このような弱小ブログの発言を目ざとく探し出し、
炎上をけしかけた自称左翼Mの人間性は大変素晴らしいものだと思えるが、
結果的には、彼の叱咤激励のおかげでアベノミクスの胡散臭さを明らかにすることができた。
例えば、Mはアベノミクスのおかげで雇用は増えたのだと盛んに主張しているが、
雇用自体は、彼が掲げたデータを見ても、アベノミクス実施以前から上昇している。
アベノミクス実施意向、劇的に回復したのなら話はわかるが、そのような事実はない。
最大限、フォローするなら、回復傾向を維持させたのがアベノミクスの手柄と言えるが、
実際には、その間も、実質賃金が連続して減り、家計が圧迫されているのでマイナス面のほうが大きい。
また、正規職の有効求人倍率は未だに1.0を下回っており、増えているのは非正規職ばかりだ。
この点をごまかすため、M雄は「無職よりはマシ。失業よりはマシ」と述べている。
ここからは、正規職から非正規職へとランクダウンして働く壮年労働者の現状、
正規雇用を減らして非正規雇用で補う全体の構造に対する批判を感じとることが全くできない。
とはいえ、それはそれで1つの意見として受け入れられるべきものであるが、
Mの場合、無職よりはマシと語る一方で、雇用規制の緩和には反対だと述べている。
つまり、ある所では非正規職の増加を好意的に述べている一方で、
また、別の場所では非正規職の増加を悲観的に述べている。これは矛盾というより詐欺だ。
大きな失敗の中の小さな成功として評価している、つまり、
「アベノミクス自体は非正規職の増加に歯止めをかけられなかったのだけれども、
それでも失業率を下げたという点では、百歩譲って良かったのではないだろうか」というものならわかるが、
「アベノミクスで失業者は減ったんだ!文句言うな!」というのが彼の主張なので、どうしようもない。
やや重複するが、今の日本の雇用労働情勢の問題の一つは、
非正規から正規へとランクアップするのが大変困難なことと、
正規から非正規へとランクダウンする労働者が増えていることである。
(加えて労働条件が悪すぎて需要が高くても労働力の供給量が追いついていない
介護職や飲食業、私立校教員などの一刻も早く解決されるべき問題がある)
このような実態に触れることもなく、失業者が増えたか・減ったかという
二元論でしか日本経済を語れないのは、かなりレベルが低いように思えるのだが……(汗
まぁ、フリードマンやマンキュー、クルーグマン、サックスなど、
世界的に著名で権威のある一部(と信じたい)の経済学者自体がアレな発言をしているわけで、
経済学で飯を食っているはずの彼があんまりな発言をするのも不思議ではないのだけれど。
それにしても、来年、景気が回復するかもしれないから
アベノミクスの失敗を主張するなと言うMの言葉は不可解極まりない。
小西一雄氏をはじめとして他の経済学者が指摘しているように、
消費税実施以前の2013年度の時点で、アベノミクスは失敗しているのである。
第1の矢である量的緩和はマネーストックの増大に貢献しなかったし、
第2の矢である公共事業の投資もまたしかりである。
有効求人倍率の言説が典型的だが、Mの言説の特徴として、
プラスかマイナスかだけでアベノミクスの成功の可否を論じ、
先述のように、より具体的な社会問題にまで踏み込もうとしない点がある。
(踏み込めば、自説の誤りを認めることになるので当然と言えば当然の姿勢だが)
まぁ、それを自覚した上で、良い面も少しはあるでしょと言うのなら別にかまわないが、
彼の場合、アベノミクスのおかげで景気も雇用も良くなって、
人々が暮らしやすい社会になりつつあるぞーいと喧伝しているので、何ともいえない。
この「成功するまで失敗を語るな」といった主張や、メディアを通じて
お上を擁護する言説を拡散させる行為を見ると、戦前の御用学者を想起させられる。
軍事・外交における日本社会の反動化は以前から問われていることだが、
経済に関しても、同様の傾向があるのではないだろうか?
何十回目の発言か数えていないが、現在の日本の右傾化は左翼の右傾化であり、
中道・リベラル・左翼・マルクス主義を自称する人間が思いっきり保守的な思想を唱えつつある。
こういう抜き足差し足の転向の一つとしてMの言動を位置づけることが出来るのではないだろうか。
ここのサイトが攻撃された理由は量的緩和と規制緩和の言葉を間違えたことにあるが、
それでもアベノミクスに対する評価自体は間違っていなかった。
(例えば、正規職が減り、非正規職が増える構図になっていることなど)
これは大きな事実の中の小さなミスだと思われる。
対して、Mの場合、用語の使い方は間違っていないが、
アベノミクスのおかげで雇用も良くなり、社会がばら色に輝きだしたという
妄想を事実として結論付けているわけだから(それも意図的に)、これは大きなウソだ。
こういう小さなミスにつけこんで、全体をひっくり返し、
大きなウソを浸透させようと画策する動きは、森村誠一氏への右翼の攻撃と全く同じものである。
ついでに言えば、Mの言説は、次に掲げるエコノミストのそれと同一のものだ。
ピケティでアベノミクス批判する残念な人々
アベノミクスの不調の原因を消費税増税に結びつけたり、
失業よりはマシ論を振りかざしたり、はたまたアベノミクスで格差が
改善された論をのたまうなど、なかなかエクセントリックな内容になっている。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-6075.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-09/2015070901_05_1.html
(反証となる記事はこちら)
金融界の立場にいる人がアベノミクスを擁護するのは不思議なことではないが、
中立や左派、リベラル、マルクス主義者などを自称する人間が、
羊頭狗肉の政府支持を行うのは不可解だし、洗脳の手段としては後者のほうが性質が悪い。
経済学における自称左派のネトウヨ化現象。左派からの保守支援。
今のところ、こういう動きは本格化していないが、
小さな所では、少しずつ転向現象は起きているわけで、
案外、あと10年や20年が経ったら、彼らの意見がマジョリティになるのかもしれない。
炎上をけしかけた自称左翼Mの人間性は大変素晴らしいものだと思えるが、
結果的には、彼の叱咤激励のおかげでアベノミクスの胡散臭さを明らかにすることができた。
例えば、Mはアベノミクスのおかげで雇用は増えたのだと盛んに主張しているが、
雇用自体は、彼が掲げたデータを見ても、アベノミクス実施以前から上昇している。
アベノミクス実施意向、劇的に回復したのなら話はわかるが、そのような事実はない。
最大限、フォローするなら、回復傾向を維持させたのがアベノミクスの手柄と言えるが、
実際には、その間も、実質賃金が連続して減り、家計が圧迫されているのでマイナス面のほうが大きい。
また、正規職の有効求人倍率は未だに1.0を下回っており、増えているのは非正規職ばかりだ。
この点をごまかすため、M雄は「無職よりはマシ。失業よりはマシ」と述べている。
ここからは、正規職から非正規職へとランクダウンして働く壮年労働者の現状、
正規雇用を減らして非正規雇用で補う全体の構造に対する批判を感じとることが全くできない。
とはいえ、それはそれで1つの意見として受け入れられるべきものであるが、
Mの場合、無職よりはマシと語る一方で、雇用規制の緩和には反対だと述べている。
つまり、ある所では非正規職の増加を好意的に述べている一方で、
また、別の場所では非正規職の増加を悲観的に述べている。これは矛盾というより詐欺だ。
大きな失敗の中の小さな成功として評価している、つまり、
「アベノミクス自体は非正規職の増加に歯止めをかけられなかったのだけれども、
それでも失業率を下げたという点では、百歩譲って良かったのではないだろうか」というものならわかるが、
「アベノミクスで失業者は減ったんだ!文句言うな!」というのが彼の主張なので、どうしようもない。
やや重複するが、今の日本の雇用労働情勢の問題の一つは、
非正規から正規へとランクアップするのが大変困難なことと、
正規から非正規へとランクダウンする労働者が増えていることである。
(加えて労働条件が悪すぎて需要が高くても労働力の供給量が追いついていない
介護職や飲食業、私立校教員などの一刻も早く解決されるべき問題がある)
このような実態に触れることもなく、失業者が増えたか・減ったかという
二元論でしか日本経済を語れないのは、かなりレベルが低いように思えるのだが……(汗
まぁ、フリードマンやマンキュー、クルーグマン、サックスなど、
世界的に著名で権威のある一部(と信じたい)の経済学者自体がアレな発言をしているわけで、
経済学で飯を食っているはずの彼があんまりな発言をするのも不思議ではないのだけれど。
それにしても、来年、景気が回復するかもしれないから
アベノミクスの失敗を主張するなと言うMの言葉は不可解極まりない。
小西一雄氏をはじめとして他の経済学者が指摘しているように、
消費税実施以前の2013年度の時点で、アベノミクスは失敗しているのである。
第1の矢である量的緩和はマネーストックの増大に貢献しなかったし、
第2の矢である公共事業の投資もまたしかりである。
有効求人倍率の言説が典型的だが、Mの言説の特徴として、
プラスかマイナスかだけでアベノミクスの成功の可否を論じ、
先述のように、より具体的な社会問題にまで踏み込もうとしない点がある。
(踏み込めば、自説の誤りを認めることになるので当然と言えば当然の姿勢だが)
まぁ、それを自覚した上で、良い面も少しはあるでしょと言うのなら別にかまわないが、
彼の場合、アベノミクスのおかげで景気も雇用も良くなって、
人々が暮らしやすい社会になりつつあるぞーいと喧伝しているので、何ともいえない。
この「成功するまで失敗を語るな」といった主張や、メディアを通じて
お上を擁護する言説を拡散させる行為を見ると、戦前の御用学者を想起させられる。
軍事・外交における日本社会の反動化は以前から問われていることだが、
経済に関しても、同様の傾向があるのではないだろうか?
何十回目の発言か数えていないが、現在の日本の右傾化は左翼の右傾化であり、
中道・リベラル・左翼・マルクス主義を自称する人間が思いっきり保守的な思想を唱えつつある。
こういう抜き足差し足の転向の一つとしてMの言動を位置づけることが出来るのではないだろうか。
ここのサイトが攻撃された理由は量的緩和と規制緩和の言葉を間違えたことにあるが、
それでもアベノミクスに対する評価自体は間違っていなかった。
(例えば、正規職が減り、非正規職が増える構図になっていることなど)
これは大きな事実の中の小さなミスだと思われる。
対して、Mの場合、用語の使い方は間違っていないが、
アベノミクスのおかげで雇用も良くなり、社会がばら色に輝きだしたという
妄想を事実として結論付けているわけだから(それも意図的に)、これは大きなウソだ。
こういう小さなミスにつけこんで、全体をひっくり返し、
大きなウソを浸透させようと画策する動きは、森村誠一氏への右翼の攻撃と全く同じものである。
ついでに言えば、Mの言説は、次に掲げるエコノミストのそれと同一のものだ。
ピケティでアベノミクス批判する残念な人々
アベノミクスの不調の原因を消費税増税に結びつけたり、
失業よりはマシ論を振りかざしたり、はたまたアベノミクスで格差が
改善された論をのたまうなど、なかなかエクセントリックな内容になっている。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-6075.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-09/2015070901_05_1.html
(反証となる記事はこちら)
金融界の立場にいる人がアベノミクスを擁護するのは不思議なことではないが、
中立や左派、リベラル、マルクス主義者などを自称する人間が、
羊頭狗肉の政府支持を行うのは不可解だし、洗脳の手段としては後者のほうが性質が悪い。
経済学における自称左派のネトウヨ化現象。左派からの保守支援。
今のところ、こういう動きは本格化していないが、
小さな所では、少しずつ転向現象は起きているわけで、
案外、あと10年や20年が経ったら、彼らの意見がマジョリティになるのかもしれない。