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こんにちは江崎遊子です。

ちょっと言ってもいいですか。

ドラマ項羽と劉邦。

2018年02月15日 | お山の映画館

 旦那がある日、WOWOWで朝の6時頃から『項羽と劉邦』を放送しているのを見つけた。
 流石中国と思ったのは、全80話という厖大さだ。
 旦那が気付いた時、35話まで進んでいたものの、この冬、このドラマにはまった。
 昼ご飯の後にみるのであるが、一時間があっと言う間に終わってしまう面白さだ。
 しかも,総制作費35億円とは。スケールの大きさに唖然。
 
 中国では京劇でも人気の出し物だし、多分中国の人の好きな歴史ものだと思う。
 驚いたのは、この時、日本は弥生時代だったということ。
 日本は韓国や中国からみたら,島国の蛮族みたいに思われていたに違いない。
 新井白石が朝鮮通信使が来日した時、「彼我対等」という思いを強く持って
 奮闘したと、小説で読んだ。
 韓国の人たちが日本に対して抱く思いは、歴史的な観点からみないと、間違ってしまう。
 それにしても、中国という国の大きさに魅了された。
 兵馬俑のスケールの大きさしかり。

 
 劉邦という人物の面白さがよく描かれている。
 色好みで戦いに弱く、命からがら逃げる事も度々。
 あろうことか、自分が逃げる時娘を足蹴にしてまでしてしまう人物だ。
 分からないのは、そういう人物なのに3賢人が劉邦を盛り上げて行く。
 3賢人とは蕭何、張良、韓信である。
 
 劉邦は年配で隣に居るのが蕭何。
 劉邦を演じたのはチェンジャオミンという俳優だったと思う。中々覚えられない。
 戦法に突出した韓信がまた面白い。
 
 脚本がよく出来ている。
 時々漢文が出て来るし、中国語覚えようかしら、なんて思った。
 ダワ、というのが王様という意味でヤホウというのを漢字にすると亜父だ。
 長々と見てきて覚えたのはこの二文字だけ。
 項羽を演じたのはアメリカ生まれで台湾育ちのピーターホーという俳優。
 これがまたカッコいい。
 項羽はかなり若いみたいだ。
 
 項羽と虞姫の物語が美しい愛の物語として色を添える。
 虞姫が生き延びろという項羽の言葉を遮って自害し、筏に屍を乗せて、長江の支流かどこかの川に流す。
 美しい人は最後まで美しい。
 旦那など虞姫(グキ)がでてくる度に美しいと溜め息をもらしていた。
 その他にも、劉邦を取り巻く女性陣も美しいよ。

 昨日、とうとう項羽が死に、いよいよ今日で第80話となる。
 項羽が滅んで、前漢の時代になる。

 長い闘いの歴史のたったひとつのお話に過ぎない。そう思うと気が遠くなる。
 このドラマを作った監督は『3国史』もドラマにしたらしい。
 34話も見逃してしまったけれど、再放送があれば嬉しいなあ。
 それに『3国史』も放送して欲しいなあ。
 CGではない戦闘シーンの迫力がまた凄い。個人的には余り要らないけれど、
 馬が走る迫力のシーンなど、黒沢映画を思い出す。

 今日で終わりとは、寂しいかもしれない。
 ほんとにほんとに面白かったです。
 
 

韓国映画『戦場のメロディ』

2018年02月12日 | お山の映画館

 先日帰省していた娘のチョイス映画がいくつかある。
 この『戦場のメロディ』もそのひとつ。
 
 先に観ていた旦那が絶賛するので、昨日夕飯前にみた。

 実は戦争映画は見たくないのである。
 友だちに勧められたアニメ『この世界の片隅に』をみた時、
 歴史的事実が背後にあることもあって、
 初めから、目頭が熱くなり、ずっと泣きっぱなしだった。
 反戦を詠う映画は沢山ある。
 しかし、現実的には世界上で戦争が無くならない。
 人間の愚かさ(わたしも含め)に希望が持てないでいる。
 戦争映画を見る度に悲しさは増すばかりだ。

 『戦場のメロディ』というタイトルに尻込みするけれど
 朝鮮戦争時代の話だった。
 あの時、日本は軍需景気で儲かったのである。
 戦争の裏には,大概経済の問題が隠れている。

 しかし、この映画が見られたのは主人公の青年がイケメンであるし
 人格的にわたしの理想に近いものがあったからだ。
 
 もうひとつこの映画の中心になる、親を失った孤児の兄弟がいる。
 これがまた,演技がうまいし可愛いし、泣けました。
 
 お父さんは戦争の犠牲になって殺されてしまう。
 戦争は,理不尽さの連続だ。
 どうあれ、世界が平和である事を願うばかりだ。

『幸せなひとりぼっち』

2018年02月08日 | お山の映画館

 沢山ある映画の中から、いい映画に出会うのは難しい。 
 わたしなんか幸せという言葉が苦手かも知れない。
 でも、ずっと「幸せとはなんぞや」と考えていたような気がする。

 その日、見る映画がなくて、WOWOWの番組表を見たら、
 『幸せなひとりぼっち』という映画が放送される事が分かった。
 スェーデンで3番目の大ヒット映画とか。
 しかもどんな作家か知らないけれど、原作がある。
 
 原作者はフレドリックバックマンとか。監督はハンネスホルム。
 今は亡き主人公の奥さんが素敵だ。笑顔が絶品。
 
 お隣に越して来る移民一家が面白い。
 
 このあたり、ナショナリズムに傾いている今の世界情勢にチクリと針を刺す。

 物語は、主人公が自殺をしようという所から始まる。
 これから見る人の為にこれ以上は言わない。

 生きるとはどう言う事か、幸せとはどういうことか。
 その先に死がある事も含め、シャープな目線で語られて行く。
 見終わってから,涙がとまらなかった。
 お薦めです。

ファンタスティック・ビースと魔法使いの旅

2018年02月05日 | お山の映画館

 近頃、とんと映画の情報をキャッチするアンテナが錆び付いているものの
 ファンタジーが好きなので、WOWOWの番組の中からファンタジーはチェックする。
 で、あらら、となった。
 
 なんとハリーポッターの作者が書いた英国御用達みたいなファンタジーだった。
 この先、全5作品まで作るとか。
 彼の持っているボストンバックが不思議の国の入り口みたいだ。
 英国から持ち込んでは行けない魔法の動物たちを連れて主人公のニュートがアメリカにやって来た。
 
 しかし、物語の中に潜む強大な魔法使いと人間との戦いもあるけれど、
 ニュートが育てている魔法の生き物が可愛い。
 
 
 
 このカモノハシみたいな動物が暴れて大騒ぎ。ともかく光り物が好きでお金に目がない。
 宝石店にも侵入する。お腹に山盛りの硬貨や宝石が入っている。
 いいなあ,魔法使いになりたいと思うのは魔法で壊れたお店を棒を振り回すだけで元ドーリになることだ。
 魔法使い学校があったら、わたしも入りたい。
 この俳優が出て来るだけで、画面が緩む。
 
 こういう俳優好きだな。驚いたのは強大な魔法使いが最後に捕まえられるのだけど
 そのワンシーンだけにジョニーデップが魔法使いに扮して出て来る。なんという贅沢さ。
 それにしても、俳優として躓いた感が否めないコリンファレル君。精彩がなかった。
 ちょっと出るだけで、存在感が光るジョニーデップには参るね。
 

『お父さんと伊藤さん』

2017年12月09日 | お山の映画館

 久々、映画をしっかり観た。
 厖大なWOWOWの上映映画の中から名作を見つけるのは難しい。
 特に,最近は映画に対するチェックを全くしていないと言えるので情報がない。 
 しかし、『スターウォーズ』は映画館に観に行くかも。だって宣伝が派手だもの。
 誰だって、もうすぐロードショーだって気が付くよ。

 今回の『お父さんと伊藤さん』はお気に入りの女優、上野樹里で選んだ。
 いやはや、これが大当たり。
 黒沢久子の脚本がいい、と思った。
 それに,やっぱりね、原作本があるんだもん。これこれ。中沢日菜子作。
 わたしは、脚本が気になるタイプで、自分流リアリズムから外れると、映画をみながら白けてしまう。

 最近、日本の女流監督がいいなあ。
 タナダユキさんの事も勉強不足で知らなかったけど、私の中で『お父さんと伊藤さん』は珠玉の映画の一つに入るかも。
 誰もいない部屋の描写があって、もう一度みてみないと分からないけど
 監督が意図する所が分からなかった。私がただぼんやりしていたのだろうか。
 乾いたリアリズム、ってもしかして女性監督の特権か。

 お父さんが介護付き老人フォームに入る為に娘と伊藤さんのアパートから去って行く場面で
 伊藤さんが「オレは逃げないから」といって彩と顔を会わせる場面が凄く好き。
 あの描写にやられました。
 超私好み。お薦めです。
 
 それと,分からない事を明確に言葉にしない所が、日本流温かさと思っていて、
 曖昧さを容認してくれる優しさを感じた。日本映画はいいなあ、と思えたのでした。