
ちなみにこのアルバム収録の “Say It Ain't So“ は私のiPodのマイレート永久5つ星に燦然と輝いてらっしゃいます。

05年5月に新譜が発表されたばかりの、うれしくも未だ現役のWeezer。新譜のことはまた書こうと思います。リヴァースが大人になってます。それもまたヨイです。
そしてサマソニ05に来ますね。実は私はWeezerのLive未体験なのです。こんなに好きなのになぜか縁がなかった。
今年の夏こそがGood Timin' ってことなのでしょう。夏が楽しみで仕方ありません。
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