アルツ・ジェンギンス夫婦の記録

重症アルツで亡くなった父の記録と現在100歳の母と高齢者みるきーの記録。

歌が止まらない

2004-12-22 16:10:00 | 介護
12/22 歌が止まらない
今朝、階下へ降りていくとジェンギンスはまだ寝ていた。どうやら、夜中に起きて入れ歯を探していららしい、寝つきも悪かったようだ。
入れ歯は、湯のみ茶碗の中に入れてあった。

前日グラマリールを飲ませて歌を鎮めさせようと思ったのだけれど、やっぱ、薬飲むと状態は良くないよな。 グラマリールで歌を鎮めることは不可能だということがわかってきた。 効果なし。

まだ朝食が準備されていなかったので、わたしがやわらかい目玉焼きサンドを作った。
いつも、硬くなったトーストなのでおいしく食べてもらえたと思う。
40年続いているスーザンのトーストはたいそう飽きられていて二人ともほぼ残すんだけれど、このメニューは変更できないらしい。
今日の柔らかサンドは、3人で一斤食べてしまった。 いつもの2倍だ。 粉の良く解けているココアもおいしかったことだろう。

さて、ジェンは朝食準備している間に一人で起きた。 一人でトイレに行った。そして、コタツにパジャマのまま座っている。
そのまま、朝食にした。
かれは、歌っていない!!ぼ==っとしてる。
朝食中もボ==っとしながら食べている。
サンドイッチは、ばらばらでたべるので私が、いちいち、持ち方を指導して食べた。
6枚切りのパンは厚くて食べにくかっただろうな。

朝食が済むと、ジェンの脳は起きた。
だって、歌が始まったんだ。
心なしか、力が弱いが、歌ってる。

デイサ^ビスはスーザンがバスで連れて行った。
そこで、所長と話をしてきたらしい。
パズルを一生懸命しているらしい。
家族で楽しむゲームも喜ぶらしい。
歌は歌ってもいいといわれたらしい。

そして、夜、ジェンの大好きなチョコパンと私が夕飯を食べていたのだが、じぇんは、チョコパンの名前を言える。 そしてついでに私の名前も言える。
チョコパンだけは忘れていないらしい。
チョコパンが帰国したてに一緒に歌を歌ったことを覚えているんだろうか?
うたいながら、一緒に歌おうと誘っている。
チョコパンを見ながら一生懸命歌っている。
そして、チョコパンは、帰国して10日たつけど、すっかりジェンを無視してテレビを見て笑っている。
・:・・そうそう、こうでなきゃアルツとは付き合えないのだよ、スーザン!
いちいち、まともに対応してたら身がもたないのだが、まともにジェンに話しかけて会話をしようとしているスーザンも恐ろしい。

夕食の間ジェンは歌っていた。
いつもの軍歌だけじゃなく、童謡から何から何まで歌ってる。 やや、いつもより弱く歌ってる。
顔つきは、普通。元気ないくらいだ。

片つけていたら、ゆっくりしてけよ と言ってくれた。

明日は、休みだ、ノンビリできる。

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今日のアルツ

2004-12-21 16:11:04 | 介護

12/21 今日のアルツ
朝、階下へ降りていったらまだ歌っていた。

興奮を鎮めるグラマリールを飲ませて寝たんだけど、
歌には効果がないらしい。

スーザンはグラマリールが効くと言っているけど、スーザンは、すべて自分の思いたいように物事を判断するので信用はできない。
夜中に何回かおきているのに、よく寝たとか、寝つきが悪かったのにすぐ寝息が聞こえたとか言うんだ。

デイサービスのお迎えが来る前にいつも苦労してトイレに誘うんだけれど、今日言ってみたら
『 何も人に言われることはない! 行きたければ自分で行くんだから』と言い放った。

ほっておいた。

時間になって外へ連れ出す。
どこへ行くのかと何度も聞く。
デイサービスだと言ったら不安がって質問がたくさん出るから言っちゃだめだと思うんだけど、スーザンは毎朝言ってジェンを混乱させる。

外で車を待っていたら、ジェンがトイレだといって戻ってきた。 あきれた。 
結局数分車を待たせてしまった。

ジェンは、デイサービスでも歌っているんだろうな。

細かい行動はぜんぜんわからない。
いつか、連絡ノートに書きたいと思っているけれど
スーザンと意見が合わなくてノートは私の管理下にないのだ。

私が仕事をしているためジェンが4時に帰宅するころの様子はわからない。
よる7時半は歌っていた。
新曲もドジドジ出てくる。
すごい。
歌を歌う人ではなかったし、テープもカラオケも聴いたことのない人だった。宴会も行かない人だった。 なのに、どうやって歌謡曲とか歌えるんだろ。

音感いいし、リズム感いいし、表現力あるし、ジェンがしゃべらないで歌わないとき口でスースー音を出しているけれど、絶対あれはリズムだと思う。

ひとは、常に音楽を奏でているんだろうか?
ひとの脳の構造を知らないから疑問なんだけど
わたしは、つねに、音楽が頭の中に流れている。
自分では調節していないんだけれど何かの音楽が流れている。 今はこの音楽か・・・と感心することもアル。
ジェンも、きっと私と同じで音楽が流れているんだ。 だから口からリズムがこぼれてるんだ。
私がぼけて歌を歌うとしたら階名で歌うんだ。
迷惑きわまりないけど、たぶん関心されるよ。
感心されるより、すべての音が階名で聞こえてしまう苦しみをひとはわかってくれるだろうか。
。。。歌うころにはこの苦しみをきっと、何回もしつこく話しているだろうな。一生の人生の苦しみだからな。

それで、私が夕飯を食べてにぎやかなテレビを見ていたら、歌が止まっていた。
さっきまで歌っていたんだけど・・・
スーザンたら、今日はおとなしい、薬のせいだといってたけど、そんなこたぁない。

グラマリールをテーブルの上において退散してきた。 テーブルの上を片付けていたからどうしたかな。 ティッシュの箱が何だかわからなくて毎日眺めている、『 どれも穴が開いてるね』 といっていた。

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アルツ症状か?

2004-12-20 00:51:40 | 介護
12/20 アルツ症状なのか?ひどい症状が続いている。

もう10日以上歌い続けているんだ。

いい加減うるさい。
部屋に閉じ込めてしまいたくなるほどうるさい。

それも、いい気分で大声で、人に聞かせようとして上手く歌っているんだ。

それが、10日間、寝ても覚めても歌っているんだからうんざりしてきた。

一昨日、介護保険の見直しでケアセンターが面接のために家に来た。

最初私が最近の症状を伝え、ジェンギンスと面接した。

さっそく、担当者の前で臆面もせず歌っている。
挙句に、担当者をからかうようにおしゃべりが続く。 その女性をきれいだとか言ってほめる。
スーザンと担当者がまじめな話をしているときも一人でおしゃべりが止まらない。 おかしいよ。
あたま、おかしいよ。

担当者が私にその場で言った。

『 これは興奮状態です 』

なるほど、酒によったように歌を歌ってからかって
饒舌になっている。

担当者は、前々から安定剤を辞めていることが納得できないらしいことが、言葉の端々から伺えるんかけれど、今回おっしゃるには、続けていた薬をやめたことによって、興奮がでているんじゃないかと言う。

そして、アリセプトを飲んでよくない症状が出ている人がいると聞かされた。

ジェンはアリセプトだけは続けている。
脳への血流をよくするらしいけど、ジェンはまったく血が通っていないのでこれも怪しい薬だ。
アリセプトで血流は復活するのだろうか?
・・・・復活の期待は無理で、現状維持とか言ってたかな。。。

あすも、歌か。。。。
熱唱きわまりなくてさすが

あきれた。   だれか、助けて!!


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アルツ悪化

2004-12-15 22:47:07 | 介護
12/15 アルツ悪化
ジェンギンスの大好きな大好きなチョコパンが外国留学を終えて3日前に帰国した。
チョコパンは明るくて元気で良く喋るの楽しいやつなので家の中が一気に明るくなる。

おかげで呆けてる暇もなくたのしく過ごしていた。
そして、家族の名前をおぼえていないのに、チョコパンだけは名前を呼んで話している。
一緒に歌を歌ったり冗談を言ったり、実に楽しそうだ。

そして、12月15日水曜。

先に夕食を済ませたジェンは私たちの夕食テーブルに同席してテレビやお喋りを楽しんでいた。

そしたら、急に始まった。

『 馬鹿は死ななきゃ治らない。』
『 馬鹿は死ななきゃ治らない。』

馬鹿とはつまり、私たちのことである。

『 お前ら、早く帰れよ!』
『 常識ってものを知らないのか!
 自分のうちで飯を食えばいいだろ、親が居るんだ  ろ! 誰にでも聞いてみろ、先生に聞いて見ろ。』

とにかく、人の金を頼りにしているひとをばかびしているようだ。
一体、誰だと思って居るんだろう。
そのむかし、ソウトウ信用していない人物が居たようだ。
それにしても、意地の悪い、嫌味ないい方をするから、呆けていると分かっていても傷つくんだ。

チョコたちが早々に食欲もなくして2階へ上がってしまった。

わたしは、『 なんて可愛そうなことを言うの?』
と、思わずいった。
『ここは誰の家だと思ってるんだ、誰がたてたと思ってるんだ、誰にでも聞いて見ろ、大工にきいてみろ』
何を言ったって、聞く耳は持たないし、反発甚だしい。 いつもは自分の家が分からないくせに、今日は自分の家には誰も寄せ付けないぞと言う強硬な態度。 何をこんなに強くおびえているんだろう。

スーザンはたまらなくなって家を出ていってしまった。
わたしたちも、2階に避難した。
鍵をかけて耳を澄ませていた。
何度も上がってきて鍵を開けようとして怒っていた。 でも、軍歌は歌っていた。
もう数日ずっと歌っている。

安定剤も飲んでいないのに今日は錯乱だ。

私たちは誰なんだろう?

1時間以上たって、うっかり、ドアの鍵を開けておいたら、あ~~ジェンギンスが入ってきました。

あの、おそろしい、言葉の暴力が降りかかると思って

『 ここは、わたしが戸締まりしたからいいよ~、
 階段気を付けて、危ないよ~』
と言ったら、

『 みんな、ここにいるのか?
  ゆっくりすればいいよ。 
 そうかそうか。 』
と、回復してた。

こんなに、やさしくなるなら、さっき、ドアに鍵をかけて閉め出したのは悪かったと思う。でも、さっきは錯乱中だったはずで、錯乱か、回復かは、読めないよ。

どんなに、やさしくしても、混乱中は手が付けれないんだから。

チョコパンはジェンギンスの混乱をはじめて見て食欲を無くしていた。 可愛そうに。

そして、つぎのあさ、デイサービスへいくカバンが
どんなに探してもなくて、ハンガーに洋服と一緒にツルしてあるのを発見して、あとからカバンを届けた。

1年前に無くなって警察にまで届けた私の財布もジェンの洋服ダンスから出てきた。
だいぶ探したんだけど、ポロっと出てきた。

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アルツハイマー

2004-12-10 00:50:59 | 介護
12/10アルツハイマー 私がジェンギンスに今日遇っている限り、彼はずっと軍歌を歌っていた。
永遠に歌っていた。
ご機嫌はいいんだろうが、永遠なる軍歌だ。

足の爪がたいそうに伸びているので、自分で切ってもらった。 老眼鏡と立派な爪切りをジェンに渡して椅子からおろして床に座らせ、自分で切ってもらう。
・・・駄目だよな~私。
この神経質さはどうしょうもない。。。
人の足を触れないんだ。
人が触ったパンも食べれない。
人がたたんだ洗濯物も嫌だし、
・・・でも頑張ってるんだ。
ジェンギンスが薬のクリームをなめちゃった時、即時にくちの中に手を入れてクリームを掻き出したし、5月にジェンが食中毒だったとき吐物が私の手にカカッタってジェンを必死で支えたさ。
・・・
老人介護を仕事としている皆さんを私は尊敬します。他人の老人のお世話は本当に大変なお仕事です。

そして足の爪切りは、目も不自由で体に柔軟性も無いので、とてもやりにくそうでしたが、ジェンは自分で頑張ってくれました。
魚の目もできていて、触るといたいと言っています。
でも、かれは薬を付けても絆創膏をすぐに取ってしまうので治療が出来ません。

私の知る限り、こどもは、本のカバーをハズしてしまうし、人形の服は脱がせるし、取れる物は取るのだ。 そしてジェンもこの子ども達と一緒ではずせる物は全て取り去ってしまう。

今までで困ったのは、入院した時の点滴を外してしまうことだ。 あとは、場所探知機のピッチを身につけることが出来ずにポケットからも、首からも、ベルトからもどこに付けても無理やり外してしまう、ときには投げ捨ててしまう。
・・・だから、なんど迷子になったことだろう。
毎月、ドコモに使用料を支払ってはいるものの、役に立った試しがない。
。。。デカスギルンダヨ!!
もう少しアルツの気持ちを勉強したほうがいいよ。

3日前の新聞によれば、場所探知が間違っていたためにお年寄りが亡くなったんだって。
そういえば、私の携帯の位置情報も、ずっと渋谷の自宅にいるのに、中野区の3キロ先になってることがあるもんね。 おかしいよ。 改善しないとまた誰か死ぬ事になる。 
東京の人は人が倒れていても知らんぷりだから、うちのジェンが倒れていても誰も助けてくれなかったんだ。。。
中野消防署の前で倒れてやっと消防隊に助けてもらった。 飲まず食わずの炎天下の8月丸3日目にやっと保護された。

徘徊老人に対する対応は今の世の中にしれていない。 どうしたら世間の人は徘徊者を一刻も早く救ってくれるだろうか。
たくさん、亡くなる人が出てくると、若い人たちに呼びかけてくれるんだろうな。

★ お年寄りに何かを尋ねられたら、一緒に行動してあげたい
口で言っただけじゃ、忘れてしまうんだ。
うちのジェンみたいに、まったく正常に見えるけど海馬が全滅してると、交番で道は聞くし、切符の買い方を聞くけど、そのあとまた放浪が始まってしまうんだ。 ひとと、コンタクトを取れたその時点でだれかがアルツだと言うことに気が付いてくれたなら
救えたのに、と思う。
切符の買い方を聞かれた時に終電になるからタクシーをすすめてくれる人がいたら家に帰れたのに。。。と、アルツは人の温かい助けがないと一人では生きていけないんだ。

正常な気持ちで生きているから、名札も付けれなのだから、アルツの証明みたいなワッペンが開発されないだろうか。
これを付けている人が歩いていたら、家へ連絡できるような物が開発されないだろうか・・・

今度、どこかに提案してみよう。

★ 人が倒れていたら
  《 大丈夫ですか?》 と言ってはいけない。
  ひとはたいてい《大丈夫》と答えるし、お年寄りは我慢強いからきっと、《大丈夫》と言う。

 《 どうしました?》 って わたしは聞きます。


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アルツ・ジェンギンス夫婦の記録

16年間アルツハイマーと戦った父ジェンギンスは2008年2月14日に亡くなりました。壮絶介護→施設入所→胆管癌による死。大切な父の最期の介護記録をここ残しました。 そして、夫を亡くした母は初期認知が進行中です。 年寄りと暮らす苦労を記録中。