『Really Rosie』(1975) Carole King

2009年08月31日 | 70's
いつも食べ過ぎな位ガッツリちゃんと食べている昼食を、その時ばかりはコンビニおにぎり等の簡易なものでパパッと済ませ、早歩きで向かうのは会社から少し離れた所にあるブックオフのCDコーナー。そういった会社の昼休みのひとときをたま~に、お給料入った後なんかに作るのが、そう!楽しみなのです。
良い出逢いがあればその日の仕事の後半戦もがんばれるってもんです。
(高校の時もよく学食代削ってCD買ってたなー。やってること変わらんなぁ ^^;)

本当は最近クラブ・ミュージック系にちょっと興味があってそこいら辺で安いのあれば、ってカンジで行ったんだけど、全然違うものに出くわしたー!
キャロル・キングの紙ジャケ3枚にー!!
その3枚とは『サラブレッド』『おしゃまなロージー』『パールズ』!オゥイェー!
丁度持っていない3枚だったし、ここで素通りはどうしても出来ませんでした。というわけでクラブ系の安いのと一緒に購入!

で、この中でまず最初に聴こう!と思ったのがこの『おしゃまなロージー』。他の2枚も良いのだろうけど、なんとなく個人的に一番親しみを持てそうな『ロージー』をチョイス!だってアニメ短編のサントラなんでしょう?このジャケ見て。かわいー。
で、実際聴いてみて・・・これが、良かった~。すっごい良かった~。

この短編アニメ映画『おしゃまなロージー』の原作者はモーリス・センダックという女性。代表作は『かいじゅうたちのいるところ』で、今でも本屋で容易に手に入る人気絵本です。

私は子供の時に父の会社の方からNY土産としてこの『かいじゅうたちのいるところ』のかいじゅうのぬいぐるみ2体をもらいました。私はその絵本の存在を知らなかったので随分長い間、そのかいじゅうたちがどこの誰なのか分かっていなかったのですが、そのちょいグロテスク、だけど愛嬌のある渋かわいい姿が好きで、ずっと部屋に飾っていました。未だにその絵本を読んだことはないのですが、いつか読みたいな。だってこの『ロージー』のセンス抜群の物語、ジャケットの絵柄が大変魅力的ですっかり魅了されてしまってセンダックさんにアンテナ、ピコーンと向いたから!

そんなわけで子供の時から、正体は知らなかったけれどずっとソバにいたかいじゅうたちと、この大好きなキャロル・キングさんの素敵なアルバムとが今回ライナー読んで初めて繋がったわけで、びっくりするやら嬉しいやらでした。


コレー!この「じんぐうてるお やく」ものには、何度かお世話になりました!


このアルバムの全曲、モーリス・センダックの作詞(一部は絵本そのままらしいです)、キャロル・キングの作曲という構成で、そんなのうまくいくの?なんて心配は全くの無用で、これがまたいつにも増してキャロルさんの持ち味をグッと良い方向に引き出してます。

キャロルさんの温かな母性、そして少女のような快活さ、ユーモア、想像力の豊かさ・・・。そして一言で言うなら「おしゃま」さ?”おしゃまさ”ってちょっと変な日本語ですが、そのおしゃまなトコがロージー(センダック)とキャロルさんと見事に調和してて、なんかそこがグッとくきたりもします。下町ブルックリンの片隅で、仲間と一緒にきゃっきゃ騒いでる子供の時のキャロルさんまで透けて見えてくるようで愛おしいんですよね。
そしてそういったことを感じさせるセンダックさんのイマジネーション溢れる抜群の歌詞世界。

そんなわけでセンダックとキャロルさん、とっても相性がいいんです。
もしアニメのサントラだろなんて、このアルバムのことを侮っている方がいらっしゃったらすぐその考えをお捨てください。とっても素晴らしい内容です。

B面はその短編映画に使われていない楽曲、ただし、キャロルさんが『ロージー』の物語からイメージした曲となっています。でもね、このB面でほんの少しだけ求心力を失い、説得力に欠ける気がします。A面みたいに子供コーラス(実の子、シェリーとルイーズ・ゴフィンが参加!コレがA面ですっごい効いてる!)も入らないし、ちょいと浮いちゃってるというか。まぁ通常のキャロルさんのアナログのあるB面と考えれば何の問題もない安定したクオリティなのですけど。それにB面も変わらずモーリス・センダックの歌詞ですしね。

ただね、A面が素晴らしすぎる!歌詞を読みながら聴いてると、アニメが目の前に出てきて踊り出しそうです。

A面だけで完璧。そんなレコードがあってもいいと思います。裏にひっくり返さないまま満足の吐息をもらすっていうね。
私のはCDだから全部聴いちゃうんですけど(笑)
そしてそのうちきっとB面も好きになっちゃうんだと思います。

後の2枚のキャロルさんにはまだ手をつけません。
ゆっくり大切に聴いて行こうと思います!





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10 コメント

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C・キング紙ジャケ (デフレおじさん)
2009-09-02 09:46:09
お昼を済ませイイものに出会えたみたいですね
喜ぶモスコさんの可愛らしさが伝わってくる日記であります。
ジャケイラストはにぎやか、童話イラストは怖かわいい…
こういうのをアップ出来るのは女子だから? モスコさんがちょっいと羨ましい

70's前半にナチュラルなSSWとして時代の寵児としてポップシーンに戻ってきたC・キングでしたが、ボクとはすぐ疎遠になってしまった。
ナチュラルでオーガニックな装いではあっても二子多摩川や用賀でショッピングしてそうなシアワセそうな姿が見えてきたのか?
吉祥寺から下北沢へ自転車で1人急ぐL・ニーロにぞっこんだったから…

70's後半のソウルポップ化の中でナイチンゲール以降はその個性が埋没していったような印象を今も持つ。
テーンエイジャーの頃のヒットメーカー時代の作品に郷愁を感じる世代でもない。

で、LP Pearl”での自作自演の出直しに決意表明みたいなものを感じ購入。G・ゴーフィンとのツーショットにビックリしたことを思い出す。
BS&Tですでに耳にしてた♪Snow Queen”やtheByrdの♪Wasn't Born to Follow”♪Goin' Back”あたりは新鮮だったが、♪Oh No Not MyBaby”はR・スチュアートの解釈を越えられず 大ッキライな♪LocoMotion”に至っては針を上げた。

彼女のソングコンポーザーとしてのNo'1はL・ニーロが歌う♪Up on the Roof”であり、遅れること30年で初めて聴くことが叶ったthe Cityの♪Snow Queen”がNo'1グループパフォーマンス。
L・アドラーとのLP つづれおり”に至る70's初期3作というのはとても短い神がかり的成熟期だったことが再認識できました。
ボクの中でS・ワンダーとリンクするのが不思議。

Pearl”についてモスコさんがどう聴きどう読み解くのか 早く知りたい! 早く読みたい!
57歳ジジイはせっかちであ~る
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♪I' m Really Rosie Believe Me♪ (kura_mo)
2009-09-02 20:22:05
休憩時間にブックオフ!メシ代ケチってCD買う!なんて男前なんだ、あんたって人は。。

しかしいいブツを仕入れましたね。ブックオフだから安かったんでしょうね。

今回買った中から一発目にこれをエントリするあたりモスコさんらしくていいなぁ。
これ、結構無視されてるアルバムですからねー。
「オード時代のキャロルに駄作ナシ」がワタクシの信念ですので、今作も当然最高なのであります。イメージで聴かず損してる人多いはず。
。泣ける要素は少なくてもその分楽しい要素が溢れてるアルバム。聴くと優しい気分になれますね。

こういうアルバムを素直にかわいいと思える人って素敵だと思います。
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>デフレおじさん (モスコ)
2009-09-02 21:55:18
長文コメント、ありがとうございます。

>二子多摩川や用賀でショッピング

これ面白いんですけどー(笑)
なに?キャロルさんはお母ちゃんってカンジで、ローラ・ニーロはおしゃれな独身20代ってイメージなのかしら??(笑)

『パールズ』ねぇ。もうちょっと出し惜しみして聴かないつもりですけど(笑)

この『ロージー』をもっと聴いていきたいという気持ちが大きいんで、まだ他のキャロルさんはやっぱおあずけです。

おじさんには『Music』の記事の時も熱いコメント頂きましたが、このアルバムは評価されてないのですね。
私はどっちも好きですね~♪



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>kura_moさん (モスコ)
2009-09-02 22:05:00
そうか、これも男前な行為だったのか・・・(笑)

今日はあんまり疲れたんで、「白ごま担々麺定食」ガッツリいっときましたー(美味しかったー)。

そして、うれしかったですよー、出逢った日にゃあ!
だけどブックオフ、どうなんだろう?紙ジャケは一律1550円付けられてるコト多い気がします。ちなみにこの3枚ともそのお値段だったわけで・・・全然安くないでしょう?

>「オード時代のキャロルに駄作ナシ」がワタクシの信念ですので、今作も当然最高なのであります。

いや、まったくその通りです!!
まだ全部聴けてないけど(笑)
やっぱこれすっごいイイですよ!
子供(と言ってもちょいデカ?)コーラスがもうむっちゃいいし。曲もなんともいいでしょう?

素敵な「愛せるアルバム」に出逢えてホントうれしいです♪

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おしゃまなモスコさんもいつかは? (moondreams)
2009-09-02 23:06:54
ウチの娘と息子がちいさな頃 ふたりにせがまれ『かいじゅうたちのいるところ』を毎晩のように妻が読んでおりました。
『あるばん、マックスは おおかみの ぬいぐるみを きると、いたずらを はじめて・・・』もうこの絵本はボロボロの宝物です!

モスコさんもいつかお母さんになり 読み聞かせる日がくるのかな?(笑)

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>moondreamsさん (モスコ)
2009-09-02 23:32:50
おぉっ!これはうれしい絵本についてのレスポンス!

毎晩せがまれてましたか!きっといい絵本なんでしょうね~。
いいなぁ、いいなぁ。
私もいつか読み聞かせたいもんですわ。
最後の(笑)はいらないよ?(笑)
でもやっぱり私、エエ年してほんまおしゃまやからなぁ(笑)


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御訂正 (デフレおじさん)
2009-09-03 10:05:53
お~っと いけねぇ

二子多摩川と吉祥寺のくだりは決して既婚・未婚の対比ではありませんでした。
慎んで訂正いたしやす。

言いたかったのは、新しい70'sパフォーマーのように感じて支持したC・キングでしたが、やっぱ向こう側(また怒られそう?)の人だったなぁ 伝統的なティンパンアレィな世界で時流を読んではヒット作を書き上げる天才職人さんだったことが透けて見えたのでした。
片やL・ニーロさんは心の赴くままに生きていて作りたいアルバムをマッスルショールズへ出かけたりフィラデルフィアと組んだりするんだなぁ という対比でした。
ロックなL・ニーロさんが良いって話でもないのですが、急速にC・キングが売れ線なヒトに見えてきた70's後半だった、と。
ワタクシにはS・ワンダーともピッタリ重なる話なのです。

このヘンで勘弁してやって下さいまし…
たじたじ
 
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Unknown (mono-mono)
2009-09-04 19:05:19
私は未だに日常の昼食代を節約して、レコードその他に回してたりします(笑)

「おしゃまなロージー」、良いです。
大好きです。
聴いた後はしばらく「ロ~ジィ~」って廻っちゃいます。
ジャケも可愛いし。
ただ私の手持ちのレコードは、前の持ち主が壁に飾ってたらしく(プッシュピンの跡有り:笑)若干日に焼けちゃってます。
きれいなのがなおさら欲しくなりました。
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>デフレおじさん (モスコ)
2009-09-05 17:12:01
あ、おじさん、ドモ。

まぁ、私、二子多摩川や用賀がどーいう感じの所か全く分かってないまま言うてますから(笑)

吉祥寺と下北沢の方はかろうじて、なんとなくの匂いくらいは分かりそうなんですけど(^^;)
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>mono-monoさん (モスコ)
2009-09-05 17:18:36
mono-monoさん、こんにちわ~。

>聴いた後はしばらく「ロ~ジィ~」って廻っちゃいます。

コレ、最高(笑)
いや、でも分かります。
聴けば聴くほど、やっぱ素敵です、このアルバム。
気に入りすぎて、もう1回記事書きたくなってるくらい(笑)

ジャケ、かわいいですよね。雑なアメリカン・コミックのポップさがたまらなくカワイイ!
アナログ(ピン跡あり)いいな~~。
私ももしコレのアナログに出逢うことがあったら、たまらず壁に飾ってしまうかもしれません。ピンでは留めないけど(笑)
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