『Partie Traumatic』(2008) Black Kids

2008年07月27日 | 00's
試聴していっぺんに気に入ってしまい、レジに持っていきました。
キラキラしてんのよ~☆もう切ないくらい振り切れて、超ポップです。
ブラック・キッズの1stアルバム!

歌詞も音も見事に”Music For Kids!!”という感じ。
思春期(年齢関わらず)における恋愛/友情/孤独などに関する濃ゆーい想いとか妄想とか悶えとかが過不足なくきっちり入っているのがエライ。正直やっぱり私はこのバンドを外から見て聴いて楽しませてもらっているという気持ちは消えない。聴いていて、あまりにリアルに自分のことを代弁してくれているせいで、身を焦がされる想いをする、ということも、もうない。それは今のキッズたちの特権だから。私にはウィーザーのBlue Albumがあったし。





失礼ながらメンバーはみんながみんなそれぞれどこかちょっと冴えない。どこか情けなさそう。
(だからこそ惹かれたっていうのもある)
そして白/黒、男/女混ざっている。リード・ヴォーカル/ギターのレジー・ヤングブラッド(男・写真真ん中)はフィリピン系の黒人、で、多分オネエ(違ってたらゴメン)。色んなことが混ざっている。混ざっているということは深く孤立しているということだし、何かを超えているということでもある。越境者の奏でる音楽なのですね、コレは。


歌詞だってレジー(男)が歌うんだけど、女の子が女の子に向けて、っていう設定で

「アンタにワタシ、子供ん時からマイッテたのよ
(One!)ワタシ、舌を噛んじゃった
(Two!)アイツがアンタにキスをする
(Three!)あぁ~、なんでわかんないの?
(One!Two!Three!Four!)

 ワタシ、アンタのボーイフレンドには踊り方を教えてやんない
(Dance!Dance!Dance!Dance!)

(One!)アンタがワタシの舌を噛んだ
(Two!)ワタシがアンタにキスをする
 ワタシよりアイツの方がいいってわけ?」

M-7 ”I'm Not Going To Teach Your Boyfriend How To Dance" より。モスコ訳

という内容でして、もーいろいろ混じってます。
そんでもって曲自体はありえない位、キラキラ・キラー・チューンで、ホントたまりません。
カッコのところは女性メンバーのコーラスでチアガール風に元気に入ってくるのがまたイイ!

そう、この女性コーラス、掛け合いがすっごい良くて、彼らを一発で気に入ってしまった理由でもあるんです。
私、最近ようやく気づいたんですけど、頑に好んでいるひいきバンド、サブウェイズとかもそうだけど、男性ヴォーカルに掛け合いで女性コーラスが入ってくる、っていうのにすごく弱いのです。
ウィングス~ポール・ソロでのリンダのあの声、あの声が始まりだったのかなぁ。
ポップ期のフリートウッド・マックがすんごい好きなのもそこら辺の理由もあるのかな~。


私にはウィーザーのBlue Albumがあったとさっき書きましたが、レジーもBlue Albumについてこのように言及していました。

「(自分たちの)アルバムに満足してる。ほんとにクールだからな。シングルを10曲集めたようなアルバムを作りたかった。間を埋めるだけの曲なんて欲しくなかったんだ。バンド・メイトのケヴと俺はティーンエイジャーのとき、ずっとウィーザーの『Blue Album』を聴いてた。10のビューティフルな曲が収録されたアルバムだって思ったもんだよ。全部に価値がある」


そっか。ホントだ、彼らのこのデビュー・アルバムも全部で10曲だし、全部をシングルに出来ると思うよ!
ポップすぎてうれしくなっちゃって、突然意味なく走り出したい衝動に駆られてしまうほどだもん(笑)
うん、全曲最高だもん。通勤中、特に行きしなに聴きまくってテンション無理矢理上げてます。
プロデューサーは音楽バカ(ホメ言葉)バーナード・バトラー!
というわけで今年発の新人さんでは、一番始めに気に入っちゃったバンドです!



→Black Kids MySpace



『We Sing, We Dance...』(2008) Jason Mraz

2008年07月22日 | 00's
先週末はちょっくらカヤック遊びをしてきました。
前々からカヤック、乗りたかったんですよね~。水面上で目線が低いことが何より新鮮で、簡単に操れるし、面白かったです。
今年の初水遊びです。楽しかったな~。また乗りたい。
そんで実はインストラクターはウチの父ちゃんだったです(!)父は春や秋は山登りのガイドをしているんですが、夏場はそーいう仕事(バイトで)してるんです。年を重ねるごとにアクティブになってって、なんだかなぁ・・・(笑)見習わないといけません。


そんな感じで、いよいよ夏本番!って感じですね。本日も暑うございました。
でも私は夏、好きですね。ちょっとウキウキしてしまうくらい。
そして、この夏の、2008年の夏の、1回こっきりしかないこの夏の、バックグラウンドミュージックに、このアルバムがなってくれていることがうれしい。
どれもこれも "聴き疲れ" た気分のときは、彼がいてくれる!
そう、ムラーズさんの今年の新作!
タイトルに全部入りませんでした。正式タイトルは『We Sing, We Dance, We Steal Things』でっす!


ジェイソン・ムラーズ。ずっと気になっていた人(特に顔)なんですが、”いつもお世話サマー”のOtokichikun-Factoryを読んで、よっしゃ!と、今作で出会うことと相成りました。
彼、今年のフジロックに来るんですよね。単独もあるみたい。

N.E.R.D.とかと一緒に買ったので、ちょうどウチに来て20日くらいですか。作品や人柄的にインパクトには欠ける分、最初は印象が他のものに比べると薄かったのですが、結局一番聴いているのはこれなんじゃないかってくらい、聴いてます。アルバムとして軽やかなので聴きやすいし、最初にも書きましたが、「もうどれも聴き疲れた」「聴き飽きた」っていう時でも不思議とこのアルバムはスーッと抵抗なく聴けてしまうのです。

自己主張しすぎず、さりとて愛想がないわけではなく、チャーミングに微笑んでいつもそっとソバにいてくれる感じ。ムラーズさん。でもだからって「癒し」なんて言葉は使わないぞ!でも非常に癒されているんですけど、どうしましょう・・・。
これは女子に人気があるワケですね。



タレ目のムラーズさんにズームイン!


彼の他のアルバムを聴いたことがないのですが、かなりオーソドックスでポップ。で、どこかウォームな素敵な歌声で、サラリと歌いこなして、実にスマートな印象です。でも冷たくないのよ。暖かいの。
これは非常にリラックスしつつもそれぞれの曲の完成度は「涼しい顔して高いんじゃん!』てな感じで面白さを感じながらもすっかり安心して聴ける類いの良質な音楽です。

そんで、この人ならではってところでは、肩の力が抜けてる(そう見せている)とこ。そこがいいのですよね。
そう、このなんとも抜けた感じのジャケットのように。


M-2 ”I'm Yours” は音楽チャンネルでもPVを見ましたが、軽くレゲエ調、オーガニック風味の、とても心地よい曲。夏にピッタリの曲です。どんなシーンでも、それが夏ならぴったり優しく寄り添ってくれる曲です。

M-6 "Love For A Child" は美しいメロディで堂々と聴かせてくれる名曲!たまりません。

最後の2曲あたりもグッと聴かせてくれてイイ感じで盛り上げてくれるのですが、特にラスト曲M-12 "A Beautiful Mess" !感動的なこの曲で締めくくられる聴後感がまたいいんです。正しく「夏!」という気がします。

切なさも刹那も内包していて、でも聴き終わった頃にはすっかりさわやか、涼しくてちょっぴし優しい気分になっているのです。

そらモテるわ、ムラーズさん!
他のアルバムもまた聴いてみたくなりました♪





『新人さんいらっしゃい!』

2008年07月17日 | 00's
うへぇー!
2008年の音楽が面白すぎます。もう、どうしましょう。
聴くもの、聴くもの、ホント、良いんですよねぇぇ。
2008年って音楽の当たり年?それとも私の耳がおバカになっている?(笑)
いやでもマジ素晴らしい新人さんたちで溢れてて、大変面白いことになってて、ホント興奮してます!!
あんまりみんな面白いんで『新婚さんいらっしゃい!』の三枝師匠のように毎回イスから転げ落ちてます(笑)

毎日毎日そういう人たちとVMCチャンネルで偶然出会ったり、myspaceやYouTubeで探しまくったりして、ピコーン!ときたものはCDを買うようにしてるんですけど、次から次へと出てきちゃうんで全く持ってキリがない!うれしい悲鳴、ぎゃあー!(笑)
RO誌に続き、久々SNOOZER誌も買ってしまいました(苦笑)


実は以前はmyspaceやYoutubeなどに、なんとなくそんなに良いイメージを抱いておりませんでした。膨大な情報量に、なんかついていけなくて。でも今は大変有り難く試聴させてもらい、参考にさせてもらい始めています(って言っても試聴だけですけど)。要は使い方次第、情報の取捨選択の能力が大変問われる時代なのですね。疎いから、超遅いですが、今頃そんなこと感じて、今頃利用しています。

あ、myspaceと言えば、さっきSNOOZER誌で私と同世代だと思われるバーナード・バトラーのインタビュー読んだんですけど、彼の言葉にこんなのがありました。


『僕、いつも、かなり時間をかけてマイスペースをチェックしてるんだ(笑)。とにかくあちこちのぞいて、新しい音楽を探しているんだよ。あるバンドをクリックして、「んー、あまりよくないな」って思ったら、そのバンドのフレンドになってるバンドをのぞいてみて。そうやって半日とか、6日とか過ごしていると、最後には好きなバンドを見つけられるんだよ』


あぁ、音楽バカ(尊敬の意味)いえ、マジメに感動しました。
彼は今最も注目されるプロデューサーになったわけ(というのはこの2,3日で知った)ですが、そんな彼がそんなやり方でコツコツ探していたとは!私なんか、もっと努力して、探して探して探しまくらないと!(笑)


さて、そんな中、今日は今さっきヴァンパイア・ウィークエンドに出会いました。
陽気で暢気で最高にヨイではないですかっ!今もマイスペで聴いてます。こりゃあアルバムを手に入れたいわ!

→ヴァンパイア・ウィークエンド myspace

あ、ラカンターズの2ndも大変良さそうだなぁ。


昨日はMGMTのシングル曲"Time To Pretend"を、どうしても我慢できずiTMSで150円で買いました。
これはVMCチャンネルでこの曲のPVで出会って以来、気になってたんです。
私の初のiTMS利用曲(遅)です。記念曲です(照)
もうアルバムを聴きたくなってしまってます。大変良い曲です。
自由で若返ってセクシーなフレーミング・リップス!



不思議ちゃんならぬ不思議クン2人です
何気にイケメーン


→MGMT myspace


一昨日はファットボーイスリム(ノーマン大好きです)の別名義 The BPA "THE BRIGHTON PORT AUTHORITY" の"Toe Jam"のハダカだらけのPVを堪能(笑)してました。
デビッド・バーンのノホホンな歌声が合ってて、好きだなぁ。いいなぁ。楽しいなぁ。

→The BPA myspace



そんで昨日は実際の店舗(タワレコ)にも足を向け、新譜を2枚、溜まってたポイントでゲットしてきました。これらのアルバムもまたもう少し聴き込んでから記事に書いてみたいと思います。
ホント予算に限りがあるので、すんごい厳選して買わなきゃなんないんだけど、それがまた醍醐味っていうか。
この2枚は当たりだったと思います!出たてホヤホヤのもあるんです。うふふ。

いやぁ、ホント今最高です。
新しい人たちの音楽が、私の日々に彩りや喜びを与えてくれて、こう、元気を与えてくれるんですよね。
猛然と、聴きまくるぜ!的な気持ちが活力になっています。
イイ時にiPod買えたなぁ。通勤時ホントに楽しいです♪
足取り軽いんだ~。




夢中でござる

2008年07月14日 | 日記
ここんとこずっと、猛烈に三国志にハマってます!
キッカケは面白そう?と買ってきたプレステ2の『真・三国無双4』ってゲーム。で、面白かったんです、コレが(何やってんだか・・・)
で、次はもう少しキチンと三国志のこと知りたいなぁ~とか言ってたら、ダンナさんが

「男の子が風邪で学校休んだ時に読むマンガです」

と、横山光輝さんの『三国志』の文庫版の1、2巻を買ってきてくれました。そしたらゲームよりも断然面白くって!!

まぁしかし登場人物は多いし、複雑にストーリーは絡んでゆくし、ま、そうでもないかもだけど、私は結構そういうのに弱いので、何回も何回も読み直しながら整理して頭に入れていってます。それでもこんがらがって、すぐ忘れちゃうんだけど(苦笑)

だけどそんな苦労(?)しながらでも楽しく読めちゃうのは、なんと言っても ”横光さん” のちょいカワで分かりやすい画風と描写のおかげ。お茶目な台詞も多数で、ミクシィなどでも「日常会話で使えない横山三国志の台詞」みたいなのがあって面白かったんだけど、最近、家での会話が自然と三国志口調になったり、名台詞をここぞとばかり引用したり、なんだかおかしなことになってござる。

この年になるまでぜーんぜん三国志とか中国の歴史とかに興味なかったのにな~。お恥ずかしいですけど。でも、めーちゃくちゃ、面白いなぁ~。
色々勉強になるというか、タメになりますねぇ、この壮大なお話は!
ダンナさんは歴史マニア、三国志ファンなので、私とそういう話が出来るようになったのが、ちょっとうれしいみたいです。家に帰ると、1冊ずつ買ってきてくれてて、机の上にそっと置いてあります(笑)



文庫版についてるオマケのしおり!
いいでしょう?コレクター心理バリバリ!
これがまた毎回タノシミでタノシミで☆



で、大体頭に入ってくると、どのキャラ好き?自分は三国志で言うと誰?的な話にやっぱりなって。

「私は誰かいな?」とダンナさんに訊くと、一瞬の迷いもなく

「張飛!」

と答えが返ってきました!ど、どんだけ豪快やねん、私・・・!(泣)
でもいいんです。実は私は今んとこ張飛が一番好きなので、結構うれしかったりして。
「張飛じゃい!」下戸ですが。

そんな感じなので、もし『三国志』好きな方がいらっしゃったら、自分は三国志で例えると誰というのがあれば、教えて頂ければ、ウレシタノシです(笑)
あ、でもネタバレは本気で泣くと思います。
ちなみに文庫版で6巻までしか読んでないです。曹操が袁術軍を破ったところ。陳親子が呂布を殺そうと策を練っている最中です。多分まだまだ序の口ですね(苦笑)知らない登場人物多数でしょうし(汗)

マンガの文庫版は全30巻なんですけど、無事読破出来たら、次は吉川英治の小説かなー(笑)







『All Or Nothing』(2008) The Subways

2008年07月07日 | 00's
うぉぉぉーーーっ!
今のアーティストたちの音楽を聴くのが楽しくて仕方がなーーいっ!

今を生きる人たちの音楽は、聴いててなんだか元気をもらえます!
今の時代にもイイ音楽を作る人がいるんだなぁということを感じることは、思った以上に幸福な気分を味あわせてくれるものです。コレ、時々感じないといけないなー。

同じ時代の空気を吸っている分、身近に感じられて、自分の生活にすごく密着してくれる感触もたまりません。
iPodのおかげで、そんな音楽ともいつでもどこでも一緒です。
しかし考えてみれば、すごく贅沢なことなんですよね、その時、その時の最新の新譜を聴く行為って。そのアルバムが新譜な時はその時しかないわけですもの。何でも「旬」を味わうって贅沢なことです。

そんなわけで、ここ最近のリアルタイム音楽の遅れとかちょっとづつでも取り戻していきたいなぁと猛烈に思ってまして。
超何年か振りにロッキン・オン誌なんか買ってきたりして(笑)いつの間に値段上がったんだ?と思ったら、今号からなのですね。ツイテないわ(?・笑)
あと、色々気になってた最近のアーティストなど、レンタルでちょこちょこ借りてきたり。おベンキョ中です。あーーー楽しぃぃぃ・・・!


今日は前回記事にしたN.E.R.D.と一緒に買ってきた中の1枚、大好きなザ・サブウェイズの2nd!

同じく大好きなウィーザー、デスキャブ、マイ・モーニング・ジャケットの新作などにも惹かれたのですが、良い意味でキャリアが安定している彼らよりも、まだまだ海のものとも山のものともつかない彼らに、この私の今の音楽に対する熱い想いを託しましたです!

サブウェイズ。英国出身の3ピースのシンプルなロックンロール・バンド。
1stがとにかくドシャメシャとうるさく、その振り切れ度数が最高で、もうとことんヤラレておりましたので、思い入れがタップリあった分、期待も大きく、だけど長い間音沙汰がなかったので、「もう解散しちゃったのかなぁ・・・」なんて思っていたのですが。

1stからこの2ndの間に3年の月日が流れていたのですが、その間にやっぱり色々とあったらしく、一番の危機はヴォーカル/ギターのビリー・ランの喉のポリープ手術なのだそうです。手術後も何週間も話せなかった程だったとか。
あとそのビリーとベースのシャーロットお嬢さんの2人は婚約していたのですが、この2nd制作中に別れてしまったのだとか!
色々あったんだなぁ・・・。
1stから2ndというのは、彼らの10代から20代への通過儀礼的な物語となっているんですね。

で、そういった危機を乗り越えて、ちゃんと作ってきたんですよね~、この2nd!エライぞ!
実は先行シングルとか事前に試聴とかしてた時には「なんか普通?」と、あんまり良いイメージを持ってなかったのですが、こうやってアルバムとしてまとまった作品として聴くと、これがかなりの力作でじっくり聴かせてくれるんですよね。

あの1stの熱っぽさや荒々しさには確かに魔法が宿っていて特別なものだったわけで、そういった魔法はほんの少し身を潜めたのだけれど、熟成と進化が静かにハードに曲に込められていて、ホントよく出来た「2ndアルバム」なんです。大人になったね。「よく出来た」ってアート界ではホメ言葉では決してないけれど、私は大きな声で「よくできました!」って彼らに言ってあげたいです。
ブッチ・ヴィグのプロデュース力も効いているのだと思います。


こうやって彼らの作品を2作聴くことが出来て、改めて彼らの持ち味とはなんじゃいなと考えた時に、真っ先に思い浮かんだのは「ピュア」という言葉です。非常に真っ直ぐなんです。それはどの曲でも男リード・ヴォーカルにイイ感じで入ってくるシャーロットちゃんの女掛け合いコーラスが醸し出す効果、というのもあるのですが、それ以上にやはりバンドのリーダー、ビリーの資質から来るのではないかと思います。

このバンドのメンバー構成にも、それは自ずと現れています。自分と自分の彼女(別れてしまったけど)と自分の弟(ドラム)っていう、自分という人間の枠の最小単位のメンツで構成されたバンド。ロック夢想を抱いてるティーンエイジャーなら誰もが夢に見るような3ピース・バンドを彼は実現してしまったのです。それってすごいことなんじゃないかな~と思います。

内に秘めたものは激しいけど閉じ気味な少年が必死に自己実現するための手段としてのロックンロール。ベッドルームやガレージと超現実世界が無駄なもの一切なしにダイレクトに直結してしまっている感じ。
持っているのはロックンロールに対する信念だけ。あと自分のことを一番近くで分かってくれている2人。最高なバンドだと思うけどなー。

そんなビリー・ランのシンプル&ストレートな信念は、こんな言葉に現れています。


「僕は、人生で何か信じられるものがあるなら、自分の100パーセントのエネルギーを注ぎ込んで、それに打ち込むべきだって考えてるんだ。それはライヴに対する姿勢でもあるね。ステージでは息さえできなくなるぐらい全力でプレイしてるし、そうであるべきだと思ってる。僕は、周りに無関心だったり悲観的に生きてる人間が大嫌いなんだ。常に何かを学ぼう、がんばろうという姿勢が必要だと思うし、ポジティヴであるべきだと思うんだよね。そうすると未来は変えられると思うんだ」

ワーナーミュージック・ジャパン公式アーティストHPより


青い。単純。でも私には「若いねぇ~」とせせら笑うことは出来ません。
その通りだと思うし、そうありたいといまだにやっぱり思います。
そしてこういった想いがちゃんと音に、ギターに、歌声に、現れているんです。そこがサブウェイズを聴いてて一番カタルシスを感じるところであり、どうしても冷静ではおれずに熱く応援したくなってしまうところなのです。

2005年の彼らのサマソニでの初お目見えライブ。私はこのサブウェイズ見たさに参戦したところもあった(そして最高のライブでした!)のですが、今年のサマソニにも来るんですよね、彼ら・・・。
むむむ!観たい!!!





『Seeing Sounds』(2008) N.E.R.D.

2008年07月02日 | 00's
自分内音楽ブームとはいったいどこからやってくるのでしょう。
私の場合、きっかけは仲良くさせて頂いている方々のブログ、ということは多々あります。
そのきっかけと諸々の要素が重なって、ある日バンッと始まることが多いです。
それは突然やってきて、そしてもうそれ以外のものは考えられなくなってしまうのであります。
けれど大体が熱しやすく冷めやすいので、終わる時もある日突然パタッと終わってしまいます。
いろいろ極端です。

そして今!今は、今の音楽、”2008年のの音楽” をムショーに聴きたくなっております。
ここ1,2年、98%、見事に旧譜ばっかりでしたからねー。
だけどこの間、自分のiTunesを見て愕然としたんです。年が「2008年」っていうのが宇多田ヒカルの『HEART STATION』しかなかったんです!しかもレンタル!!これはヤバイな、と思いました。
でも今まで、この1,2年はそれでもヤバイ!と全然思わなかったわけで、だから旧譜探しに情熱を注いでいたわけで。新譜、今の人たちに全く興味がいかなかったんです。
いろいろ極端です。


そん時、そん時、そうやってどこからともなくやってくるブームというか熱みたいなものに翻弄されて、聴く音楽がガラリと変わる時があるのですが、そうやって中途半端にアチコチ手を出すので、どのジャンルもどの年代も、どこもかしこも穴開きだらけ、偏りだらけの私のCD棚なんですけど、そのぶっさいく加減がまた愛おしくもあり(アホか)、気が多く、また散りやすい自分らしいのかな、とも思います。一生どのジャンルも満足するとこまでいくことは出来ないんだろうな・・・。

ブログタイトル”Good Timin'” に込めた意味は、その時その時の自分に必要なものに出逢うタイミング、チャンスを見逃すな!というものだったのですが、それは ”気まぐれ” ってことの言い訳でもあったのだなー、と一人納得致しました。
気まぐれ、ゆえにその時に自分に必要な音はなにか?ということを嗅ぎ分ける臭覚だけは、持っているつもりです。 でもそんなだから大好きなアーティストでも3作続いてアルバム持ってる人って結構少ないんですよねー(汗)。どんなに大好きでも、そのアーティストが新譜を出した時に、私がそっち方面に気がなかったら、そのアルバムはアウト!なのであります。きまぐれー!

今年も昨日から下半期突入。これからの半年、ちょっと今の音楽も意欲を持って聴いてみようっと!
そんなわけで本日タワーにて音楽ブログ友に勧められたものや、前から気になってたものを何枚か仕入れてきて参りました。しかしこうやって自分が聴きたい音楽の照準が定まっている時って、ホント楽しーーーーー♪

その中でも今日は、自分の気まぐれ具合と、今の音楽!ってことが一番わかりやすく出たチョイス!
というわけで前フリが異常に長かったですが、 N★E★R★Dでっす!(笑)

少し前からMTV等でいやっちゅう程、彼らのこのアルバムからのシングル曲のM-2 ”Everyone Nose (All The Girls Standing In The Line For The Bathroom)” が流れてて、ちょっと気にいっちゃったんですよね。曲中ループされる”All The Girls Standing In The Line For The Bathroom!” ってとこもマネしてウチでよく叫んでました(笑)
あ、今までN.E.R.Dのアルバム買ったことないです。もちろん!(笑)前作ん時とかファレルのソロ出た時とか、「あー、もー、しゃらくせーなー!」とか思ってましたから・・・。今?最高ですやん(笑)気まぐれ万歳!なのです。

今の音聴きたい!っていう欲求をまずは軽やかにスマートに満たしてくれて、聴いててマジ楽しいです。新しいポップな洋服を買ってウキウキうれしい気分、な気分でっす。
他の曲も色んな要素の曲でバラエティに富んでて、でも統一感があって。
特にM-7 ”Sooner or Later” なんか、スィートなメロや思いきった展開が気持ちいい、普通にすんごいイイ曲ですねー。ファレル、いい声してるな~。
あとは結構派手めの曲でも、どっか品がイイというか、控えめなのが洗練されてんなーと感じました。これは飽きずに面白く聴けそうです。

あー自分のことばっかりで音楽のこと全然語らずごめんなさい、N.E.R.Dさん。でも私のチョイスは間違ってなかったですよ。ありがとう。これで私の通勤時間にもほんの少し華やかさがプラスされましたよ。









『The Amazing Bud Powell』 Bud Powell

2008年07月01日 | JAZZ
今宵はバド・パウエル。私の20歳前後の第一次ジャズ・ブーム時代に買った、懐かしいアルバム。

私の持っているコレは『コンプリート・アメイジング・バド・パウエル』って20曲入りの日本盤CDなんですけど、全然コンプリートじゃないのですよね。第1集は網羅してありますけど、第2集からは4曲だけ。あとは『ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ』の第1集、第2集からピックアップされていて、1949年の8/8(or 8/9)と1951年の5/1の録音を全部録音順(つまり『アメイジング~』の第1集のコンプリートという意味なのですね)に収録しているんだとか。このCDの悪評読んだことあるな。無粋だって。私もそう思うのでiTunesで普通の第1集、第2集の収録順に並び替えて聴いております。オリジナル通りがいいですよ、やっぱ。でもホントのオリジナルということになると、アルバムの元になった10inch盤の曲順通りに組まなきゃってことになるらしいですけど、ま、そこまでは、いいや(笑)

しかし、バド・パウエル。わかんなかったっすねー。当時。ホントにジャズ聴きたての頃に「名盤!」のうたい文句につられて買ってはみたものの、ロックやポップス漬けの耳には最初「?」だらけで。だから、もうわかるまでずーっと何回も何回もトライして聴き続けておりました。だから曲自体は耳に残っております。

最初、バド・パウエルの何が怖かったって、曲の間中「アァァ~~~☆●△※」と聴こえてくる訳の分からないうめき声。そんなの商品化されているモノから聴こえてくるのが初めての体験だったので、聴いてはイケナイものを聴いてしまったんだ(幽霊系)、私は・・・と思って、ドキーーッ!としてしまいました。とにかく実際はバドがピアノを弾きながらうめいていたわけで。今は逆にこの彼の「バックコーラス」がないと物足りなく感じます(笑)

そして今でもわかるかわかんないか、そこんとこ全然わかんないのだけど、ようやくいいと思えるようになったのはここ最近。
でも、昔からそんな感じで売られもせずに、ずっとウチにいらっしゃるので、勝手に戦友扱いしてます、アメイジング・バドさん。

さらに、最近の第2次ジャズ・ブームの時にバドがサイドメンで入ってるアルバムもいくつか購入して聴いてたり、ということもあって、長い年月をかけて、だんだんバドとの距離感が近づいていっているのでした。サイドで、というのはチャーリー・パーカーの『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』やデクスター・ゴードンの『アワ・マン・イン・パリ』などのアルバム。リーダー作は未だにこれしか持っていません。


で、またちょっと聴いてみようと思ったキッカケは、なぜか今ハマりにハマっているマンガ『ワイルドマウンテン』(レコスケの本秀康さんの連載もの。マジ最高です!)。



淵野辺 銀造(銀ちゃん!私のiPod!)も右下に!


このマンガ、やたらジャズ、しかもブルーノートのオリジナル盤とかホントよく出てきて、そこも私はめちゃウレシイんですが、このマンガの4巻に、主人公のロマンスが始まるキッカケの重要な小道具としてこの『アメイジング・バド・パウエル』の第2集収録の ”Over The Rainbow” が使われているんですよねー。なんともニクイ使われ方で。あとね、バド自身もそのマンガに出てくるんですよね。逸話のシーンでね。
それで、一気にもうぐっと近くなっちゃったんです。バド・パウエルとの距離が。
で、思わず聴きたくなってiTunesに入れた次第なのです。


今の耳で聴くと、結構わかりやすいというか、聴きやすさすら感じて。
少し前までジャズばっか聴いてましたからね。ブルーノートものに集中していたし。
”ウン・ポコ・ロコ”の3連チャンだって怖くない。むしろ楽しい(笑)
アルバム全体に漂っているビバップの香りがオツなんです。

で、一番聴きたかった ”Over The Rainbow” 。"虹の彼方に"。3分弱でアッサリ終わっちゃう小品なんですけど、ぐっとくるのはマンガの余韻のせいでしょうか。なんかバドがぐーっと迫ってくるような迫力と、それでいて切なさも感じてしまう。これ、不思議だなぁ。
だからこそ、何回も聴いて、ずいぶん年月が経った後でも、また同じように何回も聴いて、引き込まれてしまうのでしょうね。
全盛期のバド・パウエルの姿。テンション最高に冴えまくってて、かっこいい。怖いくらい、スゴイ。
"虹の彼方に” はピアノソロなんですが、そんなソロとかピアノトリオで演奏している曲に、やっぱり耳も心も持っていかれがちです。ピアノをじっくり聴くことが出来る曲。”オーニソロジー” とか "パリジャン・ソローフェア" とか "イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー" など。
そういうのは、当時尖りに尖っていた、ということは裏ではドラッグと精神面での不安で苦しんでいた、ヤバイ、バド・パウエルの姿を想像しながら聴くんです。
ピアノ弾いている時だけは、この世の誰よりも真っ当で、そして誰よりも美しい人だったんじゃないかなー、なんて思いながら。
うん、バド、もっと聴いてみよう。
まずは『アメイジング~』の第2集のちゃんとしたヤツが欲しいなぁ。