旦那がある日、WOWOWで朝の6時頃から『項羽と劉邦』を放送しているのを見つけた。
流石中国と思ったのは、全80話という厖大さだ。
旦那が気付いた時、35話まで進んでいたものの、この冬、このドラマにはまった。
昼ご飯の後にみるのであるが、一時間があっと言う間に終わってしまう面白さだ。
しかも,総制作費35億円とは。スケールの大きさに唖然。
中国では京劇でも人気の出し物だし、多分中国の人の好きな歴史ものだと思う。
驚いたのは、この時、日本は弥生時代だったということ。
日本は韓国や中国からみたら,島国の蛮族みたいに思われていたに違いない。
新井白石が朝鮮通信使が来日した時、「彼我対等」という思いを強く持って
奮闘したと、小説で読んだ。
韓国の人たちが日本に対して抱く思いは、歴史的な観点からみないと、間違ってしまう。
それにしても、中国という国の大きさに魅了された。
兵馬俑のスケールの大きさしかり。

劉邦という人物の面白さがよく描かれている。
色好みで戦いに弱く、命からがら逃げる事も度々。
あろうことか、自分が逃げる時娘を足蹴にしてまでしてしまう人物だ。
分からないのは、そういう人物なのに3賢人が劉邦を盛り上げて行く。
3賢人とは蕭何、張良、韓信である。

劉邦は年配で隣に居るのが蕭何。
劉邦を演じたのはチェンジャオミンという俳優だったと思う。中々覚えられない。
戦法に突出した韓信がまた面白い。

脚本がよく出来ている。
時々漢文が出て来るし、中国語覚えようかしら、なんて思った。
ダワ、というのが王様という意味でヤホウというのを漢字にすると亜父だ。
長々と見てきて覚えたのはこの二文字だけ。
項羽を演じたのはアメリカ生まれで台湾育ちのピーターホーという俳優。
これがまたカッコいい。
項羽はかなり若いみたいだ。

項羽と虞姫の物語が美しい愛の物語として色を添える。
虞姫が生き延びろという項羽の言葉を遮って自害し、筏に屍を乗せて、長江の支流かどこかの川に流す。
美しい人は最後まで美しい。
旦那など虞姫(グキ)がでてくる度に美しいと溜め息をもらしていた。
その他にも、劉邦を取り巻く女性陣も美しいよ。
昨日、とうとう項羽が死に、いよいよ今日で第80話となる。
項羽が滅んで、前漢の時代になる。
長い闘いの歴史のたったひとつのお話に過ぎない。そう思うと気が遠くなる。
このドラマを作った監督は『3国史』もドラマにしたらしい。
34話も見逃してしまったけれど、再放送があれば嬉しいなあ。
それに『3国史』も放送して欲しいなあ。
CGではない戦闘シーンの迫力がまた凄い。個人的には余り要らないけれど、
馬が走る迫力のシーンなど、黒沢映画を思い出す。
今日で終わりとは、寂しいかもしれない。
ほんとにほんとに面白かったです。