おばあちゃんの名誉の為に書くのをやめるべきか、
名誉の為に書くべきか、迷ったけれど、
もはやおばあちゃんは童女の域であると言う事で書く事にしました。
先日も、いつものようにお風呂にお供した。
庫裏の玄関に着いた所で、長靴を履いたまま、
「うんこがでちゃった」と言った。
「う!」
「帰ろうか」
「いや、お風呂で洗おう」
わたしは、ズボンを脱いで、次はスボン下を脱いで、と一枚ずつ脱がし
おばあちゃんを風呂場に入れて、紙おむつをビニール袋に入れて、ぎゅっと縛った。
見ると、湯船のお湯がまっさらだった。
ボディシャンプーをタオルに付けて、体全体をごしごし洗った。
皆に申しわけないなあ、と思いつつ、石けんを洗い流して
おばあちゃんを湯船に入れた。
久々、足までよく見えるお湯である。
A子女史がお湯を変えてくれたのだ。
おばあちゃんは脱衣場で着替えながら、ウンコクサイ、と言った。
ばあちゃんのでしょ、と思ったけど口にしなかった。
大変と言えば、大変かもしれないが、犬猫と付き合っている所為かな、
どってことないのである。
家に戻って紙おむつは燃やした。
その日、夕方になって夕飯の支度をしている時だった。
おばあちゃんがわたしの後に立っていた。
「今日、付き添ってくれたのは、あんただろ」
「そうだよ」
するとおばあちゃんはまず「ごめんよう」と言った。
そして頭を下げて「ありがとうございました」と言った。
わたしは、うっときた。
「なんも、どってことないよ」
おばあちゃんは気にしていたんだ、と思った。
まだしっかりしてるわ。
人に謝るのって、案外難しい。ましてや、お礼だって中々真面目に言えなかったりする。
わたしは参った。
おばあちゃんを見習おう、と心底思った。
可愛い年寄りになりたいな。空気が和む、と思った。