アルツ・ジェンギンス夫婦の記録

重症アルツで亡くなった父の記録と現在100歳の母と高齢者みるきーの記録。

今日も面会

2007-01-28 15:15:28 | 介護
/28 今日も面会

私はセキの発作がひどく、鼻が出てくしゃみが出て、喉が痛くてぜんぜん治りません。 今日で6日目で全く良くなりません。
それでもジェンギンスの面会に行って何か食べさせてあげないと餓死してしまいます。

そしたら、ふらふらの母が一人で行ってくるというのです。

1月に入ってから母はめっきり元気が無くて具合が悪いのですが、一人で電車に乗って行ったのです。

バナナと蒸しパンを切って持たせたら、
飲み物も持っていくと言うので、使い方を説明して、重くなったけど、がんばって出かけていきました。

くれぐれも、ジェンギンスに 「 ああしろ、こうしろ、」と言わないように言い聞かせました。
夕方5時母帰宅。

ジェンギンスの機嫌が悪くなってしまって言うことを聞かなくなったそうです
今までご機嫌のジェンギンスが怒るなんて、絶対に母が何か指図したに違いありません。

母は絶対に何も言っていないと言い張ります。
そして、夜になって母が思い出しました。
体にクリームを塗っている時、そのクリームを食べそうになったので
それを取り上げたそうです。

それです!

母はおとなしく取り上げるわけ無くて、何かジェンギンスの気に触るいい方をしたんでしょう。

せっかく、面会に行ったのに、ジェンは怒っちゃったのです。

昨日の面会の時は、拘束つなぎを脱いでいて、トイレもチョコパンがスタッフに無事引き渡したので間に合いました。
も、今日はジェンギンスがトイレを訴えても母はすぐに行動できず、うまくいかなかったそうです。

母が介護士さんにぐちゃぐちゃ説明したので、とうとう介護つなぎを着せられてしまいました。

母は、とっても頭のいい人だったのですが、この頃きちんと説明する事ができなくなりました。余計な事をいっぱい付け足すので本来何を言いたいのか伝わりません。

ジェンギンスは今日、テーブルに寝てしまったり、テーブルから降ろすと、足をテーブルに乗せたりと、お行儀が悪かったようです。 力も強く、抵抗して、介護士さんは二人がかりで世話をしていたようです。

母は、「 施設に入れてかわいそうだと思っていたけど、以前とぜんぜん変わっていなくて、とうてい家じゃ見れないと、つくづく感じたわ 」 と言ってます。

そんな気持になれたなら良かった。
施設にいれて、そのうち亡くなったら
私たちは後悔の塊です。

ジェンが興奮する時があるなら、
今、老健を探しているけれど、それは無理だ。 問題症状があったら老健はなかなか無理だ。

今のままであと3ヶ月入院し、近所の特養に空きが出てくれると一番良いと思う。
でも、空きは当分無いんだって。

いくら聞いても、あと何番なのかを教えてくれません。


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おやつ面会

2007-01-27 15:34:49 | 介護
1/27 面会



今、NHKで認知症のテレビを見ましたが、

感想は沢山あります。

① 認知症家族介護者の経験不足

② 認知症施設介護者の経験不足

③ 世の中が手探りの状態

④ タレントゲストの無知

・・・誰のせいでもなく、日本全体が経験不足の病気で、今、この介護が展開されつつ有るけれど、何人も見送ってこそ生かされる経験だから、日本の世の中に正しい知識がもたらされるのは、何十年も先の話しだ。

将来「 昔の認知症介護はひどかった」っていわれているその昔が、今です。

さて、

水曜日から、平成13年以来の風邪引きとなった私は、今日の土曜日になっても
一向に咳き込みがひどく、咳をしすぎて気絶するんじゃないかと思えるほど、変です。熱や頭痛やだるさは無いので元気なのが救いです。

したがって、ジェンギンスの病院へも全然行けません。

先週の土曜に、これからはちょっとでも食べ物を口に入れてあげないとかわいそうだと思い、通いたかったのだけれど、仕事と家事の両立ができず、悔しいです。


今日の土曜は、孫のチョコパンが一人で会いに行ってくれました。
いい子に育ってくれました。ほんと、有り難いです。

母がアメ横で買ってきた高級ココアをつくり、チーズ蒸しパンとかゆみ止めの薬と着替えの下着を持って出かけていきました。

私が風邪をひいているので、ジェンギンスの様態を心配しましたが、歌を歌ったりココアを飲む写メールが送られてきて安心しました。

ココアは500cc全部飲んでしまったそうです。
蒸しパンは、少しずつ隠れて食べさせていたのですが、チョコパンがよそのお年よりのお世話をしている間に、バッグから取り出して堂々とむしゃむしゃと全部食べてしまったそうです。

今日も、お腹が空いていたのですね。施設の介護士さんはお年よりの
「 何も食べていない 」「お腹がすいた」の言葉に慣れているでしょうが、私たち家族は十分お腹いっぱいにしてあげたいのです。

どこの老健でもおやつが出るのに、この病院はどうして出ないのでしょうか?
みんな、お腹が空いたと言っているのにどうしてでしょうか?
栄養士さんのせいでしょうか?

だれか、強く言ってくれる人が居るといいのですが、わたしも小市民です。



~~~~~
さて、今朝私は大変驚きました。

毎朝起きて階下へ行くと、たいてい母が朝食のパンを食べていたりします。
でも今朝は、食べかけでテレビも付いているし、ストーブも付いていました。

母は階下のトイレに入っている様子でした。 いつも開けっ放しのトイレが閉まっているし、電気も点いています。
わたしは風邪を引いているから、2へ上がって朝食です。

30分位して確認すると、トイレは電気がまだ付いているし、母は部屋に居ない!
トイレで寝てしまったのだろうか?
昨日胃のバリウムを飲んだからうなってるのだろうか?

死んでるんだろうか?
ドキドキしました。
毎日母が生きているか心配しているのです

わたしがそこで何をしたかというと、
化粧と着替えです。
したくをしながら、もしもトイレで倒れていたら、あの人に電話をして、次にあれをして、これをして近所のあの人だけに知らせて、
親戚には知らせないで、
私も、姉もひどい風邪だから葬儀はなるべく先に延ばして、
故人の遺志を継いで・・・
普段から世話を掛けずに死にたいと言っているので、この30分の救出の遅れは後悔しないと心に決めて。



そして、トイレのドアをノックした。

返事がない。

中に母が居るならドアの鍵がかかっているハズです。
ドアが開きますように。。。と祈ってドアをひいた




開いた。



ホッとした。

中に母はいなかった。 よかった~
ドアはめずらしく閉めたけど、電気は付けっぱなしだったんだ。
しばらくして、母の家の電話が下で鳴っていた。

母からだった。
私の家の電話番号を忘れてしまっているんだな。
○○病院に居るそうだ。

なんだかんだ、すったもんだいろいろで
母は、膀胱炎になりそうだから、その大昔にかかったことのある、救急病院に行ったそうです。
でも、膀胱炎はもう1週間も前からいつもの病院で治療しているはずです。

処方された薬は
総合風邪薬と抗生物質クラリシッド2錠とバップフォ20 の3種類

膀胱炎は沢山排尿しなければいけないのに、バップフォで止めちゃって良いのでしょうか?
先生は「 縮まった膀胱を広げる薬」だと言ったそうです。
膀胱炎で血尿もある時に、バップフォーは飲んでも大丈夫でしょうか、飲むべきでしょうか?
私には解らない。
 あとで、検索してみよう。


今日、母の歩き方が変だった。
足の裏全部で歩いている。

膝を曲げないで小刻みに足の裏全部をいっぺんに地面につけて歩い パーキンソンがとうとう出たかなぁ。

だけど、私がマスクをして咳き込んでいるから、母はお茶碗とか自分の分を洗っています。
自分のことはなるべく自分でしようと努力をしてくれています。

口うるさいのは、変わらないです。
わたしの家族に「 早く帰ってこい」と言います。
わたしは、そんなプレッシャーな言葉を言って育てるつもりはありません。

男も女も一歩外に出たら、ゆっくりしてこいよ。
人生はあっという間に終わるんだから

・・家族共同生活はなんとも難しい。

いろんな、立場や役目がある。


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1/27 チョコパンが面会

2007-01-27 00:24:37 | 介護



作成日 | 2007-01-27

アクセス数 | 183        推薦数 | 0

カテゴリー | 日記 > 生活 > 美容/健康/コスメ

今、NHKで認知症のテレビを見ましたが、

感想は沢山あります。

① 認知症家族介護者の経験不足

② 認知症施設介護者の経験不足

③ 世の中が手探りの状態

④ タレントゲストの無知

・・・誰のせいでもなく、日本全体が経験不足の病気で、今、この介護が展開されつつ有るけれど、何人も見送ってこそ生かされる経験だから、日本の世の中に正しい知識がもたらされるのは、何十年も先の話しだ。

将来「 昔の認知症介護はひどかった」っていわれているその昔が、今です。



さて、

水曜日から、平成13年以来の風邪引きとなった私は、今日の土曜日になっても

一向に咳き込みがひどく、咳をしすぎて気絶するんじゃないかと思えるほど、変です。

熱や頭痛やだるさは無いので元気なのが救いです。



したがって、ジェンギンスの病院へも全然行けません。

先週の土曜に、これからはちょっとでも食べ物を口に入れてあげないとかわいそうだと思い、通いたかったのだけれど、仕事と家事の両立ができず、悔しいです。



今日の土曜は、孫のチョコパンが一人で会いに行ってくれました。

いい子に育ってくれました。ほんと、有り難いです。



母がアメ横で買ってきた高級ココアをつくり、チーズ蒸しパンとかゆみ止めの薬と着替えの下着を持って出かけていきました。



私が風邪をひいているので、ジェンギンスの様態を心配しましたが、歌を歌ったりココアを飲む写メールが送られてきて安心しました。



ココアは500cc全部飲んでしまったそうです。

蒸しパンは、少しずつ隠れて食べさせていたのですが、チョコパンがよそのお年よりのお世話をしている間に、バッグから取り出して堂々とむしゃむしゃと全部食べてしまったそうです。

今日も、お腹が空いていたのですね。

施設の介護士さんはお年よりの

「 何も食べていない 」「お腹がすいた」の言葉に慣れているでしょうが、私たち家族は十分お腹いっぱいにしてあげたいのです。



どこの老健でもおやつが出るのに、この病院はどうして出ないのでしょうか?

みんな、お腹が空いたと言っているのにどうしてでしょうか?

栄養士さんのせいでしょうか?

だれか、強く言ってくれる人が居るといいのですが、わたしも小市民です。



~~~~~~



さて、今朝私は大変驚きました。



毎朝起きて階下へ行くと、たいてい母が朝食のパンを食べていたりします。

でも今朝は、食べかけでテレビも付いているし、ストーブも付いていました。



母は階下のトイレに入っている様子でした。 いつも開けっ放しのトイレが閉まっているし、電気も点いています。



わたしは風邪を引いているから、2へ上がって朝食です。

30分位して確認すると、トイレは電気がまだ付いているし、母は部屋に居ない!

トイレで寝てしまったのだろうか?

昨日胃のバリウムを飲んだからうなってるのだろうか?

死んでるんだろうか?



ドキドキしました。

毎日母をさがしてドキドキしてます。



わたしがそこで何をしたかというと、

化粧と着替えです。

したくをしながら、もしもトイレで倒れていたら、あの人に電話をして、次にあれをして、これをして

近所のあの人だけに知らせて、

親戚には知らせないで、

私も、姉もひどい風邪だから葬儀はなるべく先に延ばして、

故人の遺志を継いで・・・

普段から世話を掛けずに死にたいと言っているので、この30分の救出の遅れは後悔しないと心に決めて。



そして、トイレのドアをノックした。

返事がない。

中に母が居るならドアの鍵がかかっているハズです。

ドアが開きますように。。。と祈って

ドアを引いてみた。。。



開いた。



ホッとした。



中に母はいなかった。 よかった~

ドアはめずらしく閉めたけど、電気は付けっぱなしだったんだ。



しばらくして、母の家の電話が下で鳴っていた。

母からだった。

私の家の電話番号を忘れてしまっているんだな。

○○病院に居るそうだ。



なんだかんだ、すったもんだいろいろで

母は、膀胱炎になりそうだから、その大昔にかかったことのある、救急病院に行ったそうです。



でも、膀胱炎はもう1週間も前からいつもの病院で治療しているはずです。



処方された薬は

総合風邪薬と抗生物質クラリシッド2錠とバップフォ20 の3種類



膀胱炎は沢山排尿しなければいけないのに、バップフォで止めちゃって良いのでしょうか?

先生は「 縮まった膀胱を広げる薬」だと言ったそうです。

膀胱炎で血尿もある時に、バップフォーは飲んでも大丈夫でしょうか、飲むべきでしょうか?



私には解らない。

あとで、検索してみよう。



今日、母の歩き方が変だった。

足の裏全部で歩いている。

膝を曲げないで小刻みに足の裏全部をいっぺんに地面につけて歩いている。



パーキンソンがとうとう出たかなぁ。



だけど、私がマスクをして咳き込んでいるから、母はお茶碗とか自分の分を洗っています。

自分のことはなるべく自分でしようと努力をしてくれています。



口うるさいのは、変わらないです。



わたしの家族に「 早く帰ってこい」と言います。

わたしは、そんなプレッシャーな言葉を言って育てるつもりはありません。



男も女も一歩外に出たら、ゆっくりしてこいよ。

人生はあっという間に終わるんだから



・・家族共同生活はなんとも難しい。

 いろんな、立場や役目がある
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1/24 老健探しで寝てません

2007-01-24 00:18:45 | 介護



1/24 老健探しで寝てません

作成日 | 2007-01-24

アクセス数 | 149        推薦数 | 0

カテゴリー | 日記 > 生活 > 美容/健康/コスメ


もともと、こういう施設探しみたいなことが好きなモンだから、

楽しく老健を探すのです。



あと、3ヶ月あるいはそれ以上今の病院にお世話になっても良いのですが、



どうも引っかかる所があるのです。



★ あまりにお腹が空いている。

★ 上着を着ないので寒がる

★ 入れ歯を入れないので

   主食は全粥



たったそれだけの事ですが、

お願いしても解決されず

かわいそうでたまらないので

他の施設を当たってみてます。



~~~~~~~~



多くの施設は、食事は2時間以内で下げるようです。

そこで、下げたまま朝まで空腹で過ごさせる施設と、高カロリージュースを与えてくれる施設と、特別に家族からの夜食を受け付けてくれる施設がありました。



また、ある施設は、「 老人ですから、カロリーは家にいる時よりもかなり低くしてあります。 お代わりもできませんし、大盛もできません。」と言っていました。



うちのジェンギンスは、いっぱい食べて元気を付けていた人ですから、十分に食べさせたいです。

「 おいしい、おいしい 」 って食べさせたいです。

だって、ほかに何の楽しみがあるでしょう



あとは、相談員さんと話していて

進行した認知症を理解していない言葉があったりすると、わたしはその施設は利用しないことに決めています。



やっぱり、認知症専門棟でないと絶対にだめです。



よその認知掲示板で

認知を理解していないためにイライラしてるご家族がたくさんいますが、それは、初めて経験する認知症でどうしょうもありませんが、

そんな風に、介護士でありながら重症認知を受け入れずに介護しているのは、文句がでるので良くないです。

うちは今までどんなに、文句や報告を受けたことか測りしれません。

でも

認知病棟の介護士さんというのは、全てを受け入れてくれて安心出来ます。

うちのジェンギンスよりもっと重症の人を介護しているので、手際が良いです。

失敗があっても、暖かく許してくれる点が嬉しいです。



重症って言うのは寝たきりとかの症状のことではなくて、

問題行動のある重症認知障害って言う意味です。



こういう重い認知障害を持った年寄りを

受け入れてくれる施設はなかなかありません。

たいていは、

問題のある行動をする場合はお断りです。



それで、東京都では39箇所の認知専門病棟があるんだけれど

うちの近所の渋谷新宿中野杉並には、認知老健はありません。

23区から離れると環境の良い病院附属老健が沢山あります。



それで、迷うのです。



今のところ、母が面会に行ける範囲の老健を頭に入れないといけないのです。

電車の乗り換えが少なく、階段が少なく、

駅から近く、、、そんな条件の良いところは限られます。



もう、いろいろなことが

頭の中を駆けめぐります。



★ だったら、車を買おうか

★ 今の病院のままでいいか

★ 面会に行けるのは私しかいない

★ 面会と仕事の両立ができません

★ 



とにかく、147箇所の老健の資料をじっくり眺めて検討中。

×付けたり、○付けたり、マークだらけになってきました。



いろいろ検討して思います。



家に置いておいて、過保護に面倒みてあげたい訳です。

人任せは、どうも納得出来ない性格なのです。



父と2人暮しだったら

わたしはきっと、仕事を辞めて

面倒を見てあげることと思う。

父の年金で暮らしていける。



家族が居るっていうのも

大変な事よ。



これを読んで、「うちの老人が利用している施設は良い施設だわ」って思った人はたくさんいると思うけど、宿泊施設に長くいると、お年よりの苦痛が見えてきて、結構悲しいです。
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面会出来た

2007-01-20 00:17:01 | 介護


2007-01-20

アクセス数 | 147        推薦数 | 0

カテゴリー | 日記 > 生活 > 美容/健康/コスメ


寝ているジェンギンスに、お世話好きのおばちゃんが話しかけてくれます。



昨年12月29日から病棟で病人が多く出たので面会が禁止になってました。

わたしは、面会禁止でありながら新年にジェンギンスに付き添ったので1月5日から会っていません。



電話での問い合わせにてやっと面会が許され

今日の土曜に私が一人で病院に行きました。



病院に入院しているというと、

まるで入院していると思っている人がいるかも知れませんが違います。



特養や老健と同じ健康な人が入る施設です。 たまたま名前が病院であって、病気入院の時は病気病棟に入院するんです。



男の介護士さんがたくさんいて、

女の看護婦さんがたくさんいて

担当医師が決まっていて、

ケースワーカーにケアマネージャ

たくさんいて、、、

しっかりした施設だと感じます。



ジェンギンスの特殊な病状のせいで

病院が行き届かないように見えますが

行き届かないです。

それは、どこの施設も同じなのかどうなのか、、解らないことです。



~~~~~~~



私一人で面会に行きました。



1時半到着のつもりが

部屋でウダウダして

また、いつもの1時42分の急行でした。

どうやら、毎回ウダウダして30分ぴったり

遅刻をする私です。

驚くほど大変時間に正確な自分です。



病棟に到着すると

ジェンギンスは、床に座っていました。

私が大声で

「 立つよ!! せーのー!!」って

一人で支えて立たせたら、遠くから介護士さんが誰かの介護をしながら

「 どうもすみませ~ん」 って言ってました。



床に座るって事はありえないので

歩いていて、倒れたのでしょう。



3週間もベッドに固定されていたんですから、歩けないでしょう。

食事の時はロビーに出てきていたんだとは思うけど、事実は恐くて聞けません。



ソファーに座って、ジェンギンスにいろいろ質問しましたが、元気そうです。



来る途中で買った蒸しパンをあげたら、

必死で食べました。

もっと、もっとと言って食べたがりました。

皆さんが座っているロビーなので人目を気にし、

一口ずつ、口に入れてあげました。

すごく食べたがりました。

お腹が空いているんです。



看護婦さんから言われたのですが、

靴の中敷きのゴムをむしって食べたそうなので、靴の中敷きは看護婦さんの手によって、むりやり剥がされていました。



お腹が空いているんです。

もう3ヶ月半も全かゆの食事でかわいそう。



ココアも持参したので

飲ませました。

2時半になったら、病棟ではお茶が配られました。

「 まずいなぁ 」 とジェンギンスはお茶を飲んで言っていました。

ココアをあげると、「 うまいなぁ 」といいます。

甘い物が好きなんです。



飴を舐めさせたのでは、のどにつかえるので、今日は旅行で購入してきた△のホワイトチョコレートを舐めさせました。



舐めるとチョコのにおいがプンプンしました。 直後にトイレに行きたくなって

介護士さんに誘導してもらいました。

介護士さんはマスクしてたかなぁ、

ジェンからはチョコのにおいがしたはずです。



ジェンは寒い寒いと言いました。

私のマフラーとコートを掛けてあげました。

家で、厚着の習慣があったので

下着1枚と拘束着1枚は寒そうです。



そのうち、ソファに寝てしまいました。

どうしたんでしょう、

本人はだるくないし、気持も悪くないと言いますが、寝てしまうんです。



もしかしたら、3週間横に寝かされていて

からだが寝たいのでしょうか?



そしたら、介護士さんが

たらいにお湯を持ってきてくれて

足湯に浸からせてくれました。



気持が良いはずですが、ジェンはびっくりして怖がっていました。

足の指1本ずつほぐしてくれましたが、ジェンは痛がりました。



痛いのは無理して指圧してはいけないのだと教えてくれました。

足湯のあとは、ベビーオイルを付けてくれるそうですが、私がウレパールを持っていたので私が付けました。



私はきょう一人だったので

ゆっくり病棟にいたのですが

看護士さんは休む暇もなく

一人一人のお世話に飛び回っていました。

本当に!!大変なお仕事です。

感謝します。



いつもの顔ぶれの患者さんがホールにいましたが、この3週間の事態で

みんなおかしくなっていました。



2ヶ月間歩き続けたおじさんは、車椅子に固定されて動けません。



いつも、絶対にじっとしていた車椅子の一人のおじさんが、その歩くおじさんに車椅子の使い方を教えていました。


歩くおじさんは、理解出来ませんでした。

わたしも、あとで、「 足をこうやってみ!!」って足踏みして大声で指導したので、半身不随で喋れないおじいさんに笑われました。



ジェンギンスがソファで寝ちゃったので

わたしは、みなさんの御相手です。

みんな、喋る喋る。

呆けてなんかいませんよ。

ちゃんと喋るんです。



私が大げさにニカニカ笑うと、喋れないおじさん達もみんなニカニカ笑ってくれます。

あまりにかわいいから、肩をもんであげました。

歯に何か挟まったと言うお婆ちゃんには

「 無理に取ろうとすると、ぽっ~~ん!!

って、歯が㌧でッチャうよぉ!!~」って

デカイ声で大げさに言うと、喋れないおじさんも大笑いで、またっく自分の2重人格に呆れながら、呆けた人を相手に呆けるわたしで、えらいもんですよ。



そうこうしていたら、自分の物が解らなくなったおばちゃんと誰かが喧嘩してエプロンを取り合っているので、仲裁して

おばちゃんをこっちに呼んで。



呆けても、ある性格は保たれると

つくづく思う。

上品に喋るかた。

下品に喋るかた。

上品な顔つきを保っているかた。

挨拶をきちんとするかた。

批判ばかりしているかた。

文句ばっかりいってるおばさん。



ほんと、毎日の生き方を

いまからきちんとしておかないと

呆けてから本性が出るんだ。



いい人だったって

最後でわかるんだ。

人格を失ってやっと

その人の良さが見えてくるんだ。



わたしは、残された父の人生を

幸せにしてあげることが

できるだろうか。

時間が足りない。



ほんとに、足りない。



自分の家族との暮らしを守りつつ

両親のめいっぱいの幸せを作ってあげることが、難しくて



後悔の無い介護をしなくちゃいけない。
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アルツ・ジェンギンス夫婦の記録

16年間アルツハイマーと戦った父ジェンギンスは2008年2月14日に亡くなりました。壮絶介護→施設入所→胆管癌による死。大切な父の最期の介護記録をここ残しました。 そして、夫を亡くした母は初期認知が進行中です。 年寄りと暮らす苦労を記録中。