時事解説「ディストピア」

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パリ同時多発テロの謎

2015-11-21 23:28:55 | 中東
謎というほど大そうな指摘ではないが、気になるので一応。

今回のパリのテロ事件、ベルギー人のイスラム過激派が首謀者とされているのだが、
あくまでこれは容疑のレベルであり、本人が死亡している今、立証するのは難しい。

フランス政府がどういう根拠でそのベルギー人を首謀者と特定したのかもはっきりしない。
警察と応戦中に死亡したということは間違いなく、犯人グループの一人ではあるが、
実際のところ、彼らが誰の差し金で動いたかは、はっきりとしていない。

そもそも、シャルリエブドにせよ今回にせよ犯人は殺害されているので、
詳しい動機もわからない。フランスの空爆の復讐だとされているが、
別に本人が語ったことではなく、目撃者の証言によるものだ。

今回のテロの結果、フランスのシリアへの軍事干渉はますます強まった。
結果的に見れば、約300人の死傷者を犠牲にフランスの軍事侵攻の大義が出来たことになる。

それだけではない。外国人に対する監視体制がより強化されることになり、結果的に、
フランス及びEUの極右陣営の主張(参戦・軍拡・移民排斥)が全面に押し出される形になった。

このような状況を思えば、自演などの陰謀論とまではいかなくとも、
フランス当局がある時点で真実の究明(犯人の捕獲)よりも、ある時点で
自国を右傾化させるための口実として利用する方向へと路線を変えたことは考えられる。


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