昨日、アオリイカ釣りに出かけた旦那と息子が、釣果は小さいのが一杯だけだったけど、
代わりに、赤トラの子猫を拾って来た。
恐らく、生後2ヶ月くらいだと思う。
すでにいる、2歳の雄猫アーサーのマーキングの臭いに頭悩ましているし、雄猫は要らない,と言っていた。
アーサーは今までの飼い猫とはちょっと違っていた。完璧な野良の子猫で、これも旦那が山口県から拾って来た。
家猫は人なつこいし、誰の膝にも乗って来る。ところが,アーサーは何が関係性を決定づけたか、私だけになついた。
「俺が命の恩人だろ」と言っても,旦那になつかない。
猫は木版画の題材にもなるし、かっての猫たちもモデルになっている。そう言う意味でも
アーサーはモデルになりにくいものがあった。
赤トラの場合、うちでは「太郎」と決まっている。
横浜時代、お世話になった詩人の北村太郎氏から来ている。
私達が出会った頃、北村さんは中区山下町のアパートに住んでおり、
うちの人はよく,そのアパートに遊びに行った。
北村さんは猫好きで、山下町には野良猫がいっぱいいて、遊ぶのに事欠かなかったらしい。
北村さんが言うには、赤トラには顕著な性格があり、ふざけている、と言うのが特徴とか。
しかも,猫らしくなく、犬風だと言うのだ。
横浜で、北村さんの影響もあって、赤トラを飼ったことがある。
その時、ふざけていると言う性格を目の当りにした。
赤トラはともすると,顔が貧相で、私達が飼った赤トラは歴史の教科書に載っている秀吉に似ていた。
自然、名前も秀吉になったけれど、ある日、家の前をいつも通る女学生に、犬のようについて行った。
田舎に引っ越してからも2匹の赤トラを飼ったけれど、一匹は強い雄猫に追い出され、
もう一匹は尿道結石で亡くなった。
昨日、陽の当たる道路に半分疲れ果てて寝ている赤トラに出会ったのは、
運命だと言うのだ。そうまで言われたら仕方ない。
子猫は文句無く可愛いし、アーサーにとってもいいかもしれない。
家の周囲には、強い野良猫もいるし、秋田犬の雌も放し飼いにしている。
ここで,生きて行くのも,中々大変なのである。木登りが上手でなければならない。
面倒な事は避けたい,と思っているけれど、中々思うように行きませんね。