『ARTHUR OR THE DECLINE AND ~』(1969) THE KINKS

2007年09月26日 | キンクス
昨日辺りから、急に風が涼しくなってきましたね。ようやく秋らしい秋の到来?今年の秋は短いのかな?秋は大好きだから、出来るだけ長く続いて欲しいものです。

キンクスの秋。秋のキンクス。
紅葉の枯れ葉の舞う中、秋の川辺の散歩なんかが似合うバンドNo.1。
実際はまだ今は全然そこまで秋深くないですけどね。秋への期待感が高まってるので、気持ち的に先走ってしまいます(笑)

この93%ほど茶色で占められているジャケも、どことなく秋っぽい。という事で、秋到来気分を盛り上げるため、棚から取り出して久々に聴きました。
キンクスの1969年作。正しいタイトルは『ARTHUR OR THE DECLINE AND FALL OF THE BRITISH EMPIRE』です。


90年代初頭、私が初めて一人暮らしを始めた街の高架下で、ひっそりやっていた小さいレコ屋で出逢って買ったこのレコード。そこは英国ロック/ポップスが割と充実したお店で、バッドフィンガーの『ストレート アップ』の英オリジナル盤がバカみたく高い値段で売られていて、私はその時実際そのレコードを初めて目にしたのですが、ジャケットの4人の虚ろな表情が妙に眩しく見えたのが、つい昨日の事のように思い出せます。

で、この私の『ARTHUR~』も同じく英オリジナル盤(PYE)なのですが、こっちはお値段がそんなに高くなかったんです。盤質は普通で、ジャケットが少しボロッちいので、安かったのかな?

ジャケを開けるとカンガルーのポッケからレコードが取り出せる仕掛けになっているのですが、タグを引っ張るとアルバムの登場人物である"ローズ"という女性に抱かれたレコードが出てくるという仕掛けになっているらしいのですが、私のはタグもローズもなし。だから安かったんだな(笑)


で、実は私、こん時が初めての英盤購入だったんです!お安いと言っても、結構ドキンとしつつ「贅沢をしているぞ、私っ。でもゾッコンラブのキンクスだから…!」といったような思いでレジに持っていった事も覚えています。

そして一人暮らしのお家に帰ってレコードを手にしてみると、なんだかすんごいペラペラで、少しガックシしました。ガサツな対応OK!の丈夫な米盤やしっかりした日本盤と違って、とにかく薄くて、コーティングもされてて、テカテカしてたのが、うーん…って。
ペラペラのテカテカ。だからイイんじゃないかって、思えたのは、ずっと後になってから。実際、美しいんですよね、写真の色合いとか。繊細で味わい深い出来で。単に私がガサツな人間だから、落書きとかされ放題のアバウトな米盤にしっくり来ていただけという…(苦笑)

でもね、大好きなキンクスが生まれた国、英国で実際に作られて、英国の空気吸ったんだなコレ、って思ったらね、やっぱり特別な感じがして、大事にしていましたよ。あ、今でも。


さて中身はというと……もう皆さんご存知ですよね(笑)
えぇ、最高です。最高に決まってます。
シングルで言うと"victoria"に"drivin"に"shangri-la"ですよ!
地味曲で言うと、これぞレイの嘆き節"yes sir,no sir"、美しき感傷"young and innocent days"、やけくそメタポップ"nothing to say"などで、悪いわきゃない。最高です。


私がこれと出逢ったレコード屋は、もうとっくの昔になくなっています。
でもこのアルバムを取り出すたびに、あの時の自分と、あの街と、あのレコ屋を、もう自動的に思い出すんですよね。

あのバッドフィンガー『ストレート アップ』は今、誰の手元にあるんだろうか。





『IN CONCERT』(1973) THE BEACH BOYS

2007年09月21日 | BB5/ブライアン
聴く音楽がソウルづいてる日々なので、箸休め的に聴く音楽もソウル寄りなものを選んでしまいます。箸休めと言っても、結構そっちに夢中になったりするのですけど。


夏の終わりにビーチボーイズ。
なかなか終わらない(関西はとにかくまだまだ、熱い熱い!)、エンドレス サマーを感じつつのエントリは、ビーチボーイズでもソウル寄りの、この73年版のライブ盤をチョイス。

このライブ盤のビーチボーイズ、実はブライアン抜きのブロンディ&リッキー入り、という時代のもので云わば、背脂抜きのネギ多め??(笑)という、ビーチボーイズ度が低い時代のものですので、人気があまりないかも知れませんが、私は好きなんですよね。久々に聴き返してみると、これはこれでやっぱりイイんですよね、ホントに。

先ほど書いたブロンディ&リッキーという2人のアフリカ出身の黒人ミュージシャンの力がかなり作用しているのか、ちょいファンキー。現役感やイケてる感に溢れてて、いつもとは一味違うビーチボーイズ?
いやいや、これもまた紛れもなくビーチボーイズ。彼らの懐の奥深~~い魅力を感じる事が出来る好ライブ盤なのです。


その他に、なぜ私がこのアルバムが好きかと言うと、それはカール ウィルソン節が全開だから、という事でもあるんです。カールの甘めのソウルフルなリード ボーカルが一杯聴けるのが、かーなーり、うれしいんですよね!カール大好き人間ですから。

そんなカール ファン的に"darlin'"という曲は、まず最も注目すべき曲なのですが、このライブ盤の"darlin'"、これが、すっごくイイ!疾走感ある演奏に乗せて、伸びやかに歌い上げるカールの歌声…!シャイコー!スタジオ版より、さらにソウルフルで、この曲の良さが一番出てるバージョンではないでしょうかっ。

続く"marcella"も、ファンキーになってて、このライブ バージョンの方が聴き応えあるかも、って位イイんですよね。

あとカール的隠れ名曲"the trader"や"funky pretty"が収録されているのも嬉しいですね。

というわけで、カール好きならたまらない前作『HOLLAND』や前前作の『CARL & THE PASSIONS "SO TOUGH"』からのカール ボーカル曲がライブ バージョンでたくさん聴ける。しかもカール、絶好調!ここら辺が何よりもうれしい盤なのであります。


それからアルのボーカルも大変良くて、聴かせてくれるので、当たり前の事ですがアルとカール、この2人がビーチボーイズのライブの要なのだなぁ、と改めて思い知らされます。
また、このアルとカールって歌旨いから、ライブで特にイキイキしたボーカル聴かすんですよね。
2人のアメリカ~ンな節回しが、また何ともイイし!

余談ながら、私、最初ビーチボーイズは、ブライアン(ファルセット以外)とアルとカールの歌声の区別がつきませんでした。声はおろか節回しも、よく似てるんですよね。


あと特筆すべき事、"let the wind blow"の、このライブ バージョンの素晴らしさ!!

あともう1つ特筆すべき事!(笑)ブロンディ&リッキー組、この2人はフレイムというバンドを組んでいたらしいのですが、彼らの作る曲ってビーチボーイズ ファン的には評価のしにくい所なのでしょうけど、めっちゃイイんですよね!
"sail on sailor"が最高なのはもとより、前作『HOLLAND』でオミットされた"we got love"なんて、70'sアメリカンロック好きがニコニコして小躍りしそうな、イカシタ曲なんですよね。結局問題は全くビーチボーイズらしくない、ってトコなんでしょうけどね(笑)


というわけで、アルバム前半は渋い選曲が多く、アレンジもコンテンポラリ~ですので、思わずビーチボーイズのライブ盤を聴いてる事を忘れてしまいそうな瞬間が多く、それがこのアルバムならではの1つの喜びなのですが、後半、ヒット曲のオンパレードになると、観客もノリノリの様子が聴こえてくるし、私も我を忘れて盛り上がったり(例:"help me rhonda")、グッときたり(例:"surfer girl")、結局「ビーチボーイズ、さいっこう!!」という感想しか出てこないのでした(笑)
おわり!




『HELLO STRANGER/WORKIN' ON A ~』BARBARA LEWIS

2007年09月19日 | Soul/R&B
先日、バイト先で社販セール大会があったんですが、結構お得な買い物が出来て、ウキウキが未だ持続しております♪ビビッドな色の可愛いダウンのコートを、あり得ない値段で手に入れました♪くふ♪やはり女子はこういうのが、とーっても嬉しいものなのですよねぇ~~♪
なーんて、私でも一応思ったので、報告しておきま~す(笑)

さて!今日はそんなウキウキ痛快気分にピッタリの、可愛いこちゃんをご紹介!

これ、ジャケットがいかにも2in1なんだけどー。
でも許す!だって私、ずっ~とこの人のアルバム探してたのです!オリジナル アルバムを2枚も聴けちゃうなんて、まるで夢みたいです!(しかもお安め!)

彼女の名はバーバラ ルイス。ほんっとうに最高なんですよね、彼女!!
女子のソウルで一番好きな人。これ聴けて、さらにそう確信しましたよ。

こんなに大好きな人なのに私が探し出してからは、彼女のアルバムは廃盤だった(or CD化されてなかった??)せいで、今までずっとベスト盤しか聴いた事なかったんですよね!だもんで、最近浸っているモータウンとはまた別の所で、幸せを感じているのです。はぁ~♪

ちなみに実はコレ、モータウンのvol.1と一緒に注文したのですよね。HMVオンラインで3枚で20%OFFとかやってるでしょ。だからもう最高の組み合わせだったわけです、私にとって。3枚だからもう1枚あるわけですけど(笑)


さて!このバーバラさんのCDは、アトランティックから出された1963年の『HELLO STRANGER』と1968年の『WORKIN' ON A GROOVY THING』の2in1で前者はなんとバーバラさん(当時19歳!)が全曲、作詞作曲!ギターやピアノ、ハーモニカもこなす、何とも音楽的な才能に溢れる彼女なのです。前者は初期ソウルのクラシックな良さがあるし、後者は洗練された味わい(時代柄モータウンちっくなものも)があって、どちらも遜色なく、それぞれが素晴らしい!


彼女の音楽性を言葉で表すなら…

グルーヴィ?でキャッチー!スウィートでロマンティック!

とにかく甘くて、超ポップで、メロメロに夢心地なワケであります。若干のいなたさを感じさせるのも、またニクイ(笑)そんな最高のポップソウル。

や、マジで最高なんですよ、バーバラさん。最高の中の最高なの。私にとって。
例えば、私が彼女を知ったキッカケでもある代表曲"HELLO STRANGER"(パソコンを持ってる良い子は今スグ検索してどこかで試聴してみよう!)

天から降ってきたような音色のオルガンの、ゆったりとしたビートに乗せ、主役と同等なほど重要な役割を果たすスウィートなコーラスが入れば、次はいよいよ主役の登場。あぁ、この魅惑的な歌声とこの胸キュキュンキュン♪なメロディ。彼女に寄り添える光栄を喜ぶかのようにドラムまで軽やかに歌ってる…。
果たしてこの曲に抗える人なんているんでしょうか。一度聴けば、心はとろけて、そこがどこでも、時がいつでも、この世にいながら天国行きを約束されているんだから。

バーバラさんの恐ろしいトコは、それ級の曲がわんさか溢れているって事。
有名どころでは"workin on a groovy thing"、"make me your baby"、そして最近アークティック モンキーズがシングルB面でカバーした事でもお馴染みの"baby I'm yours"(この曲のみ、このCDではなく、ベスト盤に収録です)などなど。

個人的に一番の極めつけは19曲目の"make me belong to you"。この曲には今、"hello stranger"よりも参っていまして、300回、400回と聴き続けても、きっと1回1回、胃の辺りがきゅーんとなってメロメロにとろけてしまうことでしょう。死ぬほど好き。


ドゥー ワップの甘さと、ソウルのソリッドさと、ブリルビルディング系のポップさと、それらの良いトコを集めたような、愛らしい愛らしいバーバラ ルイスの音楽。
聴かない人はぜっっっっったい損してる!!





『THE INVISIBLE BAND』(2001) TRAVIS

2007年09月18日 | 00's
残暑がしつこいですね。暑いんだけど、クーラーはもう、少し寒くて。身体が温度差に対処できずに早速風邪をひきました^_^; 市販の薬で治る程度で済みましたが、昨夜はしんどかった!みなさま、季節の変わり目、体調管理にはホントご注意を。

さて最近はずーっとモータウンづけでしたが、ちょいとひと休みしてこんなんを。
トラヴィス(Sちゃん、見てる?)。先週末の深夜にたまたまTVをカチャカチャしてたらサマソニ大阪のOA、やってたんです。
「へぇ~」てな感じで、結局朝方までほけぇ~と見てしまったのですが、もうおばちゃんはTVだけでお腹一杯(笑)
まぁ2日間を2時間位でやるので(地上波なもので…)曲を丸ごと聴けるのはヘッドライナー級の人くらいなもんで、ホントさわり程度の、雰囲気だけのもんなんですけどね。そん中でも面白いなぁって思って手帳にメモしたのはYOUNG PUNXと120DAYSってバンド。でもアルバム調べて買ったりまではいかないんだろうな。去年の終わりから今年ずっと、昔のを聴くのに力入ってるんで全く新しい人が聴けてません。

それで、そのさわり程度でずーっと見てて、そんな中でも一番イイなぁ~って思ったのが、やっぱりこのトラヴィスだったんですよね。
まず歌が良かった。新曲の"セルフィッシュ ジーン"だっけ?私、今回初めて聴いたんだけど、良かったなぁ。
あとフランのあの歌声とね、嬉しい時の子供のように身体をくねらせて、こぼれるような、あの笑顔で歌う姿を見てたらね、やっぱトラヴィス、いいなぁーって思った。

で、今このアルバムを聴き返しているんです。


トラヴィスを聴いてみた最初の印象は「レディオヘッド!」だったです(笑)あまりに歌い方が似てて…。今は全然思わないんだけど。

で、しばらく経って、00年か01年のフジロックにトラヴィスが出るってんで予習として2ndをレンタルしたら、これがかなり良かったと。
そして実際のフジでのライブもヒジョーに良かったんですよね、コレが!


彼らの特徴として「歌ありき」の姿勢があげられると思います。ユニークキャラや特異な音楽性を売りにしている若手バンドが多かった中、単純に歌の良さだけで勝負していて、そこにまずシンパシーを覚えました。トラヴィスの事は忘れられても、曲が何百年も生き残ったら嬉しいと、その様な事をよく言ってましたね。このアルバムタイトルもそこら辺の思いを表したものだそうです。
で、ホントにイイ歌なもんだからライブでも映えるんですよね。シンガロングで盛り上がる盛り上がる。

プラス、ヴォーカルのフランのフレンドリーで楽天的な、「イイ歌の力」を疑いなく信じているピュアネス!目がめちゃくちゃキレイ!ヘアスタイルも、まんまキューピー!
そんなフランに真っ直ぐな歌を真っ直ぐに歌われた日にゃあ!
泣かされまっせ、実際。

そんなわけでライブ後にはすっかりファンになってしまった所へ、このアルバムが登場したので(だったと思うんだけど…)、一番よく聴いたアルバムとなりました。

とにかく1曲目の"sing"は鬼名曲だと思う!そこに理屈なんてないのです!
"flowers in the window"もやっぱイイし。
で、シークレットトラックの2曲が、また力が抜けてて、とってもイイんですよね。


今は旧譜ばっか買ってるし、彼らの前作の暗めのシリアスな路線が苦手で、トラヴィスの新作買ってなかったんだけど、聴きたくなっちゃいました。

秋の入り口の、少し人恋しいような、でも一人にしておいて欲しいような、そんな複雑な気分を、そっと受け入れ、何も言わずただ側にいてくれるような音楽ですからね、トラヴィスの音楽は。





IF IT'S A HIT, IT'S A MIRACLE!

2007年09月12日 | Soul/R&B
モータウンの始まりを聴いていますと、どうしてもあるアーティストが思い浮かびます。その名はジャッキー ウィルソン。彼の偉大さを改めてヒシヒシ感じます。流石、地元のヒーロー。というか、ベリー ゴーディの2匹目のドジョウを狙う為のなりふり構わないパクリ戦法?まぁジャッキーのヒット曲を書いていたのが他ならぬこのゴーディだったので、ある意味正当性がありますが、イミテイターらしき人がちらほら。
その中になんと我が愛しのジミー ラフィンまで!

そのジミーの曲はモータウンの中の"ミラクル"というレーベルの第1段シングルになっているのですが、そのミラクルという所がなかなか面白いのですよね。何せスローガンが

「この曲がヒットしたら、それはミラクル(奇跡)だ!」

という、超やけっぱちなもの(笑)期待されてない感、溢れてるでしょう?
ここはシングル12枚で終わった短命レーベルで(そんなスローガン作るからだ 笑)、他のアーティストを見ても、前回書いた、ベリー ゴーディの奥さんとか、ここから1枚出したきりで消えて行った方が多くて、なんだかアーティスト墓場のような、不吉な匂いがぷんぷんする所。

そんな"ミラクル"第1段アーティストに選ばれてしまった可哀想なジミー ラフィンは、その曲が全くヒットしなかった為か、その後2年半もの間、レコーディングの機会がなかったそうです。その間、車のフォード社で働きつつ(さすが、デトロイト!)、週末はクラブで歌ったり、テンプス加入前の弟のデビッドの横でギターを弾いたりして、デビッドの音楽監督らしき役割をして、導いていたらしいです(兄キ、泣かせます)。この時の苦労した経験があったからこそ、ほろ苦さが大変ニクい、後の大ヒット曲が生まれたのかもしれませんね。


さて、ちなみにゴーディの奥さんはここの2枚目のシングルを出してて、芸名はLITTLE IVA。少し前に"ロコモーション"の大ヒットを飛ばしたあのリトル エヴァを勿論もじっての名前だそうで…。リトル イヴァ…。アイヴァ?どっちにしても、力抜けるわ!

あと3枚目はジノ パークスという人。この人もここに1枚のみですが、その唯一の曲がコースターズにそっくり…。

で4枚目はアンドレ ウィリアムスという人で、この人も1枚のみで、"スタッガリー"ならぬ"ローザ リー"というちょっとそれっぽい曲…。

とまぁ、なんともお茶目で愛すべきなレーベルで、後の、ヒットの為なら何でもアリさ!的なモータウンのスピリットの原形のようなレーベルなのです。


が、しかし!ここに1つ、名前の通り本当のミラクルが潜んでいまして。
実はこのミラクルからなんと、あのテンプテーションズが出してんですよね!しかも2枚も!もちろんデビッド ラフィン加入前のテンプスです。彼らのデビューはタムラでもモータウンでもなく、不吉なミラクルだったんですね~(笑)。最初は期待されてなかったのかな?果たして、その出来は如何に!?という所ですが、まぁ、普通でしょうか^_^; そしてやはりヒットせず、ミラクルはテンプスの2枚目のシングルで幕を閉じます。


そんなわけで私は勉強不足で全く知らなかったわけなんですが、ジミー ラフィンもテンプテーションズも、そして実はシュプリームスも!(こちらはタムラから)こんな早い時期、このボックスシリーズで言う所のvol.1からシングルを出してたんですね。ホント意外でした。彼らはもっと後のvol.3辺りで初シングルかなぁ~なんて思ってましたので、こんなに早くお目見えするとは、嬉しい驚きでした。

テンプスの初シングル曲は、も少し聴き込んでみますが、個人的に、シュプリームスの初シングル曲"I want a guy"って曲には、最初からかなりグッと来ています。耳にコッテリ残るミディアムバラードで、ダイアナが良いのです!




『THE COMPLETE MOTOWN SINGLES vol.1:59-61』

2007年09月10日 | Soul/R&B
遂に到着!!
この土、日でDISC 4まで3、4回づつ聴きました!浸りました!
残るDISC 5とDISC 6は、も少し後のお楽しみ。これで1ヶ月乗りきらないといけないから、出し惜しみしてます(笑)

だけど、やっぱり凄いよ、コレは。ヴォリュームも内容もデザインも。「持つ喜び」に溢れてますね。
ほんっとうに楽しみにしてたんだけど、その甲斐は十二分にありました!

1959-1961という、まさに始まったばかりの、形が出来上がっていないモータウンらしく、ブルース(と言っても軽め)やゴスペル、はたまたロカビリー テイストの曲などもあったり、その混沌振りが実に楽しい。アーティストもあまり親しみのない人が多くて、これも面白い。

シングル曲をA面B面全部、順番通りに収録という、むちゃくちゃ資料的価値が高いこのシリーズだけに、驚きや発見が随所にあります。このvol.1だけでも、いや最初のvol.1だけに、と言うべきかびっくりする事がたくさんあって、例えばスモーキー ロビンソンのモータウンデビューはミラクルズではなく、ミラクルズのロニーとのロン&ビル名義でだったのか!とか、創設者ベリー ゴーディの二番目の奥さん、レイノマもシングル出してたんだ!(しかも曲もプロデュースも全然力が入ってないぞ!て事は奥さんの無理矢理押しきりか!?)とか、様々。

元々モータウンという所は知れば知るほど謎や複雑な人間関係などがあり、大変興味をそそられる面白いレーベルなんですよね。このvol.1のごっついブックレットやウチにあるソウル本やモータウン本、それにたくさんのモータウンにまつわるサイトなどと首っ引きになりながら、実際の音を1曲1曲聴く…。もー止まらないのです、コレが。楽しくて楽しくて。思わず「これからの人生を費やしてモータウン研究家になりたい…」と独り言ちてしまいました(笑)ま、当然根気も情熱もそこまで持ち合わせてないので無理なんですけど、自分なりに勉強していきたいなぁ、と。ファンなんで、なまじっか知ってるつもりが、ホントは何にも知らなかったんだなぁ~とか、間違った思い込みが多かったんだなぁ~とか、もう一から出直しのつもりで、新鮮な気持ちで取り組んでます。
実際、音聴いて、背景を知って、今までの価値観とか思い込みがどんどん崩れていくのが超小気味良く、よりリアルな新しいモータウン像が迫ってくる瞬間がたまらないんですよね!もっともっと聴きたくなるし、もっともっと知りたくなる。

でもやっぱ調べものがある時は携帯電話だけでは限界がありますね…^_^;


私は元々こういう弱小レーベルのサクセス ストーリー(アメリカンドリーム)の光と影の人間模様話が大好きで、ボックスもそういった部分が如実に感じられるレーベルごとのボックスが一番好きだったんです。
今までの手持ちのものではセプターレコードとスタックス/ヴォルトのものが非常に面白くて、ブックレットと首っ引きのリスニングタイムがかなり楽しかったわけです。が、今度は一番大好きなモータウン。それも決定版の内容ときている。ウキウキ、ニヤニヤ、ソワソワが止まるハズもなく。シヤワセ~でござります♪♪♪





『MERCY!』(1964) DON COVAY & THE GOODTIMERS

2007年09月03日 | Soul/R&B
あ~あ。終わっちゃった、世界陸上大阪。寂しいなぁ~。
自分でも思いがけず毎日キチンと観て、しっかり応援、がっちり感動。にわかファンの醍醐味をたっぷり味わせてもらいました。
金曜の男子100M×4リレーの朝原選手率いる日本選手の力走(日本新!&アジア新でっせ!)に感動して、翌日の土曜に、思わず長居競技場まで、電車1時間乗って観に行きましたからね。結局チケット売り切れで観れなかったんだけどさぁ!(切な~)
メダルは少なかったんだけど、なんかめちゃめちゃ好試合、好選手が多くて、ホント思い出に残る、そしてどこか暖かな、イイ大会だったと思います!いつか機会があればこれ規模の陸上、生で観てみたいなぁ。


さて、今週末にいよいよモータウンの箱が届くのですが!あぁ~楽しみで待ちきれんわ~っちゅう事で、聴く音楽もポール以外はソウル系多し、なこの頃なのです。モータウンは嫌というほど浸るだろうという事で、今はそれ以外、特にアトランティックものをよく聴いています。


今日はその中でもこの人!ドン コヴェイだ!
どうです、このジャケ。イカスでしょう?しかも"AND THE GOOD TIMERS"ですよ。自称グッドタイマー(ブログ名の事です^_^;)としてはとっても親近感♪

ところで!ドン コヴェイさん、って言うとどうしてもストーンズ絡みでのみ語られる事が多いのがチョトさみしい。若きミックの歌い方に多大な影響を与え、彼の"mercy,mercy"もカバーしてるっていうんで、それに日本でもソウルファンよりストーンズファンの方が多いのだろうから、仕方ないのかな。
でもとっても魅力的なソウルマンで、ストーンズの話ついでに、ってだけじゃあ大変失礼ですよね。


って事で。まず彼ならではの魅力として、"いなたい"のが良い!

あ、ところでこの"いなたい"って言葉、通じてます?関西圏だけの言葉なのかしらって、ずっと前から疑問に思ってるんですよね…。どうなんでしょう??

いなたい=野暮ったい、田舎臭い、泥臭い、ダウンホーム、そんな感じ?それの最上級のホメ言葉。これは私の中だけで、ですけど(笑)
コジャレた人、苦手なもんで^_^;

実際この人、音程も外したりするし、洗練から遠く離れて、すごいラフ。だけどそれがイイんです!
歌中に、おっとこ臭い掛け合いがよく入るんだけど、これがまたドンさんよりもさらに"いなたい"と来ていて、もー"いなたい"好きとしては最高にシビレます。

あと、ドンさん。イイ意味で歌い方が軽いです。白人であるミックがお手本にした(出来た)のが分かるというか。
この人ならではの、決してディープではない軽さ、人懐っこい味わいが魅力です。


そしてこのドンさんは、さらになかなかの才人で、フックの効いたイイ曲を一杯書いてんですよね!だからソウル界、ロック界でカバー率が高い!

先の"mercy,mercy"→ローリング ストーンズを始め

"see-saw"、"chain of fools"→アレサ フランクリン
"pony time"→チャビー チェッカー
"you're good for me"→ソロモン バーク
"long tall shorty"→トミー タッカー(キンクスでもデイブがカバーしてましたね)
"sookie sookie"→ステッペン ウルフ(スキスキスキスキスキスキスー!)

などなど。コレはほんの一例ですが、ノヴェルティちっくな曲が多いのも1つの特徴で、ユニークかつ斬新で、聴いてて素直に楽し~です。

限りなくB級に近いA級、とでも言いましょうか。黒人のダウンホームな匂いがぷんぷん、だけど軽い。もーなんか愛さずにはいられない感じなのです。


私の持ってるこのCDは写真ジャケの1stと、あと2ndの『SEE-SAW』(さらにノヴェルティ度高しで、ちょっとイッちゃってる!?笑)の2in1で、HMVオンラインで、今年の春頃買ったものです。

あぁ、いなたい!もう1回!(○汁風)
という感じで、聴き返してしまいます(^^)