アベノミクスは100%正しいと豪語する竹中平蔵氏。
http://toyokeizai.net/articles/-/15884
私はアベノミクスを批判する人間の中に、彼を擁護する人間がいるのを
非常に不可思議な気持ちで受け止めているのですが、まぁそれはさておき。
余斌という人物については、おそらく99%の日本人は「誰?」と言うはず。
ネタばらしをすると、この方は中国の経済学者で、
ポール・サミュエルソンやハイエク、フリードマンなどが主導した
近代経済学・新古典派経済学の批判者として、業界では有名な人です。
先日、彼が書いた資本論の解説書がこぶし書房から出版されました。
『さぁ「資本論」を読んでみよう』・・・直球ですねぇ。
http://www.kobushi-shobo.co.jp/book/b176215.html
本書の最大の特徴は、資本論の入門書でありながら、
最新の中国経済事情をはじめとして、市場主義経済の罠に
警鐘を鳴らし、また、それらシステムを構築させた
近代経済学(経済学部で習う経済学)そのものの批判にあります。
つまり、経済学の入門書でありながら、
現代批判の本でもあるわけです。
まだ、読んでいる最中ですが、非常に面白い。
中国の学者が自国の経済事情をどう受け止めているかを知る上でも、
必読の書ではないでしょうか?すでに台湾研究者の丸川哲史氏が
同書の書評を書いたとか。さもありなんですね。
さて、中国の経済学者が自国の経済の問題を
批判的にとらえているのに対して、竹中氏は
アベノミクスは「理論上は」100%正しいと評価した上で、
実行できるかどうかは疑問という実に彼らしい逃げ口上を述べていました。
ウマいですねぇ。
アベノミクスが成功すれば、「な?俺の言う通りだったろう」で、
失敗すれば、「やはり実行は難しかったか」と言うことができる
…どちらにせよ彼の意見は正しいことになるわけです。
そんな彼が先日、『ハバード経済学入門』という本を翻訳しました。
ハバードとは、ブッシュ政権で経済政策を担当したグレン・ハバードのこと。
彼が提唱するサプライサイド経済は、いわゆる新自由主義経済に属するもので、
同経済の批判者を筆頭に、多くの同業者から否定されているものなのですが、
これを日本の大学生に読ませるために翻訳したわけですよね。竹中先生は。
前から存在した経済格差を目に見えて拡大させた日本の経済学者と、
新自由主義を筆頭とする近代経済学の欺瞞性を暴露する中国人学者。
この違いは一体全体何なんでしょうねぇ…
特に後者に至っては、中国の社会科学の最高学術機関、
中国社会科学院に所属しているわけです。中国の国立大学は、
日本の国立大学と同じではないことは、容易に想像できることでしょう。
つまり、なぜか比較的言論や思想の自由が許されているはずの
日本の大学教授のほうが日本よりはるかに自由が制限されている中国の教授よりも
露骨に体制に迎合し、私利私欲のために職権を濫用している。これは注目すべき事実です。
ところで、アベノミクス礼賛の文章の中に、
スティグリッツも同意見だと述べている箇所があるのですが、
これが本当だとすると、イラク戦争批判で著名な彼も、本質は
同じだったということなんでしょうか…まぁ、思い当たる箇所はあるけれど。
http://toyokeizai.net/articles/-/15884
私はアベノミクスを批判する人間の中に、彼を擁護する人間がいるのを
非常に不可思議な気持ちで受け止めているのですが、まぁそれはさておき。
余斌という人物については、おそらく99%の日本人は「誰?」と言うはず。
ネタばらしをすると、この方は中国の経済学者で、
ポール・サミュエルソンやハイエク、フリードマンなどが主導した
近代経済学・新古典派経済学の批判者として、業界では有名な人です。
先日、彼が書いた資本論の解説書がこぶし書房から出版されました。
『さぁ「資本論」を読んでみよう』・・・直球ですねぇ。
http://www.kobushi-shobo.co.jp/book/b176215.html
本書の最大の特徴は、資本論の入門書でありながら、
最新の中国経済事情をはじめとして、市場主義経済の罠に
警鐘を鳴らし、また、それらシステムを構築させた
近代経済学(経済学部で習う経済学)そのものの批判にあります。
つまり、経済学の入門書でありながら、
現代批判の本でもあるわけです。
まだ、読んでいる最中ですが、非常に面白い。
中国の学者が自国の経済事情をどう受け止めているかを知る上でも、
必読の書ではないでしょうか?すでに台湾研究者の丸川哲史氏が
同書の書評を書いたとか。さもありなんですね。
さて、中国の経済学者が自国の経済の問題を
批判的にとらえているのに対して、竹中氏は
アベノミクスは「理論上は」100%正しいと評価した上で、
実行できるかどうかは疑問という実に彼らしい逃げ口上を述べていました。
ウマいですねぇ。
アベノミクスが成功すれば、「な?俺の言う通りだったろう」で、
失敗すれば、「やはり実行は難しかったか」と言うことができる
…どちらにせよ彼の意見は正しいことになるわけです。
そんな彼が先日、『ハバード経済学入門』という本を翻訳しました。
ハバードとは、ブッシュ政権で経済政策を担当したグレン・ハバードのこと。
彼が提唱するサプライサイド経済は、いわゆる新自由主義経済に属するもので、
同経済の批判者を筆頭に、多くの同業者から否定されているものなのですが、
これを日本の大学生に読ませるために翻訳したわけですよね。竹中先生は。
前から存在した経済格差を目に見えて拡大させた日本の経済学者と、
新自由主義を筆頭とする近代経済学の欺瞞性を暴露する中国人学者。
この違いは一体全体何なんでしょうねぇ…
特に後者に至っては、中国の社会科学の最高学術機関、
中国社会科学院に所属しているわけです。中国の国立大学は、
日本の国立大学と同じではないことは、容易に想像できることでしょう。
つまり、なぜか比較的言論や思想の自由が許されているはずの
日本の大学教授のほうが日本よりはるかに自由が制限されている中国の教授よりも
露骨に体制に迎合し、私利私欲のために職権を濫用している。これは注目すべき事実です。
ところで、アベノミクス礼賛の文章の中に、
スティグリッツも同意見だと述べている箇所があるのですが、
これが本当だとすると、イラク戦争批判で著名な彼も、本質は
同じだったということなんでしょうか…まぁ、思い当たる箇所はあるけれど。