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こんにちは江崎遊子です。

ちょっと言ってもいいですか。

旦那の世界。

2023年10月22日 | 日記
ブログ「娘の世界」で自分の映画に対する思い込みや体験など書いたけれど、
文脈としてはこっちに続く感じである。
最近は映画に対する関心が薄れているけれど、映画の見方にはこだわりがある。
まず一人で見る事。映画によってはみんなで見られる映画もあるけれど、基本一人がいい。途中寝ない。映画1本作るのにどれだけの人が関わって時間を費やしていることか。つい姿勢を正すのである。
自分の五感や感性が少々ショボくても、集中して、映画から引っかかってくる物を受け止める。それが自分だけの感想である。
最近、旦那は版画の制作をしていて、頭を休めるように映画を観ている。本当のところは分からないけど、そん感じがする。しかも、本を読む時みたいに、物語の流れや文脈を把握したいらしくて、鑑賞している途中で巻き戻しをする。そうなると、私など白けてしまうので、旦那と映画を一緒に観たくない。
それでも、一緒にみようやと言う事があり、「巻き戻しなしでお願い」と断っておく。こんな時、しばらくすると、寝息が聞こえてきて、見ると旦那は寝ている。映画が見たかった訳ではないけど、習性でしっかり最後まで寝ることもなく見てしまう。我が家の日常の風景である。
大きいテレビも買ったし、映画鑑賞にもってこいだけれど、映画より畑仕事だし、なんか忙しくて、気持ちが映画に向かない。「RRR」をフットワーク軽く見に行ったのは、寺の息子たちやうちの息子が珍しく興奮して絶賛するので早速出かけたのである。「スターウォーズ」の新作を見にって以来である。フットワークが軽いのは、若い頃の経験が大きいと思う。何せ、一人でも行きますから。
「RRR」を WOWOWで放映してくれて、その時、インド映画特集があり、「バーフバリ」や「マッキー」など録画して、この冬は与呂見村でインド映画が席巻するかも。しかし、インド映画ばかり見ていると、重厚で暗い映画も見たくなるかもね。そこは韓国映画かなあ。娘から情報を得ておこう。

娘の世界。

2023年10月19日 | 日記
映画に関しては、過去の栄光かもしれないけれど、私なりのプライドがある。
映画の世界にハマったのは中学生の頃だった。テレビの深夜放送でハリウッド全盛のミュージカル映画が放送されていて、フレッドアステアのファンになった。映画館が好きだった。暗い空間に広がる目眩く西洋の明るい映像。確かに私たちはアメリカナイズされていた。
一旦映画が好きになると、雑誌「スター」を買い、スーパースターに憧れた。
ソフィアローレンの深い二重に憧れて、セロテープを三日月に切って上の瞼に貼り、二重になるかもしれないと努力もした。
少し歳を重ねると、雑誌は「キネマ旬報」に変わり、イタリアンネオリアリズムなどと言い出し、ルキノビスコンティという監督にハマり、いつの間にか見るべき映画が沢山あった。映画館の時代は、一つのロードショー映画を見逃すと、当分見ることができなくなる。
そういう緊張感を持って映画を見ていた気がする。今のように、テレビで繰り返し見るなどということはない。何度も見たい場合は、映画館に居座った。現在のように入れ替えはなく、何度も見られた。田舎の大映系の映画館に小林正樹監督の「切腹」が上映されたので、自転車に乗って観に行った。観客はマバラだった。しかし、知恵遅れっぽい青年がうーと小声で唸りながら会場をクルクル回っていて、集中できなかった。ある意味平和な時代だった。結局集中できなくて、40代になってテレビで鑑賞することができた。戦国時代が終わって、武士の収入がなくなった時代の悲劇だった。小林正樹のような監督は今の時代、出てこない。なんて言うか、映画を観てください、分かるから。
田舎から東京に出てきてからは、3本立てなんていう嬉しい機会にも恵まれ、
戦艦ポチョムキン、とか映画ファンが見るべき映画を観て歩いた。しかし、映画好きな友達がいなくて、いつも一人で見に行った。がしかし、若い女性が一人で観に行くと、痴漢に狙われた。特に安くて3本立て映画館とかは痴漢が多かった。時に男装して観に行ったこともある。邪魔されたくない。
スウエーデンの監督のイングマルベルイマンとかインドのサタジットレイ監督大地3部作とか観て歩いた。私なりに理解したんだと思う。今のインド映画とは違って踊りも歌もなかったけど、大地3部作は面白く観た。上映は岩波ホールだった。
こう言った話はキリがない。私の歴史です。
私と娘は寺の長男にサブカル親子と言われている。娘も映画は好きだけど、見事に好みは違う。落語も好きらしいが、好きな噺家も全く違うから面白い。
彼女の世界は時代もあるし、幅広くてついていけないかも。
ところが面白い事があった。以前、まだ娘が家にいた頃、私はオーストラリアのロックグループ「メンアットワーク」にハマり、家でガンガンCDをかけていた。散歩にもウォークマンで聴きながら、犬と歩いていた。
それが少し前、何かでたまたま娘はメンアットワークの曲を聴き、ビビーンと来たらしい。少し時間が経って、母親が以前ガンガン掛けていたのを思い出したらしい。わずかな共感がある事が嬉しかった。お互い譲らない自分だけの世界を持っている。人がなんと言おうが好きな世界である。
先日、娘からこれ聞いてみて、とメッセンジャーでユーチューブの動画が送られてきた。それが練馬のビヨンセと言われるチャンミナの「ハレンチ」と「美人」という曲だった。全く知らなかったので強烈なインパクトを受けた。胸ぐらを掴まれたような衝撃だった。びっくりした。娘がそれを送ってきて、私が反応したことは嬉しい事である。ついつい好きなことがマニアックな世界だったりする事が多い私ですが、ピンポイントで見抜かれていたなんて。
あれから毎日「ハレンチ」聞いて元気もらってる。


長い電話。

2023年10月18日 | 日記
去年だったか、久しく会ってない友達から電話があった。
どうしたんだろう、と思った。彼には私より近しい友人がいて、
私の所に電話かけてきたので驚いた。ともかく古い付き合いである。
どう言った心境かは分からない。
電話は長かった。どーも、お互いアホという認識があったのかもしれない。
彼は面白い人物だけれど、身内から見ると「困ったちゃん」なのである。
息子がもらったオブジェがある。鋳物を自分で作ったものだ。
若い頃は廃品の回収のような仕事をしていて、廃品から何かを作っていた。
それは、アートと言っても良いような作品だった。

電話の内容は主に、息子の結婚式に出させてもらえなかったことに関する愚痴だった。
愉快な人物で、お酒の場で様々な事件も起こしており、息子のお嫁さん側の
親族に配慮しての決断で、結婚式に出さないことになったみたいだ。
多分、周囲が想像するより遥かに悔しかったのだろうと思った。
かなり昔になるけれど、村の仲間と彼の家を訪問し、その時、大事そうにあんこう鍋を作っていて、私と仲間はちょうど良い、とばかりにさっさと頂いた。
そのあんこう鍋はとても美味しかった。モツ煮とかも上手だったなあ。お酒の当ては自分で作るタイプだった。
今朝、彼の妻から連絡があった。6時55分だったそうだ。ちゃんとお別れができたらしい。
あの時の電話の内容はよく覚えていない。ただ、行きがかり上、あなたのお葬式には行くからね。と力説した。自分は長生きするつもりなのが笑える。
彼は結核を患い、その後回復したものの、少し前に肺に大きな穴が空いてるとかで入院していた。
あの時の長電話で「お前良い女だな」と言ってくれた。しわくちゃの婆さんに彼はそう言ったのだ。良い女って、言われてもなあ、と思った。
彼の死を聞いて、色々思い出すこともある。
婆さんだけど、生きてる間、良い女で行くからね。良い女が正直どんなもんかよくわからないけど、婆さん風良い女目指そうと思った。
さようなら、お疲れさんでした。


急にきた読書シーズン。

2023年10月06日 | 日記
メジャーではないと思うけど、米粒写経という漫才コンビご存知だろうか。サンキュータツオと居島一平という私の好きな芸人です。
サンキュータツオ氏は芸人で大学講師で辞書の監修にも参加し、私の大好きな「東京ポッド許可曲」という深夜の TBSのラジオ番組のメンバーであり、アニメやNBAにも精通し、しかし、その世界はマニアックでもある。もう一人居島一平氏はなんと評したら良いのか分からない得意な芸風を持ち、最近はあちこちの番組に出ているらしい。YouTubeで「米粒写経談話室」という月一の番組がある。ほとほと感心するのはその中で、古本屋を巡るコーナーがあり、そこで手にする古本に関するメチャクチャな知識と常人とは思えない教養にいつもビックリする。先月だったか、そこで紹介されていた本を買った。この冬も時代小説が読みたいと思っている。そこで初体験の山田風太郎の本が紹介されていたのでネットの古本屋で買ってみた。もう一つは旦那がハマった北方謙三が文学からエンタメにシフトした最初のハードボイルド小説と紹介されていたのでこれも買った。

注文しているけれど、まだ届かない「南無殺生3万人」天の巻を読んでから入ろうと思っている、山田風太郎自身が自著の最高傑作と言っている「警視庁草子」上下巻も手に入れた。
北方謙三の「弔鐘はるかなり」は一気に読んだ。うーん力入ってる。でも、私が読みたかった本ではない。北方謙三は旦那が「三国志」「水滸伝」「楊令伝」とハマったので、その時「三国志」だけは読んだ。一気に読ませる筆致は何年もかけて書いたと思うけれど、読む方は一気呵成に読めた。
山田風太郎初体験はアッラーの連続で、淫汁というのか、常に美しい女人が登場し、錆びついた下半身に少なからず刺激があった。レディの読む本では無い(?)と言いながら、これも一気に読んだ。山田風太郎は今は亡きうちのおばあちゃんと2歳違いで、大正11年生まれで、男性社会そのもの。
しかし、どうしてそこまで美しい女性が好きなんだろう。良い女って、顔じゃ無いと思うけどね。ヒガミか?
読んでみて思ったけど、山田風太郎という名前も面白いけど、語り口が好きだと思った。面白そうに書いてる感じなんだ。肩が凝らない感じかなあ。フィクションだけど、実在の人物の名前も出てきたりして、そこも魅力の一つかも。
このところ雨の日も多く、そんな時は老眼鏡かけて本に没頭。晴耕雨読ですね。
悪しからず。


誰もいない海。

2023年09月14日 | 日記
9月1日、なんとかして輪島の袖が浜海水浴場に行って海に浸かった。
我らばば二人、ともかく海に浸からなければ夏は終わらない。

海は波1メートルと予報には書かれていた。行ってみて、ほんと大丈夫だった。
夏休みも終わり、本当に誰もいなかった。
貸切である。ただ、二人で浮き輪にハマりプカーンと浮いていた。
70過ぎのおばさん二人。
何が贅沢かわからないよね。とかなり自己満足の二人であった。
我らにはハワイは要らない。グレートバリアリーフも要らない。
海があれば良いのだった。
夕方、青空が広がった。
ただそれだけで、良かった。これで夏はおわれる。我ら二人の儀式かもしれない。
恥ずかしながら、私です。
ほんじゃあ。